大洗"学園"の、ある自動車部員の物語   作:けんとん

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7000UA…だと!?
本当にありがとうございます!


なので予定を1日くりあげて投稿します!


<注意>

・ラブコメ要素があります

・少し重い要素があるかもしれません

・エリカ回




第十五話 あれも戦車道 これも戦車道

試合が終わり、車両の整備も終わった。

 

 

大洗学園は1回戦で、サンダース高校に勝利したのだった。

 

 

 

 

 

「よーし!みんな、ばんざーい!」『ばんざーい!』

 

 

ウサギさんチームの面々は笑顔に溢れていた。今回はいの1番に撃破されなかったこともそうだが、

 

「あんな6両に包囲されている状況から逃げ切るだけでも値千金の活躍だよ!」と牧人が開口一番そう褒めてくれた。

 

 

(確かに、あそこで私達がおとりになっていなければIV号が先にファイアフライにやられてたかも)と梓が思うと、

 

 

サンダースの副隊長であったアリサが、半分べそをかいてこっちに向かって来ていた。

まさかーー

 

 

 

「おい、アリサ、どうしーー」

 

ボフッ。

 

 

あやの顔が般若のような顔になるがアリサはなりふり構わず続ける。

 

 

「ーーついさっき、応援に来ていたタカシに振られたわ。無線傍受に失望したって」

 

泣きながらそう言って、抱きついてきた。

 

 

 

しかし。

「…残念だけど、汚い手を使ってでも勝とうとするのは分かるけど、隊長に咎められる事をしてるようじゃ副隊長失格だと思うよ」

 

 

 

 

「バカ、マキトまでそんなことをーー」

 

 

「…アリサさん、いつからそんなにセコくなったの?恋愛も部活も」

 

 

「…」

 

 

「もっと全力でぶつかってきてくださいよ」

 

 

「…」

 

 

アリサは静かにマキトの元を離れ、そして

 

「絶対に負けないでね。あとーーそのM3、ちゃんと整備するのよ」

 

「それでこそアリサd「牧人!」

 

 

 

今度はあやが抱き着いてきた。

 

 

「…何よっ!」

 

「私は正攻法で行くんだから!」

 

「離しなさいよ!マキトからも何か言ってーー」

 

 

 

「ふへへ…」

 

 

 

「…このっ!」

 

再びアリサが抱き着いた。

 

「じゃあ私も正攻法で行くからね!とっととヨリを戻してもらうわよ!」

 

「望む所よ!これは女の争いだからね!」

 

 

『ちょっと、2人とも…』見かねた研人と梓がそう声を掛けたがしかし。

 

 

 

『部外者はだまってて(なさい)!!!』

 

 

『えぇ…』

 

 

 

「あーあ、また試合が始まっちゃったよ」「むしろこれは女の争い、って感じよねぇ~」「あい~」「…ニヤニヤ」女子4人は遠目から眺めている。

 

 

 

 

あや vs アリサ

 

対象:牧人

 

女のガチンコ勝負

 

 

Panzer Vo…

 

 

「勝手に勝負を始めるなアリサ。もうそろそろ行くわよ」

 

「ナオミ…ふん、今回は私達の負けだけど、次はそういかないからね!マキト!早めに連絡するのよ!」

 

 

そう言い残して2人は去って行った。

 

 

 

姿が見えなくなった刹那、

「牧人は私のものだからね!あんな無線傍受する女なんかにひっかかっちゃダメなんだから!」そう高らかにあやは宣言し、牧人に強く抱き着いた。

 

 

 

「…///」「…///」部外者と言われた2人はその過激なやり取りに顔を赤らめており、当の牧人はと言うと、

 

 

(これで俺のハーレム計画に一歩近づいたぞ!)とヤル気まんまんになっていた。字は間違えていない。

 

 

 

(あれも戦車道か…?)顔を赤らめながら研人はそう思っていた。

 

======

 

「じゃあね!ミホ!」「はい、また会いましょう!」

 

「きょうは、まけたけど、たのしかったよ」「ああ、俺も楽しかったよ」

 

