記録者達が異世界から来るそうですよ?【削除&改訂予定】   作:白結雪羽

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くっ!キャラが増えてきたせいか、比例するように文章が…………!!ついでにタイトルも意味不!
ああ!これ以上書くことが無い!と言う訳でどうぞっ!


それは唐突に……

「ほぁ~……美味しそうな匂いが漂ってますね~……」

 

「うん…………あ、黒ウサギ。あそこの〝白牛の焼き立てチーズ〟って、」

 

「駄目ですよ。食べ歩きなら主催者への挨拶が終わってから、」

 

「美味しいね」

 

「何時の間に買ってきたんですか!?」

 

「はむ…………ん~♪はいっ♪この薫りも少しチーズっぽさを残した独特の食感も堪らないですね~」

 

「雪羽さんまで!?」

 

 

黒ウサギは今日も平常運転。普段なら黒ウサギ側に付く雪羽でさえも、食べ物に関しては問題児側に付いてしまったので普段以上に運転できそうだ。

 

今現在、〝ノーネーム〟一行は収穫祭本陣営に居る主催者へ挨拶をしに向かっている。で、その間にも収穫祭らしく出店がそこいらにある。辺りは美味しそうな匂いに満たされており、耀と雪羽は少し我慢が利かなかったようだ。

 

すると、自分と雪羽が食べているのを物欲しそうに見る飛鳥と、宿舎で出会ったアーシャに気付いた耀は、数瞬の後手に持つ包みを二人に向け、

 

 

「………………匂う?」

 

「匂う!?」

 

「匂う!?匂うって聞かれた!?其処って普通、『食べる?』って聞くはずなのに『匂う?』って聞いたよこいつ!!」

 

「うん。だって、もう食べちゃったし」

 

「しかも空っぽ!?」

 

「残り香かよ!!どんなシュールプレイ望んでるのお前!?」

 

「……?欲しかったら雪羽も食べてるよ?」

 

「ふみゅ?…………見ますか?」

 

「雪羽ちゃん!?」

 

 

耀の言う通りに雪羽に聞こうとした飛鳥だったが、雪羽は小首を傾げて、まさかの『見ますか?』というある意味匂うより酷い事を言った。本人は悪気は無いようだが、飛鳥は裏切られて様な顔をして半涙目状態だった。

 

そして、出店ゾーンを抜け一行は根を上がって地表に出る。そこには見上げても全貌を抑えきれない大樹が聳え立っていた。

 

 

「……黒ウサギ。この樹、何百m位あるの?」

 

「〝アンダーウッド〟の全長はおよそ500mと聞き及んでます。さすがに境界壁の巨大さには及びませんけど御神木の中では大きい方だと思いますよ」

 

「(本当に高いですね…………何だか世界樹を思い出します……。)

 

 

雪羽は箱庭に来る以前に見た事のある世界樹を思い浮かべた。まぁ、あちらの方がこれの数倍は大きいのだが。

 

 

「そうなんだ…………。私達が向かう場所って、」

 

「中ほどの位置でしょうね」

 

「…………。そう」

 

 

高度にしておよそ250m地点。これから其処まで上らなければならないのだ。耀は傍から見ても分かるくらい面倒くさそうな顔をして黒ウサギに聞いた。

 

 

「……私、飛んで行っていい?」

 

「春日部さん、いくらなんでも自由度が高すぎるわ」

 

「ヤホホ!お気持ちは分かりますが、団体行動は乱すものではありませんよ。それに、本陣営までにはエレベーターもありますから、さほど時間は掛かりません」

 

 

今のはアーシャと共に居たジャック・オ・ランタン、通称〝ジャック〟。春日部とは火龍誕生祭にて競った間柄だ。

 

 

「へ~、ほほ(此処)にはエレベーターがあるんでふね…………(もぐもぐ)」

 

「まだ食べてたの、雪羽ちゃん!?というか増えてる!?」

 

 

雪羽は何時の間にか両手に出店で売られていた物を持っていた。もはや呆れるしかない。まぁ、雪羽自身火龍誕生際の時にレティシアから此処の食べ物について聞き、とても気になっていたのだ。まだ、本命には出会えてないが、それでも堪能しておきたいのだろう。

 

 

「ヤホホ!そちらのお嬢さんもなかなか面白い方ですね。……と、皆さんこのボックスに乗ってください。全員乗りましたら扉を閉めて、そこのベルを二回鳴らしてください」

 

