記録者達が異世界から来るそうですよ?【削除&改訂予定】   作:白結雪羽

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とうとう始まる死亡遊戯(マジで)。と言ってもまだまだ導入、彼女らが本格的に暴れるまではもう少し。


ゲーム開始

作戦会議?から明けて、次の日。

雪羽達は耀の応援の為に、サンドラが取り計らってくれた本陣営のバルコニーにいた。

 

既に宮殿の中は客の歓声に包まれており、その熱狂ブリは凄まじい物だ。

 

 

「サンドラさん。この度は、どうもありがとうございます」

 

「べ、別にいいのですよ。当然の計らいをしたまでです」

 

 

雪羽はサンドラに礼を言う。サンドラはその大袈裟ぶりに苦笑いで返す。本人としては少しムズ痒い気分だろう。

 

 

「お前って本当に変なとこで大真面目だよな。相手からしても、見てるこちらからしても、反応に困るぞ?」

 

「でも……礼は大事ですし……」

 

「それにしたってなあ……。情緒不安定すぎだろ」

 

「そこまで異常ですか、私!?それに、十六夜君には言われたくないです!」

 

「バカ。俺の何処が不安定だって言うんだ。俺は最初から最後まで突き通すほうだ」

 

「確かにそうですけど!……ああ、もう!もっといい言葉は無かったんですか、作者さん!!」

 

 

雪羽は十六夜の後に空に向けて叫んだ。正直、何をやっているのか分からない……(サッ

 

 

「ハハハッ!……ってどうしたお嬢様。大分、落ち着きがねえよおだが…」

 

「逆に問うけど、良くそこまで平常運転で居られるわね?これから春日部さんが出るのよ?昨日聞いた限りじゃ、相手は格上らしいじゃない」

 

「うむ。〝ウィル・オ・ウィスプ〟と〝ラッテンフェンガー〟は、昨日申したとおり六桁に本拠を構えるコミュニティ。通常は下位の外門のゲームには参加しないものだが……まあ、そこはフロアマスターから贈られるギフトを欲して降りてきたのだろう。魔王の一件を抜きにしても、一筋縄ではいかんだろうな」

 

「そう……」

 

「因みに、白夜叉さんから見ての勝率は……?」

 

「ない」

 

 

白夜叉はキッパリと言う。彼女がそこまで言う程の実力者なのだろう。

それに飛鳥はただ苦い顔をするしかなかった。

 

 

「ったく、少しは落ち着けよお嬢様。たとえ決勝中に現れても、春日部が狙いって訳じゃねえんだ。いきなり襲われる事は少ないだろ?」

 

「そうですよ。危険である事に変わりませんけど、聞く限りじゃ、魔王がたった一人の初対面の相手を執拗に狙い続ける事なんて無いですって。私達は此箱庭に来てまだ一ヶ月ちょっとしかたってないんですよ?」

 

「いや……そうだけど……」

 

「飛鳥よ。今は肩の荷を降ろして、純粋に春日部の応援に勤しんではどうだ?なに、安心せい。今回のゲームで殺しは御法度。ジャッジマスターが取り仕切る以上、問題は無い。春日部にも、もしもの時は降参せよと諭してあるし、大事になど至らないだろう」

 

「それに、昨日聞いた参加事項もあるだろ?あれを越えてくるってのならそれはそれで面白そうだが……今のところは大船に乗った気分で居ようぜ」

 

「…………そう、ね」

 

 

三人に言われ、一応は落ち着きを取り戻す飛鳥。

雪羽は心配そうにそんな彼女を見る。

 

 

「……やっぱり、親友が危険に晒されると言うのは、飛鳥さんにとっては感化できないんですね……」

 

「影禍っていう前例があるからな。まだ、蟠りが多少なりとも残ってるんだろ」

 

「…………そうですか(全く、何処で何やってるんですか。早く帰ってきてくださいよ……)」

 

 

十六夜の言葉に雪羽は、生死も分からない兄に文句を垂れる。雪羽自身も、一ヶ月も過ぎるとさすがに少しは心配するようだ。

 

と、彼等の暗い空気は余所に、決勝の手順は進行していく。

日が昇ってき、その光が舞台を照らす。その中央には黒ウサギがスタンバッていた。

 

 

「さあ、皆さん!長らくお待たせいたしました!これより、火龍誕生祭のメインギフトゲーム、〝造物主たちの決闘〟の決勝を始めたいと思いまーす!進行及び審判はこの、〝サウザンドアイズ〟の専属ジャッジでお馴染み、黒ウサギが務めさせていただきま~す♪」

