ACE COMBAT Skies Rewritten 作:遠い空
[1995年4月2日2000時/サンド島基地/作戦会議室]
「みんな飯は食べたな。では、話を聞いてくれ。」
ハーバード基地司令官は壇上に立って、ウォードック隊員に国防空軍本部からの通達を伝える。
内容は、シーサーペント作戦でオーシア空軍の前線戦力に損害が出たため、その補充の話だった。しかも、艦隊防衛戦に特化した部隊が欲しいとのことだった。
その戦闘に特化した部隊はウォードックということを、空軍本部長のスミス航空参謀は知っていたためウォードックに通達したのだった。
「なるほど。東海岸に異動というわけだな。で、どこに行けばいいのですか?」
ジョンソン大尉がハーバード基地司令官に質問する。
「目的地はオーシア第3艦隊の空母ケストレルだ。君たちのF-14Dで空中給油を繰り返して移動してくれ。着替えなど個人的なものは基地にあるC-2艦上輸送機を使って移動する。」
ハーバード基地司令官は目的地と移動手段を伝える。
「C-2は早めに出発する予定だ。とは言え、速度的には君たちの方が早く空母に到着するだろう。C-2は明日の0700時には出発する。君たちは明日の0900時に出発してくれ。」
ハーバード基地司令官は出発時刻を伝える。
「了解しました。それでは、私たちは荷造りをしたいので失礼します。」
ジョンソン大尉はそう言ってウォードック隊員と共に部屋を出た。
[1995年4月2日2010時/サンド島基地/共同部屋]
二段ベッドと机、ロッカーがある共同部屋は2人1部屋という使い方をしている。
この部屋はジョンソン大尉とバートレット中尉が共同で使用していた。
なぜこの2人なのか?それにはちゃんとした理由があり、問題児であるバートレット中尉の監視をジョンソン大尉がしているためである。
「異動なんて滅多にないのに、東海岸に異動だなんてビックリだなぁ、隊長!」
バートレット中尉が荷造りしながら喋る。
「あぁ、そうだな。だが、それほどヤバイ状況ってことだろうな。ベルカ空軍はかなりの強者と聞いたし。」
ジョンソン大尉はバートレット中尉の話に応える。
「なぁにがベルカ空軍だ!そんな奴ら、1機ずつ俺たち4人で叩けば楽な話じゃねぇか!」
バートレット中尉はポジティブに応える。
ちなみに、バートレット中尉が隊長であるジョンソン大尉にタメ口なのは、別に深い意味があるわけではない。
かつて、ジョンソン大尉はこのことを指摘したが、本人は治すつもりはないらしく、ジョンソン大尉は仕方なく大目に見ていたのだ。
「フッ、ブービーの話を聞いてると、真面目に考えるのが馬鹿らしくなってくる。お前のそういうところ、悪くないぜ。」
ジョンソン大尉は少しホッとした気持ちになった。
「へっへっへ〜、そんな褒めないでくれよ〜。」
バートレット中尉は喜ぶ。
「馬鹿野郎、褒めたわけじゃないぞ。あと、あっちについて問題行動起こすなよ。前なんか、喧嘩沙汰になって大変だったんだからな。」
ジョンソン大尉はバートレット中尉に注意する。
「あいよ、わかってるって!」
バートレット中尉は元気に応える。
「ところで隊長、未来人の連中と色々話をして思ったことなんだけどよ、あいつら信用してもいい感じだと思わねぇか?」
バートレット中尉がランニングを畳んでいるジョンソン大尉に未来人について話す。
「俺もそう思う。彼らと話して悪い奴らとは感じなかった。未来で何があったか知らないが、未来を変えたいという意思が伝わった。」
ジョンソン大尉は畳んだランニングをバックに入れ、バートレット中尉の顔を見て再び話す。
「しかし、彼らに逆らわない方がいいだろう。オーシア人とユーク人の混成組織のようだが、俺たちが敵になっても容赦しないだろうな。」
「なんでそう思うんだよ?いい奴らばっかじゃねえか。」
バートレット中尉はジョンソン大尉の発言に疑問に思っているようだ。
「未来を変えるためには、たとえ祖国だとしても手を出すってことさ。今のオーシア軍部はタカ派の連中ばかりだ。平和を乱す政治家どもが多いってことだよ。」
ジョンソン大尉が理由を話す。
「なるほどな…。そりゃあ、納得いくぜ。でもよ、あいつらがクソみてぇな政治家どもに手を出してくれりゃあ、俺は嬉しいぜ。好戦的な考えは嫌いなんだ。俺だったら、軍部の命令なんか無視して、未来人に加勢するぜ。」
