記録者達が異世界から来るそうですよ?【削除&改訂予定】   作:白結雪羽

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ご都合敗北主義…………うちの子たちがガンガン使いますね……(遠い目)

よくよく思うと、ご都合主義で勝つ主人公は昨今のラノベでもアニメでも漫画でもましてやドラマでも普通なんですが(まぁそうじゃないと話が進まないのだが)逆にご都合主義で負けるものはあまり見た事がないです(話が終わってしまいますからね)。

でも、結局は主人公である限り勝つんですがね……

まっ、そんなことはさておき。今回は少しオリキャラ以外の視点も入れてみました。
ではどうぞ~。



────勝利だけとは限らない

視点~耀~

 

 

最初は変わった子だと思った。

この箱庭に呼ばれた私達の中で一番小さい子。私は子供が嫌い……というより苦手だったのだけど、その子は私の知る子供とは明らかに違っていた。

 

話をしてみても私は不思議と馴染めていた。そして、そんな彼は(最初は女の子だと思った)私に一番最初に出来た人の友達の一人。

 

その時私は嬉しかった。今まで、他の子たちと馴染めずにいた自分に「友達になろうよ」って言ってくれたのだ。

そんな友達とのギフトゲーム。きっかけは些細なこと(だと思う)。だけど、友達に暴力を振るおうとした────それだけは少し許せなかった。

 

私はガルドと十字剣を持って対峙した。剣の使い方なんて知らなかったけど、私は倒すつもりでいた。だが、この時気付くべきだった。私はただ調子に乗っていただけだと。友達に怪我をさせまいと必死になった気でいて、ただ陶酔してたことに。

 

 

「…………え?」

 

 

今目の前で起こってる事は何なのだろう……。

 

私はどうした? ガルドの猛攻を捌ききれなかった。

 

ならそのガルドは? 好きの出来た私にその鋭い五爪をつき立てようとしている。

 

ならなぜ自分は無事なの? 彼が私を庇ったから。

 

じゃあ、その彼────影禍は?

 

 

 

───────────今、私に代わってその小さな身体を貫かれてる───────────

 

 

「ぐっ……う…かはっ!?」

 

 

影禍は口から何かを吐き出した。薄暗くても、鼻の利く自分なら分かる。それは鉄の匂い。

生きとし生けるものならば誰もが持つさびた鉄の様な匂い。

 

 

「……え、いか……?」

 

「ぐっ!?……か、春日部、さん……早く……飛鳥さん達の、とこに……ここは……僕が抑えと

く、から……!?ごほごほっ!?……早く……!!」

 

「だ、だめ……影禍……だって────!?」

 

 

影禍は未だにその身体を貫かれながらもガルドを影?で必死に抑えていた。そして、其処から分かれるように伸びた影が私の足を掴み、思いっきり開け放たれていた窓に向かって投げた。

 

私はなんとか剣を落とさないようにう着地した。

そしてそのまま急いで影禍を助けようと引き返そうとした────けど、そこで投げられた直後に見えた影禍の顔が頭に浮かんできた。

 

私は急いだ──────飛鳥達のもとへ。まだ助かるかもしれない……いや。絶対助ける。

その一心で、今までで最高のスピードで駆け出した。

 

 

視点OUT

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

視点~影禍~

 

 

はあ……春日部さんって意外な一面があったんだね。結局のところ友達思いの一人の少女なんだ。

 

僕は今ガルドを前にして完全な何所から見ても疑いようのない満身創痍状態。身体の上半分はだいたい肝臓、肺辺りかな?がものの見事に穴を開けられてる。もう喋れもしないし、血もさっきから流しっぱなし。まず助かる傷ではない。

 

では、何で僕は今もたっていられるか?どうして、ガルドは動かないのか?

答えは単純。僕が影を操って無理やり立たせて・縛っているんだから。

 

いや、ねえ?もう立っているのも辛いんだよ。正直、早く楽になりたいってくらいの気持ちだよ。

でも、僕の友達のために時間稼ぎくらいはしないとあれじゃん?

 

 

「ごほ……がはっ……!!」

 

 

ハハッ。あー……もう、そろそろ限界、かな……。何か最後までこんな調子だけど。ふざけてるだなんて思わないでね?

