記録者達が異世界から来るそうですよ?【削除&改訂予定】 作:白結雪羽
視点~絵錬~
交渉から一週間。とうとうゲーム再開の時がきた。
私達〝グリモワール・ハーメルン〟は今上空から参加者達の様子を見ている。また、ラッテンの鼠も情報収集してるから現状はすぐに理解できた。
「ねえ、マスター。どうやら連中、私達の謎を解いちゃったそうですよー?」
「チッ。ギリギリまで最後の謎は解かれないだろうと踏んでいたんだがな」
「ま、しょうがないでしょ~。あっちには頭のキレる子が沢山居たじゃん?」
あのチビッ子とかヘッドフォン少年とか雪羽とか、ね。あの三人の知識はそれなりだったし、参加者全員の知恵も集めれば妥当な頃合いだろうから。
「ま、構わないわね。最悪皆殺しにすればいいだけだから」
「そだね~」
「……お前、もう少し緊張感って物を持ったらどうなんだ?あの中には、」
「雪羽?別にいいよ。此処で負けるんだったらそれだけ。それに私に緊張感なんて物は存在しませ~ん」
「ウェーザーほっときなさい。これと話すと疲れるだけよ」
「酷ッ!?」
ペストは私の気の入ってない反論をスルーし、手を上へ掲げる。
「さ、謎も解かれたのだし────────ハーメルンの魔書を発動するわ。もう温存する必要もないでしょ」
「あ~、前に言ってたやつ?」
「ふっふーん、いよいよもって盛り上がってきたわね~♪ねぇ、マスター」
「ラッテン、油断は禁物だよ?」
「ああ。あっちには〝箱庭の貴族〟もいるんだ。油断なんてしたあかつきには、俺ら如きじゃ抑えるのも適わない」
「…………ふーん。やっぱ凄いんだ、〝箱庭の貴族〟って」
「箱庭の貴族ってあのウサ耳少女?へ~、あの子ってそんなに凄い子なんだ」
「凄いなんてもんじゃねえ。一度見た事があるが、並みの神仏じゃ相手にもならねえ。流石は最強種の眷属って感じだ。授けられているギフトの数が違う」
ふ~ん……あのウサ耳少女が。それにギフトの数が違う、ってどれくらい持ってるのかな?10?20?いや、某人外並に一兆超えてたり…………は流石にないか。
「……ウェーザー、貴女に策を設けてあげる」
「策?」
「ええ、そこまでの者がいるのだもの。魔書の他にも神格を授けるわ。ゲーム時間内で、魔王の恐ろしさというものを教えてあげなさい」
「……ふっ、了解」
「えー、ウェーザーだけずるい~」
「我慢しなよラッテン。次にギフトゲームをする時に頼めばいいじゃん」
「そうだぜ。今回くらいは我慢しな」
私とウェーザーの言葉に不満を垂れながらも「じゃあ、次は私だからねー」とラッテンは納得した。実際はペストが軽く視線を寄越したからなんだけど……まぁいいや。
と、そろそろ定刻になるみたい。
「リーダ~。私はどうする?」
「勝手にしなさい。どうせ、すぐに終わらす気は無いんでしょ?」
「っていうかそれは無理だよ。人って脆いし?下手に重圧で駒を減らすってのもあれでしょ?」
「そっ……」
それ以上の会話は無かった。あとは、徹底的に弄るだけってね~。
ゲーム開始の合図と共に街は大きく姿を変えた。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
先ほどとは打って変わった街の中。参加者の衆から外れた十六夜と雪羽は屋根の上にいた。
「へえ……?地精寄りの悪魔とは思っていたが、地殻変動そのものを起すとは恐れ入ったぜ」
「地殻変動というよりはむしろ召喚じゃないですか?ほら、白夜叉さんが以前やってた」
「だな。しっかし……この街並み。ハッ、魔王様ももう種を隠す必要は無いってか?」
十六夜が言うのは街の様式の事だ。ゴシックとルネサンスでは大分違うのだから、最後の謎も一瞬で感づかれてしまうだろう。
「ジン君たちが動いている今、手を抜くなんて事ないんでしょうね……。十六夜君、私たちもそろそろ──────ッ!!」
雪羽は十六夜に移動を促そうとしたが、その高い危機感知能力でこちらに向かってきている強大な力に気付いた。
「十六夜君っ!!」
「っ!」
ドゴォォオオオオオオオオン!!!!