「分かったわ」

 

 

一行は言われた通りにその木造の箱に乗り込みベルを鳴らす。すると、上の方、水樹の一角から水が溢れ出し、彼女らが乗る箱とは別の方の箱にに流れ出した。

此処のエレベーターとはかなり原始的な滑車式のもののようだ。各々、驚きの声を上げたりし、ものの数分で本陣に到着した。

 

そして、先に進むとそこにはこの収穫祭の主催者〝龍角を持つ鷲獅子(ドラゴ・グライフ)〟の旗印が見えてくる。

それは普通の旗印とは少し違っており、六つの傍の真ん中にその旗は存在した。聞くところによると、これは連盟旗と言うものらしく、6つあるコミュニティが連盟を組んだ証だそうだ。

 

連盟を組む理由としては、最も大きいとされるのは魔王に対抗する為。連盟に加入しているコミュニティは同じ連盟に所属するコミュニティが魔王に襲われている時、そのゲームに介入できる……らしい。

 

(by黒ウサギ)

 

 

と解説がなされる傍ら、ジャックとジンは受付で入場届けを出していた。

 

 

「〝ウィル・オ・ウィスプ〟のジャックとアーシャです」

 

「〝ノーネーム〟のジン=ラッセルです」

 

「はい。〝ウィル・オ・ウィスプ〟と〝ノーネーム〟の………あ、」

 

 

受付の少女は何かに気付いたように声を上げ、一行の中の飛鳥へと尋ねた。

 

 

「もしや、〝ノーネーム〟所属の久遠飛鳥様でしょうか?」

 

「ええ。そうだけど、貴女は?」

 

 

その少女曰く、飛鳥にはこれまた誕生際の時弟を助けてもらったそうだ。今日はやけに誕生際の時の繋がりが多いと見える。

だが、それは収穫祭故に各地から様々なコミュニティの者が集っているからだろう。そして、もう一つつながりはあった。

それは、少女かの口から出た〝サラ=ドルトレイク〟と言う名を聞き気付いた。

 

 

「サラ………ドルトレイク?それって……まさか〝サラマンドラ〟の、」

 

「え、ええ。サンドラの姉である長女のサラ様です。でも、まさか南側に来ていたなんて………。もしかしたら、北側の技術を流出させたのも、」

 

「流出とは人聞きが悪いな、ジン=ラッセル殿」

 

 

ジンが呟く────それを遮るように、声が聞こえた。熱の籠もった風と共に聞こえたその声に一同は振り返る。

そこには踊り子差ながらの衣装を纏い、どこかサンドラと似通った女性が舞い降りてきた。

どうやら、先程の風は彼女が放ったもののようだった。

 

 

「サ、サラ様!」

 

「久しいなジン。会える日を待っていた。後ろの〝箱庭の貴族〟殿とは初対面になるかな?」

 

「サラさん……(お姉ちゃんと同じ名前ですね……。この人の方が優しそうですけど……)」

 

 

雪羽はサラと言う名が自分の姉と同じだなぁと思い。同じ名前なのにその人柄の違いに軽く溜め息をついてた。その様子から、彼女の姉の〝サラ〟には雪羽も苦労しているのだろうか……。

 

一行は少し会話を交わした後、サラと共に本陣の中へと入っていった。

 

 

 

 

 

◆ ◆ ◆ ◆ ◆

 

 

 

 

 

「……ねぇ、今から参加するって駄目なのかな?」

 

「いや、俺達が居残りの理由は言っただろ」

 

「でもそれって、十六夜君と絵錬だけだよね?ってことは…………関係ない僕は行っても……!」

 

「駄目だよ影禍~。行かせないからね~……」

 

 

不意の呟きを実行しようとする影禍を絵錬は空間縛りで止める。彼女とて一応は楽しみにはしているのだ……。というより、絵錬が律儀に残ってる事にレティシアとペストは少し疑念を持ったくらい珍しいと言える。

絵錬の能力ならば境界門を使わずとも目的地へはすぐいけるから尚更だ。

 

影禍は少し不機嫌そうな顔をしたが、すぐにニッと口角を吊り上げた。

 

 

「絵錬。お兄ちゃんからのお願い、今すぐこれ解いてよ……」

 

「駄目。私だって一応楽しみなんだからね~」

 

「…………そっか。じゃぁ、」

 

「………?ッ!?」

 

 

