記録者達が異世界から来るそうですよ?【削除&改訂予定】 作:白結雪羽
雪羽がレティシアの懸命な制止によって正常に戻り、露天風呂を満喫した後の事。
レティシアを除くノーネーム一行と白夜叉は来賓室に集まっていた。
そして、皆を一様に見回し白夜叉は真剣に─────
「それでは皆のものよ。今から第一回、黒ウサギの審判衣装をエロ可愛くする会議を」
パシッ!
「始めません」
「始めます」
「始めませんッ!」
───────ボケた。黒ウサギは悪乗りする十六夜共々そっこうで切り捨てる。
因みに、白夜叉の台詞の後にある〝パシッ!〟は雪羽の刀剣を先読みしていた白夜叉が片手で受け止めた音だ。
雪羽は、少し恨めしそうな顔をしながら何とか引き下がる。
それに対し当のぶった切られそうになった本人は、何事も無かったかのように振舞う。
そこから少し衣装話が続くので割愛。
「白夜叉。私が明日戦う相手ってどんなコミュニティ?」
話は変わり明日のギフトゲームについて。耀は白夜叉にそう尋ねる。
「すまんがそれは教えられん。何事もフェアでなければつまらんだろ?まして、私は一応主催者だ。せいぜい教えられるのはコミュニティの名前くらいだの、ほれ」
白夜叉が指を鳴らすと
「〝ウィル・オ・ウィスプ〟に……〝ラッテンフェンガー〟ですって?」
それは、飛鳥の膝の上でくつろぐ精霊の言っていたコミュニティの名前、展示会場にあった紅い巨人〝ディーン〟の製作元でもあるコミュニティの名前であった。
「うむ。この二つは珍しい事に六桁の外門、つまりは一つ上の桁からの参加でな。単純に格上と思ってよい。先の通り詳しくは話せぬが、相応の覚悟は必須だぞ」
白夜叉の忠告に耀は頷く。
そんな中、雪羽と十六夜は少し険しい顔をして契約書類を見ていた。
「ウィル・オ・ウィスプにラッテンフェンガー、ですか……。ウィスプの方はまだ良いですけど、ラッテンの方は少し不吉ですね。さすがは修羅神仏や悪鬼羅刹の集う箱庭といったところですね」
「ああ。〝
雪羽はその意味を理解し、十六夜が続いて呟く。
その言葉に、白夜叉と黒ウサギは驚愕の面で十六夜達に返す。
「ハ、〝ハーメルンの笛吹き〟ですか!?」
「まて、どういう事だ小僧。詳しく聞かせろ」
「え、えっと……ど、どうかしたんですか?」
二人の突然の反応に雪羽、十六夜は目を丸くする。
「ああ、すまんの。最近召喚されたおんしらは知らんのだったな。──────〝ハーメルンの笛吹き〟とは、とある魔王の部下コミュニティだったものの名だ」
「何?」
「魔王のコミュニティの名は〝幻想魔道書群〟。全二百篇以上にも及ぶ魔書から悪魔どもを呼び出した、脅威の召喚士が統べたコミュニティだ」
「しかも、その一篇から召喚される悪魔は複数。特に目を見張るべきは、魔書の一つ一つに異なる背景の世界を内包している事です。彼らが恐れられた最たる理由は、二百にも及ぶゲーム盤とそれに確立されたルールと強制力を持っていたからなのです」
「…………へえ?」
「(グリモワール…………あの災厄の禁書ですか)」
「しかし、あの魔王はとあるコミュニティとのギフトゲームに敗れ、この世を去ったはずなのです。…………でも、十六夜さんは〝ラッテンフェンガー〟が〝ハーメルンの笛吹き〟だと言いました。童話の類は黒ウサギもあまり詳しくないので万が一の事も考えてご教授を願いたいです」
黒ウサギが説明し終わると十六夜は少し考え出した。そして、少ししてニヤッと笑みを浮かべると、承諾をした──────ジンを前において。
「なるほどな……。状況は把握したぜ。そういう事なら、此処は我らが御チビ様に御高説願おうか」
「え?あ、はい」
そこからジンが語ったのは、ハーメルンの笛吹きに纏わる伝承。ラッテンフェンガーとの関わりについてだ。コレもそこそこ長いので割愛する。
話を聞き終えた白夜叉は「ふむ……」と思案する。
「話を聞く限りだと、滅んだ魔王の残党が今此処に忍んでる可能性が高くなってきたの」
「Yes。参加者が
「ん?ちょっと待て。初耳だぞ、それ」
「……おおっ、そうだったな。いやなに、魔王が現れると聞いて最低限の対策を立てておいたのだ。私の主催者権限を用いて祭典の参加ルールに条件を加えることでな。ほれ、これだ」
白夜叉が先ほどとは違う羊皮紙を取り出す。そこには確かに主催者権限を縛る為のルールが記されていた。
「う~ん……少し抜け穴が有る様な気もしますが……多分大丈夫ですね」
「問題は……まあ、ねえだろ。参加者以外のゲーム侵入の禁止に参加者の主催者権限禁止ときてるんだ。魔王がどんな物か直に見ねえと断言はし辛いが、応急処置としては充分すぎるんじゃだろ」
「ま、抑える所は徹底的に抑えたからの。今のところはこれに縋るしかあるまい」
「ですね」
こうして、魔王対策会議はお開きとなり、明日の為にも各自宛がわれた部屋で床に就いた。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
視点~???~
「とうとう………なのね…………」
……ぅん……ZZZ~……
「ああ………俺達の…………」
……ぅぅん…………ん~?
