話数2桁目突入でございます。
<必ず読んでね>
戦車どうしの、また審判団からの通信によって伝えられた内容は《》のかっこでくくってあるものになります。
普通のセリフは「」のかっこでくくってあります。
<注意>
※練習試合を澤梓ちゃんの主観視点から描いてます
※そのため会話が大目かもしれませんが宜しくお願いします
※原作とちょっとだけ1年生チームの取った行動が異なります
※珍しくシリアス100%です
母から買ってもらった腕時計を眺める。あと1分で10時になる。
《ーー作戦はこんな感じです。随時指示を各車両に出していきますので、各通信手は応答をお願いします。それでは皆さん、がんばりましょう!》
《了解です!》
…よし。自分にできる事を全力でやろう!
「いい、皆、いくよ!」
『おー!』「あいー」「…」コクリ
ボスン。
《試合開始!》
ああ、ついに試合が始まった。頑張るぞ!
「かりなちゃん、遅れないように前進!」「あいー!」よし、ちゃんと前に進んでる。
「あの~それでどうするんでしたっけ~?」えっ、優希もう作戦忘れちゃったの?さっき西住隊長の説明聞いてた?
今はM3Leeの中にいて、車長というリーダー役をやってる私ーー 澤 梓と書いてさわ あずさと読みます ーーはそう心の中でつっこみを入れた。心の中だけね。 私はちゃんと作戦を理解してるし。
今回のルールは殲滅戦。つまり相手のチームの戦車をすべて行動不能にすれば勝ちだ。うちの作戦は、おとりを使って敵をキルゾーンにおびきよせ、一気に倒すこと。分かりやすい作戦なのに、優希ぃ…
《--なのでAチームがおとりとなりますので、皆さんは100mほど前進したらそこで待機していてください。》「はーい」…まぁいいか。
《西住ちゃーん、何か作戦名はない?》《…えっと、こそこそ作戦です!相手のーー》
かわいい~!こんな作戦名聞いたことないよ!こそこそ作戦! 「了解です~」
《各車両、停車してください》「りょうかい~、停車してだって」「あいー」ちゃんと止まった。整備はばっちりみたい。
…あっ、グロリアーナの戦車達だ。なんとか肉眼で見える。確か緑色がチャーチルで、黄色のがマチルダ。うちの隊列より綺麗だし、牧人もーー
===
「マチルダはそうでもないんだけど、チャーチルの砲は強いぞ。なるべく側面と後ろを晒さないようにな」
===
って、さっきアドバイスしてくれたからきっと強いに違いない。
…でも、負けないから。
「かりなちゃん、ここで停車して」「あいー」
《ではIV号が戻ってくるまで待機だ!IV号が近づいてきたらまたこちらから通信を入れる!イン!》
違うでしょ。通信終了を英語で言う時はOutだよ。アウトだよーー!桃ちゃん先輩の頭がアウトだよーー! …なんてのんきなことを考えるぐらいに、私はリラックスしてる。筈。
「ねぇねぇ、せっかく時間あるんだし、時間つぶさない?ほら、トランプ!」あや…なんでそういう準備ばっかりしてくるの?まぁいいけど。
「車長、指示をちょうだーい」「ひまー」…本当に私達試合中だよね?でもまぁ、いっか。
ズドン!
あっ、IV号ーAチームが砲撃したみたい。上手くおとりになってくれるかなぁ?
ズドン!ズドン!
今度は複数の砲撃音ーー たぶんグロリアーナが反撃してきたんだろう。うまく逃げてるといいんだけどーー
《Aチーム、敵を引きつけつつ、待機地点にあと3分で到着します!》「Aチームが戻ってくるぞ!全員戦車に戻れ!」
「ほら、戻るよ!」「せっかく革命起こしたのに」あや、リラックスしすぎだって…
《あと600mで敵車両射程内です!》
とりあえずみんな立ち位置に戻ってくれた。わたしも車長のポジションに戻る。
まだかな、あっ、IV号がーー
《撃て撃て撃てーっ!》桃ちゃん先輩!?あれはIV号ーー
ズドン! ズドン!
「あっ、今のってもしかして」「IV号だったの?」…私指示出してないし、ちゃんと見てから撃ってよ…。
よし、こんどこそ…
《撃て撃て撃てーっ!》
ズドン! ズドン!
…外れた。それも大きく逸れてる。
《撃て撃て撃てーっ!》
ズドン! ズドン! ズドン! ズドン!
他の戦車の砲撃も当たってない。ぜんぶ避けられてる。
…あれ?これってもしかして後ろからーー
ズドン!
撃ってきた!「かりなちゃん、前後に細かく動いて避けて!」「あいっ!」
ズドン!ズドン!
来たっ!とりあえず落ち着いてーー
「ありえないっ!」
皆ーーそんなにパニックにならないで!落ち着いて!
