魔法少女リリカルなのはViViD Saiyan 作:伝説の超サイヤ人になりたい。
<…ハイ
「お前が、弟子を?」
「ええ、はい。そうです」
「イクサさん!そ、そのお弟子さんって男の人ですよね!?」
「ん?いや、お前と同じくらいの女の子だが」
「………」
「ミウラ?」
硬直するミウラを無視してザフィーラが話し出す。
「それで相談だったな。何が聞きたい?」
「え?ミウラはこのまま放置ですか、固まってますよ」
「いつもの事だ、気にするな」
「そ、そうですか」
「それで相談についてなんだが」
「あ、はい」
ゴホンと咳払いを挟んでからイクサは話す。
「先も言いましたがつい先日弟子を取ったんですよ」
「うむ。それはあれか、お前の記録を知ってか?」
「ああ、いや。それはまだ知らないと思いますよ」
「……お前は、本当にその辺を隠すのが上手いな」
「まあ、バレた所でいい事なんて余りありませんし」
イクサのインターミドル世界本戦準優勝という実績を知っているザフィーラからすればイクサの巧妙な情報の隠し方は称賛できるものだと思う。世界的に注目される存在である筈のイクサが特に顔バレを気にせずに外出なり生活できるのはイクサの印象の変化などの努力あってこそだ。
実際は普段の生活時と違いインターミドル出場時は気を少しばかり解放する事で存在感マシマシにしてたからだが。だから初対面、或いは名前も知らない人物からは外見は似てる人として認識されているだけだ。
「話を戻しますよ、弟子を取ったのはいいんですが正直何をどういう風に教えていいのかわからないんですよ」
「……なるほどな」
イクサの相談の内容がわかり納得するザフィーラ。今回、用がある人物が自分なのも理解した。
自分はストライクアーツ、それも自身や仲間達によって改良された半オリジナルの八神家流の道場で師範代を務め、多くの門下生に格闘技を教えている。このミウラも八神家道場の門下生の一人だ。
初めて弟子を取ったイクサにとって自分は格好の相談相手なのは間違いないだろう、そう納得したザフィーラは主人であるはやてからも頼りにされているイクサの相談にのってやる事にした。
かちんこちんなミウラを置いて、ザフィーラの助言を一言一句溢さずメモ帳にメモしていくイクサ。暫くそうして時間を過ごしていると、
「ただいまー。あれ、お客さん来てんの?」
玄関の方から女性の陽気な声と複数の人物が入ってくる気配が届く。
「あ、イクサやん!いらっしゃい」
「お邪魔しています、八神さん方」
この家の家主であり少し変わった話し方をする女性、八神はやて。そしてその後に続く三人。
ボン!キュッ!ボン!その破壊力まさにセクシーダイナマイト、剣を握らしゃ戦闘狂。主の敵には「首を置いてけ」、薩摩産まれのドリフターもニッコリ。赤いポニテの美女、八神シグナム。
柔らかな雰囲気、そして雰囲気通りの優しいお姉さん、治療魔法に秀でている癖に作る料理はまさかの
戦闘時になれば赤いゴスロリ鉄槌振るって粉砕玉砕、けれどまさかの
やっぱり魔法少女物はロリが主役なんですよ!!
「「「………」」」
「ん?どないしたん皆?」
「いえ、何か馬鹿にされた気がしまして。な?」
「「うん/はい」」
「……?まあ、ええか。それで今日はどないしたん、まだこっちから連絡してへん筈やけど」
「いえ、今日はザフィーラさんに用件がありまして」
「ザフィーラに?ザフィーラ、一体どうしたん?」
「どうやらイクサが弟子を取ったようです」
「へぇー。どんな子なん、その弟子って」
イクサがはやてに弟子であるアインハルトの事を教えた。アインハルトが覇王イングヴァルドの子孫で先祖返りである事、クラウス・イングヴァルドの記憶を部分的に引き継いでいる事、更につい最近管理局で問題になっていた通り魔事件の犯人である事も流れから話してしまった。
「大丈夫なん?怪我とかしてへん?」
「俺の実力は知ってますよね?今更聞きますかそれ」
「知ってても心配するもんなんやで。仕事依頼する時もいつもめちゃくちゃ心配してるんやで」
「そんなもんですか。まぁ、平気ですよ。軽くいなしてやりましたよ」
「……っ」
「……む」
「どないしたんシグナム?」
「……いえ、何でもありません主はやて」
「……」
一瞬ぴくりと反応したシグナムにはやてが問い掛けるがシグナムは何でもないと言う。
けれどイクサには伝わった。シグナムは今、イクサに興味を持った。そして戦意を向けた。
