記録者達が異世界から来るそうですよ?【削除&改訂予定】   作:白結雪羽

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ようやく二巻終了~


二人のその後……

「ペスト……黄昏っていいよね~……。何処か不安を掻き立てるのに、その中に安心感を見出せるんだよ~?」

 

「言ってる事が矛盾してるわよ……」

 

「二人とも!ちゃんと話しを聞いてくださいっ!あと一時間はキッチリ私の話を聞いてもらいますよ!!」

 

「「……………………はぁ」」

 

 

ギフトゲーム〝The PIED PIPER of HAMELIN〟が終わりおよそ二日。来たの境界壁、サラマンドラの治める街はとても賑わっていた。

…………まどろっこしい事はやめよう。ゲームの結果だけ言う────勝ったのはプレイヤー側だ。

 

最後の絵錬と闇邪による終焉の鬩ぎ合いは、最初こそ絵錬がおしていたのだが、そこで闇邪が足りない陣を追加して、数で押し切ったのだ。

さっきも言ったがお互いに何かしらの終焉の意味を持つ一撃。数を増やせるのなら其方が有利になるだろう。

 

それで、あの後絵錬が敗れたことで三つ目の条件がクリアとなり、ゲームは終わりを向かえ、参加者に掛かっていた黒死病の呪いも完全に解けた。その後、闇邪は雪羽の事、自分の事を目が覚めた十六夜達に明かし、絵錬とペストの事も説明した。

 

そして、何だかんだがあり今は祝勝会を兼ねた誕生際の続きというわけだ。街はサンドラの魔王への初勝利だとかノーネームの功績だとかで引っ切り無しに盛り上がっている。

 

因みに絵錬とペストはと言うと。冒頭にチラッと出たが、絶賛雪羽からの御説教タイムにあっている。流石に人目に付く所ではなく本陣営の一室をサンドラから借りて、だ。まぁ、何にせよ二人からしたらかれこれ5時間もつき合わされているのだからその顔はもうげんなりとしている。

では、何故この二人が大人しく雪羽の説教を受けているかというと、絵錬が闇邪との一撃勝負の時に承認した(無理やり)契約書のせいだ。闇邪がなまじ強く創ったせいか、二人の行動は今雪羽に制限されてしまったのだ(当の闇邪だが、巻き添えを喰わないように雪羽の中で寝ている)。

 

 

「だからですね、絵錬お姉ちゃんはもっと限度というものを知ってください」

 

「いや……それって私たち全員にいえることのような~……」

 

「ナニカイイマシタ?」

 

「何でもないですッ!」

 

「というかなんで私まで付き合わなくちゃいけないのよ?私は貴女達の身の上柄なんて関係無──────」

 

 

────い、とは言えなかった。ペストの顔のすぐ横を物凄いスピードで何かが通った……丁度そこにあった髪を少し舞わせながら。

ペストは顔を青くしてギギギっと後ろを見た。其処には勿論壁がある─────短刀の刺さった壁が。

 

 

「ペストさんも、なにを言ってるんですか?ペストさんは関係ない、と……?…………ふふ」

 

「ひぃッ!?ちょ、ちょっと絵錬!貴女の妹でしょ!なんとかし…………え?」

 

 

雪羽のマジな笑顔にペストは慌てて絵錬に助けを求めようしたが、そこには横たわった絵錬が居た。

 

 

「え?ちょっと……起きてよ……起きなさいよ!」

 

「ああ、絵錬お姉ちゃんなら暫くはおきませんよ?隙を突いて逃げようとした人の罰です……。さ、後一時間とは言いましたけど……お姉ちゃんが起きるまでペストさん、二人でオハナシシマショウ?」

 

「ッ!!?!?!?!?」

 

 

その後、火龍誕生祭本陣営付近で謎の悲鳴が聞こえてきたとか何とか……。

 

 

 

 

 

◆ ◆ ◆ ◆ ◆

 

 

 

 

 

ギフトゲームが終わってから更に一週間。雪羽達はノーネームの本拠に戻ってきていた。新たにペストと絵錬を加えて。

 

ペストは最初こそ不満をつらつら述べていたが、雪羽が聞くと首が外れるんじゃないかという位の勢いでブンブン!と縦に振った。

十六夜達はその反応を気になりはしたが、聞いてはいけない気がして誰も聞けなかった。

 

それで今、そのペストだが……

 

 

「くっ、このっ、放しなさいよっ!!」

 

「…………ZZZ~……ZZZ~……」

 

「その……ペストさん、諦めた方がいいですよ?絵錬お姉ちゃんがそうなったら起きるまで放しませんから」

 

 

ペストは絵錬の腕に中でもがいていた。それで絵錬は絶賛睡眠中……要は抱き枕扱い。

前に一回言ったと思うが、絵錬は本来あまり動く方ではなく、四六時中寝てたいっ!と言うような奴なのだ。今の今までが活発で忘れてはいたが……

それでだが、ペストが何故捕まっているかというと…………まぁ、眠そうな絵錬の横に居たのが運のつきと思ったくれた方がいい。

 

 

「なら何?これが起きるまで私はずっとこのままって事?冗談じゃないわ!誰が好きこのんでまたこんな疫病神と、」

 