「もういやぁ~!」
…私だって逃げたいよ!でも落ち着いてみんな!あああこんな時どうすればーー
僕達は最高のチームになると思うんだーー ああ、そう思うな
・・・!!!
「待って!!!あとかりなちゃんはそのまま前後!」
思わず自分でもびっくりするぐらいの大声が出た。 みんなが私を見る。1回だけ深呼吸してからーー、よし。
「ここで逃げちゃだめだよ!怖いかもだけど、とにかく今は全力で先輩についてくよ!」
私の出せる一番大きい声で皆にそう言っーー
ズドン!
…ガコンッ!
えっ、撃たれーーなにこれすごい揺れーーちょっと待ってこのままじゃ怪我するーーいくらカーボンで守られててもーーあっ、膝がーー
…シュパッ!
「えっ!?もうやられちゃったの私達!?」「はやすぎー…」「そんなぁ~」「あい~…」「…」
紗希もちょっと悲しそうな顔をしてる。そうだよね。
《Dチーム!》
「やられました…すいません!」
みんながまだ落ち着いていないのか体が思うように動かないみたいなので、私が代わりに言った。--本当は私も怖かったんだけど。
《えっ、けがはない!?大丈夫?》「…みんな大丈夫そうです!」《分かりました。今外に出ると危ないので、試合が終わるまで戦車の中にいてください。あと、通信は開けておいてください。審判からの連絡が行きます。以上です》「分かりました…」
「残念だけど、皆このまま待機してて。今、外に出たら打撲どころの話じゃないよ」「はーい」
「はぁ…結局やられちゃったか…」「うん…」「あいー…」
みんなの口数が思いのほか少なくなるのが嫌でも分かる。だって、私達ならできるって思ってたのに。
全力で戦車を整備してくれた、牧人と研人ーー とくに研人にーー 申し訳ないことをしちゃった。後で2人になんて言われるかな…ちょっと怖いな…
《BCチーム、ついてきてください!》《分かりました!》《御意》《なにぃ!許さんぞ!》
--どうやら生き残った戦車で、動ける戦車は戦うところを変えるみたい。たしかにここにいても不利だしーー 流れ弾が怖いし。
「でも、どこで戦うんだろ?」「梓、分かる?」
「…分からないけど、確か市街地も戦闘エリアだったはずだよ」
研人と牧人に"マップはよく読んでおいて損は無い"って言われたから少しは覚えてきたんだけど、結局使わなかったな…
ーそろそろ戦車のエンジン音が遠くなったかな。グロリアーナと今頃は追いかけっこをーー
《皆さんはーー…ザザザ…ザザ…》
「あれぇ~聞こえなくなっちゃったよ~」「あーあ」「あとで2人にクレーム入れておこうよ」
「…そうだね。今はがまんしてよう」 クレームはこっちがつけられるだろうけど。
はぁ…絶対怒られる2人には顔を合わせたくない…
《ザザ…生徒会走行不能…ザザッ…残ってるのは我々IV号のみ…》
「あっ直ったみたい」「途切れ途切れだけど」
生徒会もやられた…っていうか残ってるのは西住隊長だけだ。これじゃあんこう踊りをーー
《報告します。各校残り1両ずつとなりました。大洗、IV号。聖グロリアーナ、チャーチル。報告終了》
…えっ!?タイマン張ってるの!?もしかしたらもしかすると…
「いけー!」「西住先輩がんばれー!」「IV号がんばれー!」「あいあいあいあいー!」「生き延びてあんこう踊りを回避するのよ~」「…」
紗希も祈ってる。…そっか、私大事なこと忘れてた。
「先輩、がんばr-」
《試合終了!残存車両確認中。撃破された車両の乗員は外にでて白い手旗を振ってください》
外に出て手旗を振った。結果はどうなったんだろう!
《大洗、残存車両なし。聖グロリアーナ、残存車両、チャーチル、1。よって、聖グロリアーナの勝利です》
ああー…。負けちゃったかー。 ってことはあんこう踊りをーー
《各学校の整備隊は、各車両の回収作業にあたってください。場合によっては自走可能な状態まで修理してください》
2人に、会いたくない。でも、2人はここに来る。
…ああ、2人が並んで車両から降りてきてー
「お疲れ様!いやーみんながんばったね!あとちょっとでチャーチルの砲撃を避けられたんだけど」「ああ。なんたって相手は聖グロリアーナだ。そう簡単にはやらせてもらえなかったな」「うんうん」
…あれ?2人とも、怒ってない?
「こっちはひどいよー、撃たれたら揺れるわ桃ちゃん先輩は指示を間違えるわでーー」「そんなことが。あの人副隊長失格だなこりゃーー」「全くだよね!西住先輩や武部先輩の方が分かりやすかったし!」「そうなのか」
…むしろ、この試合を楽しんでた?
