お父さんが鎮守府に着任しました。これより私たちのお世話を始めます!! 作:先詠む人
「お?文ちゃんどうした?喧嘩でもしたのか?」
「あ、お父さん…。」
大学が始まる日まで残り5日。
未だにどうすればいいのか結論が出なかった俺は、一度考えをリセットするために釣りをすることに決めた。
そのために鎮守府内の桟橋へと向かっていたら一人で海岸線を見つめている文ちゃんがいた。
「あのねぇ~?電ちゃんと話してたんだけどねぇ~?深海棲艦と仲良くなる方法ってないのかなぁ~?」
「あ~、それは結構難しい問題だな。」
「そうなのぉ~?」
「うん。だって今こうやって俺と文ちゃんが話している間にも深海棲艦を憎んでる人は行動しているよ?」
「え~!!」
そうやって驚く顔を見せる文ちゃんの頭を撫でながら
「でもな。そう言う風に分かり合おうとする気持ちは大事だからなくさないようにな。それにそんな気持ちを持ってることはいいことだから怒られてもそれは怒る方が間違ってるからな。」
『ローリ!ローリ!!深海のロリィィィィ!!』と北方棲姫?っていう新種の深海棲艦の姫級の画像を見て叫んでいた変態の痴態を思い出しながら言った。
(あの変態、他の深海棲艦はロリじゃないとか言って問答無用で殲滅しようとするからな…)
と、俺が内心頭を抱えながら気持ちよくなっている猫みたいに目を細めている文ちゃんの頭を撫で続けていると
「ふぁぁ~気持ちいいぃ~……ってあれ?お父さんあそこに誰か浮いてるよ?」
海の方を指差してそう言いだした。
「あそこ?どこだ?」
「ん~、ここからじゃぁ遠いかもぉ~。あ、そうだ。お父さんちょっと行ってくるね~。」
「え?あぁ。ってどこに!?」
急に行ってくると言って文ちゃんは艤装を展開して桟橋から海面に跳び降りて鎮守府の正面海域へと出て行った。
「あ、いってらっしゃ~い。」
俺はそれをただ見ていることしかできなかったが、気を取り直して数分後文ちゃんが白い何かを抱えて急いで帰ってくるまでの間に手持ちの七輪を文ちゃんのために温めていた。
「お父さん。この子怪我してる。どうしよう~。」
「おいおい……それ大破超えていつ轟沈してもおかしくないじゃん!!一旦上がっておいで今から急いでその子ドックに連れてこう!!」
文ちゃんが連れてきたその白い何かの正体は、全体的に白いが、両腕と両足がもがれて血を今もなお流している艦娘と思われる少女だった。
「妖精さん!駆逐艦の子用のドック急いで準備して!!早く!」
俺は妖精さんからこっそり渡されている無線機で妖精さんに指示を出しつつ、二か月前から妖精さんと一緒にあの変態のやり方に反発してこっそり作っていたドックを使う時が来たと思った。
「文ちゃん!!こっちにその子を!!」
俺は桟橋から駆け出してドック近くの海岸まで文ちゃんと並走し、手を差し出したのだった……………。
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