DMЯ   作:海藤 桜夜

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「まさかあのレッドが居ついているなんてなー」

 

『ヤレラヤミモグユデリミドデデモミモガゼマリバキンダン』

 

「ま、黙っても光のやつらが始末してくれんじゃない?」

 

『ゾルバリガユ。マユヂナグマビガリモモモゾモゼバダロゼムバキンダン』

 

「自分から動くのか? まあそんならいっちょ出向こうじゃないか」

 

『ボロビヨミキンダン』

 

―――――

 

文明対抗試合を終え家路を急ぐ相良たち

 

「明日一限からなのによ~。とっとと帰って寝たい」

 

『どうせいつも通り寝坊すんだからゆっくり見てったらよかったじゃねーか』

 

「まあそうなんだけどさ・・・」

 

『・・・』

 

「レッド?」

 

試合の後レッドのカードは元のザレッドに戻っていた

 

レッドはというと押し黙ったままだ

 

『おいそこの貴様』

 

「ん?」

 

黒い長髪の青年が歩いてきた

 

黒いコートに黒い靴

 

頭の先から足の先まで黒黒黒の一色だ

 

『俺とデュエルをしてもらおうか』

 

「何を急に・・・大方さっきの試合を見てた客の一人か・・・」

 

『受けないと言うのか? どうあっても受けてもらうぞ』

 

空間が歪む

 

そして見慣れたデュエルスペースが展開される

 

はずなのだが様子が違った

 

「なんだよこれ・・・」

 

暗黒に包まれたフィールドに降り立つ

 

『さあ闇に葬られるがよい』

 

「!?」

 

さきほどの青年の姿が変わる

 

山羊のような角に胡坐をかいた独特のその姿を見たものはすべて絶望へと誘われる

 

『ウソだろ・・・こいつぁ・・・』

 

「悪魔神ドルバロム・・・」

 

「そうだ。闇の総領にして最強の悪魔さ」

 

「おまえ・・・」

 

「やあ。さっきはハンパなところで終わっちゃったから。楽しもう」

 

試合前に相良を対戦に誘った少年が、否、少女がいた

 

「思い出させてあげるよ、レッドも、そしてケンにも」

 

「ケン・・・? なんで俺の名前を?」

 

「それはね、ケンが一番よく知ってるんじゃないか」

 

「誰なんだおまえ」

 

「悲しいなぁ、僕のこと忘れちゃったんだ・・・」

 

「忘れた・・・?」

 

「思い出してよ。あの日のこと」

 

―――――

 

「俺はコイツかな!」

 

「じゃあーねえ、僕はこれ!」

 

「なんか似合わねー」

 

「ええー、ケンに言われたくないよ」

 

 ・

 ・

 ・

 

―――――

 

「思い出したか? 僕と・・・」

 

「やめろ」

 

胸が焼ける

 

どす黒い胃酸が逆流して脳髄が蒸発しそうになる

 

「なんなんだよ。誰なんだおまえは・・・」

 

頭が割れるように痛い。苦しい

 

なんでこんなにも苦しいんだ

 

嫌なのになぜ

 

こんなふうに思うのなら

 

こんなふうに感じるのなら

 

―――スベテコワシテシマエバイイジャナイカ

 

『はじめよう・・・おしゃべりはもうウンザリだ』

 

「ああ、そうこなくちゃ」

 

―――――

 

『禁断、セットオン!!』

 

場をうずまく暗雲を切り裂いて石碑のようなものが大地からせり出してきた

 

『オレからはじめさせてもらうぞ。チャージして終了だ』

 

「本気になってくれたんだ。ドロー、チャージして終了」

 

『・・・チャージしトップギアを召喚、エンドだ』

 

場に禍々しく輝く禁断と呼ばれるカード

 

クロスファイアはその異様な雰囲気に不安を感じていた

 

『なんだってんだありゃぁ・・・。それにケンイチも様子がおかしい』

 

『・・・』

 

一方のレッドは沈黙したままだ

 

