記録者達が異世界から来るそうですよ?【削除&改訂予定】 作:白結雪羽
視点:絵錬
「はぁ、はぁ……し、死ぬかと思った~……死ねないけど」
もう気分的に肩で息をしてる感じになってしまった。本当大変だった……ほんの二分程の事だけど……。
今さっき起きたディープインパクト……あいや、これ馬の種だ。えぇーと……あっ、そうそうファーストインパクト!もとい、ジャイアントインパクト。
要は突然何かが降ってきたんだよ~。それでね?どうも戦場の広範囲に被害を齎したみたいで、ついでにペストが手中に入れた〝バロールの死眼〟を運悪く砕いちゃったんだ。
で、そこからが大変で。砕けた〝バロールの死眼〟から漆黒の死の光がさながら濁流の如く放たれちゃって……。当然、場は大混乱。一番近くに居たペストと私も飲まれそうになった。
だから、光が治まるまで私は、バロールとその死の光ごと……次層をずらさしたんだ。
本当、ヒヤッとしたよ~……。あっ、あと、ローブの人はどうやら逃がしちゃったみたい。何時の間にか居なくなってた。
「絵錬さん!ペスト!無事ですか!?」
「うん……何とかね~。いやぁ~ペストが死んじゃうじゃないかって思わずヒヤッとしたよ~」
「……一瞬本気で死を覚悟したわ……。それにしても、一体何が起こって……っ!」
ペストは息を呑んだ。それと言うのも、辺りには真っ黒に腐食された〝ナニカ〟が夥しい数、地に突き刺さっていたからだ。
「ちょ、ちょっと絵錬!その腕……大丈夫なの?」
「え?」
ディーンのおかげで無事だったらしい飛鳥は、私の右腕を見て叫んだ。
うーん……隠そうとしたんだけどなぁ~、無理だったか。
「っ、絵錬さん!全然大丈夫じゃないじゃないですか!?」
「あっはっは~、大丈夫だよコレくらい。少し骨が砕けちゃっただけだよ」
そう言いながら私は、〝黒く変色し、おかしな形状に歪んだ〟腕を擦る。…うん、あの塊を受け止めた時にね、思いのほか衝撃と数があったもんだから……まさかの貫通。しかも少し当たっただけでそこから何か侵食された。
こんなものを他の人が喰らってたら、まずお陀仏になってるね。
と……そんな事より、
「それを少しとは言いません!今すぐ手当てを────」
「ねぇ……皆。まだまだゲームは終わってないし、巨人族の残党も残ってるじゃん?」
私は黒ウサギを遮って問う。
ペストと飛鳥はう出の事を気にしていながらも、当たり前の問いに疑問符を浮かべた。
「……どうしたの?」
「いや、ね?…………〝ゲームの再開〟って……今日だっけ?」
「「「…………え?」」」
私は未だ雷雲立ち込める空を仰ぐ。それにつられて三人も見上げた。
そこには、首を下げてアンダーウッドを見下ろす、巨大な双眸が────初日に姿を現したあの巨龍が、雲間を縫って舞い降りてきていた。
「あはは~、これは……もう一頑張りしないとね~」
再び姿を現した巨龍に、戦場は混乱を超えて唖然としていた。そんな中、私は、淡々と、いつも通りに、笑ってみせた。
──……それにしても。あの塊と黒い影…………まさかね?……まさか、ね……。
視点OUT
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
空に浮かぶ吸血鬼の古城。その外壁にレティは一人立ちつくし、その場より上空──およそ高度4000メートル地点を見上げていた。
そこでは、剣が飛び、影の刃が蔓延り、銃弾が飛び交い、禍々しい気配を纏ったモノ?が飛び交い、甲冑が交差しetc...。雪羽は苦い顔を、影禍は楽しそうに笑みを浮かべながら幾重にも持てる術をぶつけ合っている。それこそ、周りの事などそっちのけで……。
「(……随分と、派手にやる……。主様の方が迷惑、掛けてる……)」
高度は更に上がって4000メートル。此処まで来ると、地上からは目視は出来ない距離だ。それほどの距離が唯一の救いというべきか。
……因みに忘れてはいけないが、これは喧嘩です。もう一度言う、喧嘩です!何度でも言おう、喧嘩──
「(クドイ電波が……うざい。……はぁ……城の中、周ろう……)」
レティはフイッと喧嘩から視線を外し、外壁から街の中へと降り立つ。表情からは確認できないが、もう当人たちで勝手にやってくれ、と言わんばかりに呆れの溜め息を吐いた。
