超次次元ゲイムネプテューヌRe:birth2~黒き魔女の転生記~   作:佐久間 優

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約1年放置してしまったことをまずお詫びします。楽しみにして頂いた読者の皆様、本当にすみませんでした。

第8話投稿させていただきます。こんな作者ですが何とぞよろしくお願いします


第2章:相剋のインターセクション
第8話 黒き重厚なる大地 ラステイション


「此処がラステイション…うわぁ見たこと無い機械がいっぱい。良いなぁ、見て回りたいなぁ…」

 

ラステイションの町並みを見渡し、ネプギアが目を輝かせ呟く。ふむ…機械好きなのは此方でも一緒か

 

「ちょっと此処に来た目的、忘れてない?」

 

「はっ!そうでした。見てみたいけど…我慢しなくちゃ……うぅ」

 

そうは言うもののチラチラと目が泳いでいた。やれやれ…全く

 

「アイエフ、コンパ。ネプギアと町でも回って来い。その間、この国の情勢を私が調べておく」

 

「良いんですか!?」

 

目を輝かせ、私へ詰め寄るネプギア。ぬぅ…ちょっと吃驚したぞ…

 

「ギアちゃん、嬉しさのあまりに本音が先に出ちゃってるですぅ…」

 

「ちょっとストレガ、そんな事してる場合じゃ…」

 

「闇雲に動いても意味が無い。それに激戦が続いたんだ。息抜きでもしてくるといい…とネプギアの奴、もうあんな所に」

 

「ふぇっ!?ギアちゃん、待つですー!1人で行ったら迷子になっちゃうですよー!」

 

いつの間にか、遠くへ行っていたネプギアを追い掛けていくコンパ。こういう所を姉に似たようだ…

 

「全く…今は非常事態だってのに」

 

苛立ちを隠さずアイエフは吐き捨てる、ふむ…勘違いであれば良いが

 

「…アイエフ、お前は何を焦っている?それとも…後悔しているのか?女神達…いやネプテューヌを救えなかったことを」

 

「……っ」

 

どうやら当たりか…全く

 

「あの状況でネプギアを救えただけでも上出来だ。仮に無理をして助け出したとして、お前が居なかったらアイツは喜ぶとでも…」

 

「分かってるわよ!だけど私は…女神様を…あの子を救えなかった自分が情けなくて…悔しくて…っ」

 

消え入りそうな声で呟き、アイエフは俯いた…全く

 

「…涙を流し、後悔したとしても諦めるな。1人じゃない、お前には仲間がいる」

 

「ストレガ…?」

 

「どんなでかい壁だって力を合わせれば乗り越えられる……昔のツレの言葉さ、今のお前のように悩んで立ち止まりそうになった時に言われたよ。1人で何でも背負おうとするな、お前にはネプギアやコンパが居るだろう?」

 

そう言うと、顔を上げ私を見つめるアイエフ。その瞳からは先程の迷いが消えていた

 

「ありがと、ちょっと焦りすぎてた…もう少し仲間を頼ってみる……それとストレガ、あんたも仲間でしょ?」

 

「私もか?」

 

「当たり前よ、ネプギアを助けてくれた時に言ったでしょ?だから…ちょっとは頼りにしてるから…じゃネプギア達のとこに行くわ。重ねてありがと、ストレガ」

 

そう言いアイエフもネプギア達の元へと走っていった。やれやれ本当に手が掛かるな…まぁ悪い気はしないが

 

「さて、私も行くとしようか…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ラステイション・郊外

 

 

「そろそろ良いか……出てきたらどうだ?つけていたことくらいお見通しだぞ?」

 

大きめの声で叫ぶと、茂みの中から人影が現れた。やはりな…この街に入ってから尾けられているのも私を狙っていたのも分かっていた。アイツらを引き離して正解だったな

 

「ち…気付いてやがったか」

 

「やはり貴様か、下っ端。私を追跡するのなら完全に気配を消すくらいはしなければな」

 

