記録者達が異世界から来るそうですよ?【削除&改訂予定】   作:白結雪羽

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今回の話が話でサブタイが丁度良かったです。


逃走中~三人の逃走者~

視点~???~

 

 

「はぁむ…………ん~♪なかなか美味しいなぁ~、これ」

 

 

黄昏を思わせる街の中を私はクレープ?両手に歩いている。

実際にクレープかどうかは分からないけど、細かい事は気にしない。

 

 

「はむ……、それにしても……随分人が多いなぁ~。お祭りか何かなのかな?ま、いっか……はむ………ん~♪」

 

 

クレープに(かぶ)り付きながら私は街路を直進する。人をすり抜けたり、それに誰も気付かない(・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・)とかは気にしな~い。

 

 

 

視点OUT

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆ ◆ ◆ ◆ ◆

 

 

問題児御一行が高台から見た街は、皆感嘆につきた。

 

 

「ほわぁ……すごい景観ですね~」

 

「だな……。さすがに98万㎞も離れてるだけあるな。文化様式がまるっきり違うな。しかも、歩くキャンドルスタンドとか、物語の中でしか見た事ねえぞ」

 

「フフ、そうか。だが、何も違うのは文化だけでは無いぞ?外門の外に出ればそこは白銀の雪景色が広がっていてな。それを箱庭の都市の大結界と灯火で、常秋の様相を保っているのだ」

 

「ふぅん。厳しい環境ありきの発展か……。ハハッ、いいねいいね。如何にも聞くからに東より面白そうじゃねえか」

 

 

十六夜は目を子供の様にキラキラ光らせ、街を一望する。白夜叉はそれに対しムッとして異論を唱える。

 

 

「それは聞き捨てならないぞ小僧。東側かていい物は沢山とある。おんしらの住む外門が特別寂れてるだけだわいっ」

 

「そう、拗ねないでくださいよ。確りと把握していくつもりですから─────────!?」

 

 

白夜叉を宥める雪羽は、途中で何かに気付いた。

 

 

「み、皆さん!私は先に行ってますね!?」

 

 

雪羽はそう言うと街の方へ飛んで行ってしまった。

 

 

「あの娘、何だかんだで楽しみだったのか?」

 

「雪羽ちゃんだけずるいわ!私達も早く降りましょう!あのテラスの歩廊に行ってみたいわ!言いでしょ白夜叉?」

 

 

白夜叉は雪羽も結局のところは子供なんだと頬を緩ませ、飛鳥は抜け駆けした雪羽に続いて急かす。

が、二人の反応は少し間違っている。雪羽は楽しみを抑えられなくて飛び出したのではない、彼女が飛び出したわけは───────

 

 

「ああ構わんよ。続きは夜にでもしよう。あと、暇さえあればこのギフトゲームにでも参加しておけ」

 

「ふーん?どれどr────」

 

 

「見ぃつけたのですよぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」

 

 

──────いち早く身の危険を感じたからだ。

 

遠方からドップラー効果と共に現れたのはその髪を緋色に染め、怒りのオーラを隠そうともしない黒ウサギであった。

 

 

「フ、フフ、フフフフ……ようぉぉぉやく見つけたのですよぉ?お覚悟は出来てますよねぇ…………!!」

 

 

目を爛々と光らせ問題児一行を見つめる黒ウサギ。気のせいかその怒りで空間が歪んで見える気がする。

そんな中、いち早く現実に戻って来たのは十六夜だった。

 

 

「逃げるぞッ!!」

 

「逃がすかぁッ!!」

 

「え、ちょっと!?きゃあ!!」

 

 

十六夜は近くに居た飛鳥を抱え街に向かって大きく飛んだ。

また、それに続くように耀も飛び出すが、数手遅かった。

 

 

「わ、わわ……!」

 

「クヒヒヒ……捕まえましたよぉ耀さん?もう逃がしません!!」

 

 

黒ウサギが若干壊れてきたいるがスルーしよう。

 

