記録者達が異世界から来るそうですよ?【削除&改訂予定】 作:白結雪羽
視点~闇邪~
「十六夜さん、これで全てなのですか?いえ、なかなか壮観ではありますけど……大分少なくないですね」
「仕方ねえだろ。先の襲撃で結構な数がやられてんだ。これだけ集まったと考えた方がいい」
「そうですか」
「……七実、すっかり馴染んでない?」
「適応力はあるつもりです」
「…………(絶対嘘だ)」
だいたい、だれから構わずに呼び捨てにする絵錬に言われたくは無いね。それに、十六夜は完全には警戒を抜ききってないよ。
とまぁ、そんなこんなで昨日の明日。つまり今日。いよいよゲーム攻略の時が来た。今アンダーウッドの根本には攻略部隊の精鋭?が集っている。〝?〟が付くのは、実力が知れてるからだけど、言う訳無いよ?
「にしても……春日部もタイミングが悪いな。こんなに幻獣が集まってるってのに……もったいねえ」
「まぁいいじゃん。これが終われば、機会はいくらでもあるんだし~」
「だがなぁ……、こっちはヘッドホン強奪されてまで順番を譲ったんだぞ?これは返してもらう時に、文句の一つでも言ってやらねえとな」
「「「え?」」」
十六夜の発言に声を漏らす飛鳥、黒ウサギ、ジンの三人。……そういえば、ヘッドホン壊したんだっけ?して、代替品も猫耳、と……。
「ん?アレって……グリフォンか?いや、胴体が羽毛に包まれてるし、胴体部分は馬?となるとヒッポグリフォか?」
「へぇ、あの獣はひっぽぐりふぉ、というのですか」
実物は始めてみたなー。でも幻獣だし……無駄に傲慢知己かもしれない……関わるのは止めとこ。まぁ、もしあっちから何かしてきたら……その羽、誇りと共に細切れにしてあげるよ。
十六夜は半分興味津々、半分真面目といった顔でジンを連れて彼らのところへと向かって行った。
何か、残った飛鳥と黒ウサギが深刻な表情で話してるけど、触れないでおいた方がいいね。私は協力関係であって、同じコミュニティに席を置いてるわけじゃないから。
「ねぇペスト……。私って手加減するべきかな?」
「その余裕、私以外に見せたら面倒事必死よ?」
「そっかぁ~……。ペスト、この際ぶっちゃけちゃうとね。私一人でもあの龍とか巨人とか何とかできるんだよね~」
「…………でしょうね」
「七実もそうでしょ?」
ん?何故私に話を振った?
「……絵錬。貴女、コレと知り合いだったの?」
「その質問はもっと前にするべきだと思うけど……。因みに違う。けど、七実の力量は知ってる」
「そう……。絵錬がそこまで確信持てるなら相応なんでしょうね…………はぁ……」
「頼もしいでしょ?」
「逆にあの龍以上に化け物染みてるわよ……」
「ペストも大概だよ~?」
絵錬のペースに、ペストは再三にわたっての溜め息をついた。あのままじゃ、幸福指数が右肩下がりのままになっちゃうね。
「まあまあ。それよりも、もうそろそろ開始時刻です。下の方は任せましたよ」
「オーケ~。しっかりと頑張るよから、そっちも手早くねぇ~────────闇邪」
「え?は、はぁああ、ムグッ!?」
絵錬の突然のカミングアウトにペストは思わず声を上げそうになったが、私が口を押さえてソレを防ぐ。運が良かったのか他に聞いてる人は居ないみたい。
「ふふふ……絵錬、バラしたら、──────
「アハハッ、りょうか~い」
その会話を最後に、私達は別れた。何か、ペストが絵錬に問い詰めてるけど、私の知った事ではない。
さ、もうじき始まる災厄。どう掻き回そうかなー……楽しみだ。
視点OUT
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
視点~絵錬~
「ちょっと、どういういことよ!」
「しぃ、ペスト声が大きい……」
「そりゃ大きくもなるわっ!……で、さっきのマジなの?」