ケイとみほ、それにジャックと達也はサンダースの輸送機の前で熱い抱擁を交わしていた。

 

どっぷりと日も暮れている時間帯だ。何台かカメラが来ている。多分試合後の女の友情とか男の友情とかそういうのでネタにされるのだろうが悪い気はしなかった。

 

 

「Bye!今度は負けないわよ!」「はい!お気をつけて!」

 

「じゃあ、また、こんど。See You Later!」「See you Again too!」

 

 

サンダースの輸送機に乗り込みそれを発進させたケイとジャックを英語で見送った達也の携帯に、1通のメールが舞い込んだ。

 

時を同じくして、麻子の携帯に電話がかかってきた。

 

 

 

 

 

from:母

to:達也

題名:お父さんがレースでクラッシュして緊急搬送されたの。今は病院にいるわ。すぐに来てほしいの。急いで!

本文:大洗病院

 

 

 

 

「…!!!」

 

 

声にならない言葉を出していた。

 

 

 

しかし自分には大洗の車両を学園艦まで輸送する仕事が残されていた。正直に話すしかほかならなーー

 

 

「麻子大丈夫!?」「すごい焦ってるように見えるけど…」「正直に言ってみてください」「片山殿も大丈夫ですか!?」

 

様子を見かねたIV号の乗員の子たちが声をかけてくれた。

 

 

 

先に困惑した表情で口を開いたのは麻子であった。

「おばあが倒れて病院に緊急搬送された…」

 

達也が続いた。

「親父がレースでクラッシュして緊急搬送だ、すぐ来いって」

 

 

 

達也、麻子どちらの親族も大洗の学園艦にある病院に緊急搬送されたようだった。

 

 

「…」「…しかし、まだ大洗の学園艦がこちらに戻ってくるまで時間が…!」

 

 

 

タイミング悪く、試合中は陸から船が離れていた。戻ってくるのは確か今日の夜遅くだ。エリート2人も試合と整備に集中していてうっかり失念していた。これではーー

 

 

 

「…泳いででも行くしかねぇな」「…ああ」

 

 

2人がそろって靴下を脱ぎだし、あんこうの面々に咎められたその時。

 

 

 

 

 

「私達の乗ってきたヘリを使って」

 

 

 

背後からその一部始終を偶然見ていた西住まほがそう言った。

 

 

 

「えっ…おねえちゃん…」みほは困惑していた。

 

 

「たっ隊長!?こんな子達とーーあの男にヘリを貸すなんて!」エリカがそう声を荒げるがまほはこう続けた。

 

 

 

 

「これも戦車道よ」

 

 

「お姉ちゃん…」みほはまだ困惑していたがしかし渦中の2人は、

 

 

 

「…ここは恩を受けておこう。冷泉さん、乗せてもらおう」「…そうするしかないようだ。よろしく頼む」

 

 

藁にもすがるような思いでそう言った。

 

 

 

======

 

ブロロロロ…

 

ヘリのプロペラの回転速度が上昇する。

 

 

「…私も行く!」麻子を見かねたであろう沙織もヘリに飛び乗った。乗員ぎりぎりの人数になった。

 

 

≪エリカ、目的地は大洗病院だそうだ。頼むぞ≫「はぁ…」

 

 

 

ほどなくして男1人女3人を乗せたヘリは離陸した。

 

 

===

「…私はやりたくなかったんだけど、隊長がそういうから仕方なく飛ばすのよ」

 

銀髪の少女はそう毒を吐いた。

 

 

「すまないな。この恩は忘れない…ぞ…おばあ…グスッ」麻子はそう強く振舞おうとしていたが声は震えており半分泣きかけていた。

 

「麻子…おばあは大丈夫だよ、きっと…」沙織がそう励ます。

 

 

 

 

「…それに」エリカが話の対象人物を変えた。

 

「本当はこのヘリ黒森峰の備品だから、男子禁制のヘリなのだけれど、どうして男を乗せるなんて」

 

「…礼は言うさ」

 

「…あとで燃料代、それに私のバイト代ぐらいは請求してやるわよ」

 

「それぐらいは払って当然だ」

 