絵錬は影禍の言動に小首を傾げたが、すぐにそれは崩される。彼女は普段の眠たげな瞳を見開いて、顔を真っ青にする。その際、影禍を縛る術を解いてしまった。

 

 

「絵錬?どうしたの、そんなに顔を青ざめさせて?ふふふ……ねぇ?」

 

「え、影禍…………ご、ごめんな、さい……これは………やめて……!じょ、冗談でも笑えないよ?」

 

 

絵錬は普段の口調すら崩れるほど震えながらそう言う。その様子を見ている十六夜は何事かと影禍に尋ねた。

 

 

「お前、何してんだ?」

 

「何、簡単な事だよ。僕が影を扱えるのは分かってると思うけど、それはレティシアちゃんとかみたいな自分の影だけじゃなくて、相手の影。ましてやそこらじゅうにある影でもいいんだ。で、ここで問題なのが、影って言うのは同時に陰なんだよ。それを踏まえると僕って夜は独壇場なんだよね」

 

「……前置きは言い。結論だけ言えよ」

 

「ふふ、はいはい。じゃ、結論を言うとね──────身体の中もその夜と大差ないって事」

 

「っ!!………ははっ、そういう事か。随分とエグイ事するじゃねえか。お前ってそんなだったんだな」

 

「最初に来た時は大人しい方だったでしょ?」

 

「ハハ!違いねえ」

 

「え、影禍~……!!それより……早く、これどうにか、」

 

「あ、それ一日放置だからね?絵錬って普段は寝てるからあまり弄ったことがなくてねぇ?」

 

 

絵錬は死刑宣告を受けた様に顔をさらに青くして、その場にへたり込む。逆に影禍は少し晴れ晴れとした顔で十六夜に言う。

 

 

「それじゃ、参加日まで僕の土産話でも聞く?というか、話すよ?」

 

「おう。ま、もしつまらなかったら……」

 

「大丈夫だよ。話し以外にも土産もあるから。じゃ、戻ろっか」

 

「あれはいいのか?」

 

「おっと、忘れるところだった」

 

 

影禍は自分の影を伸ばして、今尚へたり込む絵錬を抱えた。そして、彼らは屋敷へ戻っていくのだった。

以上、本拠側での平和な一幕でした。

 

 

 

余談だが、絵錬はその日あまりの怖さに寝れず、影禍の言うことを聞ききびきび動いてる様は、今までの絵錬しか見たこと無いペストとレティシアを驚かせていたそうな。

 

 

 

 

 

◆ ◆ ◆ ◆ ◆

 

 

 

「はぁあ~…………一日って、やっぱり早いな~」

 

 

時は夕暮れ。祭りの賑わいをまだ残す中、辺りは徐々に薄暗くなっていっており、遠くの方では少し星空も見え始めていた。

そんな中、雪羽は一人水樹の頂きで余韻に浸っていた。楽しい事はあっという間に過ぎていくと言うが、それは本当のことだと改めて思っていた。

 

彼女は本陣営での話を聞いた後、耀と飛鳥に断りをいれ、一人で祭りを回っていた。出店で食べ物を買ったり、民芸品の製作体験で店の人以上の一品を作り上げてしまったり、白牛の焼き立てチーズをまた食べたりetc...。

 

そして今に至る。

 

 

「……お姉ちゃん達も早く来たいだろうな~……よいしょっと」

 

 

雪羽はそろそろ中に戻ろうと立ち上がり、其処から飛んで都市の中に戻っていった。祭りの景観を見ながら徒歩で目的の宿舎に向かっている。すると、

 

 

「む?雪羽殿?」

 

「あ、えーと…………サラさん?」

 

 

唐突に声をかけられ、振り返ってみると、本陣営で一度顔を合わせたサラが其処に居た。

 

 

「ああ。どうしたのだ、このような場所で?」

 

「あ、はい。今から宿舎に戻ろうかと」

 

「ふむ、そうか。……祭りは楽しんでもらえてるかな?」

 

「は、はい。とても楽しいです。時間を忘れちゃうくらい、それはもう……!」

 

「ふふ、そうか。それは何よりだ。………と、そうだ。雪羽殿には言わねばならないことがあった」

 

「?何ですか?あ、あと、私の事は雪羽と呼んでもいいですよ?少し堅苦しいのは苦手なので……」

 

「む、そうか?ならそうさせてもらうとする。でだ、私が言いたいのは、一ヶ月前の誕生際についてだ。祭りの最中に魔王の襲撃にあったと聞き及んでな。どうやら、それを退けたのは貴殿だそうじゃないか。今一度、ここで感謝の念を贈りたくてな」

