プロローグ
『うー……っ!』
『いい加減にしろよ!』
『お前と遊んでる暇なんてないんだぞ!』
『さっさと離せ!』
(どうしたらいいんだよ!)
とある教室で複数の上級生が黒い髪の女の子を泣かせていた。
女の子は両手に何かをかばいながらも泣かないように耐えていた。
それを赤い髪の少年は助けたいけど相手は複数で上級生。喧嘩で勝てやしない。
そんなことが分かるため動けないでいた。
「おいおい、下級生の女の子を泣かしてるなんて上級生の恥だな? 上級生として恥ずかしいね
あー。恥ずかしい恥ずかしい」
ひとりの少年は呆れたように肩をすくませて呆れているようだ。
『な、なんだと!?』
『正義面してんじゃねーよ』
『かっこつけてんじゃねぇ!』
そんな少年にくってかかる男子生徒たち。
憤りはなかなかそう消えないとみた。
『そうかい。 じゃあこの世の恥をかかせてやるよ』
『『『なめんな!』』』
しゃーないなという感じでポケットに手を突っ込んで笑う独特な色彩をもつ髪色の少年。
どこかで見たような記憶が少女によぎる。
『おらよ プレゼントだ(ぽい)』
『『『どこに投げてるんだよ!ノ―コン』』』
相手に向けてなげるそれは逆方向に向かうが少年に焦りなんてものはなかった。
彼らの油断があだとなることがわかるからだ。
『それは、どうかな? 頭上に注意しな』
『『『死…わぷ!?あれ?れえれれれれれれれ!!!? なんだこれファックスのにおいがするぞ』』』
あくまでも平然にいう少年に殴りかかろうとする少年はなにかに足をとられてこけてしまう。
ドスン×3という重たい音を立てて。
『『『痛ってぇ!』』』
女性に好意をもたれそうな顔の少年に向って殴ろうとしたとき三人の上級生は足を滑らせた。
少年が投げたのは実はその中の中身によるものだ。
一見ただの缶でしか見えないが実際は、いや流したのはワックスだったのである。
状況にもよるが走ってる状態でワックスの上を走ればどうなるかは言わなくても分かるだろう。
『さて、これからが本番だぜ?』
『『『な、何をする気だ?』』』
手の骨をならしながら悪い顔をする少年を見て後ずさる少年たち。
すでにやる気はそがれているようだ。
『さてな? 俺は気分やなんでな。 あ、それより君はここから早く去ってあっちのいる男の方に逃げな。こっちは何とかするからさ』
『……あ、ありがとう』
ニヤリと気味の悪い笑みを浮かべた少年がふ、と気づいて尻もちついている少女に話しかけてそういった。
少し、ぼんやりしながらもお礼をいってから心配そうにちらちらと見てから教室を出ていく。
『さてこれからがお楽しみタイムだぜ?』
『『『やめろおおおおおおおお!!』』』
ニヤリと笑って近寄る少年に雄二は見覚えがあった、彼の幼馴染の兄だ。
誰とも認めるシスコンで妹ラブなところでひかれるかんあふれたような少年だ。
『……なんで、あんなことできるんだよ』
滑った上級生に何かをしようとする男いや幼馴染の兄。
とにかくその兄が同級生であろうと怖がらず立ち向かっていき翔子を助けた。
本当なら俺がしなくてはいけないのに幼馴染兄はそれを簡単にした。
怖くて動けなかった俺は、そんな兄の姿を悔しくて羨ましかった記憶がある。
ジリリ~~~~ン
そいう目覚ましの音で殺風景な部屋で目を覚ます。
横を見るといつものぬくもりはそこにはいなくてすこしむくれていた。
「あ、ゆーじ。 おはよ☆ 朝ご飯ならできてるよ?」
この声はすずやかな声と快活な褐色肌に気づいて視線を向けるとエプロンをつけた天使げふんげふん、俺の幼馴染のありすがいた。
ありすは傍からみた小学生や中学生程度にしかみられないスタイルと身長もちである。
だが、そこがまた俺のツボを刺激しているというか。
「いつまで寝ぼけてるの。早く起きないとダメだよ?」
そう言いながら俺の膝ののしりかかって顔を接近させるのは逆効果なんだがな。
「わかったよ」
「ほんとーに理解しているのかな」
溜息まじりにいう雄二に呆れたように見つめているとい写真を撮る音が響いてちょっとした隙間を見つけて開くとそこには雄二母が笑顔で座ってカメラをもっていた。
「うん、良く撮れた」
「最近分厚くなったんじゃない? それ」
「おばあさんもそう思うわ」
という声が聞こえてきたので視線を向けると部屋の前で写真をアルバムにいれているところだった。
奇妙な行動に誰も止めに入らないというのも不思議ではあるが、これが日常なのだろう。