お待たせしました、それでは、どうぞ。
「えっと、落ち着いた?」
「うん……」
ところ変わらず鈴音ちゃんの部屋。撫で撫でしてあげてただけなのに随分と時間がたっている。
「ねえ鈴音ちゃん?」
「……なんですの?」
「もっとこうしてていいかな?」
「―――はっ! い、いえ駄目です! その撫でる手を止めなさい!」
「え~、やーだー」
「始めから拒否権が無いんですの!?」
あっ、逃げられた。やっぱり魔法少女は身体能力高いね。……ってわたしも魔法少女だったね。
「もう、朱音さんは……。それで、何の用でうちに来たんですの?」
「用が無かったら来ちゃいけないの?」
「え、いえ、そうゆう訳では……」
「じゃあ良いでしょ? ……鈴音ちゃんと会いたかったんだから」
「う……ず、ずるいですわそんなの……」
鈴音ちゃん可愛いなぁ。
このロリコン
「そうだ、魔女狩りに行かない? そろそろグリーフシードのストックが切れそうなんだよね」
「そ、そうですわね。……行きますか」
よし、それじゃあ狩り場は……ちょっとあっちまで行ってみるかな。
~○~○~○~○~○~
「で、なんで見滝原なんですの?」
「こっちのが安心でしょ?」
「
変身すればなんだかんだでアッサリと着くんだよね。今はでっかいタワーに二人で座っている。
「まぁまぁ、わたしも居るし」
「余計怖いですわね」
「えぇ……」
それはショックだなぁ……。
そんなのチッとも思ってない癖に
「それで、何処の結界に突っ込むんですの? 何だか大量にありますけど」
「そうだね……あんまり遅くなると怒られちゃうから、手近なので良いんじゃない?」
「使い魔の結界に当たらないと良いんですけど」
二人でタワーから飛び降りる。耳元で風がビュービュー鳴る。結構寒い。
「っていうか怖い!」
「ひゃあっ!?」
空中で鈴音ちゃんに抱き付く。あ、暖かい。
「ちょっ、あぶ、危ないんですけど!?」
「大丈夫大丈夫」
『無し無し結界』を展開。次いで、触手解放。そろそろかな……
いまっ!
「ほい」
触手でタワーを掴み、地面スレスレで急停止。……およそ女の子っぽくない声が聴こえたのはきっと気のせい。そういう事にしてあげよう、うん。
「ほらほら、立って。……っと、『無し無し結界』で聴こえてないかな?」
人が居ない事を確認して『無し無し結界』を解く。
「鈴音ちゃーん。おーい、生きてる?」
「う、ええ……」
うわグロッキー。誰がこんな酷いことを……なんて。
ふざけなくて良いから
「い、良いから腕を……離して……」
「え? あ、ごめん」
空中で抱き着いた訳だけど、きつく抱き着きすぎてて鈴音ちゃんが死にかけてた。危ない危ない。
「げほっげほっ……ところで、気付いてます?」
「うんうん、鈴音ちゃんが可愛いのは二回目に会った時に気付いたよ?」
「そ、そうでなくて……」
「分かってるって。……どうしよっか」
囲まれてる。これは恐らく飛び降りる所を見られてたね。
逃げる? 隠れる? 倒す?或いは、殺す?
どれにせよ相手の行動しだいだけど……ここに居るのはわたしだけじゃない。
「ざっと片付けるのも良いですし、ちゃっちゃと逃げるのもアリですわね」
「それにしても、襲ってこないね。たった二人に何もしてこないんだ」
囲んでいる相手に聴こえるように、敢えて声を大きくして挑発。
殺気が……後ろかな。つまりタワーの方。
「鈴音ちゃん、戦う?」
「面倒ですわ」
戦いたくない、と。だったら逃げるかな。
「……ってことで、さよなら!」
『無し無し結界』を再度展開、わたしと鈴音ちゃんを包んで走り出す。
『無し無し結界』で多少は見付けにくくなるでしょ。