ゴッド・オブ・ウォー (GOW)シリーズ
ギアーズ・オブ・ウォー(GoW) シリーズ
の二次創作です。片方だけでも知っていても分かるタイトルにしてます。クレイトスさんは、原作の性格だと全員ぶっ殺す勢いなので、かなり性格をマイルドにしています。
妖怪の山を巡回している白狼達が帰ってこず、探しに出かけた私、烏天狗の射命丸文。
白狼達はすぐに見つかったが、そこでは白狼達、全員が見るも無残にめった打ちにされて倒れている。途中で仲間を呼んだのだろうか、数的には百を超える人数なのだが、持っていたであろう武器や盾は叩き壊され、全員叩きのめされた白狼天狗達が文字通り山のように積まれている。
その惨状の中心には上半身をさらした男が、現在進行形で、残った白狼達をボコっていた。
男の頭はスキンヘッド、猛獣のような目に上半身は肩当て程度にしか身に着けていない。
顔から身体にわたる赤い刺青はどう見ても一般人ではなく、全身の筋肉は鎧のように鍛えぬかれている。
両手に持った双剣には長い鎖がついており、剣にも関わらずまるで鞭のような動きで敵を切りつけていく。
腕力も尋常ではなく、白狼達の盾や剣はその攻撃に耐え切れず、武具は破壊され、破片をばらまいていた。更に武具を失ったものをひっ捕まえ念入りに拳を見舞いぼろきれに変えていく
弾幕とかそんなやつじゃない。ガチな鉄拳制裁だ。こんな惨状をみるのは鬼がブチキレた時以来だろうか。鬼を激怒させる事なんか滅多になかったが白狼がこんなにも蹴散らされるのを見るのは初めてだ。巻き込まれてしまうかな。とビクビクしながらもその惨状の中心に立つ男の前へと降り立った。
「ちょっと貴方!何を何をして…っ…る んですか……」
降り立った私は勢い良く啖呵をきろうとしたが、こちらに向けられた猛禽類のような鋭い視線に思わず怯んでしまう。片手にはゴミ袋のような感じで、ボコボコになりぐったりとした白狼。屠殺完了!といった感じで無造作に放り投げ、白狼達の山の上に積みあげる。
「ちょっと…あの…その、なにか、お山に御用ですか…」
私の語尾が消え入りそうになっているのは、男の迫力によるものだ。絶対的格上の妖怪と相対する時のようなビリビリと自分の身体が警告を発している。
自分は格上の妖怪に取材を敢行する程度の胆力はある方だと思っていたが、自分の身体が本能的にすくむのは初めてだ。
男の身体に流れる力、こいつはヤバイ。上級妖怪とかそんな処じゃない。神様クラスかもしれない。ああ、私、なんでここに来ちゃったんだろ。白狼天狗どもめ、哨戒なんか適当でいいんだよ。
スプラッタ映画顔負けで返り血を浴びている男は背中には先ほど自在に操っていた双剣を背負い、この山にいる神さま顔負けの威圧感を放っている。
ひと目見ただけでもこんなヤバイ存在の人に白狼達はよく手を出したな、スルーしろよと私は思う。
「ここに用はない、この犬っころ共をよけろ」
低い、地の底から響く声。それだけなのにものすごい暴力的に聞こえるのはなぜだろう。
かろうじて残っている白狼達は、カタカタと剣を震わせ、構えた格好のまま、恐怖で身体を凍りつかせて尻尾を丸めて脂汗を流していた。
キューンキューンという鳴き声が聞こえそうなぐらい震えている。流石狼の妖怪だけあって格上にはめっぽう弱い。命令に従うだけが人生じゃないとわかったかこんちくしょう。
ちらり、とやられた白狼達を見る。うん、文字通り山と積まれている、白狼達で肉の壁でも作ろうとしたのだろうか?関節がたくさん増えていたり、顔が悲惨なほどボコボコだけど流石妖怪の端くれ。息はありそうだ。もう最期当りの奴らはビビリ過ぎて身体が動けない所をぶっ飛ばされてたんだろう。念入りすぎる。
この妖怪が数多く住む山に来るのはどういう事だろう。と考え、山頂近くの守矢神社に向かう参拝者が道に迷ったのかと思い浮かべる。
どう見ても戦装束を着ていて、妖怪の群れを叩きのめすいかつい男が参拝者なわけがないのだが、この男が本気で暴れたらなんか絶滅の危機にさらされそうなのであまり考えたくない。妖怪の山で最も力のある長老達とかでも勝てないだろう。長老達はなまじ強い分、残酷ショータイムされそうな気がする…
「いいぇ、このお山は私達が棲んでるので勝手に入られては困るんですぅ…」
最後はぼそぼそと消え入るような声になるが、必死で声を絞り上げる私。そういえばあのいつもやる気あふれた椛はどうしたんだろうか?あのボコられた白狼達の山の中だろうか。とそんな事を考えた。
「…。手加減はしてある」
…どこがですか!!全員一ヶ月は永遠亭行きじゃないですか!