「……マスターも…………ですよ?」
「……に。…………」
…………ふぁ~ぁ~……全く……、こんな夜更けに……。こんなとこに誰が……?
私は頭に微かに入ってくる聴覚情報から目を覚ました。私は今まで、展示場?から移動してきた外壁の天辺で寝ていたところだ。辺りはもうとっくに暗くなり、綺麗な星空が望める。
正直、寝てたいのだが、こんな時間に話し声と言うのも気になったので仕方なく身を起した。
「…………誰?」
私は視界の中、距離にして
面倒だったけど、私は立ち上がり三人を
「ま、決行は明日よ」
「マ、マスタァー……ホントにつれないんですからー」
「はあ…………ったく」
あ、もう行っちゃうんですかね?寝てたせいで半分も聞けてないのに。……はぁ、しょうがない。直接聞こうっと。
「「「!!」」」
「おぉっ?……随分と反応が良いね……」
まあ、誰だって
「……貴女、誰?」
斑少女は警戒心剥き出しに尋ねる。私はそれにいつもの調子で返す。
「さあ~……誰だろうね?」
「…………死にたくなかったら答えなさい」
ブカブカの裾をこちらへ向けて再度問う斑少女。
「……殺せるの?斑少女が?私を?出来るなら是非見てみたい───────ねぇ?」
「!?」
「「なッ!?」」
私は斑少女の鼻先数㎝のところに移動し背丈を合わせ顔を覗き込む。
流石のこれには皆ビックリな様子。そんな彼らにもう一度聞いた。
「ねえ、殺すんでしょ~?やってみなよ、じゃあ。君の一撃が届くのが先か、私のが先か、一世一代の大勝負だよ~」
うんうん、固まってるね。何しろ私の右手は彼女の急所をコンマ一秒と掛からずに衝ける位置にあるもの。
「…………目的は…」
「ん~?」
「目的は……何?」
「目的?ん~……そうだな~…………あれ……何だっけ?」
う~ん……慣れない事してるから忘れちゃったな……。
「うぅ~~~~~…………ん?……あ、いや、これは無いなあ~……」
私は一旦考える事にし────
「ハァッ!!」
「……!」
「ん?がぁッ!!?」
────れなかった。私が構えを解くと同時に、軍服のお兄さんと斑少女がそれぞれ笛?で殴る、黒い風?を叩きつけることにより、壁に叩きつけられた。落ちなかったのは幸いと言えようぞ。
「マスター!大丈夫でしたか!?」
「大丈夫。どこも異状は無いわ」
「しっかし、この娘はバカなのか?敵の前で構えを解くなんざ素人でもしねえぞ?」
「まあ、どうであれウェーザーとマスターの一撃を喰らったんだもの。死人なんてほっときましょう?」
「ま、少し惜しい気もするがな。俺達が気付けねえ程の速さでマスターまで接近したんだ。引き込めたらそれなりに使えたかもな」
「過ぎた事はもういいわ。今日は此処まで──────」
「イタたたた…………全く、考え事してたんだから少しは待っててよ~……」
あ~本当に痛かったよ…………痛かっただけだけど。
「なっ……嘘、だろ!?」
「マスターのアレを喰らって何で生きてるの!?」
「あれって…………ああ、あの風の事?確かに吹っ飛ばされたし
まあ、身体に何かが入ってくるな~みたいな感覚はあったけどね。あと、とりあえず
ドゴォォォォォン!!!!ギシッ!!ギシッ!!
