シン・アスカの……   作:発光体(プラズマ)

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シン・アスカの日常①

 モビルスーツによる格闘戦の長所はもぐりこめさえすれば致命打を与えられるところだ。敵が複数のモビルスーツなら一機の懐にもぐりこめば他の敵機は誤射を恐れて動きが鈍るし、こちらが行動の優先権を握れる。特に現在の乗機であるZGMF-2000グフ・イグナイテッドなら宇宙でも高機動が保てるし、テンペストビームソードなら戦艦の装甲だって切り裂ける。射撃戦も不得手ではないけれど、高速機動からの斬撃という戦術は、前大戦でも繰り返し行ったので安定感がある。手に馴染んでいると言っても良い。悪い言い方をするなら癖になっている。ただ、グフに関していうならドラウプニル4連装ビームガンを軸に射撃戦をしかけるよりも、そのへんは僚機のガナーザクやブレイズザクに任せて切り込み隊長に専念したほうが適正にもあっているだろう……

 

「と、思ってるんだけど。ルナはどう思う?」

「別に悪くないんじゃない?アンタの性にあってるんだし」

 

 そういえばアンタ最近は「蒼い稲妻」とか呼ばれてるらしいよ。と相方は言う。ルナマリアと違ってパーソナルカラーを指定したことはないのだが、なぜ自分が青……個人的には青はフリーダムの印象が強いのでキラさんのイメージなんだが。

 

「知らないわよ。あたしだってアンタが青のイメージはないけど。だって青っていったらもっとクールな感じでしょ。あんたの場合は青いのは性格じゃない」

「いや、ちょっと待ってくれよ。性格が青いってなんだよ」

「だってアンタ結構暗いし。付き合ってみる前はもっとガツガツしてると思ってたけどよくブルーになって黄昏てるもんね」

「たそが……え、ほんとに?」

 

 そうよ。とルナマリアは笑って言う。

 

「隊のみんなともう少し話したらいいんじゃない?まがりなりにも隊長なんだしさ。いつまでも付き合いづらいむっつり隊長さんじゃ困るでしょ」

「う……」

 

 それはそうだ。誰かさんの二の轍を踏んで「とっつきにくい堅物」みたいなイメージをつけられたらたまらない。

 

「わかった……ブリーフィング以外でももう少しみんなと話すよ」

 

 うん、よろしい。とルナマリアは颯爽と去って行った。あんな風に誰とでも仲良く話せるルナが羨ましいとよく思うようになったなあ……

 休憩を終え、トレーニングルームに向かう。宇宙で活動するにはいつの時代もトレーニングが欠かせない。プラントでは大人も子供もトレーニングをする時間をとって、肉体が無重力に慣れて筋肉を弱らせ過ぎないようにするものだ。軍人である自分のような人間にはより重要な意味がある。体力を日々コントロールし、戦闘者としての勘をなまらせないようにしなければならない。

 トレーニングルームでは隊員の一人と出くわした。早速さきほどの会話を実行する時が来たらしい。

 

「お疲れ様……」

 

俺は威圧的にならないように気をつけながら会話を始めた……

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