「またって、一回捕まったんですね……。その時は短かったんだと思いますけど……多分今回は、最低三日くらいは起きないと思います」

 

「3日!?3日はこのままって事!?ホントにふざけないでよ!これ何とかしてよ!!」

 

「そう言われても……」

 

 

雪羽が困った顔をする中、横に居た十六夜はケラケラ笑いながらペストを茶化す。

 

 

「ハハハ!いいじゃねえか。抱き枕になれる事なんて滅多にないぜ?」

 

「なりたくなんてないわよ!」

 

 

十六夜の茶化しにペストはキレル。本当なら風でも叩き付けたいところだが、雪羽との契約があるためそれも叶わない。

 

 

「しっかし……あの魔王様とその御付きが今じゃこれかあ……。魔王ってのはなかなか弄りがいのある奴が多いのか?……ちょいと白夜叉のとこにでも連れてってみるか?」

 

「貴方、敗血症にして殺すわよ!?」

 

「出来るもんならやってみれば?えぇ、斑ロリ?」

 

「殺すッ!!」

 

 

ペストとはそう言うものの、未だに絵錬の腕から抜け出せないでいる。また、抱かれているのもあり絵錬の豊かな胸部がペストの頭に当たっているのだが…………これ以上はペストの名誉の為にも触れないでおく。

 

 

「……はぁ……十六夜君。絵錬お姉ちゃんはペストさんに任せて、私達は農園の様子を見に行きましょう?」

 

「ああ、そうすっか。じゃ、後はごゆっくり…てな凹凸コンビ」

 

 

十六夜は隠すことも誤魔化す事も無くペストのある一点を見て言った。

 

 

「今すぐその面貸せやぁああああ!!!!」

 

 

ペストが壊れてきた。十六夜はそれを笑い流しながら雪羽と本拠裏手の農園へ向かった。

 

 

「……夜君……少し失礼……よ?」

 

「ハハ……すんな…………?」

 

「なッ……君は…………ですか!?」

 

 

ペストは徐々に離れていく会話の主を追おうと必死にもがいた。が、絵錬は足まで絡ませてきた為本格的に抜け出せなくなってしまった。

ペストも少しずつ抜け出そうとする気力をなくしていき、仕舞いには前と同じように一緒に寝付いてしまう。

後に、戻ってきた雪羽たちがこの光景を見てその頬を緩ませるのだが、その事をペストは知る由も無かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~某所~

 

 

「……これで最後かしら?」

 

 

柄の無い漆黒の刀から、こびり付いた血を払い少女は呟いた。

少女が居るのは目が痛くなりそうなほどの純白の宮、そのセントラルホール。其処には彼女以外の人気が無い。ただ、気配を放っていたものはある。

少女はゆっくりと周りを見渡す。其処に広がるのはもう動くことの無い肉の塊。文字通り死屍累々といったところか。

で、それを見て一ついえるとすれば、その光景に少女はとても似つかわしくなく、同時にこれをやったのは紛れもないその少女だという事。

 

 

「はぁ~あ……。全く、こんなけったいな神殿なんて構えて、何がしたかったのかしら?」

 

 

少女はスタスタとその場から歩いて宮─────神殿の最奥を目指す。

後ろあったはずの屍は少女が去った後には綺麗に何事も無かったかのように消えていた。

 

 

 

ドォオオオオオオンッ!!!

 

 

「ねぇ、此処で最後なの?」

 

 

少女は最奥の扉を吹き飛ばし、中にいた少女よりは少し大きい少年に話しかけた。

 

 

「ん?ああ、たぶんそうだろ。ここいらの区画の違反者はもう残ってない…………はずだ」

 

「そういうのハッキリして欲しいんだけど?」

 

「ま、まぁ細かい事はいいんだよ。しっかし、こんな神殿なんか堂々と拵えて、よくこいつらあんな事する気になったな……」

 

「ハッキリいって馬鹿よね。それとも数だけは多かったからとか、幹部が何人か居るからとかで油断でもしてたんじゃない?」

 

「そうかもな…………はぁ。こちとらあまり殺しなんてしたくないってのに……」

 

「文句垂れてもしょうがないでしょ。臨機応変、適材適所。教えたのはそっちでしょうに」

 

「まぁそうだけどさ……。っと、無駄話もよすか。さっさと凛護と砂羅と合流するぞ。お前だって早く戻りたいんだろ?」

 

「まあね。着いて早々呼ばれるんだもの、色々逃しちゃってるかもしれない。あそことても面白そうなのに」

 

「そう言えばその世界って初めてだったけか?」

 

「ええ、なかなかいい所だと思うわ。あそこまで内包量の多い世界も久しぶりよ」

 

「そっか…………俺も行きたいなー……」

 

「一つの世界に私達を4人も入れる気?荒れるわよ」

 

「ハハっ、確かにそうかも。ま、今回は我慢しますか……って、また長引いた。よし、さっさと行くぞ」

 

「それさっきも言った……」

 

 

その会話を最後に二人はその場から姿を消す。後に残ったのは無人となった神殿だけだった。

 

 

 

 

 

 

 

 




次は三巻。彼女らがもっと暴れます。
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