お父さんが鎮守府に着任しました。これより私たちのお世話を始めます!! 作:先詠む人
今回はさっちゃんの異変のほうか、山風が馴染むまでどっちを書くのか迷いましたが、結局さっちゃんの異変の方を書きました。
それと二つほど注意点なんですが、今回仮面ライダーネタ…というか武器がが少し最後の方で出てきます。
それが嫌な人は本当にすみません。あともう一点。それは後書きで書きます。
「ん?」
クリスマスの朝。悲鳴のような声が聞こえた気がして俺は目を覚ました。
「何かあったのか!?」
即座にベッドから跳ね起きパジャマ姿のまま入口に立てかけていた竹刀をもって部屋を飛び出す。その瞬間
「お父さぁぁん!!!」
の叫びとともに、俺の右わき腹に衝撃が走った。
「ッ!?」
反射的に衝撃が走った方を見ると視界に広がったのは見慣れているが高さがどう見ても違うきれいな金色。
「………さっちゃんどうした?」
そう。何故か頭数個分ほど大きくなったさっちゃんが俺のわき腹に突っ込んできていた。
「ボクどうなっちゃうの!?朝起きたら急に大きくなっちゃっててこのまま一気に成長してそのまま死んじゃうの!?そんなの嫌だよぉ!!!」
「落ち着け!!」
完全に目をぐるぐると混乱させた状態で俺に縋りついて泣きじゃくるさっちゃんの頭を必死に撫でながら俺はなだめていた。
「ヒグッ……」
必死になだめたせいか涙目で俺の方を見上げるさっちゃんの瞳はぐるぐるこそなくなってはいたものの、その周りが真っ赤になっていた。
「ほら、大丈夫だから。……な?」
そう優しく言いながら頭をなでる。こうすると、安心させることができる……らしい。なんか昔読んだ本にそうやって書いてあった気がする。
「鼻出てんじゃん、かわいい顔が台無しだぞ。ほらティッシュ持ってきてやるからチーンしなさい。」
急成長という謎の現象のせいで泣きじゃくったせいかさっちゃんの顔はありとあらゆる液体でぐっちょぐちょになっていた。
「はい、チーン。」
取ってきたティッシュを鼻に当ててあげてそう言う。
するとさっちゃんはかわいらしい音を立てながら鼻をかみ、そのまま俺に抱き着いてきた。
「ん?」
唐突なその行動に俺が首をかしげていると
「お父さんのおかげで落ち着けたけど今の顔見られるのは恥ずかしいからこのままでいさせて。」
さっちゃんはそう言って俺に顔を押し付けた。
「……おっけ。」
俺はそう言ってさっちゃんを抱き上げてベッドの近くまで移動し、ベッドの上に座った。
「「………」」
静寂が部屋を支配する。
「………お父さんあったかいね。」
「……そうか?」
「うん。………安心できる暖かさだ。」
「まぁ、そう言ってもらえると父親代わり冥利に尽きるな。」
「…………」
「ん?………寝ちゃったか。」
「zzz」
「まぁ、確かにまだ起床時間まで結構あるしな……。」
そう呟きながら俺はさっちゃんの頭を優しくなで続ける。
そして数分後……
「「………すぅ……」」
俺たちは2人仲良く二度寝に入っていた。
さっちゃんは俺にしがみつくかのように、俺はさっちゃんが苦しくないようにさっちゃんがしがみついている右側に右手を伸ばして腕枕を無意識にしてあげていた。
だからそれから三十分後に俺がいつまでも起きてこないことに気が付いた
「さっちゃん離れてよ!!そこはふみぃの特等席なの!!」
「………今日はボクに譲ってよ……。」
「ダメぇ!!」
「およ…?」
すぐ横で言い争いが聞こえて俺は二度寝から覚めた。
「あ、お父さん起きた。」
俺が起きたことに気付いたさっちゃんがそう言い、
「ほら!もういいでしょ!!もし離れないなら夕立ちゃん呼ぶよ!!」