「下っ端じゃねー!リンダだ!ふざけやがって、今日こそぶちのめしてやる!」

 

そう叫び、懐から3枚のエネミーディスクを取り出し投げ付ける。光と共に危険種―エンシェントドラゴン―3体現れる

 

「危険種3体か。少々骨が折れるな……最初からクライマックス……いかん、アイツの口癖がうつったな。最初から本気で行かせてもらう!魔力解放(マジーア・レリース)!」

 

瞳を閉じ、集中し、魔力が体から溢れ出す。同時にローブを体に纏い、大きめの三角帽を被る…あまりこの姿にはなりたくなかったが、致し方ない

 

「さぁ、手加減なしで行くぞ!」

 

地面を蹴り、3体のエンシェントドラゴンとの距離を一気に詰め、近くにいた1体目の急所を的確に貫く

 

“ガァァァァッ!?”

 

雄叫びを上げ、光の粒子となって消え去る。2体目が隙ありと言わんばかりに、巨大な腕を振り下ろす

 

「ふ…遅い!はぁぁ!」

 

それをかわし、腕へと槍を突き刺す。痛みに悶え、後退する。そこへ3体目がブレスを吐く。遠距離ならば勝てるとでも?

 

「甘い!はぁっ!」

 

 

大地を蹴り上げ、空高く舞い上がる。真下のドラゴン目掛け槍を放り投げる。咄嗟にガードしようとするがそれより早く槍が体を貫き、消え去る

 

「さぁ、終わりだ!焼き尽くせ、フレア!」

 

“グギャアアァ!?”

 

 

灼熱の爆炎に包まれ最後の1体も粒子になり、消え去り、同時に私の姿も元に戻る。む…そういえば下っ端が居ないな……逃げたか

 

「まぁ良い……しかし、少々やり過ぎたかな……」

 

“少しどころの話で済むか…ちゃんと制御しろ。馬鹿者”

 

「ぬぅ……」

 

 

イフリートに叱責され、周りを見渡すと所々、地面が抉れており、フレアを放った場所にはクレーターが出来ていた……むぅ、やはりあまり使わないでおこう

 

“しかし、魔力開放するときのあの掛け声はなんだ?”

 

「いやその…ノリというか、なんというか……ああそうだよ、ネプテューヌに影響されたんだ!悪いか!」

 

 

“ふ…良いのではないか、恥ずかしがることは無い。お前は昔から格好良い名前付けるのが好きだったしなぁ?”

 

「イフリート…っ!」

 

「ストレガさーん!」

 

「…ネプギアか。どうした?」

 

反論しようとしたが声が聞こえ、振り向くとネプギア達の姿が見える。平静を装い返事をする。イフリートの奴、いつか締める…

 

「どうした?じゃないわよ!爆音が聞こえたから慌てて来てみればあんたが居るし」

 

「何があったんですか!?犯罪組織ですか!?」

 

「それよりも怪我はないですか!?」

 

「落ち着け、話すから少し離れろ…」

 

三者三様に話し、詰め寄る3人に呆れつつ、引き離す

 

「それで何があったんですか?」

 

「なに、下っ端が襲撃してきたから撃退したまでだ……逃げられたがな」

「…下っ端相手にこれは流石にやり過ぎじゃない?」

 

「むぅ…それについては反省している。正直、ここまで制御しきれないとは思っていなくてな」

 

周りを見渡し、苦笑しつつ言うアイエフ……危険種が居たことは黙っておこう

 

「あんたねぇ。まぁ良いわ…これからギルドに行こうと思うんだけど」

 

「ギルド……成る程な、あそこなら人も集まるからな。情報収集には最適だな」

 

「それにクエストの行き先でゲイムキャラが見つかるかもしれないしね」

 

「そうですね、じゃあ早速行きましょう」

 

「今度は先を越されないように頑張るです」

 

全員の意見が一致し、一路ギルドへと向かった


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