騎士王がロキファミリアに入るらしいですよ   作:ポジティブ太郎

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暫くの間投稿できなくてすみません!
年末になるにつれ忙しさが増していく一方でして(汗)
あっ、大掃除しないと…(白目)



閑話 騎士王ファッションに挑む!!

 

 遠征終了を祝した宴が終わった翌日、【ロキ・ファミリア】黄昏の館は喧騒に包まれていた。

 

「なぁ、明日は【怪物祭(モンスターフィリア)】だよな!」

「あぁ! 【ガネーシャ・ファミリア】主催の一大イベント!」

 

 ロビーでの団員達の会話の殆どが、この【怪物祭】についてのものだ。

 新参であり、オラリオに来てから日の浅いアルトリアは聞き覚えのない単語に興味を持った。

 隣に佇むアイズに問いかける。

 

「アイズ。【怪物祭(モンスターフィリア)】って何ですか?」

 

 アイズは相変わらず淡白な表情で、静かに口を開く。

 

「オラリオのお祭り。調教テイムされたモンスターを使った催しが行われるの」

 

 お祭り。縁がないわけではない。

 生前は祖国ブリテンの祭りを何度か見たことはある。

 王としての立場上近くで見ることは叶わなかったが……。

 

 祭りという単語に意識を引かれるアルトリア。 

 すると、目の前にいるアイズの様子が変わっていた。

 何か言いたげな様子で逡巡している。

 そして、意を決した表情で話を切り出す。

 

「もしよかったら、一緒にお祭り、いこ?」

 

 ティオナ達と一緒に、と一言加えて。

 

 アルトリアは、静かに微笑む。

 そして。

 

 

「ええ。行きましょう」

 

 即答していた。

 

 

***************************

 

 北のメインストリートの商店街。

 アルトリア、アイズ、ティオナ、ティオネ、レフィーヤの5人はそこにいた。

 明日は【怪物祭】。

 そのため、祭りの雰囲気に触発され、普段と比べ一段と賑わった商店街の店々を楽しんでいた。

 

 女性専用の衣料品店に入る一同。

 取り扱う衣服の種類は多種多様であり尚且つ、ヒューマンやその他の亜人それぞれの種族に適した服装を取り揃えているため人気の店なのだ。

 アマゾネスであるヒリュテ姉妹は、露出度の高い女性らしさを強調した服を真っ先に選んだ。

 褐色の肌は際立たせ、艶かしさも引き立てる衣装に、種族柄肌の露出を好まない種族であるエルフのレフィーヤは大いに赤面し叫声を上げていたが。

 

 レフィーヤもエルフ用の緑色の刺繍が施されたドレス服を購入した。

 清楚でおとなしいといった印象の服にティオナ、ティオネが不満の声を上げるが、レフィーヤは断固として認めず。そんな異様なやり取りが行われている中、珍しくアイズ自ら口を開いた。

 

「私も服見てもいいかな?」

 

 自分でも言いなれていないのか、頬が淡く染まっている。

 アルトリア含めた全員がその光景に驚きを見せるが、直ぐに提案を受け入れた。

 

「もちろん! アイズの服みんなで探そーーー!!」

「そうね! 私が最高の見立てをしてあげるわ!」

「そ、それはダメですっ! あっ、私、アルトリアさんの服も見てみたいです!!」

 

 突然のレフィーヤの発言に、アルトリアは盛大に動揺した。

 長年男として過ごしてきた自分には、美的センスなど皆無に等しい。

 ましてや、服選びなど……。

 

 戦いに置ける経験は、幾千幾億と積んできた騎士王と言えど、ファッションに関しては別の話。

 アルトリアは、信じることにした。自分の直感(A)を。

 幾度となく自身の危機(ピンチ)を救った力を。

 

 

**************************

 

 

 衣料品店の一角にある試着室に、周囲の人々から奇異の視線が集められていた。

 

「ア、アルトリア……?」

「ちょ、ちょっと!?」

「アルトリアさん………!」

「……………」

 

 小首を傾げるアイズを除いた三人は、呆気に取られてしまう。

 

「ど、どうでしょうか?」

 

 一人状況を察していないアルトリアの間の抜けた声。

 彼女が着ている衣服、いや『着ぐるみ』が原因だとも知らずに。

 

 

 状況は遡る事、数分前。

 自分の力だけで状況を打開しようとしたが、何を基準に服を選ぶのかすら分からなかった彼女は店員に声を掛け店で自分にあった服を探してもらおうと試みた。

 どの様な服を好むか聞かれた際に、『可愛い』服でお願いしますと一言。 

 これが、間違えだった。

 アルトリアの容姿は、若干まだ幼さが残る。特に戦闘時以外の食事や今のような買い物などの彼女は特にそうだ。年の小さい部類の少女……という解釈をしたのだろうか?

 

 店員が薦めた服は熊の着ぐるみ。

 アルトリアの隠された少女趣味を刺激するには、十分な代物だった。

 さらに、不幸だった事が店員も彼女同様に少女趣味だったのだ。

 オラリオで今人気のある服だと、最早信憑性の欠片も感じられない言葉も、正常な判断力を失ったアルトリアを動かすには事足りた。

 

 アルトリアの熊衣装に、言葉を無くす一同。

 似合ってない訳じゃない。むしろ……謎の保護欲が湧き上がって来る気すらある。

 普段とのギャップが大き過ぎたのだ。冷静沈着。普段の凛と引き締まった表情は見る影もない。

 

 ティオナ達は、ただ見守っていた。まるで、姉が妹の成長を見守る様な気持ちで。

 

 

 冷静さを取り戻し、人々と仲間達から注がれる温かな視線の意味を解したアルトリアは、嘗てない程の羞恥に襲われたという。

 




3章に入ると言っておりましたが、一話、閑話を挟みました。
このような話も書いてみたいと思っていましたので。
この先、話が行き詰った……ゴホン、気分転換に閑話という形で挟んでいくかもしれません。
 
次回から、3章【怪物祭】編始まります!

ご読ありがとうございました!!
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