新鮮な本編でございます。
※お待たせしました。あんこうチームの5人目がやっと登場です。
※聖グロの面々も初登場です。
※少し本編と時間軸がズレている所があります。
※健全回
久しぶりの休みを1日経て、火曜日。生徒会長が戦車道関係者を集めてこんな言葉を口にした。
「急だけど練習試合決まったから、今日から練習バリバリやってくよー」
「練習試合?」「なんか部活っぽくなってきたぜよ」「いいねー」「根性で頑張るぞー!」
「皆静かに。それで、急な依頼にも関わらず受けてくれた対戦相手は聖グロリアーナ高校」
「桃ちゃん、聖グロは女学院だよ~」
「桃ちゃんと呼ぶなぁ!」ハハハ
聖グロリアーナ女学院。通称、聖女。または聖グロ。
神奈川県は横浜市を本拠地とする、いわゆるお嬢様学校という奴だ。英国の様式を取り入れたスタイルは、実に優雅さ・気品を感じさせる。
もちろん、戦車道も"淑女のたしなみ"として学校設立当初から存続しており、かなりの実力高。保有する戦車はいずれもイギリス製である。
ただし、伝統を重んじる風潮が少なからずあるようで、強力な戦車の多数配備には至っていない。
「それでその練習試合はいつどこでやるんですか」達也部長が聞く。
「今週末の土曜日だよ。朝7時に学校に集合して10時から試合開始の予定。場所は大洗の市街地周辺」生徒会長が返す。
どこかから、「朝の7時…起きれないぞ私は」という言葉が聞こえてくる。
「あのー、ちょっといいですか生徒会長、彼女は一体?」
「ああ、じゃあせっかくだし自己紹介してもらおうか」
「私か?私はーー」
冷泉 麻子ーー さきの模擬戦でIV号戦車に轢かれそうになっていた彼女本人であり、曰くその後の操縦まで担当していたそうだ。なんという適応力の高さ。あとで自動車でも運転させてみるか。
「冷泉さんも戦車道やるのかー」「ちょっと想像できないよなー」「確かに」「わかる」整備隊の2年の面々が小さな声でしゃべるーー冷泉は学校の成績で主席だ。それなのに何故戦車道をやるのか、と。
「ん、本当は朝起きるのが嫌だからやりたくはなかったんだが、西住さんには借りがあってな。あと参加すると今までの遅刻を見逃してくれるらしい。でも朝は苦手だ」
後に聞いた話だが遅刻しそうなところを西住先輩に助けてもらったことがあり、その恩返しのためにチームへの参加を決めたらしい。。
「そういうわけだから、整備隊の皆さんも、同じ時間に集合してね。あと前日は、前と同じように試合に向けた整備をお願いします」副会長が付け加える。
今回は前回と比べてそれほど整備の量も多くなさそうだ。皆がほっと胸をなでおろす。
「そうと決まったからには練習するぞ!」『はーい』
「よし、練習用にちゃっちゃと整備するぞ!」『了解!』
こうして、初の対外試合が設定されることになった。
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少し時間は戻って、日曜日の夜、聖グロリアーナ女学院のとある一室。
英国を感じさせるラグジュアリーな家具に囲まれて、赤いジャケットと濃い茶色のスカートに身を包んだ2人と、青いセーターとスカートに黒いタイツを合わせた1人はお茶会を楽しんでいた。聖グロでは良く見る光景だ。
すると部屋の電話が鳴る。
「私が電話に出ますわ」アッサムと呼ばれている青いセーターを着た髪の長い長い金髪の少女がそう言い、これまた英国風のお洒落な受話器を取る。
「はい、ええ、こちらは聖グロリアーナの戦車道でございます。ええ、ええ、かしこまりました、少々お待ちください。ダージリン様、大洗学園よりお電話です」
「いったい何なんでしょうね」オレンジペコと呼ばれる、オレンジ色の髪の毛を後ろで結った少女が漏らす。
「何かしらね…お待たせいたしました、お電話かわりましたダージリンです。ええ。ええ。そうでしたの。ええ。もちろんお受けいたしますわ」ダージリンと呼ばれた、その少女ーー 見方によっては淑女にも見える彼女はそう言うと、
「お互いに良い戦いをしましょう。詳細は追ってメールをお願いします。では」話は終わったようだ。
「何があったんです?」オレンジペコーー 普段親しいものからペコと呼ばれているのでこの後ペコと表記するーー が問うと、
「大洗学園、戦車道を復活なされたそうなの。それで練習試合のお誘いを頂いたの。もちろんお受けしたわ。誰の挑戦でも受ける、それが聖グロリアーナの戦車道よ」お淑やかにダージリンが返す。
「ダージリンらしい返答ですわね」アッサムが付け加える。
彼女たちーー 通称ルーブルシスターズは、聖グロリアーナ女学院の戦車道の隊長及び副官であった。
「そういうことですわ。ペコ、"整備隊長"に伝えておきなさい。チャーチル1両とマチルダ4両を仕上げておくように」「かしこまりました、ダージリン様」