僕は……いや────

 

 

「─────私はいたって真面目だからね?」

 

 

その言葉と同時に私は事が切れたようにその場に倒れ、その身を暗い暗い影の中へ沈めていった。

 

 

 

 

 

 

あ、置き土産で火災でもプレゼントしちゃおう。わざととは言え私に傷を負わせた罰よ♪フフフ……

 

 

 

視点OUT

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

視点~雪羽~

 

 

「!……終わりましたね」

 

 

目の前の木々が廃墟となった居住区を残して消えていきます。おそらく、ゲームが終了したのでしょう。

 

それと同時に私達はみんなの元へ駆け出しました。

 

 

「おい、そんなに急ぐ必要ねえだろ?」

 

「何を言ってるのですか!影禍さんが安否不明な状況なのですよ!?」

 

「……あいつがそうなるとは思えないがな」

 

「…………」

 

「!黒ウサギ……」

 

 

ジン君たちは居住区の中心の屋敷にいました。

そこは既に原形をとどめてなく、所々に残り火が見えました。

 

 

「ジン坊っちゃん!影禍さんは!?」

 

 

黒ウサギさんがジン君に問うと、ジン君は屋敷の残骸の方へ目を向けた。

そこでは、春日部さんが普段とは違う必死な様子で瓦礫を退かしていた。

 

 

「そ、そんな……」

 

「春日部さん!もうよしなさい!」

 

「嫌だ……まだ、間に合うかも────」

 

「春日部さん、もういいですよ」

 

「!?雪…羽……」

 

 

私が春日部さんにそう言うと、彼女は振り向きその顔はサーッと血の気が引いていきました。

 

?どうして、そんな怯えた目をするのでしょうか?

 

 

「雪羽……私……私、の……せいで」

 

 

私が見てきた春日部さんからは考えられないくらいの様子です。声も震えてますよ?

私はそんな彼女を安心させるように言葉を紡ぎました。

 

 

「大丈夫ですよ。だから、そんな顔をしないでください」

 

「大……丈…夫?」

 

「雪羽ちゃん……」

 

「飛鳥さんもそんなに暗い顔をしないでくださいよ。お兄ちゃんならまたひょっこりと出てきま

すよ。いつもいつも、家族に少し心配かけても必ず戻ってくるんですから」

 

 

まあ、それは私()に言える事ですけど……

 

 

「「!?…………」」

 

 

?二人は何やら悲痛そうな顔をして黙り込んでしまいました。……どうしてでしょう?

 

 

「え、えっと……飛鳥さん!春日部さん!そんな暗い顔しないでくださいよ!お兄ちゃんは絶対

大丈夫ですから。今は二人とも少し休みましょうよ?特に春日部さんは早く腕のところ、手当

てした方がいいですよ。────黒ウサギさん」

 

「え、あ、はい!……何ですか?」

 

「黒ウサギさんって何か治療用のギフト、持ってませんか?いくら軽傷でもほっとく訳にはいき

ませんから」

 

「い、いえ……でも本拠になら治療用の道具がありますが……」

 

「それじゃあ、それを使いましょう?春日部さんも浅い切り傷とは言え油断していたら後で痛い

しっぺを貰っちゃうんですから」

 

「ゆ、雪羽……私は……」

 

「何度も言いますが大丈夫ですって。それより早く」

 

「…………分かった」

 

 

ふう……春日部さんって頑固なとこもあるんですね~。

 

残ったのはジン君と十六夜君と飛鳥さんと私になったのですが、十六夜君とジン君は何かを話していました。

 

 

 

 

 

 

「今より〝フォレス・ガロ〟に奪われた誇りをジン=ラッセルが返還する!代表者は前へ!」

 

 

どうやら、さっき話していたのはフォレス・ガロのコミュニティの傘下にあった人たちの事についてだったようです。

其処から先は十六夜君が何回ほどかフォローをいれて旗印の返還が始まりました。

 

皆さんの顔を窺うに、旗印というのは本当に大切なもののようです。

 

 

「…………面白そうなことを考えているわね?」

 

「さて、何のことやら。……にしても、やけに沈鬱でいらっしゃるが、お嬢様?」

 

「貴方……分かって言ってるでしょ……!」

 

「ああ、そりゃな。……雪羽に伝えなくていいのか?」

 

「言おうとしたわよ……でも、あのんな顔を向けられては」

 

「真実は伝えがたいってか?まあ、ぶっちゃけ此処で消える奴なんてどうでもいいんだが」

 

「!本気で言ってるの!!あの子は身内を失ったのよ!?それを分かっ────」

 

「────てどうするんだ。それが解決になるのか?いや、ならねえな。親友に真実を確かに伝える

事は大事だろうさ。でも、それはただ自分達の重荷を少しでも軽くしたいって言う人間の逃避

行動だ。

そして、俺達は曲がりにも名無しのコミュニティに属している。それを復興していくのが俺達

の現時点での第一目標。今、それが出来るのは俺たちが居るからだ。その柱をここで更に失う

訳にはいかないだろ?」

 

「それでも────!!」

 

「それに、あいつがここで歩みを停滞させることを望んでると思うか?もういねえ以上その解は

分からねえけど、あいつならどうする。いくら短期間とは言えあいつのだいたいの思考とかは

お嬢様も把握してるだろ?

