DMЯ   作:海藤 桜夜

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『・・・・・』

 

遠くに聞こえる

 

鼓動の音が聞こえる

 

ビシリ、ビシリ、と

 

脈打って震える

 

―――――

 

「よし、俺のターン! ・・・ジャスミン自壊してマナ加速する。終了」

 

「俺のターン、ミラクルスターでダイレクトアタック」

 

「ぐええ」

 

―――――

 

「腕が鈍ったんじゃないか、剣一」

 

志羽に煽られる

 

確かに今のプレイ内容はやや精細欠いていたような気がした

 

「いつだって調子いいわけじゃねーし」

 

「へいへい」

 

退院してから二週間あまり経ったある昼下がり

 

今日も今日で相良と志羽はデュエマをしていた

 

一か月ほど前に禁断との戦いを経てプレイヤーとしてレベルも上がった相良・・・だったのだが

 

「つか途中から禁断に乗っ取られてたからお前自身のプレイングじゃないんじゃないのか?」

 

せっかく志羽に勝ったと思っていたのだが自分の実力ではなかったと聞いて相良は落ち込んだ

 

そういうわけで数日前から懲りずに志羽に挑んでいるわけである

 

「代表戦ではそこそこやるってのにどうして普段は雑ってかなー」

 

「おまえさぁ、言い過ぎだって」

 

「でもさぁ」

 

しかして、その戦績は志羽も言う通り芳しいものではなかった

 

どうにも決め手にかけると言うのだろうか

 

「まだこいつを使いこなせてないしな・・・」

 

「まあそいつに関してはゆっくり見てやれや。面白い能力だし」

 

二人が見つめるそのカードはかつてのクロスファイアだったカード

 

それは・・・

 

―――――

 

『ケンイチ! 俺の出番はまだなのかー!?』

 

「そう焦んなよ。まだデッキができてないんだ」

 

『はやいこと暴れたいぜ! この身体がどんなもんかわからねえしな』

 

相良の中にいたドキンダムX

 

クロスファイアとのバトルにより破壊されたのだが、

 

その時フィールドの効果によりスレイヤーを得ていたドキンダムXはクロスファイアを道連れにした

 

が、そのときクロスファイアが生み出した分身、2ndを依り代に今のカードとして生き返ったのだ

 

「なんとか組んでやらないとな・・・」

 

『待ってるぜ、ケンイチ!』

 

「おう、任せろ」

 

そんなことを話していると

 

『・・・気配か?』

 

クロスファイアが何か違和感に気付く

 

「見られてる、ってとこか?」

 

『ああ、もしかすると』

 

二人は彼のことをまだ忘れてはいなかった

 

あの日、禁断の中で・・・

 

―――――

 

『・・・ここは』

 

『ここはオマエの場所さ』

 

『オレの場所・・・? オマエは誰だ?』

 

『オレか? オレは・・・』

 

―――――

 

『うーん、気配はするが見つからないとはなー』

 

「仕方ないさ、もしかするとアイツじゃないかもしれないし」

 

『しかしな、おまえアキラたちにしか身元知られてないはずだろ?』

 

確かに対戦場ではファイトネームで呼ばれるため本当の名前はわからない

 

デュエルの状況こそ拡大して映し出されるが、モニターには顔は映らないので対戦相手でもなければ知りようはない

 

『カードの姿なら俺にわからないはずないぜ』

 

「もしかして実体化してるとか?」

 

クロスファイアが笑って一蹴する

 

『まさか。デュエルスペース以外で実体化できるわけねえし』

 

「だよなぁ。ま、とりあえず今日のところは帰るか」

 

『そうだな。またアキラに相手してもらって調整しようぜ』

 

「おう、じゃ行くか」

 

そう言って相良たちはカードショップを出て行った

 

『・・・見つけたぜ、ファインド!』

 

相良たちを見つめる男、一体彼の正体は誰なのか・・・

 

 

 

続く

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