騎士王がロキファミリアに入るらしいですよ   作:ポジティブ太郎

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第二章開幕でございます! 
それでは、どうぞ


2章 ダンジョン遠征編
十二話 レフィーヤとアルトリア


 ダンジョン49階層――深層域。

ロキファミリアの面々は、モンスターとの激戦を繰り広げていた。

『フォモール』。獣蛮族のモンスター。

右手に一振りの鈍器を持ちながら、迫ってくる。

 

団員達は、前衛でウォール()としてモンスターを押さえ込み進行を防いでいる。

「――ベート!」

「分かってるつーのッ!」

 

フィンの叫びに荒々しく答える狼人――ベートは、動きを止められているモンスターに強烈な蹴りを見舞っていく。

それに負けじとアマゾネスの姉妹もベートに続く、片や双大剣(ウルガ)が唸りを上げてモンスター達を粉砕、片や双曲剣(ククリナイフ)で舞うように踊りながら切り伏せる。

第一級冒険者を筆頭に戦局はやや有利になっていくが、ティオナの所からフォモールが2体抜け出してしまう。

 

「あっ、しまった!! ――レフィーヤ逃げてッッ!」

 

ティオナの声の先にいるのは、魔道士であるエルフの少女。

山吹色の髪にピンクのバトルドレスを身に纏っている。

その少女の元へ、怪物が迫る。レフィーヤのレベルは3、フォモールのレベルは推定4~5。

単純に、2レベル差の隔たりがある。これが意味するのは――死。

レフィーヤが正面戦闘で勝てる道理はない。

 

「――きゃああああ!!!」

 

レフィーアは死への恐怖から双眸に涙を溜めながら、悲鳴を上げる。

もうダメ、と自身の生涯の幕閉じを予感した瞬間。

 

――風が通り抜けた。

 

『ブゴォォォォォアッッッッ!!』

ルームに響き渡る怪物の断末魔。その声は、最後まで響き渡ることはなかった。

銀の剣閃が迸り、体躯が魔石もろとも細切れになったからだ。

【剣姫】アイズヴァレンシュタイン。

神々の間で、彼女の成し遂げた数々の偉業にちなみつけられた二つ名。

都市中で剣を持って戦うその姿に、人々は驚異と畏怖の念を抱きその名を呼んでいる。

戦闘狂・人形と表される彼女だが、相変わらず感情が希薄な表情でレフィーヤに手を差し伸べる。

 

「‥‥レフィーヤ。だいじょう、ぶ?」

「――たっ助けていただいて、ありがとうございます!」

 

レフィーヤは、憧憬の剣士に助けられた事に感激しながらも、何も役に立てず、足を引っ張ることしか出来ない

自分の無力さに歯痒い思いをしていた。

 

『ゴアァァァァァッッッッ!』

 

突如新たな叫声が耳を突き抜ける。仲間を無残に殺され、憤怒の炎を燃やしている一体のフォモールが走り迫ってきた。アイズが斬り伏せようと、鞘に収まっている剣の柄を掴み、引き抜こうとしたが‥‥。

 

――閃光が弾けた。

断末魔の叫びを上げる事も許されず、フォモールは消滅する。

レフィーヤは、何が起こったのか理解できなかった。

隣で佇むアイズでさえ、表情は変えないものの、その目は驚愕で見開かれている。

 

アルトリア・ペンドラゴン。 二つ名なし。

Lv.1ながらフィンとの試合に勝利し、史上初の深層ダンジョン遠征への参加。

49階層までの道のりは、サポーターとして荷物を背負って隊の後列に参加していた。

だが、この階層に到着しモンスターの大量発生という異常事態(イレギュラー)が発生。

戦局を変えるために彼女も戦闘に参加したと言う訳だ。

 

 

レフィーヤの目に映るアルトリアは、アイズと重なっていた。

金髪の剣士という類似点だけでなく、アイズと同じかそれ以上の俊敏。

先の戦闘で見せた圧倒的な技と駆け引き。

恐怖など微塵も感じず、凛とした表情で敵を見据えている姿。

 

この時、レフィーヤの中で憧憬の剣士――いや、騎士が加わった。

 

****************************

 

リヴェリアの魔法によって、フォモールを一網打尽にしたロキファミリア一行は、

ダンジョン50階層に野営地を敷いていた。

 

アイズと共に、野営地の一角に張られた天幕をくぐり抜けるアルトリア。

と、目の前にはレフィーヤが待ち構えていた。

 

「あ、あの。先程は助けて頂きありがとうございましたッ!」

「いえ。無事でよかったです。‥‥レフィーヤ」

 

アルトリアの優しげな微笑みに、思わず顔を赤らめるレフィーヤ。

そして、自身の名前を覚えてくれていた事にも、同時に感動を覚えていた。

話をしたのは、入団時の自己紹介の時の一度きりだったからだ。

 

「おーい! アイズー、アルトリア~~」

「二人共、ここにいたのね」

 

 隣の天幕から近づいてきたのは、ティオネとティオナ。

 

「ねぇ、もうじき夕飯でしょ? そこで‥‥‥ここにいる5人で料理対決なんてどうかな!」

 

 ティオナが天真爛漫な笑みではしゃぎながら、提案する。

 

「料理‥‥‥。はっ! 団長にアピールできるチャンスじゃない! その話乗ったわ!!」

「うん。いい、よ」

「(アイズさんとアルトリアさんの料理気になりますッ)やりましょう!!」

「料理対決 、ですか? 勝負ならば断る理由はありません!」

 

 他4人も全員同意し、料理勝負を行うことになった。

 

 ダンジョン内の空気が、不思議と不穏な物へと変化していく。

 まるで、この後起こる悪夢を予言しているかのように‥‥‥‥。




久しぶりに戦闘シーンを書きました。
次回休憩挟みますw。

誤字や感想を送っていただければ有り難いです。
評価もいただければ嬉しいなー。な~んて‥‥。
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