DMЯ   作:海藤 桜夜

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真夜中、アラシに起こされ不機嫌になる相良

 

「なんだよこんな夜中に・・・」

 

『クリーチャーの気配みてえだ』

 

「みたいってなんだよ・・・?」

 

起き抜けでガンガン鳴る頭をおさえて抗議気味に聞く

 

『たしかに人間じゃねえ気配がするんだがクリーチャーのそれとも違うっつうかよ』

 

「まさか幽霊とか言わねえよな?」

 

『ははっ、まさか』

 

そう言ってふざけていると

 

ガタン!!

 

と大きな音が廊下から聞こえた

 

「泥棒だろうが幽霊だろうがあまりいい趣味じゃねえなぁ」

 

『逆に一発脅かすか』

 

「そうしてやろう。起こされた腹いせにな」

 

アラシを胸ポケットにいれると、近くにあった孫の手を警棒替りに持ち部屋を出た

 

「動くな!」

 

といいつつ一発入れてしまう

 

自分より先にアラシが気付いたことも気になるので、やられる前にやれ、でいこうと思っていた

 

だがその感触はあまりにも固い

 

まるで甲冑でも叩きつけたように手がしびれる

 

「来客に対して失礼じゃないか、バッドマナー」

 

その声は聞き覚えのあるものであった

 

「その声どっかで・・・」

 

廊下の照明を手さぐりで点ける

 

明かりの中、立っていたのは先日フリー対戦を申し込んできた男

 

「流・・・さん?」

 

―――――

 

「まったく痛かったぞ、ペイン」

 

「こんな時間に窓から入ってきたらそりゃあなぁ」

 

廊下騒いでいるわけにもいかずとりあえず部屋の中で話を聞く

 

「オレも少し焦っていた、ソーリー」

 

流は謝ってこそいるが悪びれる様子はない

 

「てかなんなんだよその喋り方」

 

中年の芸能人を崩したような口調に思わず突っ込んでしまう

 

「これは気にするな。それより聞いてほしいことがあるぜ、リッスン」

 

なかなか強情な性格のようなのでここは流して言い分を聞くことにした

 

「短刀直入に言おう、俺は君たちについて知っている。ノウン」

 

胸ポケットの中で狸寝入りしていたアラシが武者震いする

 

「禁断に取りつかれた火文明の代表、煉獄の炎帝。そしてその相棒クロスファイア、今はアラシだったか」

 

「・・・!! あんた、何もなんだ?」

 

「ただの決闘士だ。君と同じ、な」

 

流浪の騎兵、楽園の求道者もとい久隆等、文明に所属せず個人でクリーチャーと取引し、

 

独自に大会での優勝を狙うものもいる

 

流はその中の一人なのだろう

 

「そういえば千佳が言ってた・・・」

 

―――――

 

「代表戦が始まったら連戦が多くなると思うから体力つけておかないとね」

 

「なんで連戦になるんだ?」

 

「対抗試合間のエキシビションがなくなるから。代表戦が始まったらフリーの子たちの対戦はないの」

 

「そういや久隆とかはどうすんだろう?」

 

「さあね、どさくさに紛れて悪いことしてなきゃいいけど」

 

「人相は悪いけど悪いやつじゃないんだろうけどなぁ・・・」

 

―――――

 

「フリー枠の代表が確定した今、追加の参戦枠を得るための方法は一つ・・・」

 

流の額に汗が流れる

 

「・・・上等だ。そこまで強くないが自分の身は自分で守るくらいのことはしてやる。

 

クロスファイアからもらった命だ。そう簡単に渡せるかよ」

 

『ケンイチぃ!!』

 

「・・・盛り上がってるところ悪いが早合点だ、ミステイク」

 

こほんと咳をし、流が沸き立つ二人を制する

 

「・・・っと、違うのかよ。じゃあどうして闇討ちみたいにここに来たんだ」

 

コケかけながら流に問う

 

「その闇討ちを防ぎに来た。頼みを聞いてもらうために」

 

「頼みって?」

 

「・・・それは行けばわかる。時間がないぜ! ハリー!」

 

突然叫ぶと流は胸元からペンダントを取り出し、相良にかざす

 

「何!?」

 

突然立ちくらみのように意識が引っ張られる

 

「俺はこちらで君を護る。だから向こうでのことを君に任せる!」

 

わけがわからねえよ、と伝えかけた口が開く前に相良の意識は完全に消失した

 

「頼むぞ、希望の戦士」

 

流はペンダントを握りしめ相良が先程までいた虚空を睨んだ

 

―――――

 

「・・・ここは」

 

地面に倒れていた体を起こす

 

どうも煙くさい

 

「どうやらまずいことになっちまったようだぜ」

 

クロスファイアに促され辺りを見回す

 

空に大きな影が一つ

 

あれは飛行機か? それとも雲か?

 

いや、それは・・・

 

「うそだろ・・・」

 

空を駆けていくのはドラゴン

 

いつものデュエルマスターズで見慣れたクリーチャーたちの姿だった

 

 

 

続く

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