記録者達が異世界から来るそうですよ?【削除&改訂予定】   作:白結雪羽

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最初此処の話しを見て、某運命EXTRAの不思議少女を思い出したのは自分だけだろうか……。いや、とある名前以外の共通点は無いんですけどね。やっぱり、自分だけなのか……?


御伽噺は眠らない

 

 

視点:影禍

 

 

 

収穫祭の前夜祭……にしても、結構な賑わいね。流石は、南コミュニティ共同開催の祭りかしら?

私は市場を散策しながらそんな感想を持った。

 

 

「………。………………?」

 

「んー?あら、大丈夫よ。認識阻害は掛けてあるし、申し訳程度に髪形も変えているんだから」

 

 

ふと、横を歩いていたレティが周りを少し気にしながら、自分は出歩いて大丈夫なのかと聞いてきた。

前にも言ったけれど、レティはオリジナルをレティシアに持っている。そして、アンダーウッドを襲った魔王は、名義上レティシアという事になってる。真実を知るトップの人たちが事実を伝えて入るらしいけど、皆が皆納得してくれるはずも無いわけ。普通に出歩いてばれれば、一騒ぎは確実に起こるわ。

 

だから、レティには格好をシャツにハーフパンツといったラフなモノに。髪型をショートにしてもらった。序に伊達だけど眼鏡も掛けさせた。

手っ取り早く楽な方法としては、この子を表に出さなければ良いのだけれど……それじゃ可哀想でしょう?この子だって外で楽しみたいのよ。

 

 

「……、………………」

 

「眼鏡くらい我慢しなさい。それが有ると無いとでは大分違うのよ?」

 

「………?」

 

「そういうものなのよ」

 

 

分かるでしょう?眼鏡の有無で人の印象なんて大分変わるもの。眼鏡が無いとカッコ良く見えたり可愛く見えたり、逆に有ると知的に見えるでしょう?

 

 

「それにしても……やる事無いわねぇ。目ぼしいゲームは収穫祭が始まらないと無いし。かといって今やってるゲームはどれも退屈なのよね」

 

「…………?」

 

「うーん。確かにやらない事には細かい判断を付け辛いけど……でもねぇ…………ん?」

 

 

ふと、視線を横にずらしたら、喧騒の向こうから見覚えのある狐耳が見えた。

陽気に尻尾を揺らして市場の小物を物色してる。

 

 

「あれは……リリちゃんね……。何をしてるのかしら?」

 

「………」

 

「煩い。買い物でしょ?なんて、そんなの見れば分かるわよ」

 

 

全く、なんでこんなに小生意気になったのかしら……。

取り敢えず、そんなレティは一発殴っといて、私はリリちゃんに話しかけようと────

 

 

「うわああああ!暴れ牛だああああああああ!!」

 

 

────したが出来なかった。

突如人の叫びが、そして人混みの奥からは地響きが聞こえる。私達は何事かと後ろを振り返ると……牛が突進してきていた。

 

 

「(……手綱くらい確りと握っておきなさいよ)」

 

 

まぁ、勿論一々止めてあげる気も無いので、私とレティは難なく避ける。

しかし、

 

 

「……ぇぇーーー……────!?」

 

「「…………(あ)」」

 

 

咄嗟の事で反応できなかったのか、進路上にいたリリちゃんは物の見事に暴れ牛に吹っ飛ばされた。人混みと喧騒で悲鳴は掻き消されたけれど……って、大丈夫かしらあの子?

 

……放っとく訳にも行かない、かな。何だか、見て見ぬフリをするのも寝覚めが悪いし。

私は仕方ないと溜め息を吐きながら、リリちゃんが吹っ飛ばされて転げ落ちた断崖の隙間(偶然にしては凄いわね)に入っていく。

 

 

「妙な横穴ね…………それに」

 

「……、…………」

 

「えぇ。奥の奥に凄いのが居るわね……まぁ、今わいいわ。あっちから手を出してきたらこっちも容赦はしないけど、それよりリリちゃんよ」

 

 

少し進むと、リリちゃんが目を回して倒れていた。幸い怪我はないようね。……いえ、よくあれで怪我をしなかったというべきかしら……何だか漫画補正みたいね。

 

 

「ちょっと、リリちゃん。大丈夫?」

 