と思わず突っ込みを入れたかったが私は空気の読める女。でないと明日はない。言おうものなら物理的に首が飛びそうな雰囲気だ。プレッシャーがなんか鬼より容赦ねえ。これに比べれば天狗の長老達の威圧感なんかそよ風のようだ。
私は湧き上がる恐ろしさをしまい込み、男相手に新聞取材で鍛えた会話スキルで何とか話を聞き出す事にした。冗談の通じるような相手ではなさそうだし威圧感が半端ないので、聞くのは苦労した。私の寿命が500年は縮んだと思う。
男の名前はクレイトス。スパルタという国で戦いの神様をしていたそうだ。うん、通りで半端ない存在感だと思った。
雰囲気的に守矢神社の神様よりやばい人だろう。神奈子様も戦神だが、なんか、クレイトスさんはとんがってるというか…加減しなさそうだし。スパルタというお国柄だろうか。
だが意外だったのは、クレイトスさんは口数が少ないながら、誠実に対応をすれば、きちんと答えを返してくれるところだった。
言葉はキツイが、少女姿の私や白狼天狗達に、剣で遊ぶのはいいが、戦士の前に立つな、と忠告してくれる。白狼天狗達は子供が遊んでるように見えたようだ…。
…ま、まあ、外見はいかついが、思ったよりも優しい。子供への折檻が入院レベルですけどね…クレイトスさんの子供なら反抗期は絶対来ない。
一瞬、私を見る目が少し優しい視線になったのを感じた。なにか過去に深い理由があるのだろう。
私、妖怪で何百年単位の年齢なんですが…と言おうと思ったが、おそらくぶっ殺される確率が高くなるのでやめておく。私は純真無垢な少女なのだ。
後で白狼達を永遠亭に連れて行った時に知ったが、白狼達は死ぬか死なない絶妙な手加減をされていたそうだ。ボッコボコのボキボキにやられてるんですけど簡単にいうと瀕死というやつですね。わかります。偵察部隊の白狼達は比較的若い妖怪が多く外見も幼く見える為、手加減されていたのだろう。
うん、白狼達が剣を振り回す少女の戯れ以上に見られてたら…おそらく三途の川を渡っていたと思う。一体どれだけ格上なんだろう。
子供にはほんちょっと優しいクレイトスさんだ。まあそれでもしっかり足腰立たないぐらいボコボコにしている所がスパルタ人である。
ちなみに椛は真っ先にぶっ飛ばされてて、トラウマなのかハゲ頭を見ると無条件に仰向けになり降伏するようになった。
クレイトスさんは、戦っている内にいつの間にかここに迷い込んでたらしい。
うん。これは博麗の巫女案件だ。これ以上被害が広がらないうちに博麗神社へ連れて行こう。
そう考えてすぐに連れて行こうと思ったが、守矢神社の神様のことを話すと会ってみたいとの事。
「このお山にいる神様も戦神なんですよー」
と軽く話題のネタに話をふった私を全力でぶっ飛ばしたい。
なんか闘志、殺気とか言うんでしょうか。クレイトスさんからビシビシ感じるんですが。先ほどまでと段違いの殺気。
自分が戦神なのに他の戦神は嫌いなんだろうか。もう私ちびりそうなんですけど。いやいや、ここにいる方はアレスって人じゃないですって…
神様なんでトラブル起こさないで欲しい。だがそうは問屋がおろさず、私が守矢神社まで案内することになってしまった。
なんだろう私。今日厄日なのかな…。