魔法少女リリカルなのはViViD Saiyan   作:伝説の超サイヤ人になりたい。

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申し上げます!書き直し版が現れましタァ!
<ダニィ⁉︎




覇王と再戦!!想いを伝えろ、ヴィヴィオの拳!超えてみせる、覇王の拳で!

 そして迎えたアインハルトとヴィヴィオの再戦の日。

 場所はアラル港湾埠頭という人気のない廃棄区画、今や使われていない廃倉庫が幾つも並んだ此処はスバルやノーヴェの様な管理局の救助隊なんかが訓練に使用する場所だ。

 そして集まった顔ぶれは前回と全く同じメンバー。勿論イクサも居る。

 

 観客たる者達と離れた箇所に立つ者は三人。

 一人は此度模擬戦を行うアインハルト・ストラトス、高町ヴィヴィオ。そして今度も審判の役を務めるノーヴェ・ナカジマ。

 ノーヴェに今回の模擬戦のルールを説明を聴きながら静かに佇むヴィヴィオとアインハルト二人をイクサは観察する。結局イクサがヴィヴィオの特訓に付き合ったのはあの一度だけだった。それでもイクサが教えられる事は全て教えたつもりだ。

 

 ノーヴェがある程度の説明を終えて二人から離れるとヴィヴィオとアインハルトの二人が切り替わるのを感じる。

 ヴィヴィオは愛機であるクリスを掲げ、アインハルトは目を閉じて静かに告げる。

 

「セイクリッド・ハート、セット・アップ!」

「───武装形態」

 

 ヴィヴィオは虹の軌跡、アインハルトは緑の旋風。それぞれが自身を表す魔力資質に包まれその姿を変える。幼いながらに端正に顔立ちは凛々しく美麗な女性の貌へ、小さく未発達の身体は成熟した女の体躯に。互いに豊かな乳丘、すらりと伸びた四肢、きゅっと括れた腰回り、健康的で優れた魅力的な肉体は彼女達の未来か、或いは要望(あこがれ)を露わにしていると思われる。

 金色の髪をサイドテールにしたヴィヴィオと、碧銀の髪をツー・サイドアップにしたアインハルト。

 変身を終えて改めて向かい合う。そしてアインハルトが漸く気付く。ヴィヴィオの紅と翠の瞳に前回とは明らかに違う意思の光が宿っている。

 

「……っ」

 

 強い、強く堅い意思が眼光に乗っている。それは前回彼女(ヴィヴィオ)には無いと思っていた信念をギラギラと証明していた。

 そしてアインハルトは心の中で謝罪した、ヴィヴィオに向かって信念が無いと思った事を。彼女には彼女の信念(おもい)がしっかりと存在しているのだと。

 アインハルトは彼女を王だとは思わない、けれど戦うべき相手であると認識を変えた。

 

「……!」

 

 そしてアインハルトの認識の切り替わりをヴィヴィオも感じ取った。前回と違い本気で来ると直感で理解した。それでも尚戦意が揺らぐ事無し。寧ろ更に燃え上がった。

 

(伝えるんだ、私の想いを。一発一発、言葉ではなく一撃(こぶし)に載せて!)

「時間は五分、一本勝負。試合───」

 

 二人のボルテージが上がるのを一番近くにいたノーヴェが理解した。両者気合いは十分。余計な言葉は不要だろうと判断し端的に開始の合図を告げた。

 

「───開始ッ!!」

 

 

 

 

 その試合は驚く程に静かに始まった。

 両者互いに不用意に動かずに探りから入った。一定の距離を保ち、ゆっくりと円を描く様に足を運ぶ。

 

「……」

「……」

 

 そしてアインハルトが仕掛けた。

 

「ーーー!!」

 

 得意の一瞬で距離を詰める覇王流の歩法で接近、解き放たれる右の正拳。両腕を胸の前で交差したクロスガードで防御、重い一撃に揺らぎそうになるのを踏ん張って耐え、続くアインハルトの左拳の突きを右半身を背後へ捻って躱せばアインハルトの左腕の外側から回り込む様に反撃の右フックを放つ。

 

()ッ」

 

 突きに使った左腕をそのまま外へ払ってヴィヴィオの右腕を弾きアインハルトは左拳を放つ。

 

「……!!」

 

 ()()()()()。その動きをヴィヴィオは()()()()()()

 アインハルトの左腕を掻い潜り前へ出る。ヴィヴィオとアインハルトの鼻先が触れ合いそうな程に接近してからヴィヴィオのアッパーカットがアインハルトの顎を()()()

