GOWの船長は悲惨な目に遭う。それに比べれば…。
東風谷早苗です。クレイトス様が無言でつらいとです。
魔法の森へと降り立ったクレイトス様ですが、空を飛ぶ事は出来ないそうですので、ここから歩いて博麗神社に向かっています。クレイトス様はあまり喋らず黙々と歩いていくので気まずいです。せっかくですから途中で魔理沙さんを誘ってみようかなと思っています。魔理沙さんならあの友好スキルで間を持たせてくれます。
私達が魔法の森中をてくてくと歩いて行くと、途中で魔法の森上空を飛ぶ星蓮船が見えます。おー、村紗さんの空のお散歩ですかね。
「…あれはなんだ?」
「あ、あれですか。星蓮船というんですよ。今は船長で幽霊の村紗さんが動かしているんです」
「あれをもらおう」
…え?何をですか?あれって?
私がそう言っている間にクレイトス様は、双剣を近くの木に打ち付けて投石器のようにしならせ、勢いをつけ星蓮船へとぶっ飛びました。行動力ありすぎです。
でも船べりまでは届きません。そう思ったら鎖のついた双剣を船底に打ち込み、ガツガツと双剣を突き刺しながら、ロッククライミングのように上半身の力だけで登っていきます。ああ。穴ぼこだらけに…スイマセン村紗さん。
私が慌てて甲板の上に行くと、すでに村紗さんが武器として使っていた大きなアンカーは叩き切られ、怯えた村紗さんに切りつけている所でした。幸い村紗さんは幽霊なので大丈夫でしたが、あの躊躇ない攻撃はなんなのでしょう。遠慮すると悪いみたいな考え方なんでしょうか。船長が嫌いなんですかね?
「ま、待ってください!何しているんですか。村紗さんは幽霊だから切れないですよ!」
「そうか」
そういうと双剣が形を変え、紫の禍々しいオーラを纏った鉤爪になりました。あれはヤバイです。なんか死のオーラがバリバリでてます!
慌ててクレイトス様の腰に抱きつき、動きを止めようとしますが、人形のように振り回され全然抑えきれません。
「ま、待って!駄目、駄目です!!村紗さんは幽霊ですが、話せばお願いも聞いてくれますから!落ち着いてください!」
「む…。ならば小娘。お前が伝えろ」
そういってどっかりと船の中央に腰を下ろしたクレイトス様、どこの世紀末覇者ですか。博麗神社に行くだけでなぜハイジャックするのか分かりません。私は腰を抜かしている村紗さんを起こし、クレイトス様が外界から来た戦神という事などを説明します。
「…ですからね。博麗神社まで送って欲しいんです」
「私、帰ったら聖の作ったカレーを思いっきり食べるんだ…」
そういうフラグはいいですから。クレイトス様マジで洒落にならないですから。
ぐじぐじ泣いている村紗さんをなんとかなだめて泣き言を聞きながら半時間ほどで博麗神社上空に着きました。クレイトス様はまた守矢神社の時と同じように飛び降りてます。すると村紗さんは『ふざけんなバーカ』と言って逃げるように帰っていきました。なんなんでしょう。精神的にものすごく疲れます。早く霊夢さんにクレイトス様の事を頼まないと。
あ、萃香さんがちょうどいました。霊夢さんのことを聞いてみましょう。
「れいむー?今いないよー」
おぅ…帰ってくるまでクレイトス様と一緒ですか…このまま放っておくと破壊活動されそうですし困りました。
私が悩んでいると、また地面が大きく揺れました。大きいです。この地震といいなにか異変でも起きてるのではないのでしょうか。
クレイトス様の存在がすでに異変ですけど。
あ、萃香さんがクレイトス様のことガン見してる。やばいですね。いつも呑んだくれてる萃香さんが鬼だというの忘れてました。
「あんた、強そうだね」
「なんだ、ガキが、失せろ」
「いや。こういう姿でも数百年は生きてるれっきとした鬼だからね」
「鬼?知らんな」
萃香さん、驚いたような顔を私に向けないで下さい。それと喧嘩売らないでくださいよ…。
「おい、早苗、こいつ鬼を知らないって言ってるぞ?」
「あのですね。この方は海外の方ですから鬼では分からないと思いますよ。鬼というとデーモンとかオーガとかになるんじゃないでしょうか」
「お、おお、外国人か?わたし、オーガ OK?」
いや萃香さん、クレイトス様、日本語喋ってたじゃないですか。外国人と聞いてなに戸惑ってんですか。日本人っぽい反応しないでください。
それに外国語風に喋ってるけど日本語ですし。ですがクレイトス様が日本語喋ってるのは神様的な力かなんかなんでしょうが…
「鬼もデーモンもオーガも知らん。ギリシャ人以外はバルバロイだ」
「お、おう、あいむそーりー……バルバロイってなんだ…?」
おおう全否定。萃香さんアイムソーリーとかどこで教えてもらったんですか。日本語でいいんですって。
もう、早く、早く霊夢さん帰ってきてくださいよ!!