「ぁうぁ~…………ぁ。え、えぇっと……影禍、様?それと…………」

 

「レティよ。印象が変わって分かり辛いでしょうけど」

 

「あ、はい、レティ様……。ぁ、あれ?そういえば、私……」

 

「貴女、物凄い勢いで暴れ牛に吹っ飛ばされたのよ。……まだ混乱してる?」

 

「あ、いえ……。すみません、ありがとうございます。……あれ?」

 

 

リリちゃんはふと、奥の方にあった灯火と豪奢な扉に気付いた。明らかにこの場には浮いてる扉なうえに、そもそもなんで此処にあるのかという疑問が尽きないから私も敢えてスルーをしてたんだけど。でも……あそこ中からなのよ、不穏な気配を感じるのって。

 

 

「……お店?どうして、こんな所に……」

 

「さぁ?……入ってみる?今なら私とレティがついてるから、危険は少ないわよ」

 

「え?で、ですけど……ご迷惑をお掛けする訳には……イタっ!」

 

 

はぁあ。黒ウサギ……子供達にちゃんと教育をするのはいいんだけど、もう少し融通を利かせて欲しかったわ。

リリちゃんに私は軽くデコピンをさせてもらった。

 

 

「いいからっ。何か探してたんでしょう?ほら行くわよ……レティ、連行して」

 

「……」

 

「えっ、ひ、ひゃぁっ!?」

 

 

レティにリリちゃんを担がせ、その間に私は無駄に豪華な扉を開けた。横にある〝契約書類(ギアスロール)〟は取り敢えず無視。

 

扉の中に入った私は思わず目を細めた。何せ、店の中は扉と同じく豪奢な貴金属やら、宝石やら骨董品等がショウケースに展示されていて、床に敷かれた絨毯と天井から吊るされた彩り鮮やかな天幕がある。まるで西洋の王族の宮廷みたいね。

豪華さで言えば……私が生まれた時代に被るかしら。

 

 

「それに……なかなか精巧なものばかりね。というより、この店は何が売りなのかしら?展示品に統一性が全く無いじゃない」

 

 

出来は認めるけれど……。よくよく見渡してみれば用途不明の半永久で動き続ける水車?とか、天球?みたいなものもある。

……あぁ、これ全部欲しいわぁ。それと雪羽も連れて来ればよかったわね。あの子は基本食い気に隠されちゃってるけど、こういった精巧品にも一応興味はあるのよ?何せ創造の申し子だもの、あの子は。

 

 

「ゎ、わぁ~!す、凄いです……!」

 

「逆に凄すぎて怪しいけどね」

 

「…………!………っ!」

 

 

レティは店の中の豪華な珍品を見るや否やリリちゃんを置いてケース越しに目を輝かせた。……無表情だけど。

……こらレティ。リリちゃんは分かるけど貴女がはしゃいでどうするの……。貴女のイメージはどうでもいいけど、貴女が羽目を外すたびにレティシアのイメージが崩れるから…………あ、いえ。それもそれで……面白そうね。

 

 

「リリちゃん。この中なら丁度良い探し物があるんじゃない?……貴女の探し物が何かは知らないけど」

 

「あ、はい。私は黒ウサギのお姉ちゃんへのプレゼントを探してて……ここなら良いものが見つかりそうです」

 

「そう。……でも、」

 

 

私は近くに飾られた品に付いてる値札を見る。

それには、0が沢山書かれていた。明らかに、買わせる気が無いというか……下層のコミュニティーじゃまず買えない値段ね。

 

 

「リリちゃん……貴女、今いくら持ってるの?」

 

「え、あ、はい。えぇっと……──」

 

 

彼女が口にした値は……何と言うか子供のお小遣いレベルだった。まぁ、予想はしてたけれど。

 

 

「………………。…………」

 

「言わないの。────リリちゃん。その金額じゃ足元にも届いて無いわ」

 

「うぅ……はい。それに、このお店のモノ、どうやらギフトゲームをクリアしないと売ってもらえないみたいです……」

 

「分かってる。さっきチラッと見たわ……」

 

 

はぁあ………………仕方ないわね、

 

 

「────……全部貰っていこうかしら。ねぇ、レティ?」

 

「…………(コクリ)」

 

「えぇ!?だ、駄目です!勝手に盗んじゃ駄目ですよ!?」

 

