<注意>
・エリカの視点で描写しています。
・心理描写が壊滅的な点があるかもしれません
・ガチ100%
「試合開始!」
試合が始まった。
サンダースは10両、大洗はそれに対して5両ーーしかもうち1台は八九式だ。こんなもの、見るまでもない勝負だった。
許せないあの2人のいる大洗なんて、とっとと敗退してしまえばいい。
「…始まりましたね」「ああ」「いけー!」
…小梅、あなたは応援に来てるわけじゃないのだからもう少し静かに見なさい、とは言えなかった。
「どうやらサンダースはいつもの戦い方をしているようですね」「そうだな」
車両の数に任せた戦法。優性火力ドクトリンとも言う。
基本戦車の戦いというものは、ある程度車両のスペックの差異はあれど、数が多い方が勝つ。
それに大洗の戦車はスペック上ほとんどの戦車がシャーマンに比べて力不足だ。
「大洗はこそこそと偵察を出す戦いをしているみたい。スペックでも劣っているし」「そうだな」
そうせざるを得ないだろう。しかし偵察に出している車両がM3であるので、遭遇しても撃破は厳しい。
「…あっ!M3がシャーマン6両に一気に包囲されてるよ!」「…終わったわね」
こうなってしまっては逃げるしかない。しかも相手はサンダース。あのM3はもう終わったわね。
「…それにしてもえらくサンダースのカンがさえているな」「…ええ」
読みが鋭いというレベルではない。いくら西住隊長でも、実の妹が隊長をしていても、ここまで相手の手の内を簡単に読めるのはおかしい。何かやっていーー
「あっ!あれは!隊長、エリちゃん、無線傍受器だよ!」「ほう」「…フン」
カメラが偶然とらえたのであろう、白い小さな無線傍受器が大型のスクリーンに映し出されていた。
この戦車道の大会では、無線傍受をしてはならない、というルールはない。
しかしあのサンダースの隊長ーーあの金髪がそんなことをするとは、過去の練習試合のデータからも考えられない。
おそらくはあの茶髪の2年だろう。
「しかし、これを打破できるのか」「打破できないと厳しい戦いになりそうですね」
私は内心終わったと思っていた。
「あれ?大洗の動きがちょっと変わったみたいですよ」「今更戦術を変更したって遅いのよ」「エリちゃんったら…」
どうやら八九式が陽動作戦をやるようだ。今更そんなことをしても遅ーー
「あっ!サンダースの2両が大洗のキルゾーンに入っちゃうよ!」「えっ」「まさか」
…ズドン!
シュパッ!
「…すごい!大洗が先手を取った!」「大洗女子が1両撃破した…!?」「…そのようだな」
どうやら撃破したのは三突のようだ。茂みを利用した巧みな撃破だった。…大洗のクセにやるわね。
「サンダース、どうするんでしょう」「…戦術を変えるとは思えないな」「たかが1両で」
撃破の知らせを受けたであろう金髪隊長が、それにカウンターをするための布陣を敷いた。ここに大洗が突っ込めばーー
…ん?大洗がまっすぐ動かない?どういうこと?
「まさか」「大洗は」「無線傍受を逆手に取っているの!?すごい!」「…小梅、落ち着け」
…サンダースのフラッグ車は何をやっているのだ。フラッグ車なのにあんなに孤立していてはいずれーー
「あっ」「えっ」「…ほう」
八九式とフラッグのM4A1が、鉢合わせになった。
少しの間をおいて、追いかけっこが始まった。こんな光景は黒森峰の戦いでは見ることはできないだろう。
「いけー八九式!そのまま勝っちまえ!」「…小梅」「落ち着きなさい」
小梅のテンションが上がっている。これはもしかするとーー
大洗が勝つのかもしれない。
いや、そんなことがあるわけーー
「あの八九式、発煙筒をスパイクしてるよ!ってかあの子危ないよ!」「…大胆だな」
あのスパイクの精度、どう見てもおかしい。バタコさんのスローイング精度よりも高いわよ。
「…あれ、これはもしかして」「包囲のど真ん中に」「突っ込む!チャンスだよ!」
八九式の誘導は、大洗へのマイナスイメージを含めても褒めるべきものね。あの乗員はそうとう錬度が高いわね。
「あっ!大チャンス!」
そのままフラッグのM4A1は大洗のど真ん中に。
「当たれー!」「…当たらないで!」「…2人とも」
我を忘れて声を出していた。
ーー間一髪でM4A1は大洗の砲撃の雨を避けた。
そのまま5vs1の追いかけっこだ。こうなるといくらM4A1といえど厳しい。
IV号と三突ならば、十分に撃破を取れる。
「あー!惜しい!でもまだチャンスだよ!」「…後ろから本体が迫るまでが勝負ね」「ああ。それにー」
ズドガン!
