記録者達が異世界から来るそうですよ?【削除&改訂予定】   作:白結雪羽

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今回で静は終わり。次からは激動のゲーム再開の予定です。


災厄を蹂躙─静-Ⅳ─

―アンダーウッドの地下空洞水門付近―

 

その場所で飛鳥は今対峙する女性――――七実(闇邪)を睨み付けていた。だが、それはそこを流れる川の中で流されないよう岩に掴まってという不恰好極まりないだが……。

 

闇邪は一向に闘志の消えない飛鳥を見下ろし溜め息をついた。

 

 

「はぁ……いい加減諦めてはどうですか?意地を張ってばかりで、時には引く事も大切だとですよ」

 

「くっ、余計なお世話よ!ディーン!」

 

「DeeEEEEEEEEeeeeeN!!!」

 

 

飛鳥は再びディーンの上に乗り、続けて指示を飛ばす。

 

 

「ディーン、()()()()()()!」

 

「……はぁ」

 

 

飛鳥のギフトによって質量を変えたディーンの腕が闇邪を捕らえようと伸びる。が、これも先程から何回も繰り返していることだ。

闇邪は腕が目前に迫ろうとも微動だにしない。そして普通なら確実に捕まるはずの現状を不自然な軌道で避けた。さらに、彼女はそこから空を蹴って加速し、飛鳥の目の前に舞い降り、額を()()でつついて川の中へ戻した。

 

 

「ほら、どうしたのですか?これで五回目ですよ」

 

「……っ……!」

 

 

必死に岩に掴まる飛鳥に闇邪は右手の小指を突きつける。脅威のへったくれも感じられない動作だが、飛鳥にはそんな温い事など言っている余裕はない。

闇邪は自分で決めたルールにちゃんと従い、右手の小指だけで戦ってる。飛鳥はそのなめきったハンデにもう五回も落とされたわけだ。脅威は充分に理解してしまっている。

 

飛鳥は沈鬱な表情を浮かべ、主を助けようと差し出されたディーンの腕に乗った。彼女から闘気はもう感じられなかった。

 

 

「飛鳥さん!大丈夫ですか!?」

 

「……ええ……平気よ。……ディーンも、ありがとう……」

 

「DeN……」

 

「続けますか?私的にはもう飽きてしまったのですが……」

 

「っ、貴女はっ……!あ、飛鳥さん?」

 

「いいのよジン君……。……、」

 

「ん、そうですか」

 

 

闇邪は飛鳥の様子を見て、発していた静かな闘気を治めた。そして、上の方で観戦していた絵錬にだけ分かるように笑ってみせた。

 

 

 

 

視点OUT

 

 

 

 

 

◆ ◆ ◆ ◆ ◆

 

 

 

 

 

視点~絵錬~

 

 

「容赦ないわね……アレ」

 

 

ペストは目の前で繰り広げられる茶番に半分呆れ、半分冷や汗を流しながらそう言った。私はというと、あまりにもワンパターンな光景に少しうつらうつらとしている。……飽きた……、

 

 

「ペスト~……終わったら起こし「もう終わったみたいよ」……あぁ、そう……」

 

 

私はしょうがなく体を起こして下の様子を見た。すると、闇邪が見計らったように私だけに分かるように笑ってみせた。何て言うか……すごい清々しいね……。

 

 

「はぁ~……あ、十六夜だ。て、何でバケツ何か持ってるの、それも3つも……」

 

 

眼下には、したに降りてきた十六夜がバケツを持って歩いていた。そして、その全部に川から水を汲んだ―――次の瞬間、

 

 

「おぉっと手が滑ったぁー!!」

 

 

その中身を一つを闇邪に、残りを私達……と横の方に居た黒ウサギとサラに思いっきり飛ばして……って!?

 

 

「危なっ!?」

 

「あ、ちょっとぉ!?」

 

 

ズシャッ!バシャァッン!

 

 

「ふぅ、危ないところだったね~」

 

「ね~、じゃないっ!!何で私を盾にするのよ!?」

 

「……そこにペストが居たから?」

 

「ふざけるなッ!……全く、どうするのよこれ……」

 

 

ペストは全身びしょ濡れの姿でぼやいた。仕方なく、私は何か拭くものがないか聞こうたと部屋の外に出た。すると、ちょうどしたの方から飛鳥を担いだ十六夜と、一切濡れていない闇邪がやや仏頂面でやって来た。

 

 

「あ、十六夜。さっきのあれ、いきなり水ぶっかけてくるとはどういう了見なのさ~」

 

「いや、本命はこいつだけだ。お前らは……まぁ、ついでだ。てか、お前濡れてねえじゃん」

 

「まあねぇ~。ペストがその身を呈して、」

 

「嘘つくなッ!」

 

 

バタンッ!と扉は蹴り開けられ、ペストは憤怒の顔で私を睨んできた。

 

 

「お、ちょうどいい。ペストも風呂に入れ、拒否権はないからな」

 

「は、はぁ!?意味わからな……あ、ちょっと!絵錬!」

 

「オーケー十六夜~。もって事は、飛鳥は当然として七実も入るの?」

 

「呼び捨て……。……ええ……そうですよ」

 

「……十六夜、何か不機嫌なんだけど……」

 

「うちのお嬢様をああまでしたんだ、ちっとだけ制裁をな」

 

「よく素直に聞いたね……」

 

「……一応成り行きとはいえやり過ぎました。非はこちらにあります」

 

「だそうだ」

 

「あぁ、そう……[どうしたのさ闇邪?珍しい]」

 

『[面倒だったから素直に聞いた。濡れるのはごめんだったけど]』

 

 

何か、ある程度予想は出来るんだけど……それはどうなの?