「フフ……。リリちゃん、世の中ね?ばれなければ良いのよ。ほら、店の人は誰も居ないみたいだし……私の影の中なら永久保存、証拠も残らない。ね、完璧でしょう?」

 

「そういう問題じゃありませんよ!?」

 

 

影を広げようとした私を、リリちゃんが後ろから抱きついて必死に止めてきた。……チッ、こういう時に体格が近いのはホントに不便ね。

リリちゃんが余りにも泣き付いて制止してくるので、私は仕方なく影を収めた。

 

 

「はぁ……。でも、貴女もこの中で欲しいものがあるんでしょう?さっき視線が泳いでたわよ?」

 

「………。で、でも、盗みは駄目ですっ」

 

「はいはい。分かったわよ。……今回は一旦帰りましょう。買う買わないは別として、まずゲームをクリアしない事には話しも付かないもの。それに、ゲームなら十六夜君達も折角だから伝えてあげないと……後から愚痴を言われるなんてごめんだからね」

 

 

あの三人に黙ってクリアしちゃうというのも有りだけど……後が面倒なのよ。それに、最奥にいる()()()の事も考えると彼らが居た方が安でしょう?まだ眠っているのかしらないけど、大人しいのが今の救いね。

 

 

「そ、そうですね……。あれ、でも……〝契約書類〟はどこに……?」

 

「〝契約書類〟ならあそこ。あの可愛らしい女の子(人形)が持ってるわよ」

 

 

そう言いながら、私は影を伸ばして人形が持っていた羊皮紙を取る。

近くまでそれを寄せると、リリちゃんは横から内容を確認した……が、頭上に〝?〟マークを浮かべて首を傾げるに終わった。

内容は以下の通りよ、

 

 

『─わたしはせかいいちのはたらきもの─

 

ひとりめのわたしはせかいいちのはたらきもの!

だれのてをかりなくてもうごいてうごいてうごきつづけたよ!

あまりにうごきつづけたから、はじめのとうさんもおおよろこび!

だけどあるひ、それがうそだとばれちゃった。

ひとりめのわたしととうさんは、うそがばれてこわれちゃった。

 

ふたりめのわたしはせかいいちのはたらきもの!

ともだちがてをかしてくれたから、うごいてうごいてうごきつづけたよ!

あまりにもうごきつづけたから、つぎのとうさんもおおよろこび!

だけどあるひ、それがにせものだとばれちゃった。

でもふたりめのわたしととうさんは、ともだちのおかげではたらきつづけたの。

 

さんにんめのわたしはほんとうにはたらきもの!

まだ生まれてないけど、えいえんにはたらきつづけるの!

はやくうまれろ!はやくうまれろ!みんなにそういわれつづけたよ!

だけどあるひ、わたしがうまれないとばれちゃった。

だからさんにんめのとうさんは、さんにんめのわたしをあきらためたの。

だけどそんなのゆるさない!たくさんのとうさんがわたしをまっている!

とみも!めいせいも!じんるいのゆめも!わたしがうまれたらてにはいる!

だからお願い……私を諦めないで……!例え、真実が答えでも……!       』

 

 

 

……長い。そして平仮名ばかりで読み辛い。ほら、リリちゃんなんか考えすぎて頭から煙が出てるわよ。レティは……見てすらいなかった。まだ商品を眺めてる……。

 

 

「ふむ……リリちゃん、もう帰りましょう。明日また、今度は十六夜君達も連れて……ね?」

 

「あぅ~……ゎ、分かりましたぁ~……」

 

 

フフ、そんなに必死に睨めっこしなくてもいいのに。

私は〝契約書類〟を人形の手に戻し、目を回すリリちゃんを引っ張る。そして、外に出る際……一度人形の方を振り返り、

 

 

「それじゃぁ。またね、かしら────……人類の幻想(ファロンドリーム)

 

 

そう静かに呟いて、仰々しい扉を閉めた。

 

 

 

 

 

 

 






うーん……次はあれが出てくるのだが。そこに雪羽をどう当てるべきか……

影「いっそのこと中心に放置は?」

む、それはいいかも。

絵「異議無しぃ~」

雪「有りだよ!大有りだよぉ!?」


と、いうわけで。誤字脱字等何か有りましたらお申し付け下さい。
ではっ!
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