 

 

黒ウサギが登場するやいなや、会場の熱気はさらに盛り上がる。中には不穏当な発言をし、雪羽に軽めの狙撃を喰らう者もいたが、気にしない。

 

そんな中、十六夜は少し不機嫌面で白夜叉に抗議をしていた。

 

「そういえば白夜叉。黒ウサギのスカートを絶対に見えそうで見えないスカートにしたのはどういう了見だオイ。チラリズムなんて趣味が古すぎるだろ。昨夜に語り合ったお前の芸術に対する探究心は、その程度の物なのか?」

 

「どんな事はなしてるんですか!?」

 

 

雪羽は叫ぶが、当然の如くスルーされる。

 

 

「ふん。おんしも所詮はその程度の漢であったか。そんな事ではあそこの有象無象共と何ら変わらぬ。おんしは真に芸術を解する漢だと思っていたのだが……」

 

「ちょっと?聞いてます!?」

 

「へえ?言ってくれるじゃねえか。つまりお前には、スカートの中身を見えなくする事に芸術的理由があると?」

 

「そもそも、スカートの中は覗くものじゃないです!!」

 

「無論だ。小僧、考えてもみよ。おんしら人類の最も大きな動力源とは何だ?エロか?成る程、それもある 「無いですよ!?」 だが、時にそれを上回る物がある。それとはつまり─────想像力!未知への期待!知らぬ事がある故の知る事への渇望! 「ちょっと!」 小僧よ、貴様ほどの漢ならばさぞ数々の芸術品を見て 「聞いてます!?」 きた事だろう!!」

 

 

雪羽はめげずに言うが、どれもスルースルースルー。最終手段に、創りだした武装でブッ叩こうとするが、白夜叉の廃スペック(誤字に非ず)の前に敢え無く撃沈。

尚、この間にも白夜叉は語り続ける。

 

 

「その中にも、未知と言う名の神秘があったはず!!例えばそうッ!!モナリザの美女の神秘性ッ!!ミロのヴィーナスの腕に宿る神秘性ッ!!星々の海の果てに垣間見えるその神秘性ッ!!そして─────乙女のスカートの中に宿る神秘性ッ!!!それらの神秘に宿る圧倒的、底のない探究心は同時にいたる事が出来ない苦渋!して、その苦渋は時を駆け己の裡においてより昇華されるッ!!何事にも勝る芸術とは即ち──────────己が宇宙の中にあるッ!!!」

 

「なッ…………己が宇宙の中に、だと……!?」

 

 

これが映像なら二人の後ろには効果音が、それはもう激しく付くのだろう。

 

 

「あ、あのぉ…………し、白夜叉様?何か悪い物でも食べたのですか……?」

 

「見るなサンドラ。バカがうつる……」

 

「……グスッ……グスッ……飛鳥さぁ~ん……」

 

「よしよし。雪羽ちゃんも、いい加減諦めなさい。限がないわ」

 

 

一人は戸惑い、一人は崩れ落ち、二人は溜め息を付く。それでも尚、そんなの俺達には関係ないぜ!!と言わんばかりに白夜叉と十六夜は続けた。

 

 

「そうだッ!!真の芸術は己が手で開拓した宇宙に存在する!!乙女のスカートて同じ事!!見えてしまえば下品な下着でも、見えなければ芸術だッ!!!」

 

 

再び効果音が合う場面。序に演出で爆発も良いだろう。こう、バアーーーーーーンッ!!!と言う風に。

 

 

「さあ。今一度、世界の真実を確かめようでは無いか。かの中に今も眠る乙女の秘境(ユニバース)へ……お前も到達できるのを、到達できる物だと言う事を!信じているぞ……」

 

「……ハッ。ったく……元魔王様にそこまで言われたんじゃ……乗らないわけにはいかないじゃねえか…………」

 

 

 

黒ウサギがジャッジマスターとして不在の今、彼らを止める物など存在しない。そこにいた四人はとうに考えるのを止め決勝の方に真剣になる事にしたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆ ◆ ◆ ◆ ◆

 

 

 

 

 

「……なんか、無茶なタイミングで回された気がする…………」

 

「何言ってるの?」

 

「いや~なんでもない。それにしても…………寝たいなぁ~…………駄目?」

 

「駄目に決まってんだろ。昨日言った事は忘れたとは言わせねえぞ」

 

「アハハハ……大丈夫。…………よし、スイッチ入れたよ~?」

 

「本当かよ……?」

 

 

 