「ファイアフライの砲手は、我々もマークしている」
ガン!
シュパッ!
八九式が撃破。続いてーー
…ズドガン!
ガン!
…シュパッ!
M3が履帯破損ーーからの撃破。
「…もう時間の問題ですね」「がんばれー!38t!避けてー!」「…」
積みだ。
元副隊長、さようなら。
あのクソ野郎、残念でした。
「…どうやら、まだ終わっていない」
ディスプレイを見ると、大洗のIV号が丘の上に。38tと三突は丘の下を逃げ回る。
そしてM4A1は丘の下で逃げていた。
「…まさか」「スナイプ合戦に持ち込むつもり?無理でしょ」
あのIV号の砲手には申し訳ないが、それは無謀な挑戦だ。ファイアフライはすでに停車し、狙撃体制に入っている。
ズドン!
「避けたですって!」「危ない!」「…」
IV号の操縦手、なかなかやるわね。確かIV号の車長はーー元副隊長か。
そしてIV号が丘の上で停車した。この距離はーー
「狙える位置だ!いけー!みほちゃん!」「…」「…」
…外れろ。
ズドン!
ズドガン!
ドゴン!…ドゴン!
シュパッ!
シュパッ!
『…』
まさか。
「サンダース高のフラッグ車、M4A1が先に撃破されました。よって大洗学園の勝利です」
会場が湧いた。
「やったー!」「…」小梅も湧いていた。
やはり私は、結果がすぐに受け入れられなかった。
あのクソ野郎…
整備した戦車が分かったら、万が一にも決勝で当たったらぎったんぎったんにしてやらないとね。
でも…元副隊長のクセに。
ずっと黒森峰にいてくれれば。
あの時の行動を胸を張ってくれれば。
圧力から逃げてくれなければ。
彼女も、私の隣にいられた筈なのに。
私も、彼女の隣で笑っていられた筈なのに。
素直に喜べない自分ーー 逸見 エリカという存在がーー 少しイヤになっていた。
<はじめに>
第三者の視点から物事を書くのって難しいとおもった
<心理描写>
いろいろガバガバですが許してください!何でもはしません!
<なんでエリカなの?>
前の話を投稿してから最初に投稿された感想がエリカ絡みだったからです。深い意味はありません。
<バタコさんなみのスパイク精度>
移動する戦車から移動する戦車に向かってスパイクして疑似煙幕にするとかバレー部頭おかしい(最大限の褒め言葉)。相対速度とかそんな理論的なことを無視して磯部キャプテンは天性のカンでスパイクをぶちかましているんでしょうか。
<複雑な心境>
エリカはみほが逃げてしまったこと、それなのに大洗で戦車道を続けていることに対して怒っているようです。助けられたことに対しては誇っていいと思っているようです。
ただし、片山達也の事は相当根にもっているようです。
<さいごに>
エリカの心境を描写するのは骨が折れるけど楽しい。なんかドロドロとした感情を渦巻いてそうでいい。
あと、感想ありがとうございました。主に「リア充もげろ」という内容でしたがね!!!これからそういう描写が増えていきますよ!!!
あ、ボコボコにするのはボコでお願いします。筆者をボコらないでください。
<次回予告>
エリカファンの皆様お待たせしました。
最大の見せ場となるでしょう。
黒森峰ヘリはカプ○ンヘリとは違うのだよ!
6/29 12:00 予定
UA7000行ったので1日早めます!