 

「───くっ」

 

 ヴィヴィオの拳は、咄嗟に背後へ跳んだアインハルトの顎先に微かに触れただけだった。だが、掠めただけでも十分。アインハルトは顎を掠めた事で脳が揺れてバランスが崩れる。

 

「……ぅ、ぅぅ」

 

 一歩、また一歩と後ろへ下がる。ふらふらと不安定な後退をするアインハルトをヴィヴィオはじっと油断無く見詰める。

 アインハルトも段々とバランス感覚を取り戻し、首を振って構える。

 

「……何故、追撃しなかったのですか?」

 

 油断や手加減している様に見えないヴィヴィオの様子にアインハルトは純粋な疑問として問う。

 

「私にも、正々堂々と正面から(ぶつ)けたい想いがあるんです」

 

 ぎゅっ、と改めて握る拳。ヴィヴィオの想いを真っ直ぐに伝えられてアインハルトは「愚問でしたね」と答えると口を噤み試合に集中する。

 そしてアインハルトが疑問に思うのは先のヴィヴィオの動き。まるで、そうまるでアインハルトの動きを知っているかの様な動きだ。何故? 何故? 何故何故何故──

 

「次は、こっちから行きます!」

「っ!!」

 

 わざわざ声を掛けてからの突進。アインハルトも思考を切り上げて迎え撃つ。ヴィヴィオが仕掛け、アインハルトが受ける。攻守が反転しアインハルトが攻撃する。重いハードヒッターの一撃にガードしても尚顔を顰める。それでもしっかりと見極める。見逃さない様に集中する。

 そしてヴィヴィオの目が捉える。イクサも認める動体視力を最大限に発揮して()()()()()()()から隙を探し出し一撃(カウンター)を打ち込む。

 

「うぐっ!?」

 

 腹部に入るヴィヴィオの一撃(カウンター)。続けてもう片方の拳が頬を捉え、アインハルトが反撃を繰り出すも苦し紛れと躱され上段蹴りが決まった。

 

「づっ(まただ、また読まれた!)」

 

 

 

 

 

「……へぇ」

 

 ところ変わって観客エリア。周りの人達がヴィヴィオの快進撃に驚き喜んでる中、イクサは冷静に自身がヴィヴィオに叩き込んだ模倣アインハルトの動きを上手く活かしているのを見て感心する。

 ヴィヴィオの教えた事を真面目に受け取り反復練習とイメージトレーニングを繰り返した賜物と言えるだろう。

 だが心配な事もあった。それはイクサが模倣したアインハルトの動きはイクサと戦った時のアインハルトの動きなのだ。あれから幾日も経ち様々な相手と対戦を重ねたアインハルトは間違いなく巧くなっているだろう。それに反復練習やイメージトレーニングをしたのはヴィヴィオだけでは無い、アインハルトも嘗てイクサが見せた防御術を倣い自身の技術に組み込んでみせた。

 イクサの教えた通りにだけに動けばヴィヴィオはまず勝てないだろう。何より、イクサはヴィヴィオに教えていない技が()()()()()()()

 

「さて、決着の行方はいかに?…なんてな」

 

 少しばかり楽しみだとイクサの口端が吊り上がっている事に誰も気付いてはいなかった。

 

 

 

 

 

「ぐ、ぅぅ…ッ」

 

 またも、アインハルトの動きを見抜いて掻い潜りヴィヴィオが一撃入れた。拳だけでなく蹴りも放つが対処され反撃を入れられる。

 

「はぁぁあっ!」

「ッッ、やぁー!」

 

 両者互いに傷付く。ヴィヴィオはアインハルトの重い攻撃をガードする度に防御の上から削られる。対してアインハルトはヴィヴィオの様にガード越しのダメージもあるが大半はヴィヴィオのクリーンヒットが原因だ。

 

「くっ…ッ」

「はぁっ…はぁっ…」

 

 状況的にはヴィヴィオの方が圧倒的に有利な筈なのにヴィヴィオの方が疲労している様に見える。

 ここでもアインハルトにはイクサとの戦いが活きていた。イクサの拳、技術のカケラもない純粋な暴力。ガードしても尚大きく効く連続殴打を受けた経験のあるアインハルトからすればヴィヴィオ一撃は如何(いかん)せん()()()()。一撃だけではない、防御も体幹もアインハルトからすれば軽いのだ。

 

「…!」

 

 ヴィヴィオと拳を交えながらアインハルトは思考を走らせる。何故かは未だわからないがヴィヴィオの先読みにも慣れてきた。そしてこれまでで理解した。

 ()()、それだけ。何か一撃がまともに入れば勝てる。

 

「……ッ!」

 

 決意した。アレしかない、と。

 その為に掴んでみせる、決定的なチャンスを!!