大きな外壁、境界壁の天辺。高度にして2000mの位置にペスト、ラッテン、ウェーザー───────そして絵錬がいた。これから魔王のギフトゲームを始める為だ。

 

 

「さあってと。ん~………プレイヤー側で相手になるのは、〝サラマンドラ〟のお嬢ちゃんを含めて四人かしらね?」

 

「いや、三人だな。あのカボチャには出場資格がねえ。特にヤバイのは吸血鬼と火龍のフロアマスターだな」

 

「いやぁ?多分5人だよ」

 

「はっ?何でだ?」

 

「まずだけど、あそこのヘッドフォンの少年。油断したらすぐ潰されるくらいの力は持ってると思うよ」

 

「そんなのが、ホントに……?」

 

 

ラッテンの疑問に絵錬は頷く。

 

 

「そして。その近くにいる、白い子。正直言っちゃうとあそこに居る誰よりも強い」

 

「なっ!?ま、まじかよ……」

 

「……それは本当?」

 

 

その言葉を聴いたウェーザーは懐疑の念を持ちながらも驚愕し、今まで黙っていたペストは此処で漸く口をあけた。

 

 

「うん、まあね。でも、今は大丈夫。今ならペストでも倒せるかもよ~」

 

「貴女は?」

 

「私?う~ん……いけなくも無い……かな?まぁ、()として負けるわけには行かないよ~」

 

「「は?」」

 

 

絵錬がさらりと言った言葉にウェーザーとラッテンが声を上げる。

 

 

「?……あ、言い忘れてたね。私が此処に来た本来の理由はあの子だよ?」

 

「いや、だが……それだとお前は身内と殺りあうんだぞ?」

 

 

ウェーザーの言葉に少し絵錬はポカンとするが、すぐに薄い笑みを浮かべて、

 

 

「構わないよぉ~?そういうことも無い訳じゃないしね?と、長話はここまでにして。そろそろ始めなよ?」

 

「……そうね。それじゃあギフトゲームを始めるわ。手筈は昨日いったとおりに御願い」

 

「おう。邪魔する奴は?」

 

「殺して良いよ」

 

「殺すか~……こう思うと初めて……でもないか。ま、了解だよ、リーダー」

 

「イエス、マイマスター♪」

 

 

それを合図に北の街に黒い契約書類(ギアスロール)がばら撒かれた。

 

 

 

 

 

 

◆ ◆ ◆ ◆ ◆

 

 

 

 

それは唐突だった。ギフトゲームも終わり、耀が労いの言葉をかけられ、白夜叉が締めくくった直後、最初に気付いたのは十六夜と雪羽だった。

 

 

「え?」

 

「……おい白夜叉、アレは何だ?」

 

「何?」

 

 

白夜叉は十六夜たちの見る上空へと目を向ける。

そこには、無数の黒い羊皮紙が舞っていた。それを確認した黒ウサギは驚愕の面持ちで呟く。

 

 

「黒く輝く〝契約書類〟…………ま、まさか!?」

 

『魔王が……魔王が現れたぞおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!??』

 

 

そして、会場は一瞬にして阿鼻叫喚と化す。

 

 

 

『 ギフトゲーム名〝The PIED PIPER of HAMELIN〟

 

 

 ・プレイヤー一覧:現時点での三九九九九九九・四〇〇〇〇〇〇外門・境界壁舞台区画に存

          在する参加者・主催者のコミュニティ。

 

 ・プレイヤー側・ホスト指定ゲームマスター:太陽の運行者・星霊 白夜叉

 

 ・ホストマスター側 勝利条件:全プレイヤー側の屈服・及び殺害

 

 ・プレイヤー側の勝利条件 Ⅰ:ゲームマスターの打倒

              Ⅱ:偽りの伝承を砕き、真実の伝承を掲げる

              Ⅲ:異分子の同族による打倒

                     ・

                     ・

                     ・

                     ・

                     ・                   』

 

 

 

「これって……きゃ!?」

 

「な、何ッ!?」

 

「白夜叉様!?」

 

 

空から契約書類が振ってきて数十秒後、白夜叉の周りに黒い風が吹き彼女を包んだ。それは余りにも突然で白夜叉ですらアクションを起せなかった。

 

 

「っ!きゃっ!!」

 

「きゃ……!」

 

「くっ!お嬢様、掴まれ!」

 

 

さらに、白夜叉を覆う風は勢いを増し、彼女以外の者をバルコニーから弾き飛ばした。

十六夜達は舞台側へと、サラマンドラは観客席側へと。

 

 

「魔王、ですか…………!!」

 

