お父さんが鎮守府に着任しました。これより私たちのお世話を始めます!!   作:先詠む人

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どうも、こんばんわ。更新した時間が時間なので読む人によってはおはようございます。

やっと、免許を手に入れた先詠む人です。
それでは最新話どうぞ!!


追跡者=誰?

 ダッ!

 

 一歩勢いよく踏みこめば、足元で小石が飛び散る。

 

 ズシャッ!

 

 先に踏み込んだ足の逆の足をその次に踏み込めば、足元の小石が俺を転ばせようとしてるみたいに一斉に左へと転がった。

 

「チィッ!!」

 

 その転倒しそうな勢いを利用するために手をつき、それを軸に体を90度回転させて目の前に迫る壁を蹴りながら右へと高速で曲がる。

 

「くそったれが!!」

 

 遊ばれている。そんな印象を抱くような追跡者(チェイサー)の様子に俺は普段は使わない悪態を叫びながら逃げ続ける。

 

 追跡者(チェイサー)の姿は六駆の制服に身を包み、栗色の髪の隙間から白い髪を揺らす幼い少女。

 そしてその追跡者(チェイサー)は、口を顎まで避けているのではないかと疑うレベルまで開き、

 

「アハハハ」

 

 と、壊れたレコードのように笑いながら追いかけてきている。

 

 追う、追われるの関係は本来逆。

 

 そのとき、鎮守府の中では警察側()泥棒側(少女)に追われるという本来のルールとは逆転した展開が発生していた。

 

 

 

 

「(一体何が何でこうなってんだ!?なんで()()()()が俺を襲うんだよ!!)」

 

 俺が全力で逃げるために走り始めたのは数分前。その瞬間を俺は回想する。

 

 

 

 

 

 

「ほら、つっかまーえた。」

 

「あぅぅう。捕まっちゃったのです…。」

 

 出撃ドックにほど近い場所で泥棒側の子を探していた俺は、偶然きょろきょろしながらこちらに歩いてくる電ちゃんの姿を見つけ、一気に近づいて肩をたたいた。

 

「よし、じゃあ一緒に行こうか。」

 

「あ、でもちょっと待ってほしいのです。」

 

 俺が電ちゃんを連れて独房の方へ行こうとすると電ちゃんが困った顔でそう言った。

 

「どうした?トイレにでも行きたいの?」

 

 俺がそう聞いてみると、

 

「お父さんはデリカシーがないのです!!そうじゃなくて雷ちゃんをさっき見かけたのですが様子がおかしかったのです…。」

 

「様子が変ってどんな風に?」

 

 俺が電ちゃんの言った言葉に引っかかりを覚えて深く聞いてみると、

 

「電が遠くから呼んだのにこちらを一瞬見たかと思ったらそのままどこかへ行ってしまったのです。」

 

 と、返してきたから

 

「へ~、不思議なこともあるんだな。いつもなら『あ、電!!』って言いながら近づいてきそうなものなのに。」

 

「だから、なおさら気になったのです。だからお父さんちょっと待ってもらっても「だ~め。ほら、早くいこ?」………わかったのです。」

 

 俺が電ちゃんの言葉にかぶせるかのようにそう言うと電ちゃんは悲しそうな顔をしたが、

 

「俺が捕まえ次第なんでそんな反応したのか聞いてみるからそんな悲しそうな顔しな~いの。」

 

 俺はそんな電ちゃんの頭を軽くたたいて安心させるかのように告げた。

 

「それじゃあ行こう「ミツケタ。」……え?電ちゃん何か言った?」

 

「いいえ。電は何も言ってないのですが…」

 

 そうしてようやく動き出そうとしたそのタイミングで謎の声が聞こえた。その声を警戒して周囲をせわしなく見回していると、雷ちゃんらしき姿が自分たちが立っている細い筋の奥に見えた。

 

「って、雷ちゃんか。ついでに捕まえるべ。」

 

 俺は電ちゃんと手をつないだまま雷ちゃん?の方へと歩き出した…………その瞬間だった。

 

「アハッ!!」

 

 そんな常軌を逸した声を上げつつ雷ちゃんらしきその人影は俺のみぞおちめがけて突っ込んできた。

 

「「!?」」

 

 俺は慌てて電ちゃんを抱きあげて壁を蹴ることでかなり上の方に飛びあがる。幸いなことに、電ちゃんの体重は軽かったから体重が重すぎて高さが足りないなどの問題はなかった。

 

「何なのです!?」

 

「わかんない。とにかく、今は状況を整理…させてくれなさそうだなぁ!!」

 

 地面に着地して電ちゃんを抱いたまま振り返るとさっきまで俺たちが立っていたところか十数メートル離れたところで目を赤く光らせてクラウチングスタートの状態で構えている雷ちゃんらしき姿があった。

 

 俺の背中はそれを見るなり嫌な予感を走らせた。

 

「(まずい!!!)電ちゃんごめん!!」

 

 俺は一瞬で電ちゃんを背中側へと回し、本部棟の方へと駆け出した。

 

「キヒ!!!ヨーイ…」

 

 その瞬間、遠く離れているはずの雷ちゃんらしき少女の声が俺の耳に届いた。急いで細い筋から飛び出して左へ曲がり全力で走る。

 

 そして次の瞬間

 

 ドン!!