 

「後デタァップリト御説教デスカラネェ?フフフ……オカクゴシテイテクダサイネ♪」

 

「ィ!?りょ、了解」

 

 

徐々に片言になっていく黒ウサギに軽く悲鳴を上げながらも何とか返事を返す。

今の黒ウサギはそれほど恐ろしい物だった。その身にまとう雰囲気は魔界の瘴気をも凌駕するほどオドロオドロしい。これが、堪忍袋の緒が切れてのものなのだからなお怖い。

 

そして、黒ウサギは耀の返事を聞くとそれはもうとてもいい笑顔で頷き、白夜叉に向けて思いっきり耀を投げた。

 

 

「きゃ!」

 

「グハァッ!?お、おいコラ黒ウサギ!最近おんしは些か礼儀を欠いておらんか!?これでも私は東のフロアマスター─────」

 

「白夜叉様、耀サンヲ御願イシます!黒ウサギは残りの御三方を捕まえに参りますので!!」

 

「ぬっ…………そ、そうか。よ、よく分からぬが頑張るのだぞ」

 

「はい!」

 

 

少し落ち着いてきた黒ウサギは、そう言って十六夜達を追いかけていった。

 

 

「の、のぅ…………おんしら一体何をしたのだ?」

 

「そ、それは……」

 

 

黒ウサギの威圧感に少しびびった白夜叉は耀に聞く。それに耀は本当の事を言いあぐねた。

 

 

「ま、まあよい。一度店に戻ろう。話はそこで聞くとする」

 

「……うん」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆ ◆ ◆ ◆ ◆

 

 

夕焼けを思わせる街の中の横道。そこで十六夜と飛鳥は一旦身を隠していた。

 

 

「……そっちは?」

 

「…………こっちは大丈夫だな」

 

「そう……。はぁ……まさかこんなに早く追いつかれるなんて」

 

「ま、それだけあの置手紙は効果覿面だったんだろ。……しっかし、雪羽の奴。先に逃げやがったな」

 

「ええ。抜け駆けかと思ったけど、よくよく考えれば違うと分かるわね」

 

 

今更ながら二人は雪羽がいち早く接近する黒ウサギに気付き逃走したのだと思った。

すると、二人の後ろからその張本人の声がした。というか、呼んだ。

 

 

「あ!飛鳥さん、十六夜君!無事だったんですね!」

 

「!ゆ、雪羽ちゃん?」

 

「お前なあ……よく俺らを囮に使ってくれたなぁ?」

 

「え?あっ、ち、違いますよ!私はただ怖い気配が近づいてきたから……その……」

 

「まあ、許してあげましょう。雪羽ちゃんの気持ちも確かに分かるわ。あの黒ウサギを前にして逃げないという方が無理だもの」

 

 

確かにそうだろう。それはおそらく耀がちゃんと証言してくれる。

 

 

「まあいいか。で、どうするお嬢様?このまま隠れてるか?それとも」

 

「もちろん、散策よ。ここまで来たのにずっと隠れているだけだなんて味気ないじゃない?」

 

「ハハ!確かにな」

 

「ふふふ。それじゃ、エスコートは御願いできるかしら、十六夜君?」

 

「へえ?確か、見るからに野蛮で凶暴そうだという称号を授かっていたと思うが?」

 

「あら?細かい事を気にしていては素敵な紳士になれなくてよ?」

 

「十六夜君が紳士…………ぷふっ……あ痛!?」

 

 

十六夜の紳士な姿を想像した雪羽は少し噴き出してしまった。それに十六夜はデコピンで返す。

 

 

「それでは僭越ながら、エスコートの真似事でもさせて頂きますお嬢様」

 

 

こうして、三人は逃走劇の最中の散策を楽しむ事にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

視点~???~

 

 

「はむはむ…………んぐっ……ふぅ。……ん?」

 

 

あれ?今あの子が居たような…………気のせいかな?まぁいいや。─────それにしても、異世界の食文化とはいっても地球の物とどこか似たり寄ったりだねぇ~。美味しいからいいけど♪

 

 

「さぁ~ってと、次は……ん?展覧会……?ん~……次は此処でいいかな」

 

 

ん~~~!っと、久しぶりに歩き回るのは面倒だなぁ~。まぁ、せっかくのお祭りだし、楽しまなきゃ損かな?