「…あの」「どうした、梓」「ん、何?」
「なんで、2人とも、怒らないの。一生懸命整備したのに、ふがいない私達、特に車長の私せいでーー」
…皆、なんで黙るの?2人だけじゃなくて、あやたちも。
「梓。大丈夫か?まずは落ち着け」研人。今は、そんな優しい目で何もできなかった私をみつめないでーー
「梓、これは聖グロの整備隊長さんが言ってくれた話なんだけど、実際の戦争でも砲撃を目の当たりにして怖くなった新人兵が戦車から逃げ出してズドン、っていうのが少なからずあったらしい」
…えっ。
「続けるよ。君達はなんとかLeeで砲撃を避けようとしてたけど、最後にエンストでもしたか、それとも俺達の整備で詰めが甘いところがあったか、だね」牧人ーー
「だから梓。…そんなに、落ち込まなくてもいいんだ。むしろ、Leeは最初のほう砲撃避けてたんだ」研人もーー
「みんなは逃げなかった。砲撃にさらされても、ゆれても。すごく怖いだろう状況においても、逃げなかった。」
「最初からそれができるなんて、すげぇよ!俺でもビビッて逃げると思うよ!」
--ああ、やっぱりこの2人は、優しい。
「じゃあ私からも、2人に言っていい?」「いいよ」「どうぞー」
「もっと戦車道に向き合って、もっと強くなりたいからーー 私、いや、皆で強くなっていこう」
『もちろん!』
「あと梓、後ろ見てみなよ。皆すっげーいい表情してるよ」うしろ?後ろには確か5人がー
えっ、なんで少し申し訳無さそうな、でも笑顔をーー
「梓、ごめんね。車長1人にいろいろ考えさせちゃって」「これからは私ももっと勉強して」「強くなっていくから」「だからこれからも、ね」「あいー!」「…」ニコッ
ーーああ、私、戦車道取ってよかった。こんな友達めったにできないや。
「…ふふっ」
「おっ、やっと笑ってくれたぞ!よーしLeeの整備するぞー!研人!スパナ!」「よっしゃ」
2人とも、いや、みんな、ありがとう。
おかげで、戦車道にもっと熱心に取り組めそうです。
「…!おい梓!膝から血が出てるぞ!」
嘘!?やられたときにぶつけたから!?なんで今まで気づk…!! 痛っ…
「おっと。動くなよ。そのままな。待ってろよ」
えっ研人!?嘘ちょっと近い近いって何するーー
「染みるぞ」「あっ…」「大丈夫か?」「うん、なんとか自分で歩ける」「そっか。あんまり無理はするなよ」「研人、ガーゼとテープ。整備するより先にいるだろ」「ありがたい」
「ねぇ2人とも、なんでそんな緊急セットまで車に積んできてるの?」あやが聞いている。何て答えるんだろう。
「ああ、昨日寝る前に思い出したんだ。俺、中学まではよくバイクに乗ってたからね。怪我はつきものだから」
「いやーまいっちゃったよ、よし寝るぞ、って時に研人がドラッグストアに行くぞって言い出すからね。つきあわされてなー」
まさか研人が持ってきてくれたなんて。
「…本当は梓に、いや皆にはケガなんてしてほしくないんだけどな。皆が元気に帰ってきてくれれば。俺達2人はそれでいいかなって」研人、そこまでーー
「もしかして、私のことを思って?」
はっ、いつのまにか声に出してた。
「当たり前だろ!俺にできることは限られてる。だから俺にできることはできる範囲でなんでも助けーー」
《M3、修理の進捗は?》
「あっやべぇ部長だ、すんませんもう少々かかります!ごめんなさい!」「牧人、即効で直すぞ」「ああ。後で話なら聞くよ!ちょっと戦車から離れてろよ!」『は(あ)-い』「…コクリ」
あっ、2人がLeeの整備を始めちゃった。
…やっぱりダメだ。頭で考えるのは簡単なんだけど、結局、言えなかったなーー。
研人、ありがとう。
おかげで、あなたのことがーー
もっと好きに、なりました。
って。
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「あいつら、まだまだこれからだけど、絶対強くなるよな」
「ああ。絶対にそうなる」
整備していた2人は、乗員の6人には聞こえないような小さな声で、そう言った。
<はじめに>
戦闘描写とシリアス描写は数をこなしてないのもあるんですがいかんせん苦手です…かなり稚拙な文章になってると思われます。
<1人称>
はじめて挑戦してみましたが、心理描写をどれだけ入れればいいか悩みました。おかしな所がありましたら感想等でご指摘いただければ幸いです。
<梓の苦悩>
ちょっと気まじめで、頭が切れる故に物事を考えすぎる所がある感じで描きました。
<通信の表現>
地味に一番悩んだところです。これもこうした方がいいという意見ございましたら感想などでご教授おねがいします。
<ひとこと>
執筆するのにすげぇエネルギー使った
<次回予告>
with:St.Gloriana with:???
書きました!すぐあがります!