「…毟れるだけ毟り取ってやるわ」

 

「…安全運転で頼むぜ。俺1人ならまだしも、他の大洗の子たちを傷つけたら許さないからな」

 

「あなたを突き落とすことぐらいは考えたけれど、流石に私は人殺しにはなりたくはないわ。立派な証人も2人いるし。それに」

続ける。

「黒森峰の名前を地に落とすことは2度は許されないのだからね」

 

「…(2度…?コイツに何かあったのか?)」

 

 

(zzz…)(この2人…仲がいいというかなんというか…複雑な感じがする…)

 

 

沙織がそんなことを思っていると、ヘリは大洗病院のヘリポートに無事到着した。

 

 

 

 

「すまないな」「あの、ありがとうございました!」先に大洗の制服を着た2人がヘリを降りた。

 

 

「…降りないの?本当に叩き落してあげようかしら?このクズが」タイマンになったエリカはそう放つ。

 

 

「…よし。待たせた。これ取っておけ」

 

達也は茶封筒を手渡した。エリカが顔も見ずに乱雑に受け取るのを確認した達也は

 

「…いずれまた会うだろうな。じゃ」

 

 

と言い残し、荷物を持ってヘリから降りた。

 

 

 

======

試合会場に帰還したエリカは、まだ隊長も小梅もヘリに来ないーー おそらく誰かと話してるのだろうーー 小梅は間違いなくあの大洗の彼氏とだーー ので、

 

 

「あのクソが…」さっき貰った、もとい受け取ってしまった茶封筒を開けた。

 

 

 

中には諭吉が1枚に英世が5枚と、揺れるヘリの中で殴り書いたであろう字の汚いメモが入っていた。

 

 

 

逸見へ

 

俺も高校生だ 持ち合わせがなくてすまない

 

とりあえず今はキャッシュで渡せるのは入っている分だけだ 財布の札を全部抜いてきた

 

一緒に乗ってきた2年の子の分も含めてだが絶対に足りないだろう

 

もし他に燃料代等を請求したければ相談にのる 俺にできる範囲でなんとかする

 

このメールアドレスに連絡求む

 

[email protected]

 

 

 

ありがとう いつかこの恩は金銭でないもので返してみせる

 

 

片山 達也

 

 

 

 

 

 

「…安いバイト代ね」

 

そう言い残して彼女はそれを胸ポケットにしまった。

 

 

「それに、絶対に使わない連絡先まで」

 

 

 

 

 

 

でも、ありがとう…か。

 

 

アイツも親が緊急搬送されて手一杯なんだろう。

 

それなのにこの言葉を、なけなしの金を私に残せるのか。

 

 

 

少し燃料代は吹っかけてやろう。だがアドレスに迷惑メールを送りつけてやるのは、やめてやろう。

 

 

 

 

 

 

「これも戦車道…なのかしら」そう誰にも聞こえないような声でつぶやく。

 

 

 

「…すこし、アイツも変わったわね」

 

逸見エリカの中で、小さな歯車が少しずつだが確実に動き始めていた。

 




<はじめに>

冒頭でも書きましたが、UA7000本当にありがとうございます。筆者の駄文で書いているものですが、やはり読み手の皆様に目に見える評価をしていただけると非常に嬉しいです。


<ラブコメ>

牧人爆発しろ。


<達也にも危機が>

達也の父親はレーサーです。


<これも戦車道>

この一言だけで全てが片付く便利な言葉だと思う。


<エリカと達也>

すごいギスギスしている感じ。でも、達也は送り届けてもらったことに関してはこれ以上ない感謝をしているようです。


<1万5000円>

意外とお金持ちですね。筆者より手持ちがありますね。


<エリカにも思う所あり>

少しずつですが、彼女もこの物語を通して変わっていきます。細かい心境の変化を描写できるか不安ですが、がんばります。



<さいごに>
表の主人公が研人、表のヒロインが梓とするなら、裏の主人公は達也であり、ヒロインはエリカ。



<次回予告>

ガチ成分100%のお話になりそうです。

7/02 12:00 予定

間に合いませんでした 許してください!!!
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