それを頑張って引きはがそうとしていた文ちゃんが必死の形相でそう言った。
「呼べるなら呼べばいいじゃん!!ボクはお父さんに言われるまで離れるつもりなんてないよ!!」
その言葉に対してさっちゃんが強がるかのようにそういうと
「むぅ……夕立ちゃ「呼んだっぽい?」うん!!!」
文ちゃんが自分の名前を呼ぶのをまるで呼ばれる前からわかっていたかのように夕立ちゃんがどこかから現れ、
「………さっちゃんはいつからそんなに偉くなったっぽい?」
俺の方を見て感情がストーンと落ちた顔でさっちゃんの方へ視線を動かしながらそう言った。
「今日から!!」
「ふぅーん。」
そう顔をうつむけながら夕立ちゃんは言うと、
「……………なら、素敵なパーティーしましょ!!!」
両手にどこからか召喚した魚雷を持ち、構えながらそう言った。さすがに口喧嘩までなら俺も静観するけど武力行使は許せない。だから…
「夕立ちゃん。」
俺は体を起こして開いている手で夕立ちゃんの頭をなでながらそう言った。
そのとたん夕立ちゃんは両手に持っていた顔が書いてある魚雷を消した。それを見てよし。と内心思っていたんだけど
「むぅ………お父さんによりつく
「物騒なこと言ってんな!?」
前言撤回。かなり物騒な子に育っていた。あれ?なんでだ…?
まぁ、そんなこともありながら結局俺はお昼と朝ご飯を一緒に食べることになった。
理由は二度寝したせいで起きたのが11時ぐらいだったからだ。
急いで駆け込んだ食堂で鳳翔さんが作った定食を注文する。
その時、鳳翔さんは俺のことを生暖かい目で見ていたが、その理由は俺にはわからなかった。
………そんな時だった。
「
食堂の奥の方から雪風ちゃんが泣きながらこちらへと走ってきた。その時俺が立っていたのは入り口近くだから丁度かちあう。
「雪風ちゃんどうした?」
ある意味俺の予想通りに俺の腰当たりにそのままダイブしてきた雪風ちゃんになんで泣いているのか聞いてみると
「おどうざぁぁぁん!!ゆぎがじぇはじにがみなんがじゃないでずよね!」
完全に泣いているせいで何を言っているのか、何を伝えたいのかわからない。
「え?どういう事?」
と、俺がおろおろしているとさっき雪風が走ってきた方から首から下まで白い服を着た太った男がこちらへ歩いてきた。
「フン。死神に死神と言って何が悪い!!それ以前に
その言葉で何となく察した。
あ、こいつが雪風ちゃんを泣かせたな…と。
雪風ちゃんは戦史では時雨ちゃん同様に戦時中に沈まず、戦後中国に引き渡され、最終的に向こうの船となって艦としての生を終えたらしい。
ただ、それまでの戦いに出撃しなかったというわけではなくてそれなりに出撃し、戦果をあげたりしている。
となると、出撃した戦いでほかの仲間が沈んでいくのを見続けていたこと言うわけで……そのせいで一部の心無い人がつけた綽名が”死神”だった。
だけど、女の子の姿となった彼女に一度偶然話を聞けたから言えることだけど彼女は未だに自分だけが生き残ってしまったことに対して苦しんでいる。
そのせいというのもあるのだろうが、雪風ちゃんは人一倍”死”に敏感な子になってしまっていた。
………そして”死”という概念を司っているともいえる”死神”という呼ばれ方を嫌っている。
太った男はこちらまで歩いてきてから、俺にしがみついて泣いている雪風ちゃんを無理やり引きはがそうとした。
「この子に何するんですか?」
いらだちを抑えながら俺はそう言いつつ伸ばされた男の手を掴み、動かせないようにする。
「決まっている!兵器としてたるんでおるから叩きのめす!!」