 

 

「感謝する」そう言い、サラは雪羽に頭を下げる。何とも気品溢れる礼ではあったが、雪羽からしたら主催者に頭を下げさせている為、周りの視線が辛い。雪羽は慌てて言った。

 

 

「さ、サラさんっ、お礼なんていいですよ!それに、あれは私だけの力じゃないです、サンドラさん達や黒ウサギさん達皆が協力してくれたから生まれた結果なんですから!そ、そのっ、頭を上げてくださいっ」

 

 

雪羽は居心地の悪さを感じ、また顔を真っ赤にしてサラにそう言った。

サラはその慌てように少し照れてるのかと思ったが、よくよく周りを見てみればその意味も理解し、「すまない」と苦笑気味に言った。

 

その後、宿舎に向けての道中。雪羽とサラは話しながら、その道についていた。

そこで、サラはふと思い出したように雪羽に問う。

 

 

「そういえば、雪羽。私と最初に出会った時、何か呟いていたようだが……」

 

「え?あ、は、はい。まぁ……、その、ですね。サラさんの名前がうちのお姉ちゃんと同じ名前だったので」

 

「そうなのか?…………聞けば、雪羽は箱庭の外から召喚されたと言うではないか。……家族とはなれて寂しくは無いのか?」

 

「……その、やっぱり、少し寂しいです。で、でも!私の家族は皆変わってますから!もしかしたらみんなそのうち自力で来ちゃうかもしれません!」

 

「あ、いや………それは可能なのか?」

 

「はいっ。もう一人来てますし」

 

「そ、そうなのか……?」

 

 

人間が召喚でもなく普通に箱庭に来れたことにサラは驚嘆と疑念を浮かべる。雪羽の物言いからして嘘では無いとは分かるが、それでも信じがたい者だった。

 

本来なら、そこから家族の話やらなんやらに繋がっていくだろう時間。

 

 

 

 

 

 

 

──だが、そんな時間も終わりを告げる──

 

 

 

 

 

ドォォォォオオオオオオオオオオォォォォォォォォン!!!!!

 

 

「わ、わっ!?ど、どうし……た………………え?」

 

 

突然起こった地震。それはアンダーウッドの都市全体を揺るがした。そして、雪羽は見てしまった。遠方にひしめく巨大な影の群れを。

 

 

「っ!!こんなに……早くも……!!くっ、雪羽殿!急いで…………!?」

 

「きゃあああっ!!」

 

 

再びの激震。そして、響き渡る底冷えするような低い雄叫び。

雪羽達の近くにもその声の主が迫っており、その急襲によって二人は別々の方向に吹き飛ばされる。

 

サラはすぐに雪羽を助けに行こうとするが表からは阿鼻叫喚の悲鳴やら怒号やらが聞こえてきた。サラは、瞬時に雪羽の実力を信じ、一個人としてではなく主催者とし地表へと飛んでいった。

 

 

一方、雪羽は、

 

 

「こ、これは…………!?」

 

 

空中で体勢を立て直し、上から様子を見渡す。そこには狂ったように暴れる身の丈およそ9mにも及びそうな巨人がチラホラと見て取れた。

だが、先程の雄叫びや地震の規模からして、ここ以外。つまり地表にはもっと多くの数が居るのだろう。

 

 

『おー、雪羽随分凄いことになってるね』

 

「闇邪!ど、どうしよう……」

 

『如何するもこうするも、殺そうよ。あれは見るからに無法者だよ?』

 

「で、でも……!」

 

『……はぁ。こんな時にまで殺しは嫌?いい加減直しなよ、それ。ああゆーのに情けかけても仕方ないでしょうに』

 

「…………ご、ごめん」

 

『ま、いいよいいよ。その為の私でしょ?じゃ、代わるね~』

 

「…………うん」

 

 

それと同時に雪羽の髪は、瞳は黒く染まる。中の人格、闇邪が出てきた証だ。闇邪はゆっくりとあらためて辺りを見渡し、その口元に笑みを浮かべる。

 

 

「ふふ、久しぶりの人型か~……。ま、せいぜい綺麗に散ってよねっ!!」

 

 

闇邪は次の瞬間にはその場から消え、近くに居た巨人は胴体と足が泣き別れし、あっという間に絶命した。

これより、闇邪の蹂躙が始まる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




やっと、やっと無双の章に……
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