記録者達が異世界から来るそうですよ?【削除&改訂予定】 作:白結雪羽
戦闘描写ってものごっつう難いですね!
まあ、長くなるんで分けましたので、変なとこで切れてるかもしれませんが、其処はご容赦ください。
視点~影禍~
「あー!昨日のお客さん!もしや今から決闘ですか!?」
「あ、昨日の店員さんじゃん。うん、そうだよ。これからあの虎のところに行くんだ」
『そうやで、鉤尻尾のねーちゃん!今からお嬢たちの討ち入りなんや!』
分かる人には分かると思うが僕達は今昨日の噴水広場まで来ている。
もちろん、今日行うフォレス・ガロとのギフトゲームの為だ。
え?色々飛ばしてないかって?うん……まあ、あまり目ぼしい事は無かったよ?ただ、昨日の夜にジン君と十六夜君の話にチョロッと横槍を入れただけで。
「そうですか!うちのボスからもエールを頼まれたのですよ!私達もあの連中の悪行にはいい加
減アッタマに来てたとこですから!本当、ここら一体でやりたい放題だったんですよ!
だから、もう二度と不義理な真似が出来ないように遠慮なくやっちゃってください!」
「ええ、元よりそのつもりよ」
「そうそう。言われるまでも無く完膚なきまでにやるつもりだよ」
「おお!なんと心強い御返事!っと……そういえばですね」
何かを思い出したような顔をした後、店員さんはとても真剣な顔で静かに告げてきた。
「実は、なにやらフォレス・ガロの連中、舞台区画ではなく居住区でゲームを行うつもりらしい
んですよ」
「え?きょ、居住区ですか?それは本当なんですか?」
「?何かいけないんですか?」
「黒ウサギ。それはどういったものなの?」
「あ、そのですね。掻い摘んで言うのならば、舞台区画がギフトゲームを行う為の専用の区画の
事を言います」
黒ウサギはそう言う……が、少しおかしいね?それを聞く限り居住区でゲームをやる理由が分からないんだけど……。あの虎、何考えてるんだろ?
「でですね、そのうえ傘下のコミュニティやその同士を全員ほっぽリ出したんですよ!」
「それは、確かにおかしいわね」
「うん。ますますあの虎が何考えてるのか分かんなくなったや」
「でしょでしょ!?ですので、何のゲームか分からない以上くれぐれも気をつけてくださいね!」
あー……此処まで来ると贔屓目を感じなくも無いけど……まっいっかな?
そして、店員さんの熱いエールを受け、黒ウサギの案内に従い僕達はフォレス・ガロの居住区へと再び歩を進めた。
「あ、皆さん!見えてきました…………けど」
黒ウサギは視界に入る光景を見て口を止めた。その訳は──────
「…………ジャングル?」
「うん、ジャングルだね」
「はい。少しおかしいですけどジャングルですね」
「ああ。まあ、虎の住むコミュニティだから別段おかしくはないだろ」
「いや、おかしいです」
ふむふむ、どうやらジン君曰くこのフォレス・ガロの居住区はいたって普通の本拠だったらしい。
まぁ、はっきり言っちゃうと趣味は個人的にはいいのだけど……あまり褒められたものでは無いだろうね。
「この木々……やっぱり─────鬼化してる?いや、でも……そんな」
「どうかしたんですか?」
「あ、い、いえ……」
「?」
ジン君は何やら思いあたりがあるらしい。……っと、まあ今はいいか。
「ジン君。ここに
「本当だ。えっと……」
『ギフトゲーム名〝ハンティング〟
・プレイヤー一覧:久遠飛鳥 春日部耀 白結影禍 ジン=ラッセル
・クリア条件:ホストの本拠内に潜むガルド=ガスパーの討伐
・クリア方法:ホスト側が指定した特定の武具でのみ討伐可能。指定武具以外では
によってガルド=ガスパーを傷つける事は不可能
・敗北条件:降参かプレイヤーが上記の勝利条件を満たせなくなった場合
・指定武具:ゲームテリトリー内にて配置
・
・
・
』
ハンティング……ようはガルドを殺れって事だね。
「ガルドの身をクリア条件に……指定武具で打倒!?」
「こ、これはまずいです!」
「このゲームはそんなに危険なの?」