そして放たれたその言葉は俺の堪忍袋の緒を切るにあたって余裕だった。
「そうかよ……」
そう言いながら無意識のうちに握りしめる手に込めている力を増やす。
「ふざけんなよ……」
左手で俺にしがみついて泣きじゃくる雪風ちゃんを俺の後ろの方へ回し、そのまま
「てめぇふざけんなよ!!」
男の顔面を腰を入れた状態で全力で殴りつけた。
「ガフッ!!!」
利き手ではない方とはいえ、全力で殴りつけたために太りきっている相手の顔が変形して波打つ。
そのまま相手は後ろへと倒れた。
「はぁ……はぁ……」
人を殴るという行為はそうそう慣れるようなものではない。ましてや軍人相手にだからなおさらだった。
「
俺が殴った体勢で息を整えていると男がそう言いながら立ちあがる。それに対して俺は
「うっせぇ!!」
と怒鳴り返す。男は俺がそう叫ぶと口端をその手でなぞりながら立ちあがり
「貴様!ここで殺してやる!!!」
そう言うなり懐から銃を抜き出し俺に突き付けようとしたが
「はいはいそこまでですよ。」
その手をもう一つの白い手袋が押さえた。
「ぐッ……貴様ら!!」
「提督さん!?」
………その手の持ち主は提督さんだった。
「中将さんも君も落ち着いて。この決着は決闘で決めましょう。」
「………フンっ!」
「決闘?」
その提督さんの言葉に対して男は舌打ちをしてから鼻を鳴らし、俺はその言葉の意味を分からずに首を傾げた。
「佑太さんが困ったこのタイミングでこの私!青葉が実況と解説に入りますぅ!!」
「うぉ!!青葉!?」
俺が首をかしげていると青葉が下から急に俺の顔の前に飛び出してきた。
「軍のシステムについて全く分からない佑太さんに説明します!決闘というのは軍人同士が己の矜持を守るために行う戦いの事ですぅ!!」
「己の矜持…?」
「佑太さんの場合は…………子供たちを守りたいとかですかね?」
「守る………か。ま、その通りだよな。」
そこまで話したところで提督さんと中将さんの話もついたようだ。
「さて、外に場を用意するから来てくれ。」
そう言って提督さんは外へ歩いて行った。
それに続いて男が何か携帯に話しながら出て行った。
「さて、行きましょう佑太さん!ここからは私たちのターンです!!」
「あぁ………絶対に雪風ちゃんに謝らせてやる。」
そう言って俺は楽しそうに前を往く青葉に続いて建物の外に出た。
そんな俺のことを心配して食堂にいたみんなが続いていく。だけどそんな中、緑色の髪の少女と桃色の髪の少女だけが顔を見合わせてから各々違う方向へ駆け出した。
「さて、貴様。」
提督さんが食堂が入っている建物の外で作った場で俺と中将は立ち会った。
「この俺を愚弄した罪………その命で払ってもらおうか。」
目の前にいる
それに対して俺は武器なんてもんは持ってないから拳を顔の前まで持ち上げ
「絶対に雪風ちゃんに謝ってもらうぞ。」
そう告げてから腰を落とした。
それを確認してから提督さんは
「はじめ!!!」
と叫んでその前に上に上げていた手を振り下ろした………その瞬間だった。
「「その勝負、一寸待ったぁ!!!」」
2人分の叫び声が聞こえたのと同時に乾いた音が鳴り響いた。
声が聞こえたために体をたたらを踏んで前に進むのをやめた俺の顔のすぐ前を通り弾丸が俺の足元につきささる。
「!?」
「チィッ!」
足元に突き刺さった弾丸に驚いて固まる俺に対して中将は舌打ちをした。そんな俺たちのことを無視して
「父さんが武器を持っていないというのは聊か不公平だと思ってな。」
「そこで私が長月ちゃんの頼みで魔改造していたこれを持ってきました!!」