「チャージしてダークライフを発動。バーロウをマナ、ドルバロムを墓地に置く。エンドだよ」

 

『轟速ザ・レッドを召喚、封印を一枚はずす』

 

大地が震え石碑に打たれた楔が外れる

 

『轟速ザ・レッドのアタック時、侵略発動。熱き侵略レッドゾーンZと轟く侵略レッドゾーンに進化』

 

「多重侵略か・・・これは痛いな」

 

『封印をさらに二枚はずす!』

 

石碑から楔が外れる度に早鐘のように鼓動が高鳴る

 

それは相良のものなのか、それとも別のナニかなのか

 

『レッドゾーンZの効果でシールド一枚を墓地に置く。レッドゾーンでTブレイク』

 

「シールドトリガー発動、凶殺皇デスハンズ!」

 

悪魔の手に宿る死神が鎌を引く

 

レッドゾーンは大破した

 

―――――

 

「紫電ドラゴンで攻撃なー」

 

「あ、デーモンハンドあるよ」

 

「えーとどめさせないじゃん」

 

「じゃあ僕のターンね」

 

―――――

 

『・・・ターンエンドだ』

 

「まだまだ持ちこたえてみせるさ。白骨の守護者ホネンビーを召喚。墓地から再誕の祈りを回収。エンドだ」

 

『オレのターン。轟速ザ・マッハを召喚。マッハの能力で山札の上から超音速ターボ3を手札に加える』

 

封印の残りは二つ

 

凄まじいパワーに大気すら震え、全てのものが圧倒される

 

『マッハの攻撃時侵略発動。超音速ターボ3をバトルゾーンに』

 

ついに封印は残り一枚となった

 

鼓動のテンポが速まるにつれて音速の侵略者も熱く連撃を放つようになる

 

『ターボ3でアタックだ』

 

「ホネンビーでブロック」

 

『トップギアで最後のシールドをブレイクする』

 

「シールドトリガー・・・インフェルノサインだ」

 

『なんだと・・・』

 

「魔龍バベルギヌスを出して破壊、効果で墓地の邪霊神官バーロウをバトルゾーンに!」

 

神官の儀式により悪魔が降臨する

 

「バーロウを進化元に墓地からドルバロムを召喚!!」

 

そのとき、すべては闇に呑まれた

 

闇の底へ

 

あらゆる色が黒へ染まる

 

―――――

 

「勝ったら秘密教えてくれるんじゃないのかよー」

 

「ずるいし。リンばっかデーモンハンドとか当てて」

 

「教えてよーいいだろー」

 

「・・・笑うなよ?」

 

「うん、笑わない」

 

「・・・好きなんだ」

 

「え?」

 

「俺・・・おまえのことが好きなんだ」

 

―――――

 

「・・・ドルバロムの効果で闇以外のクリーチャー、そしてマナをすべて破壊する」

 

『ターンエンド』

 

「僕のターン。ドルバロムでシールドをブレイク」

 

『トリガーはない』

 

「デスハンズでブレイク」

 

『トリガーはない』

 

「エンドだ」

 

『そうか、おまえは・・・」

 

相良の目に生気が戻る

 

「ドロー・・・、エンドだ」

 

「僕のターン・・・ドロー。デスハンズで最後のシールドをブレイク」

 

「まさか、あんなに大事なことを忘れてるなんて・・・」

 

「仕方ないよ。ケンがそうしたかったわけじゃないんだし」

 

「そう・・・だな」

 

相良は倒れた

 

疲労が一気に押し寄せたようだった

 

しかし

 

『マダダ。デュエルハ終ワッテイナイ』

 

相良の体を通して何かが動いてる

 

『シールドトリガー、リベレーションオブジエンドッ!!』

 

起き上がった相良の瞳に十字が浮かび上がる

 

『下がれ、リン!』

 

「え?」

 

相良に近寄ろうとした少女を青年、もといドルバロムが突き飛ばす

 

『禁断、解放』

 

荒野に幾万の槍が降り注ぎ、悪魔を屍へと変えた

 

 

 

続く

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