「いや。……たぶん、この指定武具で打倒が厄介なんじゃないかな」
僕は大きな反応を見せていた二人に聞いた。
「は、はい。ゲーム自体はとても単純です。ですが、問題は影禍さんが言った通り指定武具での
打倒の部分なんです。これでは、飛鳥さんや耀さんのギフトでガルドを倒せないんです」
「それはつまり……どういう事?」
「簡単に言いますと、
これでは、たとえ神格の力でさえも手が出せません!」
「んー、つまりは相手に直接働きかける飛鳥さんのギフトや物理的に勝っていた春日部さんのギ
フト……あまつさえ、僕でも傷一つルールのせいで与えられないと。
なんて言うか……虎の分際で、随分せこい事するねぇ」
けど、それくらいなきゃ張り合いがないんだけどね。いいハンデにはなってるかな。
「なるほど。敵さんは命がけでこちらと五分に持ち込んできたって訳か。まっ、観客として見れ
ば面白くていいけどな」
「随分気軽に言ってくれるわね……こちらの条件、かなり厳しいわよ。指定武具も明かされてな
い現状じゃ、このままというのは厳しいかもしれない」
むむ。飛鳥さん、それは心外だよ。
「僕がいるのを忘れてる?十六夜君に並ぶイレギュラーである僕を」
そうそう。ここで今更言うのもなんだけど、僕達はもうお互いのギフトを確認済み。
皆が、僕と雪羽のギフトカードを見て驚いたのは言うまでもない。
「確かにそうね。でも、まさかルールを早くも忘れてなんていないでしょうね?」
「ハハハハッ……何とかなるでしょ」
「……一応、期待しとく」
あ、一応なんですか耀さん。フフッ……それじゃあ、ご期待に添えるとしましょうかね。
こうしてジン君と僕達は、目の前の門を開け放ち、楽しい楽しいゲームを始めた。
で、一応中には入ってきたんだけど…………視界が悪い。
辺りは一面変に脈打った木々が広がり、向こう側にはかろうじて大きな屋敷(おそらく本拠)
が見えるくらいだ。あたりも薄暗く、まるで吸血鬼の根城に行くような感覚を僕達に与えている。
「なんか、こう中から見てみるともっとすごいね。どっかのRPGみたい……って、どうした
の、飛鳥さんにジン君?そんな強張った顔して」
「どうしたのって……あなたに奇襲されるという考えが浮かばないの?」
「あ、そういうことだって……」
「大丈夫。近くには誰も居ない。匂いで分かる」
あ、とられた。というか春日部さん、匂いで索敵ってこれまた変わったことを。
「そうなの?……春日部さんには犬にもお友達が?」
「うん。ざっと20匹位」
犬にも友達が……って普通かな?メジャーな生き物だし。それにしても……春日部さんのギフトは本当に応用が利くね。こういった場合は特に。
「あの、詳しい位置とかは分かりますか?」
「それは分からない。多分、どこかの家に潜んでるとは思うけど……」
「あ、僕はもう見っけたよ」
「へ?ど、何所にですか!まさか近づいてきて……」
「あー、そうじゃないよ。春日部さんの言うとおり家の中。あそこのね」
僕はそういって鬱蒼と茂る木々の間から垣間見える屋敷を指差した。
「え?で、でもどうやって……」
「いや。最初は普通に周りの気配を探って、居なかったから妖しそうな建物の中にちょいっと探
りをね」
「は、はあ……?」
どこか釈然としない様子だった。
「まあ、僕の技術の一つとでも…………あのぉ、春日部さん?どうして不機嫌そうな目で見てく
るの?」
「…………別に」
ありゃ。索敵役を取られたから?変に出しゃばんない方がよかったかな……
「ま、まあ春日部さん……。ところで、影禍くん。本当に見つけたの?」
「……飛鳥、あってる。今確認した」
そう言う耀の目はまるで猛禽類を思わせる金色の目に変化していた。
「あら、そうなの?……そういえば、春日部さんには鷹の友達も居るのね」
「うん」
「あれ?でも春日部さんが此処に来たって事はその子達って置いてけぼり?」
「う……それを言われると……ちょっと辛い」