 

 

 

視点OUT

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆ ◆ ◆ ◆ ◆

 

 

十六夜、飛鳥、雪羽の三人はいろいろな場所を周っていた。

 

飛鳥は自身の故郷で見慣れない風景や物に感動し。

十六夜は時折、展示物の事についてその博識ぶりを二人に披露した。

そして、雪羽は……。創造者の血が騒ぐのかどうかは知れないが、変わった展示品や物質を見つける度に目を輝かせていた。

 

宛ら三人は親子といった風に見える。まあそんな事を言えば………いや、止めておこう。

 

今、飛鳥の身の上事情を聞き終えた十六夜は飛鳥に一つの話を持ちかける。

 

 

「なあ、お嬢様」

 

「何?」

 

「ハロウィンが元々収穫祭だって事は知ってるか?」

 

「死者の祭典とも言われてますけどね」

 

「それもそうだが、今はいい。そして、俺達〝ノーネーム〟の裏手には莫大な農地あとがあるだろ?あの農地跡がもし復活できれば………コミュニティとしても大助かりなわけだ」

 

「え、ええ。確かにそうね」

 

 

飛鳥は十六夜が言わんとしてる事がよく分からなかった。雪羽はある程度察したのか、黙って話を聞くことにしたようだ。

 

 

「でだ。その農地を復活させて〝いつか俺達で、俺達のハロウィンをしよう〟って提案なんだが………お嬢様はどう思う?」

 

「私達のコミュニティで?……つまりはギフトゲームを行うって事?」

 

「ああ。箱庭で過ごす以上、〝主催者(ホスト)〟は経験しないとな」

 

 

飛鳥は十六夜の言う事を理解すると、瞳を輝かせ嬉しそうに声を上げる。

 

 

「素晴らしいわねそれ!いい提案だわ!それならコミュニティも助かる上にとても楽しそうじゃない!」

 

「ハハハ、だろ!?さすがお嬢様話が分かるな!そんじゃあ、俺達の初の〝主催者〟を飾るギフトゲームはハロウィンで予約しておこうぜ。あと、それまでにいろいろ嗜好を考えないとな。雪羽もそれでいいだろ?」

 

「はい。私もその時は出し惜しみなんてしませんよぉ~。もし、何かすごいのを思いついたら是非頼ってください!」

 

「ふふ、それは頼もしいわね」

 

 

三人はひたすら盛り上がる。各々が見た目相応、歳相応の喜色を示す。

 

 

「それにしても……、私達が主催するハロウィンか…………ふふ。なら、まずは農地を復活させないといけないわね」

 

「応とも。それに、この案なら白夜叉への借りも返せるしな。一石二鳥だ」

 

「あら?黒ウサギはともかく、白夜叉まで?」

 

「確かにそうですね。ハロウィンはケルトの人達が太陽に一年の感謝を示す祭事でしたから」

 

「そうなの」

 

 

十六夜の言葉に雪羽がつなげる。十六夜も十六夜だが。雪羽もなかなかに物を知っているようだ。

 

 

「ま、何はともあれいつかはお礼をしなきゃならないものね。まずは、白夜叉を招くに相応しい主催者を目指さないけないわね」

 

「とはいえ、今はまだ無理だけどな。まずは色々とギフトゲームをこなす必要がある」

 

「そうですよね。せっかく此処までに着たんですから、ギフトゲームもきっと相応の物がやってると思いますよ?」

 

「Yes!祭典では創作系ギフトのギフトを競い合う二大ギフトゲームが進行中なのですよ!」

 