そしてうかつな事にイクサはシグナムの戦意に反応してしまった。これによりシグナムの興味は更に加速する。
ここから導き出される答えはわかりきっている。イクサの頭脳は今から速攻帰る事が最善の策だと至った。
「それじゃあザフィーラさんから助言もいただいたので(面倒な事にならないうちに)今日は帰る事にします」
「ちょっと待て」
「……はい。何でございましょうシグナムさん?」
内心で「くそっ!捕まった!!」なんて考えながら用件を聞くイクサ。
「今の話が本当ならお前は覇王流を継いだ覇王の子孫に勝ったんだな?」
「……まだ完全に修得したという訳ではありませんが一応」
「ふむ、前々から聞いて気になっていたんだ」
「何を…でございましょう?」
「お前がどれ程に強いのか」
「ジグナム?」
急に立ち上がるシグナムに家族達は困惑した目を向ける。だがシグナムはそんな周りの目などに気付かずイクサに近付くと言う。
「イクサ、私と戦え」
「───丁重にお断りします」
即答だった。驚く程に早い返しの言葉だった。
それに一番驚いて見せたのはシグナムだった。
「……何故だ?」
「当たり前では?」
「相手の実力が気にならないのか?」
「いいえ、まったく」
「私はなる」
「聞いてないんですが」
助けを求める様にはやて達に視線を向ければ其々が別々の反応を見せる。たが、皆共通している事は「また出ちゃったかー」といった反応をしている事だ。
ザフィーラ、シャマル、ヴィータ、リィンが哀れみを込めた視線をイクサに送り。唯一はやてだけが両手を合わせてお願いする様に小さく頭を下げている。「付き合ってあげて」そう思っているのだろう。
「……」
「「「「……」」」」
「……」
「……ふん!」
シグナムを除く現在居る八神家のメンバーから視線を外しシグナムを見れば。「さあ行こう!早くやろう!」と隠す気の無い
イクサは内心でため息を一つ溢すと。
「わかりました、受けますよその話」
「そうか、なら早く行こうではないか。場所はいつも修練に使っている砂浜でいいな」
「わかりまし…ってもういないし」
イクサの返事を聞くよりも先に家を出て行ったシグナム。
「ははは、堪忍なイクサ」
「次の
「ぐっ」
イクサのアルバイトははやてのポケットマネーから出ている為はやてが胸を押さえる。しかもイクサのアルバイトは大小違いはあるものも危険がある仕事な事もありそれなりに高額。それを更にアップするとなるとはやてのお財布事情に大損害になるのは確定事項。
「ぐ、ぐぬぬ。そ、そこをなんとか…」
「じゃあ何か代わりの対価あります?」
「………お姉さんが一日恋人になってあげるで」
「却下で」
「なんでや!?」
イクサとはやてが漫才を繰り広げながらも残りのメンバーが八神邸を出る。
「………はっ!あれ?みなさんは何処へ?」
漸く復活したミウラを残して。
目的地の砂浜に着く。先程もミウラが自主練をしていた場所で戦闘装束である騎士甲冑を身に付け愛機である剣型のデバイス『レヴァンティン』を握るシグナムが待ち構えていた。
シグナムの姿にヴィータが「ガチじゃねぇか」と呟いた。他の皆もそれぞれ違いはあるが同じ事を心の中で言った。
「……」
「……!」
イクサがジト目をはやてに向ければはやてはプイッと顔を逸らした。
心無しかはやての顔にはダラダラと汗が流れている気がする。
「次の給料、期待してます」
「くっ」
イクサが残していった言葉にはやてが膝から崩れ落ちてOrzの体勢となる。
「ルールは魔法無しの完全接近戦のみで制限時間は5ふ……10分。一回勝負でいいですね」
「……まあ、いいだろう」
「……」
制限時間を5分と言い掛けたところでギロリと睨まれた為に10分に延ばしたというのに渋々認めたといった様子のシグナムに、“まだ文句があるのか”、なんて目を向ける。
そんなイクサの視線など知らずジグナムが自身のデバイスであり、武器でもある
「ザフィーラさん合図頼めますか?」
「…む。わかった」
イクサに頼まれ了承したザフィーラが近寄ってイクサとジグナムの間に入る。
「それでは二人共、準備はいいな?」
「ああ」
「いつでも」
「───開始ッ!」
ザフィーラが単語を言い終えると同時にシグナムとイクサが飛び出す。シグナムは剣を振り被り、イクサは拳を引き絞る。
「はああ!!」
「オラァ!!」
解き放たれた両者の剣/拳がぶつかり火花を散らした。
書き直しによる設定変化点
・イクサとはやての関係
・イクサがアルバイトをしている。