「うん、大マジ。七実は闇邪だよ~。雪羽は中で眠ってる」
「……あれは何?人としての気配もまるっきり別人じゃない。あんなの身内でも気付けるはずが無いでしょう?」
「気づかれちゃ駄目でしょ……。まぁ、あれは……アレだよ。前にペストと私がした〝同調〟と似たようなものだよ」
似たようなっていか応用だけどね~。因みに私も出来なくは無い、系統が違うけど……
「……必要性は?」
「お察しの通り、無い。唯の暇つぶし」
「…………貴女達って……ホント滅茶苦茶ね」
「そう?此れでも自重してる方だよ~?もし私達が本気で何かやらかそうと思ったら、箱庭の一桁に殴りこみでもしてるよ~」
「笑えないわね、本格的に。貴女達なら勝てそうな気がするのが一層笑えないわ」
「アハハ、実際その通りなんだから仕方が無いよ。私達……私に勝つにしても、最低箱庭の全勢力を
「…………」
いつも通りに眠そうな目でにこやかにそう言うと、ペストは眉間を押さえて唸りだした。多分、現実の理不尽を何とか噛み締めようとしてるんだろう。それには、まずいらない常識はかなぐり捨てた方がいいけどね。
「さ、ペスト。地上とジンを守りきる事が私達の役目だからね~、全力で手加減して、自重しないで行くよ~」
「…………ええ、そうね」
ペストはもうどこか諦めたというか、悟った表情で言った。
ゲーム再開まであと数十分。さてさて、用意は重畳、モチベーション通常運転、どんな敵でもかかってこ~い!
視点OUT
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
視点~影禍~
「……、…………」
「ん?ふぁ~……ふぅ。何、もうそろそろ動くの?」
「…………(コクリ)」
レティが除く影の隙間から私も外の様子を確認した。城の下方にはアンダーウッドの戦力が集結している。城下町の方は、今も謎解きに勤しんでるが、どうやら殆ど終わりかけの様。そして、
「ふーん、敵さん補足ってね。……箱庭って小さい子が実力者な風潮でもあるの?僕も人の事いえた性質じゃないけど」
僕は玉座のある広間に居る、四つの影を見て呟いた。一人と一匹は知らないけど、残りの二人は知ってる。あの時、宿舎で僕とレティシアを襲った愚者だ。
彼らが此処に集まったという事は、本格的にゲームは動く。
さっきから聞いてる会話通りだと、白髪の少年は参加しないみたい。というか、〝殿下〟って……そんな呼び方される人そうそういないよ。
で、その殿下だけど、あの中だと一番十六夜に近いものを感じる。つまり、あれだね、公式チートってやつだ。いるんだよねー偶に、明らかにパワーインフレ起しそうな敵サイドの人。まぁ、この箱庭そのものがパワフレもいいとこだけど……
「レティ、どうしたい?僕はどうしてくれてもいいんだけど」
「…………、……」
「そ、了解。皆驚くと思うけど、気にせず頑張ってきてね……っとと」
何か急に殺気が飛んできた。先の場所を見てみると、四人が全員尋常じゃないほどの殺気をしろ全体に飛ばしていた。
もちろん、僕とレティはそんなものには動じない。あの程度の殺気、ぬるま湯もいいところだよ。僕なら手加減してもあれの数百倍は出せる。実際に殺気で誰かを殺した事もあるし、その効果は絶大だ。
「でも今の殺気、城下町の方に気付いた?いや、あそこまで殺気は届いてないから…………まあいいや」
「…………?……、……」
「うん、行こっか。……そうそう、レティ、言い忘れてたけど。龍は使っちゃだめだよ?それ以外は許可するけど」
「(コクリ)」
「うんっ、じゃあ改めまして……災厄を蹂躙しようか?」
瞬間、僕達は影の中から姿を消した。ここから始まるのは一方的な蹂躙。ずっと俺のターン!ってやつだね♪
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