「創作系?何か作るの?」

 

「はいな。例を挙げるなら、耀さんの〝生命の目録(ゲノムツリー)〟ですね。人造、霊造、神造、星造と種類を問わず、様々な創作系ギフトの所持者が参加できるゲームなのです」

 

「あ、創作者じゃなくて、創作物の所持者なんですね……」

 

 

雪羽は自分がそれに該当しない事を知ると少しへこんだ。結局のところ、雪羽も楽しみたいし貢献したいのだ。

 

 

「何しょぼくれてんだよ。雪羽の出鱈目なギフトならギフトくらい創れるだろ?」

 

「そうよ。要は創れば良いのよ。雪羽ちゃんならそれくらい出来るでしょう?」

 

「ま、まあ……そうですけど…………やっぱり止めておきます。何か私だけズルしたみたいで……それで勝ってもあまり達成感は無いと思います」

 

 

因みに雪羽は自分のギフトを掻い摘んでだが皆に説明してある。ただ、掻い摘んででもふざけたギフトである事には変わりなく、皆を唖然とさせたのだが……

 

 

「ハハハ。まあ気持ちは分からんでもないな。─────でだ、そのゲームに勝てばどんな物が貰えるんだ?」

 

「それはもうすごい物でしょう!なんと言っても新たなフロアマスター事サンドラ様が直々に与えて下さる恩恵ですから!」

 

「そう。なら、春日部さんには頼まないといけないわね。お願いできる?」

 

 

飛鳥は黒ウサギにそう頼む。

 

 

「Yes!任されたのですよ♪それでは御三人様!今からちゃっちゃと向かいますので黒ウサギニオトナシク捕マッテクレマスヨネ?」

 

 

黒ウサギも芸に磨きがかかってきてるようだ。乗り方が上手い。それで、黒ウサギの言葉に十六夜と飛鳥は口を揃えてキッパリと、

 

 

「「断る!!」」

 

「ハハ、ハハハ…………頑張ってくださいね」

 

 

断った脱兎の如く逃げる。一方雪羽はこれ以上逃げる意味も無さそうなので苦笑いしながらその場で大人しくする。

 

 

「きゃ!」

 

「あ、レティシアさんも来てたんですね」

 

「一応は同士を止めなきゃいけないからな。と、観念するのだな飛鳥」

 

「くっ!十六夜君!貴方が最後よ!簡単に捕まったら許さないんだからね!!」

 

「了解!任せとけお嬢さま!ハハハハハハハハハハ──────!」

 

「逃がしませんよッ!!」

 

 

十六夜と黒ウサギはあっという間に人ごみに紛れて見えなくなってしまった。

 

 

「何か……あれですね。よくのあの速さで人混みの中を走れますね……」

 

「私は主殿が黒ウサギと同等に走れてる事の方が驚きなのだが……」

 

 

二人は改めて、十六夜(及び黒ウサギ)の評価を上方修正するのだった。

 

 

「それで、どうしますか?ここは大人しく帰らされちゃうのですか?」

 

「いや、せっかく此処まで来たんだ。箱庭の住人としても、この祭りを大いに楽しんで欲しい」

 

「そう?なら、早く行きましょう!まだまだ行きたい所は沢山あるんだもの!」

 

「フフ、そうか。それでは私は案内役に徹するとしよう」

 

「あら?それじゃあ、お願いするわね」

 

 

こうして、三人は祭りをもっと楽しむ為に、広い街の更に中へと赴いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

視点~???~

 

 

「……ふぁ~……ふぅ。ここは静かで落ち着くなぁ~…………暫く寝てよぉ~…………ZZZ~……」

 

 

無駄に行を使ってごめんねぇ~…………

 

 

視点OUT

 

 

 

 

 

 

 

 




時折出てくる謎視点の方、食ってるか寝てるだけですね……。まあ彼女も後に暴れるのですが……


P,S

誤字脱字等有りましたらご指摘下さい。
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