 

 アインハルトが完全に防御に入る。ヴィヴィオの攻めがより苛烈になる。防御すら先読みされガードを抜けてヴィヴィオの打撃が入る。それでもアインハルトはひたすらに耐える。

 

 

 

 

 

「いけー!ヴィヴィオー!!」

「頑張れ、ヴィヴィオ!」

 

 ヴィヴィオを一生懸命応援する少女達の傍でイクサが腕を組んでヴィヴィオを観る。

 

「……うーん(ヴィヴィオの奴、段々攻撃が単調になってきやがった。それに俺の教えた動きに頼り切りにもなってきてるな)」

 

 冷静にヴィヴィオを分析しつつアインハルトの方も観る。

 

(逆にアインハルトの方は、抜かれる覚悟で防御に移った。ああなったアインハルトはかなり堅いからな、これはわからなくなってきたなかもな)

 

 状況は変わりつつあった。

 

 

 

 

 

「てやぁあ!!」

 

 ヴィヴィオの大きく振りかぶった一撃が防がれる。次の一撃も、その次の一撃も、更にその次の一撃も防がれる。

 動きはわかっているのに守りを抜けられなくなってきている。少し焦り出す。そしてその焦りをアインハルトは的確に見抜いていた。

 

「…っ(あと、少し)」

「はあぁ!!」

「ぐっ…(もう、少し!)」

「やぁぁ!!(なん、でっ?)」

 

 ここで、相性と格闘技者としての技術の差が明確に表れていた。

 ヴィヴィオのスタイルは優れた動体視力で見抜き、そこから放たれる一閃が決めての『カウンター・ヒッター』。一方的に攻める戦い方は得意では無い。ならば技術は上であるアインハルトが防御に徹すれば攻めあぐねるのは当然の事、寧ろよくここまで有利でいれたと褒めるべきかもしれない。

 だが焦りは積もり、まだ幼い彼女には小さな焦りと言え失敗に直結する。つい込め過ぎてしまった力、自分のバランスを崩してしまう程に張り切ってしまったヴィヴィオ。その力に乗って距離を取ったアインハルトの足元に緑色の魔法陣が浮かび上がる。

 古代ベルカ式と呼ばれる魔法陣の上で両の足を捻って回転を練り上げる。練り上げられた回転は魔力と合わさり烈風へと変わる。それは嘗てイクサにも、ノーヴェにも放った覇王流の奥義、覇王・断空拳だ。

 

「〜〜〜!」

 

 アインハルトの回転(かぜ)を見て、即座に理解する。アレは拙い。

 判断は一瞬。ガードは不可、崩れる体勢じゃ退く事も出来ない、なら前のめりに進むのみ! 足を前に出して地面を蹴って進む。

 アインハルトもこれには驚愕、編まれた風がほつれてしまう。

 

()()()()ッ!!」

 

 好機はここしかない、これで決まらなければ勝機は無い。その覚悟でヴィヴィオが自身の右拳に魔力を灯す。思い出すのはイクサ相手に放った会心のアッパー。虹色の燐光が拳を覆いその一撃を閃光へと変える。

 

「───『アクセル・スマーシュ』ッ!!」

 

 虹色の軌跡を刻みながらアクセル・スマッシュがアインハルトの顎を撃ち抜く。確実に意識を刈り取る一撃が決まりヴィヴィオが勝利を確信し、

 

「───ッッ!!」

「え?」

 

 耐えた。

 

───赦せるものか。

 

 その瞳から光が消える。

 

───もう二度と、

 

 あるのは冷たい勝利への執念。

 

───()()に負けるなど。

 

 口を開く、そこから出たのは女とは思えない絶叫だった。

 

───あってはならないッ!!

 

「 あ" あ" あ" あ" ぁ" ぁ" ー!!!」

 

 もはや言葉とは言えない咆哮を放ち、今一度、断空(かぜ)を練り上げる。ほつれ、解かれかけている既存の断空を呑み込み更に威力を増大させる。

 

───暴風が解き放たれる。

 

「おっと、そこまでだ」

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