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再び時間は戻って、今度は練習後の生徒会室。
練習が終わったあと、生徒会の2人に加えてそれぞれの戦車のリーダー、および整備隊を代表して片山部長と牧人と研人がホワイトボードの前に立つ桃の話を聞いていた。
「ーーそこで高低差を利用して、残りがこれを狩る!」「ヨシ!」「ふむふむ」「西住ちゃーん、どうかした?」「んぁ、ええとーー」
3日後に控えた練習試合を前に、どのような戦術を取るか作戦会議をしていた。ちなみに牧人と研人は本来呼ばれていない筈だったがーー
「男が俺1人になって絶対何も言えなくなるから悪いけど2人、ちょっと付き合ってくれ。あと、牧人なら戦車のこと知ってるから何か意見できるかもしれないし」 という部長の申し出に2つ返事で了承し、一緒に聞くことになった。
「ーー裏をかかれて逆包囲される可能性があるので…」「ああ確かに」柚子に続いて、「なるほどなー」「西住先輩の言うとおりですね」研人と牧人が関心すると「おい!だまれ!私の作戦に口を挟むな!あとそこのお前ら、1年のくせに生意気だぞ!」
歩くスピーカー、MoMo、税込ーーじゃない、河嶋先輩が声を荒げて言った。西住先輩がしゅんと落ち込むより先に牧人が口を割る。
「まぁまぁ落ち着いてくださいよ河嶋先輩。どんな作戦にも穴はあるんですよ?西住隊長はそれを指摘しただけなんですから」「そうだよ桃ちゃん、あんまり1年にキツく当たると評判悪くなるよ」「だから桃ちゃんとーー」「まぁまぁー」
くおー!おこったぞー!ここで怒り全開、ボリュームツマミを右に。音量アップ。MoMoの出力、増大中。
その後なんやかんやあって、結局チーム全体としての大隊長はみほが取ることになった。ーー約1台、違った。約1名を除いて満場一致による賛成多数で採決された。あと、勝ったらほしいも3日分が生徒会長直々にプレゼントされるらしい。別に嫌いではないがーー
「もし負けたらどうなるんですか?」磯部先輩が聞くと生徒会長はこう答えた。
「負けたら納涼祭であんこう踊りでも踊ってもらおうかなー、なんて」
刹那、西住先輩と研人以外の顔がいきなり暗くなる。2人はよく大洗の事を知らないのできょとんとしている。ちなみに達也は3年生なので話には聞いており、牧人は大洗女子学園の卒業生である母からその伝説もとい悪夢について聞いている。
「あ、あのー」「あんこう踊りって」『いったい何なんですか?』恐怖を知らない2人が無邪気に問う。「」「」誰も口を割りたがらない。すると見かねた牧人が、
「…女子の口から言わせるのも酷だし僕が話します。これ正直言いたくないんですけどーー」珍しく落ち着いたトーンで話し始めた。
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「…絶対に勝てるような整備をするぞ。俺は用事があるからこの辺で。お疲れ様」
『お疲れ様でしたー。お気を付けて』
会議が終わったあとの寮までの帰り道で、用事があるとのことなので達也先輩と別れた2人はーー
「絶対勝たないといけないなこれは。あんなの女子高生にやらせるなんてとんだ自治体だよ大洗は」
「まぁね。俺の母さんが通ってた時もやってたらしいけど、今はネットがあるもんねー、一生フリー素材か今晩のおかずだよ」「おい」「冗談に聞こえるか?」「…聞こえなくもないのが困るんだが」
2人なりにやる気を出していた。
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試合前日。つまり金曜日。
練習を終えて戦車倉庫に並べられた5台の戦車はーー 秋山先輩曰く戦車への冒涜とでもいうべき状態になっていた。
八九式の車体の左側には白いペンキででかでかと"バレー部復活!"の文字とバレーボールのイラストが。
三突の車体は主にトリコロールカラーを用いたカラフルな塗装がなされ、さらに4本の旗が上部に突き刺さり。
M3Leeの車体は全身くまなくピンクカラーのコーディネートで統一され。
38tの車体はIIDX GOOOOOOOLD!!!ーー IIDXは余計だーー その色で塗装され、さらにいたるところに大洗のエンブレムがペイントされていた。
唯一外見はそのまま低認識の色合いを保っていたIV号はというとーー 戦車車内が女子高生の部屋のそれと同じようになっていた。
試合前の最終調整をやっておこうと倉庫に来ていた整備隊の面々が目を疑っていたところ、耳にこんな会話が飛びこんできた。
「私達も色塗り替えればよかったじゃん!やだもー!」「突っ込むところはそこか」
5台の戦車たちが、それぞれのチームの特徴を生かした形になっていた。ーー色々やりすぎなような気もするが。後で聞いた話だが、これらはすべてチームの自費でやったらしい。