とまあ、長々と話したけどそろそろ飛鳥とペストを押さえるのが大変になってきたから移動することにした。場所は十六夜が知ってるみたいだから私は尚も暴れ続けるペストを空間固定で動けなくして彼の後に続いた。

 

 

「ところで、十六夜も一緒に入るの?」

 

「「!?」」

 

「?ここの浴場は混浴なのですか?」

 

「「そんなわけないでしょ!!」」

 

「ハハッ!お誘いなら嬉しい限りだが、遠慮しとくわ」

 

「そっか…………チッ」

 

「待ちなさい絵錬!今の舌打ちは何!?」

 

「さあ早く行こぉ~。ペスト……覚悟は、いい?」

 

「無視!?ていうか覚悟って!?」

 

「ペストさん、でしたか?少し耳障りなので戯れは禊の時にお願いします」

 

「どこをどう見たら戯れてるように見えんのよ!?」

 

 

このあと風呂に着くまで飛鳥とペスト(主にペスト)は終始叫んでたけど、面倒だから割愛。なんとも平和なヒトコマだった。今って休戦中なのにね~。

 

 

 

 

視点OUT

 

 

 

 

◆ ◆ ◆ ◆ ◆

 

 

 

 

 

視点~影禍~

 

 

度々どうも。そろそろ飽きてきた?でもごめんね~ホント暇でしょうがないんだよねぇ。まだゲーム再開する気配もないし、レティシア(影)は大人の都合で話さないし……どうすれば?

と、そんな()()()()()()の事は置いといて、現状を語ろうと思う。

 

 

「スキアリィィィィ!!」

 

「あ、ちょっと!?語りの隙に嵌め技は駄目でしょう!?」

 

「余所見シテル方ガ悪インダヨ!アハハハ!」

 

「…………」

 

「ア、ウワァ!?(ダンマ)リ幼女、何スルノサ!」

 

「…………」

 

666(ロロム)~、余所見した方がわるいんでしょ?」

 

「ウ……マ、マア?マダ残機ハアルカラネ。ソレニ、アタシハ寛大ダカラネ、コレクライ――」

 

「よし、残り一機!」

 

「ッテ何シテンジャ己ハー!!」

 

 

……はい。と言うわけでただいま私とレティシア(影)と、何か知らない内に居た 〝邪神(悪魔)〟こと666とスマ○ラXで対戦中でーす。色々言いたい事はあるだろうけど、気にしないでね~。

 

 

「…………(グッ)」

 

「アーア、負ケチャッタ……。テイウカ、アンタコレ始メテ二時間経ッテナイヨネ?強スギナイ?」

 

「きっとアレだよ。レティシアはこういうの上手い人なんだよ。いやはや、埋もれた逸材ってやつだねー」

 

「自己満足ニ終ワルモンダケドネ……ット」

 

 

よっと、666はその場に立ち上がる。因みに彼女の容姿だが、ググッて見れば多分分かるよ。

 

 

「ジャッ、マタネ。今度会ウ時ハ死合イデモシヨウネェ~」

 

「何、もう行くの?折角楽しそうな事やってるんだから暫くは居ればいいのに……」

 

「イイヤ、アタシハ参加者ジャァナイ。余所者ハサッサト帰ルサ」

 

 

そう言って666は姿を消した。恐らくもうこの世界には居ないだろう。()()()に帰ったか、それともまたブラリ旅でもするか……

 

 

「本当に、気楽だよねー。でもルールは守るとこは相変わらず評価できるというか、何というか」

 

 

彼らは規則を決して破らない。どれほど残虐な奴だろうと、破天荒な奴だろうと、世界の則りに逆らう事はしない。って、君達に言っても分からないか。ま、また機会があったら話すとするよ。…………話しのストックが貯まる一方だね、

 

 

「ソレこそ別にいいか。そんをするのは(作者)であって僕達ではないから。レティシアもそう思うでしょ?」

 

「…………」

 

「ん、反応無…………レティシア、ちょっとこっち来て」

 

「…………?」

 

 

僕はレティシア(影)を呼び寄せ、その胸部────丁度心臓の位置と頭にそれぞれ手を当てた。

 

 

「…………はぁ……。全く、やってくれたね666。でも、これもこれで楽しい事になるかな?」

 

「…………」

 

「うん?ああ、レティシアは気にしないでいいよ。……んー、レティシアだとやっぱややこしいな……、うん。これからはレティと呼ぶ事にしよっか」

 

「……、…………」

 

「お、本人の了承貰えた。それじゃあ改めて、頼りにしてるよ〝レティ〟」

 

「……。……」

 

 

レティはコクリと頷くと、そのまま外を映す影の隙間を眺め始めた。もう、完全に彼女としての自我が芽生えてきてるね……、レティシアを基盤に生まれた新たな存在。うーん、今なら雪羽の体感した感覚が分かる気がするよ~。しょうがない、今回は特別に感謝しといてあげるよ──666。

僕はレティの横に並び外の様子を見る。せっせと謎解きをする者、仕掛けていこうとする者、そして黒幕の動向。その全てが見て取れる……

 

始まりは…………もう目の前だね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




色々舞ってま────いや、待ってます。
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