雪羽の言葉が間に合いギリギリかわした十六夜と雪羽は襲ってきた力の破壊力に驚く。そして、その張本人はその隙を逃しはしなかった。
「チッ、避けられたか…………だが、」
その人影、ウェーザーは一瞬で十六夜に肉迫し顔を掴まれた。
「十六夜君!!」
「テ、テメェ…………!」
「よぉ小僧、これは前回のお返しだ!悪いが今度はこちらが先手は譲らせてもらう!」
ウェーザーは十六夜を放し即座に持っていた笛で十六夜を強打した。
十六夜はその馬鹿げた威力にウェーザー川の対岸まで吹っ飛ばされ壁に激突する。
「十六夜君、大丈夫!?」
「…………ヤロー、やってくれるじゃねえか。流石に今のは利いたぜ」
「ハッ、当たり前だ。こちとら前回のことから何も学んでない訳じゃねえぞ。もし油断なんてしてみろ、神格を得た俺にただただ嬲られるだけだぜ?」
「何?」
「っ!あの人……まさか、本当に神格を……!?」
ウェーザーは二人の驚きを余所に、辺りに脅威的な震動を起す。
それを十六夜はマズイなと感じ、雪羽に
「おい。お前は魔王の所に行け。こいつは俺がやる」
「そ、そんな!いくら十六夜君でも一人であんな、」
「いいから行けっ……!こいつの目的は俺だ──────それに、お前が居たら俺が満足にやれねえ」
「でも…………!分かりました…………絶対に負けないで」
「ハッ、誰にものを言ってるんだ?んな事はありえねえよ」
「……ふふ、そうですか」
それ以上の言葉は不要とばかりに雪羽はその場から飛んだ。
後ろではウェーザーと十六夜の会話と激突する音が聞こえたが、振り向くことなく魔王・ペスト、そして絵錬の許へと向かう。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
「ねぇ、リーダー。ババ抜きしない?」
「貴女って目でも悪いの?よくそんな事を今言えたものね」
「だってさ~?向こうの二人も確かに強いけどさ、ペストには届いて無いじゃん」
「貴女が全て潰してるからでしょ……」
悠々自適にペストに話し掛ける絵錬。周りでは黒ウサギとサンドラが雷を放ったり火球を放ったりと鬼気迫る表情で攻撃を繰り返してるのだが、全てペストに届く前に絵錬が重圧でかき消しているのだ。
故に、ペストはその場から一度たりとも移動していない。
「くっ!サンドラ様!正面から押し通します!」
「分かった!」
黒ウサギとサンドラは同時に一点に雷と龍の炎を打ち出す──────がそれも叩き伏せられる。
「はぁ…………貴女達もう止めたら?これ以上は可哀相だもの。さすがに同情するわ」
「魔王の同情など必要有りません!」
「そっ。随分と嫌われたものね」
「え、好かれたかったの?」
「それは、面白くもない冗談ね」
ペストは肩を竦めて答える。そんな二人の様子に黒ウサギとサンドラは苦い顔をする。
「神格級のギフトを何度も……!これでは手の打ちようが」
「いいえ、必ず突破口があるはずです!それを何とか見つけないと、」
「黒ウサギさん!サンドラさん!」
二人が絵錬に手を拱いている、その時だった。雪羽が彼女らに合流したのだ。
「雪羽さん!……十六夜さんは?」
「十六夜君は……ウェーザー川の悪魔と交戦中です。私に先に行けと言って……」
「おぉ、雪羽~。やっと来たの?待ちくたびれたよ。じゃ、私を殺す覚悟はいい?」
絵錬は口元を笑みで歪めて雪羽に問う。それに対し雪羽は黒ウサギとサンドラに目配せをし、両腕に純白のガントレットを装着する。
「うん、殺る気満々だね。ねぇリーダー?どうやら今度は余裕が無さそうだよ?」
「絵錬が勝手にやってたことでしょう?私は頼んでないわ」
「酷っ……って、ふざけてる時間もないかなッ!!」
絵錬は向かってきた30はあるだろう光弾を叩き伏せる。が、その間を縫うように一瞬で雪羽に近づかれる。
「はぁあッ!!」
「よっと……。ホント、雪羽はバトルスタイルを固定しないんだね~。対策も何もあったもんじゃない…………ま、元々無いけど」
絵錬は雪羽の連撃を避ける毎にペストから離されて行った。だが、絵錬にとってもペストにとってもそれは問題にはならない。ただ、相手が変わっただけで現状は変わらない。
「……で、貴女達は如何するの?一応言っとくけど、あの子が居なくなったからといって、そちらの攻撃が通るとは思わないことね」
「っ!この、」
「待ってくださいサンドラ様」
ペストは嘲笑うかのように二人を見下して言う。それに対しサンドラは炎を出そうとするが、黒ウサギが待ったをかける。
「あら、戦う前から諦めたの?」
「……〝黒死斑の魔王《ブラック・パーチャー》〟。貴女に聞きたいことが有ります。貴女は…………神霊の類ですね?」
