DMЯ   作:海藤 桜夜

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「で、対戦場に来たわけだが」

 

「わたしの出番はまだだよ。敵情視察も立派な仕事だからね」

 

「へいへい」

 

来て早々にデュエマになると思っていた相良だったが肩すかしを食らった形だ

 

「まだまだきみは初心者なんだし、いろんなデッキタイプを知っていたほうがいいと思うし」

 

「初心者に負けたやつは誰だったか・・・」

 

「うぐ・・・、あっ、はじまるよ!」

 

「おう・・・あ、あいつは」

 

―――――

 

一方ステージ

 

赤い二房の炎を靡かせドラゴンがマイクを取る

 

『レディースアーンドジェントルメーン!! 本日の争奪戦は好カード揃いだァ!!』

 

会場が一気に盛り上がる

 

やかましい歓声に負けない声で実況であるドラゴンは続ける

 

『今回も実況はワタクシ、メガナレータードラゴンでお送りしますッ!! センキューッ!!』

 

「クリーチャーが実体化してるけど・・・」

 

「ここはもうデュエルスペースみたいだね」

 

「会場全体がか・・・」

 

『さて、今回の一試合目のカードを紹介するぞッ!!』

 

電光掲示板に現れたのは相良もよく知る顔

 

『また無所属になってしまった! いつまで残るんだ!? 楽園への案内人だ!!』

 

「♪~」

 

「あいつって・・・」

 

忘れもしない、相良が先日マブタチになった(ならされた)男、名前を久隆慎と名乗っていたか・・・

 

「うん、あの人何度もわたしに挑戦してくるんだけどなかなかあきらめてくれないんだ・・・」

 

「いや、それより楽園のなんちゃらってリングネームみたいなのはなんだ」

 

「え? 本名とかわかったら困るじゃん?」

 

「お、おう(いや、普通に考えて恥ずかしいだろ。中学生じゃあるまいし・・・)」

 

『対するのは同じく無所属! 自由を愛する男! 流浪の竜騎兵だ!』

 

一方竜騎兵の名で呼ばれたのは気の小さそうな青年である

 

見るからに風体の悪い久隆と優しそうな青年ではあきらかに二つ名が逆な気がしてならないが

 

『一試合目からアツイカード! さあ、一匹狼同士の対決、スタートですッ!!』

 

歓声とともに会場にゴングが鳴り響いた

 

―――――

 

序盤、青年はマナブースト

 

メンデルスゾーンによる初動を成功させ、久隆を引き離す

 

一方久隆は余裕綽綽の態度

 

マイペースに手札を補充している

 

「あいつ・・・やる気あるのか」

 

「まだまだだね、きみも。まあゆっくり見てなよ」

 

「マナためて・・・光のマナ武装5を達成、と。キジトロン召喚」

 

丸みのある鳥のようなクリーチャーが現れる

 

「見かけのわりにパワーがでかいな・・・」

 

「そう簡単には越えられないだろうね」

 

「俺はこれでターンエンド」

 

ブロッカーを展開した久隆に対し青年も対応する

 

「こっちも対処させてもらいますよ。超次元シューティングホール発動!」

 

呪文の発動と同時に火柱がキジトロンを包み込む

 

「そのときブロッカー一体を破壊! 勝利のガイアールカイザーを場へ!」

 

赤い装甲を纏った龍が火柱の中から戦場へ躍り出る

 

「勝利のガイアールカイザーでアタックするとき効果発動!!」

 

久隆の盾へと迫るガイアールカイザー、疾走するその側に空間の裂け目が生じる

 

「条件は火または自然のコスト5以上のドラゴン! 達成!!」

 

『ドラァァァァァァァァァァァァッ!!!』

 

「革命チェンジ!! 荒ぶる大佐 ダイリュウガンッ!!」

 

「何だ今の!?」

 

「革命チェンジ、一定の条件を満たすクリーチャーの攻撃時に入れ替わることができる能力だね」

 

「それで入れ替わったっていうのか・・・」

 

蒸気を吹き出して機巧の龍が嘶く

 

「Wブレイク!!」

 

「トリガーは、ないぜ」

 

久隆はまだまだ余裕の態度だ

 

「なかなかの攻撃だな・・・、はやいとこ壁を出さないと危ないんじゃないか・・・?」

 

一応見知った顔であるからか久隆を応援してしまう相良

 

「いや、まだ終わってないと思うよ」

 

「え?」

 

「よく見てなよ」

 

相良が向き直ると、そこにはアンタップしたダイリュウガンがいた

 

「攻撃の終わりに火と自然を持つドラゴンを捨てることで、ダイリュウガンはアンタップする!」

 

さらに勢いを増して機巧龍は進撃する

 

「もう一度ブレイク!!」

 

「とりあえずトリガーで、一極マウチュ」

 

現われたのはかわいらしい子ネズミ

 

『うおおおおし、出番でチュ!!』

 

杵を掲げ気合を入れるがブロッカーはついておらず攻撃は止められない

 

しかもこの攻撃で久隆のシールドは残り一枚となってしまった

 

「もう一度効果発動しアンタップ!!」

 

「まじか!?」

 

「お得意の無限攻撃だね。ハマりはじめてるみたいだ」

 

「最後のシールドをブレイク!!」

 

「シールドトリガー、ヘブンズゲート!」

 

このままダイレクトアタックかというタイミングで二体のブロッカーが場に出る

 

「七極Diとヴァルハラパラディンを場に出すぜ」

 

先程まで蒸気を吹き上げ暴れていたダイリュウガンを氷塊が包み込む

 

「ヴァルハラパラディンの効果でシールドを追加しダイリュウガンをフリーズするぜ」

 

「あんなかわいいやつで大丈夫なのかよ?」

 

「見た目はね、攻撃できないかわりにパワーは15000あるよ」

 

「な!?」

 

「ふぅ・・・、Diのパワーは越えられないですね。ひとまずターンエンドです」

 

『やっとこさボクの出番でチュね! さあ、やっちゃうでチュ!!』

 

「俺のターン、ドロー!」

 

白く、眩しく、そのカードは輝きを放つ

 

「マウチュでダイリュウガンにアタック! その時効果発動!!」

 

『でチュでチュでチュでチュでチュでチュううううううう!!』

 

『「侵 略 発 動 ! !」』

 

「あいつも侵略を!?」

 

『ふ、遅えのは好かねえな』

 

驚く相良とは対照的にレッドは画面上の彼を見つめていた

 

『「超九極チュートピア!!」』

 

そこにはさきほどまでのかわいらしい子ネズミのような姿はなく

 

『さあ、楽園への道を拓こう』

 

純白の鎧を纏った天使が光臨していた

 

 

 

続く!

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