「あ!研人に牧人!見てみて!私達の戦車かわいいでしょ!」人々コンビ、もとい研人と牧人が脳内ピンクな6人に見つかった。
「でしょ~?私達だけでここまでペイントしたのよ~」確かにいくらか塗りが甘いところがある。
「私達なりの戦車道への情熱!って奴かな」「あいー」…あやのメガネと顔、それと足にペンキが跳ねてやがる。後で教えてやらないと。
「あはは…私は最初は止めようとしたんだけど、結局押し切られちゃって…勝手に塗っちゃって悪かった?」「…」この2人は一応反対はしたのだろう、しかし多数決の原理が発動。
そう迫られた2人はというと。
「…」一方は珍しく口を開けたまましゃべらない。「おい、何とか言えよ、牧人」口を動かす。「…練習試合で何が起きても知らねーからな」
「たぶん 大丈夫 でしょ! まきと わかっているの? おい!」…メガネにペンキをくっつけたまま言っているせいで間抜けに聞こえる。あとその言い方は何かゲームがバグってるみたいだぞ。
「はぁ…。いいよ、ただ試合でひどい目にあっても知らないからな!」「やったー!」珍しく牧人が押し切られる形となった。
「あっ、それは置いといて。あや、体にペンキいっぱいはねてるよ。これすぐに洗い落とさないとダメな奴だ」牧人が口を開く。「えっ!本当!?急いでシャワー浴びなきゃ!」
「…指摘したお礼として"一緒に"シャワーは浴びられないんですかねぇ、お嬢さん」…変態特化ゾーン突入。
(牧人、こいつ…!さっきまで落ち込んでいやがったのにもういつものペースだ!ん?優希がなにか持ち出してるぞ?あれはーー)
バシャーン!
「あら~、なぜかペンキの入った缶を持ったらつい手と足が滑っちゃいましたわぁ~」
牧人が全身ピンクにコーディネートされていた。M3とおそろいだ。 ーー顔と髪の毛と、整備中に履く靴も。
「オイイイイイイイイイイイイイ!優希何するんだよお前!ちょっとシャワー浴びないとやばい!失礼!ドゥエドゥエドゥエドゥエドゥエドゥエ」
日々ある城を攻略し立ちションするまでの時間が短縮されている変態の如き動きでーー 違ったこいつも変態だったーー 男子用のシャワー室を目標に即座に移動していた。
「もういなくなっちゃったね、やっぱあれは変態だよ」あゆみがサーブを放つ。
「アレは変態。それにしても、優希お前なー」研人がレシーブする。
「あら~、私は良かれと思ってやったのよ~。ねぇ、あや」優希がそのボールをトスしたのだがーー
「…優希の、バカ。せっかく…」
「あら、あら」
あやはアツアツのゆでだこになりながら、優希に向けてスパイクを放っていた。
ちなみにその後、シャワー室からなんとか全身のペンキを落として出てきた牧人曰く、「あやは実はまんざらでもなかったんじゃない?俺とシャワー浴びるの」とのたまっていた。実際当たっていた。
それと彼が塗装に対してあきれ返っていた理由に関しても聞いてみると、こんな答えが返ってきた。「どの戦車も基本的に強みを殺しちゃってる。特に三突。あんなん自分がどこにいるが勝手に知らせてるようなもんだ。八九式はまだ分からなくもないことだしペイントも地味だからギリギリセーフかな」自動車でもスポンサード表記が車になされるので、これはまだ100歩譲って理解できる。「生徒会のあの金ピカも反射しやすいからダメ。ましてやLeeのピンク色だなんて論外だ。IV号だけだったな、外見がまともだったのは」IV号は車内がピンク色だったが。
果たして明日の練習試合はどうなるのか。少し不安になってきた。
<最初に>
戦闘部分までたどり着けませんでした…次話1話で完結できるかな、聖グロ戦。多分2話ぐらい使う。
<評価>
色が付いた…だと!?お気に入りやPVが増えているだと!?皆さま、ありがとうございます。
<聖グロの整備隊長>
次話で新キャラが登場です。
<歩くスピーカー>
声の大きい人がこう例えられるよね。
<ゲーメストの誤字ネタ>
元ネタはスカッドレースというレースゲームの紹介記事において。今回は意味が通る文章になってます。詳しく知りたい人は
インド人を右に で検索。
<あんこう踊り>
牧人は母が踊っている記録映像をたまたま見てしまったことがあります。本人見つかった時、どんな顔をすればいいのでしょうかね。
<GOLD RUSH>
筆者はこの曲大好きです。ちなみにbeatmaniaIIDXは十段/五段の腕前です。そのうち音ゲーとクロスした番外編書くかも。
<やだもー!>
絶 対 に 言わせたかった
<チートバグ動画>
うーん、チートバグ動画は たの しいぞ。
<キャッスルヴァニア>
ムッムッホァイ
<ラブコメ>
あやは牧人のーー上半身上だけでもいいからーー裸を見てみたかったようです。
<ひとこと>
テキストファイルに下書きしてるんですが4kb/時って書くペース遅いですかね
<次回予告>
今度こそ!聖グロ戦!!新キャラも出るよ!ダー様と整備隊の絡みもあるよ!!!
お楽しみに!