 

 という大きな音とともに俺と電ちゃんがさっきまでいた筋から砲弾のごとく何かが飛び出してきた。

 それを目で確認した瞬間俺は本部棟へ行くのを断念。本部棟よりも近い工廠の方へと向かう先を変えた。

 

「アハハ!!!モット遊ボーヨ()()()()()()。」

 

 行先を変えた直後に後ろから嫌な感じがして、体の向きを強引に変えた瞬間すぐ横を何かが高速で通りぬ過ぎていくのと同時に、耳元でそんな声が聞こえた。

 

「狙いはお父さん?……お父さん!!ここは電がお父さんを守るのです。だからお父さんは電をここに置いて早く逃げて!!」

 

 どうやらその声が聞こえたのは俺だけではないみたいで、電ちゃんはそう言いながら俺の肩を必死にたたいた。だけど、人をいけにえにするような(そんな)こと俺はできなくて。

 

「それは無理だ!!」

 

 そう叫びながら走り続けた。

 

「(長い直線があるところだとさっきみたいに高速で距離を詰められる。だったら曲がり角が多い居住区(こっち)に行けば!!)」

 

 そんな考えを持ちながら走って奔って走り抜ける。

 

 すると、

 

「あれ?お父さんなんで走ってるんですか?これはメシウマな展開ですか!?」

 

 見覚えがある桃色の髪をツインテールにした少女がこっちを見て走ってきた。それを見て俺は

 

「漣ちゃん電ちゃんを頼む!!!」

 

 そう叫びながら背中におんぶしていた電ちゃんを漣ちゃんの方に全力で投げつけた。

 

「お父さん!!!」

 

 投げられた電ちゃんは今にも泣きそうな顔で俺の方に必死に手を伸ばす。

 

「なんじゃそれぇ!!!」

 

 急に自分がいる方に人を投げつけられた漣ちゃんは困惑して固まる。

 

「くっ!!」

 

 そして、人を片手で投げるという人外じみた動きを無理やりさせた俺の肩は悲鳴を上げた。

 

 そしてそのまま

 

「いいか!!頼んだぞ!!あと急いで逃げろ!!俺は追われてるから巻き込まれるぞ!!」

 

 そう言い残して痛めた左肩を抑えながら居住区の奥まったところに飛び込んだ。

 

 そして冒頭のバン○ッシュも真っ青な動きを生身でしていたところへ至る。

 

 

 

 

 

 

 白い髪の少女は同室のやる気のない少女をとりあえず捕まえようとその少女がいそうなあたりをぶらぶら探していた。

 

「もう、あんの引きこもりどこに行ったのよ。」

 

 そうぼやきながらも探している黒髪の少女が隠れていそうな草の中を手で掻き分け掻き分け歩いていく。

 

「ん……?あれ?また意識が……?いけない、せめてみんなのとこ………ま……で」

 

 しかし、ある程度のところまで探したタイミングで急にそう言いながらふらつき始め、その場に崩れ落ちそうになった………が

 

「んっととと……。……………あの子が危ない。早く行かなきゃ。そうじゃないとまたあの子とサーバーが!!」

 

 そう言いながら体勢を立て直すと今度はその白い髪を翻しながら駆け出した。

 

「あれ?なんで叢雲私がすぐそばにいるのに捕まえなかったんだろう………まぁいっか。おやすみなさ~い。」

 

 その後ろ姿をもともと白い髪の少女(叢雲)捜していた少女(初雪)が見て、そう言いながらその場に横になって寝息を立て始めた。

 

 

 

 

「ヒューヒュー…ここまで来れば………ゼェー……もう大丈夫だろ……」

 

 俺は居住区の中の、提督さんが一人暮らししている建物の裏の壁にすがって荒くなった息を整えていた。

 

 

 

 

 しかし、その希望は打ち砕かれる。

 

「アハ!逃ゲ切レルト思ッタノカ?」

 

 その声は先ほど俺の耳元で響いた声と全く同じで

 

「ハジメマシテ。トデモ言オウカナ、()()()()()サン。」

 

 建物の角からゆったりと歩いてきた雷ちゃんらしき人物は、その髪を栗色から白へと変えながら俺を獲物を見るような目つきで見ながらそう言ってきた。

 

「最初の提督…?何の話だよ!!」

 

 俺がその言葉の意味を分からずに聞き返すと

 

「今ハ問答シテル暇ハネーンダ。ダカラ話モ聞カズニアンタヲ攫ワセテモラウゼ。オトーサン。クスクス……」

 

 目の前の六区の制服を着た謎の少女は赤い目を俺に向けてそう言い切り、

 

「ガハッ!!」

 

「寝テロ。」

 

 一瞬で数メートルもある俺との距離を詰めたかと思うと、そのまま掌底を俺の腹部に入れて気絶させた。

 

 

 

 だけど意識を失う寸前に

 

『対象者が危険にさらされています。』

 

『モードを切り替えて対象者がさらされている状況を打破します。』

 

『切り替え完了。これより対象者小鳥遊佑人の意思を一時的に凍結、入れ替えを行い、()()()()()()()()()()()。』

 

 そんな音声が頭の中から流れてきた気がした…………




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