まあ……なんだ。長くなっちまったが、結局のところ俺達はあいつの弔いの念も込めて、進む

しかねえんだよ」

 

「…………それが」

 

「ん?」

 

「それが……確かに今私達に出来ることなのね?」

 

「今回の事に回答は無い。どうするかは春日部とお嬢さまで決めるんだな」

 

「…………貴方はどう思ってるの?」

 

「さあな。今はただ、あそこで必死に頑張ってる我らがコミュニティのリーダーに尽力するだけ

だ」

 

「……ふふ……そう。分かったわ。春日部さんには私が伝えとく」

 

「そうか」

 

「あの……二人とも何を話してたんですか?」

 

 

先ほどから後ろで神妙な雰囲気だったので気になってたんですが……

 

 

「何でもねえよ」

 

「ええ。……雪羽ちゃん、ごめんなさいね?」

 

「ふぇ?いきなりどうしたんですか?」

 

 

な、何かすごく優しい顔に決意の念が見え隠れしてるのですけど……

 

 

「さっきの事よ」

 

「ああ、その事ですか。ですので、心配の必要はないですよ。お兄ちゃん、最長で2年位行方を

晦ました事も有りますから」

 

「そ、そうなの?」

 

「はい。本当、他人に迷惑掛ける事なんて日常茶飯事ですよ」

 

 

二度目ですが、家族全員ですけど。っと、

 

 

「十六夜君?何所に……」

 

「なに、最後の締めって奴をな」

 

 

彼はそういうと旗を全て返し終わったジン君の元へ行き、旗を返還してもらったコミュニティの面々にこう言った。

 

 

「名前と旗印を返還する代わりに、幾つか頼みたい事がある。お前達の旗を取り戻した、この

ジン=ラッセルの事を今後も心に留めて欲しいというのが一つ。そしてジン=ラッセルの率いる

コミュニティが、打倒魔王を掲げているという事も覚えていて欲しい」

 

 

皆さんは一斉にざわめきました。それもそのはず、普通は信じられるものではないのですから。

 

 

「飛鳥さん。これからは、もっと頑張らないといけないですね」

 

「ふふ……ええ、そうね」

 

 

十六夜君はざわめきが広がる中さらに話を進めました。

 

 

「知ってるだろうが、俺たちコミュニティはノーネームだ。魔王に奪われたなと旗印、それを己

が力で奪い返す為にも今後、魔王とその傘下とは戦うことになるだろう。しかし、コミュニテ

ィは周囲から認められないと存続出来ない。故に覚えていて欲しい。

俺達は───────ジン=ラッセルの率いる〝ノーネーム〟だということを。そして、名と旗印を

取り戻すその日まで、彼を応援して欲しい」

 

 

……なんというか、

 

((随分と饒舌ね)ですね)

 

 

何故でしょう。とてもいい事を聞いてるのに十六夜君が言うとすごく違和感が有ります。

っと、最後はジン君の締めで終わりましたね。

その後私達はコミュニティの本拠に戻りました。

 

 

 

 

◆ ◆ ◆ ◆ ◆

 

 

 

「黒ウサギさん、春日部さんの傷は大丈夫でしたか?」

 

「Yes。幸い浅い切り傷でしたので傷はもう治りました。今は自室にいますが……」

 

「そう。なら私は春日部さんのところに行くわね」

 

 

黒ウサギさんに春日部さんの様態を聞きましたが、どうやら大事には至らなかったようです。

 

この後私達はそれぞれ分かれ、黒ウサギと十六夜君と一緒に談話室に向かいました。

本当は春日部さんのところに行こうと思ったのですが、飛鳥さんがどうしてか止めるので仕方なくこちらに同行しました。

 

 

「ん~……どうして春日部さんと会っちゃいけないんですか?」

 

「ああ。あいつは戦いの後に肉食獣の本能が高ぶるから、今近づくと襲われるぞ?」

 

「それって、飛鳥さんも危ないですよね!?嘘はやめてください!」

 

 

本当に、なんて嘘をつくんですか十六夜君は!冗談でも恐いですよ!

 

 

「十六夜さん、変な冗談はよしてください。春日部さんは……」

 

「黒ウサギ」

 

「!は、はい……すいません」

 

「?」

 

 

黒ウサギさんが何か言い淀んでいます。十六夜君も……一体どうしたんでしょう?

 

 




ちょっと中途半端ですが一旦切ります。ぶっちゃけ最後のって入らない気もしますが……

さて、次回はとうとうレティシア登場ですかね…………本当、レティシアだけだったらいいんですがね。


P,S
誤字脱字等有りましたらご指摘ください。
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