痛いところを指摘された春日部さんはシュンと肩を落とした。まあ、お友達を置いてきたってのは友達を作ろうとしてる彼女からしてやっぱり辛いんだろう。
と、そうこうしてる間に僕達は屋敷の目の前まで来ていた。屋敷にも木々の蔦が絡みつき、もう本格的に昨今まで普通の本拠だ何ていうのも信じられないくらいの有様となっていた。
「それにしても……この舞台って本当に彼が作ったものなの?」
「いえ……それは分かりません。舞台メイクは代理も頼めますから」
「そうだとしても、道中に罠の一つもなかったわよ?」
「本格的に何がしたいのかわからないよね。奇襲するわけでも、罠を仕向けてくるわけでもな
い。そして、当の本人は屋敷の中で、その屋敷は悪魔城にでも憧れたのかって程の有様」
「とりあえず、中を捜索しましょう。耀さん。ガルドは何所にいましたか?」
「二階。だから多分入っても大丈夫」
「じゃあ、僕から入るよ。警戒するに越した事は無いしね」
「あら。大丈夫なの?」
「うん。それじゃっ、お邪魔しま~す」
僕はいつでも防げるように警戒して扉を開けた。中は外装に劣らず酷い有様だったがどうやら入ってきた所を奇襲!なんてことはなかった。
僕達はまず一階から調べてみた……が、コレといってヒントになるものもなく、二階の一番奥の部屋まで来ていた。
因みに、ジン君には下で待ってもらっている。飛鳥さんが色々理由をつけて渋々納得させてはいたけど……正直に足手まといと言わなかったのは気遣い故なのか、そうでないのか。
まあどっちでもいいんだけど。
「…………行くよ」
「ええ」
「うん」
そして、僕達は目の前の扉を蹴破りそれぞれ構えながら突入した。
すると、そこには──────
「GEEEEEYAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!」
────あの虎がいた。それも前会った時とは打って変わって─────ただの怪物として。
視点OUT
視点~雪羽~
私達が門の前で待っていると、突然何かの叫びが聞こえてきました。
「い、今の凶暴な叫びは……」
「ああ、間違いない。虎のギフトを使った春日部だ」
「それは少し失礼じゃないですか!?」
「そうですよ!何言ってるのですか貴方は!」
「じゃあ、ジン坊っちゃんだな」
「ボケ倒すのもいい加減にしなさい!!」
黒ウサギはそう言いながら十六夜君をハリセンで思いっきり叩いた。
毎回思うのですが……あれもギフトなのでしょうか?
「……黒ウサギさんは〝
「雪羽さん!?そんなものは持ち合わせていませんよ!?」
「ハハッ、なんだ黒ウサギ。随分面白い
「だから違います!!」
むー……そうなんですか。って今はそれより、
「影禍お兄ちゃん達大丈夫かな……。滅多な事がない限り大丈夫だとは思うけど」
「心配したところで杞憂に終わるだろ。いくらルールがあれでも、あの程度じゃハンデになるか
すら怪しい。逆に相手のほうに同情するね」
「そ、そう、ですよね……」
「……ところで、黒ウサギ。随分あっちは楽しそうになってきてっけど……見に行ったらまずいか?」
「んー……お金を取って観客を招くような場合も有りますけど……今回のは最初に取り決めもな
いので駄目ですね」
「黒ウサギさん、それってどうしてもですか?」
「はい」
「〝
「だから駄目なんです。ウサギ達の素敵耳は此処からでも大まかな情報は分かりますし、中の確認できないような隔離空間でもない限り侵入は認められてませんよ」
黒ウサギさんの説明に十六夜君と私は自然と本音を吐露した。
「………………貴種のウサギさん、マジ使えねぇ」
「………………使えない子ですね、黒ウサギさん」
「せめて聞こえないように言ってくださいよ!というか雪羽さんまで!?本気でへこんじゃいま
すから!!」
「…………そのまま潰れとけば良いのに」
「雪羽さん!!?」
私も言うときは言いますよ?伊達にお父さんから〝無垢な口撃者〟とは言われてませんから。
※決して褒め言葉では無いです。彼女は無自覚ですが。
んー、どうしましょうか…………あれ?