 

雪羽はこれが魔王のギフトゲームの始まりなんだと、身を強張らせる。

 

 

「御チビ、これは…………そういうこと、でいいんだよな?」

 

「はい」

 

 

ジンの肯定に十六夜は場違いな笑みを浮かべ更に問う。

 

 

「白夜叉の主催者権限が破られた様子は?」

 

「それはないです。黒ウサギが今もジャッジマスターとして機能している以上、ごまかしは通用しません」

 

「ルールに則った上でのゲーム開始……それも私達の切り札とも言える白夜叉さんを封じて」

 

「ハハッ!さすがは魔王様だ、期待を裏切らないねえ?」

 

「十六夜君、どうするの?此処で相手を迎え撃つ?」

 

 

飛鳥は現状を鑑みて十六夜に聞く。

 

 

「それも良いが……全員でやるとなると、ちと具合が悪いな。〝サラマンドラ〟の方も気になるしな……」

 

「それなら、黒ウサギがそちらに行きます。その間十六夜さん、雪羽さん、レティシア様は魔王に備えてください。ジン坊っちゃんは白夜叉様を」

 

「分かった」

 

 

各々がそれぞれの役割に頷く中、飛鳥は不満そうにする。また、自分だけ外されるというのが気に入らないのだ。

 

 

「ふん……また面白い場面を外されたわ」

 

「そう言うなってお嬢様。契約書類上は白夜叉がゲームマスターだと記述がある。それが今後どんな影響になるか確かめねえと────」

 

「お待ち下さい」

 

 

十六夜が言い切る台詞を一旦、制止をかけるようにウィル・オ・ウィスプのジャック・オ・ランタンが声をかける。そばにはパートナーのアーシャも居る。

 

 

「確か、ジャックさんでしたか?」

 

「はい、そうです。それで、大凡の話は聞かせてもらいました。魔王を迎え撃つのなら、我々〝ウィル・オ・ウィスプ〟もご尽力いたしましょう。いいですね、アーシャ?」

 

「う、うん。頑張る」

 

「あ、ありがとうです。ジャックさん!」

 

「いえいえ」

 

「では、お二人は黒ウサギと共に────────!?」

 

 

舞台上に集った一同がそれぞれの役割を全うする為に動こうとした─────その時だった。

 

 

「お、おい……何だよこれ!体がバカみたいに重くなったぞ!?」

 

 

十六夜が叫ぶ、が他の者。未だ観客席に残っている者、舞台上に残っている者とわず皆一様にその場から動けないでいた。

十六夜でさえその重圧に付加を感じるほどだ。他の者は一部膝を付いてしまっている者もいる。

 

 

「こ、これって、あの時の!」

 

「くっ、まさか。魔王のコミュニティの者だったのか……!」

 

 

飛鳥とレティシアは昨日あった少女を思い出していた。おそらく……いや、間違いなく彼女の仕業なのだろう。

 

 

「くそ……おい、レティシア、雪羽。行けるか?」

 

「あ、ああ……ギリギリな」

 

「私は大丈夫です」

 

「奴らをブッ叩きに行くぞ。こんな物、ずっとやられてちゃ満足に動けもしねえ」

 

「あ、ちょっと待って下さい(これって……でも……そんな……)、少しだけ、コレを、抑えます」

 

 

雪羽がそう言うと、付近の者全てに白く薄い膜が覆う。すると、皆さっきまでの重力が多少は和らいだのか、動けるようになる者が徐々に出てきた。

 

 

 

「お、っと。すまねえな。よし!じゃあ、ちっと相手さんの力を拝見しに行きますか!!」

 

「どうしますか!」

 

「レティシアと雪羽はデカイのと小さいの、と後一人を任せる!俺は奥の方の黒いのと白いのをやる!」

 

「分かりました!」

 

「了解した、主殿!」

 

 

十六夜はさっさと確認をし、その顔に獰猛な笑みを浮かべながら当事者の許へ大きく跳躍した。

そして、それに続くようにレティシアも雪羽もその場から行きよいよく飛んだ。

一応、まだ重圧は掛かってるのだが、そんな事を言っている余裕も無いようだ。

 

 

 

そしてこのあと、さらに魔王とのギフトゲームがイレギュラーを交えて激化する事になるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




少し最後らへんの文章がめちゃくちゃになってる気がしますが…………やっぱ、夜の勢いで眠い中書くんじゃ有りませんでした。次はもっと、分かりやすく、視点も交えながら改定期待と思います。


P,S
誤字脱字等何か有りましたらご指摘下さい。


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