確か此処には少年が一人乗り込んでいたなと思いながら、無人の城下町を彼女は進んでいく。道中、赤グロイ(誤字に非ず)ゲテモノと遭遇したが、相手側が気付く間もなく影に飲まれた。
「…………(マズイ……)」
レティは心の中でぼやく。というか食べていたのかと問いたい……。
その後も、2、3体の赤グロに出会いその度に飲み込む。流石にこれ以上で出会うのは面倒とレティは考え、影禍から引き継がれた影移動で転々と移動する事にした。
街を周り、次は城内。転移先で蠍みたいな魔物?や、蝙蝠モドキの巣食う部屋にも入ってしまったが、瞬殺。そして、影で飲み込む。
「…………♪」
どこから取り出したのか、爪楊枝を咥えながらお腹を擦るレティ。彼女は再びテクテクと歩き、十六夜を探し始める。服装こそ違けれ、これをレティシア本人が見れば一体どう思うのだろうか……。いや、彼女を知る者から見たら色々と変な誤解を生みかねないだろう。
だが、そんなことは頭の中に無いのか、そもそも自分とレティシアは別人と断定しているのか、レティは歩を進める。
因みに彼女がこうも的外れな所を転々としている訳は、唯単に、自分の
「?…………。………………?」
ふとレティは立ち止まり、城内の壁────正確にはその大分向こう側の外に意識を向けた。そこには自分が内包する、同じ力……龍の存在を感じられた。否、さっきから感じてはいたのだが、スルーしていたのだ。
「…………(龍……暴走してる……?)」
疑問が浮かべば即確認。その精神に則っ……たかどうかは分からないが、レティは両手に長槍を顕現。怪しげな光を纏わせて勢い良く壁へと投擲した。長槍は爆音を轟かせ壁を次々と貫いていき、やがて外へと突貫した。なんと言う強引な荒業だろうか。
だが、そんなことはお構い無しとレティは瓦礫の山を乗り越え、外へと一歩で辿り着く。そして、目先にあった頂から空と地上を望む。
地上は龍の鱗より生まれた魔獣とコミュニティーの一行が衝突しあっている。どうやら臆するどころか士気は上がっているみたいだ。
一方空は、龍がギャーギャー!と喚いていて鬱陶しい。と、いう風にレティは耳を塞ぐ。
しかも、その龍を下に見下ろせる位置で……知らずうちに過激になっている姉妹喧嘩。気のせいか余波が龍の方まで及んでいる気がする。それでさっきから煩わしく哭いているのだろうか?
並大抵では砕く事すらままならない鱗は一部一部削られ、皮膚まで届いている。その度に怒り狂うように空を嵐が襲っている。
何にせよいい迷惑だと、レティは思った。もし、完全に止める術があれば彼女は実行していただろう。
「──……レティシア?」
「?…………?」
レティは
耀はレティシアそっくりの少女が目の前にいる事に驚きを、十六夜は険しい顔で警戒をする。
そんな二人にレティは振り返る。────……丁度その時だった。
「QOOOOooooooAAAAAAAaaaaaaaAAAAAAAAAQUUUUUuuuuuuuuOOOOOoooooooAAAAAAAaaaaaaaaaaaaa!!!!!」
「UuWOOOOOOOOOOOOOOoooooooooooooooRRRRRRRRrrrrrrrrrrrrOOOOOOOOOOOOOooooooooooooooN!!!!!」
「GEEEEEEEeeeeeeYAAAAAAAAAaaaaaaaaaaEEEEEEEeeeeeee………………aaaa……………………aaa…………………………!!!!!」
「「「ッ!?」」」
アンダーウッド全域に、三つの叫びが響き渡った。
一つは、どこか清澄で神聖さを感じる甲高いモノ。
一つは、禍々しく、地の底から響くような怨嗟の塊。
一つは、その命を今にも摩耗させているかのような断末魔。
三人は─何時の間にか霧散していたのだろうか─雷雲の消え去り、天幕越しの日差しが差す空を見上げる。そして、そこに広がる光景に思わず言葉を失った。
一体誰が想像出来ようか……。空に、白銀の翼を広げ飛翔する巨龍に匹敵する程の巨躯を誇る
そして、残りの巨龍は────
────巨人に切り裂かれながら天へと打ち上げられ、
to be continued...
次が最後かな?
もう大分迷走状態で突っ走ってきたけど、ここまできたらちゃんと最後まで書き終えたいなぁ……。