「創れば良いんじゃ……」
私はそう思うと、二人には見えないよう見た目が双眼鏡の道具を出しました。
「あの、十六夜君。これ使いますか?」
「ん?なんだこれ……双眼鏡か?」
「はい。透視型のキッドなんですけど、使用者が望む見たいものを障害物を無視して確認できます」
「へえ、すごいなそれは…………ってかなんで最初に出さなかったんだ?」
「え、あ、そのー……忘れてまして」
うぅー……十六夜君の疑惑の視線が辛いです……
「…………まあいっか……ん?おい雪羽。これって、使用者が望むものがあらゆる障害物を通り
越して見えるんだよな?」
「へ?あ、はい。そうですけど……」
「てことは、風呂場や着替えやはたまた下着までもが見えるというこt─────」
ボンッ!
「な、ななな何言ってるんですか!?だ、駄目です!やっぱり返してください!!」
「ハハ!だったら、直接奪えば良いじゃねえか」
「無茶言わないでください!!あっ!ちょっと!お願いです!!返してください!」
う~~、こうなったらぁ~~~~!!
パチンッ!
ヒュンッ。
「……あれ?」
「はぁ……はぁ……もう強制的に消しました。もう絶対同じ物は出しませんから……」
「ちぇっ、つまんねーの。……ってか、結局中は見れないのかよ」
「十六夜君が変なことに使おうとするからです!」
こうして私達が騒いでいた中、黒ウサギさんは普段とは違いどこか暗い面持ちで居住区のほうを見ていた事に私は気付かなかった。
視点OUT
視点~影禍~
僕達が部屋に入るとあの虎はかなりの速さで突進してきた。
一番前に居た僕は春日部さんに目配せを一瞬して二人を後ろに庇う形でガルドを
「飛鳥さん逃げて!ってうわ!」
ガルドは僕が防いだ上からさらに勢いをつけてきた。
これは流石に予想外かな……。なるほど、これが
本来なら此処で弾き返すんだけど……それすら儘ならない程だった。
でも────
「春日部さん!」
「分かった!」
僕がガルドを抑えている隙に春日部さんはガルドの後ろにあった十字剣の元へ向かった。
ガルドもそれに気付き、彼女の方へ向かおうとした……が、僕がそれを許すはずがない。
「!GEEEEAAAAAA!!!!」
「っと、こっちには行かせないよ!」
僕は素早くガルドの前に割って入り影で殴りばした。
「……やっぱり、ダメージは無いか」
まあ、とりあえずは第一段階クリアかな。あとは止めを刺せばいいんだけど……如何せん、拘束も効かないとなるとこの部屋の狭さにあの速さは少し面倒だね。
「春日部さん!一旦此処を出るよって……あれ?」
後ろを振り向くと彼女はいなかった。まさかと思い急いで振り向くと、彼女はいつの間にか向かい側に居た。丁度、僕と彼女がガルドを挟む形だ。
そして、今ガルドは春日部さんと対峙している。
って、まずい!
「GUEEEEEAAAAAAAAAA!!!!」
「はあぁ!!」
十字剣を警戒してか春日部さんにこれまで以上の速度でガルドは突進を仕掛けた。
それに向かい打つように彼女は剣を構えガルドにそれを振った────型も何もない素人同然の刃を。
「GYAAAAAAAA!!!!」
「きゃっ!!」
春日部さんの剣はガルドの左足を少し切りつけたが、彼女はその体制からガルドの勢いを殺しきれず突き飛ばされた。
「春日部さん!大丈夫!?」
「うん……何とk───」
「GEEEYAAAAAAAAAAAAAA!!!!」
「!?」
ガルドは足を切りつけられたからか、咆哮をあげながら春日部さんに突進してきた。
春日部さんは慣れない剣を持っている為か、さっきより明らかに動きが鈍ってる。
「っ!」
なんとか横に飛んで回避したものの、ガルドは間髪いれずに再び向かってきている。
───────────────そろそろ、終わりにしようかなぁ、この茶番───────────────
「春日部さん!」
僕は後先考えない
「…………え?」
ガルドの爪にその小さな体躯を貫かれた。
補)途中からいなくなった飛鳥さんですが、彼女は原作通りに退却してもらってます。