バートレット中尉は納得しつつも自分の意見を話す。
「なかなか凄いことを言うな。でも、今は軍部の命令に嫌でも従わないといけない。あくまで今はな。」
ジョンソン大尉は表面上は軍に忠誠を尽くしている。
しかし本心は今の軍のやり方、特に兵士は使い捨ての道具、戦争から利益を求めようとする考えに反対している。
しかし反旗を起こすことはできないため、今はこうしているのだ。
「隊長が軍のやり方に反対してるのはわかってるぜ。でも、未来人がいるんだからよ、いっそのこと仲間になりゃあいいんじゃねえか?」
「馬鹿かお前は!彼らはオーシア軍部に反旗を起こすという意思があるかどうかがわからん。ましてやオーシア軍部に反旗を起こすキッカケがない。今は気が熟すのを待つしかないんだ。」
ジョンソン大尉はバートレット中尉に注意しつつ、反旗を起こすことについて慎重に考えていることを話す。
「隊長がそう言うんなら、そうなんだろうな。俺は考えるよりも行動する方がいいと思うけどな。」
バートレット中尉は若干不機嫌になる。
「明日は早い。シャワーに入って今日は休むぞ。」
ジョンソン大尉はそう言って、シャワールームへ向かった。
[1995年4月3日0910時/アークバードⅡ/作戦会議室]
「サンド島からトムキャットが飛んだな。ベレゾフスキー主任の言ってた通り、今は史実通りか。」
ハーバード機長は作戦会議室にあるモニターから離陸するウォードックのF-14Dを見ていた。
「マイクの準備ができました。録音はいつでもできます。」
クルーが録音機材の準備ができたことを報告する。
「ご苦労。では始めようか。」
アークバードⅡがベルカ戦争に介入することは、はじめから決めていたことだった。
しかし、彼らの行動を世界に示すか否かは当初どっちつかずだった。
話し合いの結果、世界に意思を表明することによって、ベルカ戦争に対する抑止力になるのではということになり、表明することにした。
今日は、その表明内容の録音をする予定だ。
録音音声は、もちろん何者かわからないようにするため、音声を変えて編集するつもりである。
ハーバード機長はマイクを取り、要点だけ書かれた紙を持ちながら、演説を始めた。
我々は『愛国軍』。
その名の通り、国を愛する者達で編成された数十年後の未来からやってきた部隊だ。
先ほどベルカに攻撃を行ったのは我々だ。
ベルカは我々の強さを思い知ったと思うが、ベルカのみならず、連合軍に対抗できる武力を保有している。
これ以上、戦争行為を長期化するのであれば、我々はベルカ及び連合軍に武力介入を行う。
我々の目的は、悲惨な未来を繰り返さないこと。
そのために、まずはベルカ戦争の早期終結のために行動する。
もう一度いうが戦争行為の長期化、特にベルカ侵略などと言った行為を行おうとすれば、我々はベルカのみならず、連合軍にも武力介入を行う。
オーシア・ユークトバニアの政治家、軍人どもが考えていることは我々はわかっているぞ。
次に小惑星ユリシーズの完全破壊だ。
ユリシーズは様々な形で未来に災厄をもたらした。
それを阻止するためにも、今は利益の為に争う時ではないのだ。
世界は一つにならなければならない。
明るい未来を創るか、暗い未来を創るか、そこはよく考えて、行動してほしい。
以上で、我々『愛国軍』の声明を終わる。
ハーバード機長の話した内容は録音され、おかしなところがないか確認のため再生された。
「お疲れ様です機長。ちゃんと録音できました。内容も特におかしな点はありません。あとで音声を編集しておきます。しかし、一度も噛まずに話すとは凄いですね。」
クルーは一度も噛まずに話なした機長に驚く。
「なぁに、人前で話すことには慣れている。演説なんて慣れだよ。」
ハーバード機長はクールに話しながらも嬉しい顔をしていた。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
就職活動も終わり、ひと段落したので投稿させていただきます。
活動報告で改めて報告しますが、長い間待たせて申し訳ありません。
これから月1回のペースを目処に投稿しようと思います。
改めてこれからもよろしくお願いします。