「えっ?黒ウサギ。何を、」
「そうだけど」
「えっ!?」
突然の脈絡のない黒ウサギの問いにサンドラは驚き、ペストがそれに即答したことで更に驚く。
「やっぱり……。十六夜さんから話を聞いたときよもやとは思いました。貴女の持つ霊格というのは〝ハーメルンの笛吹き〟に記述された〝130人の子供の功績〟では無く、14世紀から17世紀にかけて吹き荒れた黒死病の死者〝8000万人もの死の功績〟を持つ悪魔なのではないか、と」
「8000万の死の功績……!?それだけあれば、神霊に転生することも、」
「無理よ」
「無理です」
「無理だよ?」
「無理なんです……」
サンドラはいつの間にか戻ってきた絵錬と雪羽の否定も合わせて4人分の否定を受け、ガクリと項垂れた。薄っすらと彼女の目に光る物が見えたが恐らく気のせいだろう。
「あら、早かったわね」
「うん、重要そうな話だったから……何となくね?おっと」
「誰も止めようなんて言ってないよ、お姉ちゃん」
「それでも、聞いて置いてそんは無いと思うけど~?」
「ねぇ、ホントに貴女はどちらの味方なの?ねぇ?」
「ほら、ウサ耳少女~。今は手を出さないから続きをどうぞ?」
黒ウサギは一応警戒しながらも言われた通りに話を続けた。
少し長いので掻い摘んで言うと、神霊には功績があろうと信仰がなきゃなれない。だが、ペストはどうやらそれを今は亡き〝幻想魔道書群〟の元トップの男に召喚されたことによりクリアしたというのだ。
「─────つまり、貴女は黒死病の死者の霊群ですと?」
「ええ、その代表が私。……しかし、私を召喚しようとした魔王は、儀式の途中で他の誰かとのギフトゲームに敗れ、この世を去った」
「う~んと。要はリーダーが此処にいるのって単に運がよかっただけ?まぁ、それにしてもリーダーが8000万の中の代表ね~……他の人はよほど威厳の何も無いのかな?こんなお子様にまかせぐふっ!?」
ペストは無言で絵錬を殴り飛ばした。余計なことを言うからだ。ついでにいえば絵錬の解釈は少し違うのだが、此処では置いておく。
ペストは絵錬を無視し話を続けた。
「私達が〝主催者権限〟を得るに至った功績。この功績には私が…………いえ。死の時代に生きた全ての人の怨嗟を叶える、特殊ルールを敷ける権利があった。黒死病を世界に蔓延させ、飢餓や貧困を呼んだ諸悪の根源────怠惰な太陽に、復讐する権利が…………!!」
つらつらと語るペストの口調は進むごとに荒くなっていき、最後には激情を孕んだものとなっていた。
そして、それに呼応するかの如く袖口から黒い風が溢れ、その勢いを増していく。真横に絵錬も居るのだが、彼女はどこ吹く風といった感じで涼しげな表情でいる。
そんな時だった、あまりにも空気を読まない言葉が聞こえたのが。
「……ハッ、アホ臭いね……」
「……何ですって?」
ペストは……いや、そこにいた全員が声の主、雪羽を見た。ペストに至っては睨むだが……
「貴女、アホ臭いですって?私達の苦しみを……必死に生きた地獄の時を……私たちの悲願を……!!」
「……へ?え、ええ?ど、どうしたんですか皆さん?」
雪羽は少し俯いていた顔を上げ、皆が自分を見ている事に戸惑った。そして、それはペストの逆鱗に更に触れる事になった。
「…………絵錬。手、出さないでね。あの子は容赦なく殺すわ……。私達の……8000万もの悲願を鼻で笑ったその愚考、許しておく訳には行かないわ……!!」
「はぁ…………分かった(全く、タイミングが悪いんだから
ペストはこれまでにないほどの殺気と風を放った。その瞳には憤怒の色しかなく、真っ直ぐと雪羽を射抜いていた。
黒ウサギはその今までにない殺気を受け、頭の中に警鐘が鳴り響く。それはサンドラも、雪羽も同じだった。
「(マズイです。あれでは本気で雪羽さんを……!それに、先ほどの雪羽さんは一体)サンドラ様!雪羽さん!何としても止めますよ!」
「分かってます!!」
「は、はい!」
黒ウサギは先ほどの雪羽から感じた違和感を隅に置き、目の前の災厄に向き直った。
「(雪羽さんが居るとは言え、相手は魔王。くっ……十六夜さん、まだ片付かないのですか…………!?)」
やばい、純粋な戦闘描写が書きたい、でも実際書くとあまり続かない……一体如何すれば!
???「死ねばいいと思うよ?」
せめて話しを合わせてよ!?
???「やだよ。だるいし面倒臭い。後書き続けるのも面倒、だから今回は此処まで、はい終わり」
あ、ちょっt
P,S
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