「がはッ!?」
「はい、さっきのお返しだよ~♪一応、一回は一回だからさ?」
「マスター!」
「てめえ!?」
軍服さんと……露出魔?さんがそれぞれ得物を持って襲ってきた。というか……さっきからこの人達は叫ぶ事しかできないの?
とまあ、とりあえず面倒そうだから抑えとく。
ズンッ!!
「!……ぐっ!?くそ……体が……!」
「う、動かない……!どうして!?」
……うん。騒いでも面倒臭そうだから黙らせとこ……っと、これでよし。さあってと、
「ごほッ!ごほッごほッ!!……はぁ……はぁ……」
強くやりすぎたかな?強いって言っても普通なら死んじゃう位だけど。
「あ、その……大丈夫?」
「はぁ……はぁ…………何、で……」
「え?」
「何で……貴女は、生きてるの……」
斑少女は満身創痍ながら尋ねてきた。私を睨むその双眸には恐怖が少し映ってはいるけど。
「何で?何でって言われても…………ただ頑丈だからとしか……」
「嘘、よ……私の風に、頑丈さなんて、関係ない……」
「そう言われても…………。っと、今はそんな事どうでもいいじゃん?とりあえず」
パチンッ!
「!痛みが……引いてく……?貴女、どうして」
「そういう事は気にしなくてもいいんだよ~。斑ちゃんは何か話しがあったんでしょ?さっきの怪我じゃまともに話すのも辛いでしょ?」
え?最初といってる事が少し違う?気にしちゃ駄目です(キリッ)
「…………そう。じゃあ、改めて。目的は……もういいわ、貴女は誰で、何処のコミュニティの者?」
「貴女は誰……これはせっかくだし最後に答えるとして…………コミュニティって何?」
「……コミュニティを知らない?」
「うん。此処には来たばっかだからさ~?」
「そ、そうなの……」
その後私は、斑少女(ペストと言うらしい)と拘束を解いた軍服さん(この人はウェーザー)、露出魔?さん(この人はラッテン)にコミュニティの事やここ箱庭の事を教えて貰った。
ウェーザーとラッテンは最初こそ警戒してたけれど、どうしてか途中から疲れたような、どこか呆れたような感じで話してきた。何故に?
それで、一通り話を言い終わったペストは最後にこう言ってきた。
「ねえ、貴女。私達のコミュニティに入らない?」
「マ、マスター!?いくらなんでもこんなや「うん、いいよ?べつに」つをって、はぁ!?」
「……本当にいいの?魔王のコミュニティなのよ?」
「その台詞って普通は主人公とかが言う台詞だよね~……。で、コミュニティに入るかでしょ?入ってもいいよ?」
「…………理由を聞いても?」
「つくづくと合わない質問だね。理由は……まあ、あれ。暇だし、退屈はし無さそうだから、かな?」
私の中の優先順位は、寝る>娯楽=食べる>>>>>>>>>>……だからね~。
「……それだけなの?」
「うん、それだけ。あと、三点リーダを乱用しないのっ」
「………………」
ペストは口を半開きにして黙った。今、凄い間抜けな顔してるよ?
「ま、何はともあれ。短いか長いかは分からないけど、よろしく…………えっと、リーダー?いや、マスターの方がいい?」
「はっ!え、あ、ええ、よろしく。私の事は好きに読んでいいわ」
「それじゃ、リーダーで、たまにペストって呼ぶね~」
「分かったわ」
は~、この世界に来て早くも悪っぽいサイドについたな~。まあ、いいんだけどね~楽しそうだから。
「なあ、ラッテン……」
「何、ウェーザー……」
「いや……な?初っ端から大物どころか危険物吊り上げちまったんだが……ここは素直に喜べば良いのか?」
「さ、さあ?でも……マスターも少し嬉しそうだし、いいんじゃない?」
さあさあ。差し当たっては明日やると言うギフトゲーム(だったっけ?)に貢献するとしますかな~。
「ところで、貴女の名前。まだ聞いてなかったわね?」
あ……すっかり忘れてた。
「フフ、ごめんね~。私の名前は─────
私は綺麗な夜空と素晴らしい景観の街をバックに仰々しく名前を名乗った。
──────
やっと登場三人目の
因みに彼女らなのですが、自分が中学の頃からいつか書いてよろうと考えていたキャラなので結構気にいってます。ただ、余りにも試行錯誤しすぎて物凄く面倒な設定になってしまいました。
いわば、若気の至りの集大成ですね。妄想乙!
P,S
誤字脱字等何か有りましたらご指摘下さい。あと、そろそろ感想が欲しいなー、なんて……