そう言いながらこちらに歩いてきた長月ちゃんと明石さんが持っていたのはタドルクエストのガシャットとガシャコンソードだった。
「父さんにこれを託す。」「佑太さんにこれの試運転をお願いします。」
「「だから、あの男を殴り倒してください(くれ)。」」
そう言って二人は俺にそれらを渡して離れていく。その一方で夕立ちゃんが
「提督さん……今お父さん狙撃されていたんだけど。何かいいわけあるっぽい?」
と、砲を構えて凄みを出し、提督さんに迫っていた。
「ないよ。そもそも僕も知らなかったからね。中将さん、これは一体どういうことですか?」
そんな風に迫られているのにもかかわらず提督さんはしらっとした顔で中将さんにそう尋ねた。
「……俺はそんなの知らん!そいつが勝手に人から恨みを買っているだけだろう!」
と、中将さんは白を切るが
「ここで青葉からこんなものが!!」
と、青葉がいきなりボイスレコーダーみたいなものをもって出てきて
「ぽちっとな!」
と言いながらその真ん中のボタンを押した。
[ザァーッザザッ!いいか。私が合図した瞬間奴の頭がちょうど通るラインを狙って撃て。キジうちをやっていたのならできるだろう?……いやだ?そうか。それなら貴様の家族は死ぬだけだがそれでいいのか。そうか……む?そうかやるのか。なら外すなよ…。]
機械から流れたのは目の前にいる中将の声。それを聞いた瞬間中将は顔を青ざめそして
「うてぇ!!」
大きな声でそう叫びながら持っていた軍刀を勢いよく上下に振るった。その瞬間俺は反射的に持っていたガシャコンソードについているBボタンを5回ほど連打し勢いよく振るう。
[コ・チーン!!]
振るわれた剣から飛び出した水色の波動は5本。それらすべてが俺に向かって飛んできていた銃弾を凍らせていた。
「な…!?」
俺がゆっくりと中将の方を見ると、奴はその光景を見て腰を抜かしていた。
俺はそれを見て、ゆったりとした動きで剣を逆手に持ち、構える。
そして長月ちゃんから預かった水色のタドルクエストガシャットに
「フッ!」
と息を吹きかけてからガシャコンソードについている受け入れ口に刺し込んだ。
<TADDLE CRITHICAL FINISH!!>
「俺は……」
そのまま男の方へ腰を落とした状態で駆け出す。
「待て!貴様!この俺に手を出せばどうなるかなんてわかるだろ!」
的がそう言いながらこっちを必死の形相で止めようとするが
「大事な娘みたいな子を傷つけられて黙っていられるほど」
それでも俺が止まることはない。そのまま突っ込んでいく。
「待て待て待て待て!!」
懐から取り出した銃をこちらへ向けて撃ちまくりながら男は死に物狂いで叫ぶが、その銃弾を俺はすべて避けた。そして………
「人間出来てねぇんだよ!!!」
男の懐に飛び込む寸前で掌で持ち手を回し逆手から純手に切り替える。その流れで左手でAボタンを叩いて炎が出てくる炎剣モードに切り替え、そしてそのまま一気に振り上げた。
炎の渦が舞い上がる。
そして炎をが収まったとき、俺の目の前にいたのは
「ウグッ……」
全ての服を燃やし尽くされて、生まれたままの汚い姿をさらす男の姿だった。そんな男と対照的に
「はぁ……はぁ……」
息が苦しい。左目が燃えるように熱い。何故かそんな思いを抱いたまま俺も俺でその場に崩れ落ちた。
「「「「「(お)父さん!!?」」」」」
みんなが必死の形相でこっちに走ってくる。それを横目に見ながら俺の意識は真っ暗な闇に落ちて行った。
感想、評価を楽しみにしています。
豚を最初に殴るところもしかしたら後で書き直すかもしれません。