記録者達が異世界から来るそうですよ?【削除&改訂予定】   作:白結雪羽

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うーん、テンポが相変わらず悪いかな? あ、文章は変わらずですので気にしないで戴けたらありがたいなぁ~……なんて、


混沌祭-その壱-

 えー、時は戻りまして~前夜祭最終日の昼頃~。私とペストはアンダーウッドの丘上に転移してきた。

 何で今日になっちやったのかと言うと……ペストとの戯れの後にレティシアからお説教を貰ってねぇ。迷惑をかけた償いに昨日まで作業の手伝いをしてたわけ。その際に賭けの件も仕方なしに手放すことになっちゃった……。

 全国のペストファンの皆さん、あの子の艶姿をお送りできなくてすいまs――――(ガシュッ!)

 

 

「いったあああ!?」

 

「何アホなこと考えてんのよ!? いや、貴女はアホだったわね!」

 

 

 うぐぅ……! 鳩尾に膝はダメだってぇ……。

 私は隣で裸ペット……ではなく、メイド服でブスッとしたペストに非難の目を向ける……があっさりスルー。最近この子ね、急所の当てかたが上手くなってきた気がするんだよぉ……

 

 

「あぁ、それは貴女のお陰ね。それだけは感謝してあげる」

 

「うぅ、辛辣だねぇ………とっ」

 

 

 ふぅ。じゃあ改めて――――いやぁ~、アンダーウッドの空気は美味しいね~。レティシアも来ればよかったのに~。

 

 

「露骨に逸らすな」

 

「……さっきからさぁ。何で私の考えてる事をズバリと指摘してくるの? 何、ペストはエスパーにでも目覚めましたぁ~的な?」

 

「そんな事、貴女の顔を見てればだいたい分かるわよ……」

 

「ふぅ~ん…………ならぁ、」

 

 

 私は隣からペストの目の前に転移してズイッと顔を近づけた。その予想外の不意打ちに、ペストは「うひゃぁ!?」と素っ頓狂な声を上げて尻餅を搗いちゃう。

 うん、非常に良い反応だったねっ。折角なので、私は更にしゃがみ込み四つん這いになってペストの顔にまた近づいてみた。傍から見たら如何見えるかは今は気にしないでおく、というか周りに人は居ないしねぇ~。

 

 

「な、なぁ……!? ちょ、ちょっと待ちn────」

 

「ねえぇ~ペストぉ? 今私が何を考えてるか分かるかな~?」

 

「わ、わわ分かる訳、無いでしょうっ!!」

 

「へぇー……」

 

 

 自分でも意識的に意地の悪い笑みを浮かべていると良く分かる。フフフ、面白いね~ペストは。

 私は、キョドって言葉もマトモに発せなくなってきた彼女に更に近づく。もう鼻先が当たる距離まで近付いちゃったぁー。

 

 

「ッ! あ、ま、待ちな……待って! あ、ああ貴女っ、な、な何をするk……~~~ッ!?」

 

 

 ペストはもう飲めもしないお酒を飲んだ人みたいに顔を真っ赤にして声にならない悲鳴を上げた。ん~、別に女の子同士、顔を近付けてるだけなのに~。何をそんなに恥かしがってるのかなぁ…………ってねぇ、

 

 

「プッ……ふふふ、あははははは! ぺ、ペストぉ~……くふふ…可笑しすぎるよ~。反応が一々初々しいっ。もぅ、らしくないって言ったら失礼かもだけどっ、本当に…………あはははははっ!」

 

「あ、ああ、貴女ねえぇぇえ……!!?」

 

「くふふ…はははっ……はぁ……、よっと」

 

 

 あー笑った笑った~、と私はペストと一緒に立ち上がった。ただもう……ニヤニヤが止まらない。私がペストの方を向くと、フイッとそっぽを向かれちやった。完全にふて腐れてる。だけど何時もみたいに当たってこないのは……あぁ、うん。触れないであげよっと。

 

 しかっし、ペストも大分温くなったねぇー……私がやったんだけど。

 

 

「さぁペスト。続きを所望ならベッドの上でもしてあげるからぁ、早く行こっ?」

 

「誰が所望するかぁ!! くっ……こんな恥辱……絶対、絶対に晴らしてあげるから……!!」

 

「その割にはペストも抵抗しなかっ、」

 

「う、五月蝿い! 早く行くわよ!!」

 

「はいは~い……フフ」

 

 

 てことで、私達はやっとこさ適当に催し巡りをする為に(ペストは一応仕事蒹)丘の上から飛びたった。

うーん、取り敢えずは露店巡りからだねぇ~、レッツゴー!

 

 

 

 

◆ ◆ ◆ ◆ ◆

 

 

 

 

 アンダーウッド東南に位置する高原と樹海の混合地帯及び境界線。

 絵錬とペストがやって来て数時間が経った夕刻の頃。そこは今、自然の静寂を表しなから、同時に言い知れぬ気迫を孕んでいた。

 ふと、ザァ…と旋風が草木を、大きく騒めかせる…………瞬間。そこに羽を休めていた、鹿の角と鳥の翼を兼ね備えた異形の幻獣――――ペリュドンが一斉に羽搏いた。

 

 

「――――今だ!」

 

 

 それを待っていたかのように響く少女の声。途端、樹海の隙間から弓箭が数多と放たれ、計七羽のペリュドンが転落した。そして同時に上がる狩り手達の歓声。だが、すぐに警戒をする。

 ペリュドンはただ翼を射られて落下しただけ。まだその命は尽きていない。

 彼らは体勢を起こすと、獰猛な(たけ)びを上げながら猛然と突っ込んできた。

 

 

「今よ、メルン! 足場を崩して!」

 

「はい!」

 

 

 しかし、それはもう一人の少女と幼子の声と共に叶わなかった。拙い声が響くと、彼らの足場は構成を崩されたのか急に泥濘、体勢を崩した。その隙に、借りて達は再び弓を引き、今度こそその命を狩り取った。

 

 緊張の一瞬が終わり、少女――飛鳥とメルンは一息吐く。そこにさっき合図を出した耀もやってきた。

 

 

「……飛鳥、無事?」

 

「ええ。春日部さんもお疲れ様」

 

「ありがと。これで狩猟祭の上位かな?」

 

「それはまだ分からないけど、角付きの獣は高得点というルールだもの。期待していいはずよ」

 

 

 やや弾んだ、なにやら自信気のある口調な二人。

 

 二人が参加しているこのゲーム。会話の通り狩りのギフトゲームだ。このゲーム、実は十六夜の提案から興ったもので、巨龍との戦いの際に取り残した魔獣や、この期に乗じて活動量を上げてきたペリュドン等を効率よく、且箱庭らしいやり方で対処しようという事で始まったのだ。

 で、飛鳥と耀の二人は中々に好成績なようだ。

 

 

「それにしても……雪羽ちゃん達も参加しているのかと思ったけど。毎度の事、間が悪いわね」

 

「仕方無い。それに、雪羽達は私達と必ず協力する。それだと……」

 

「分かってるわ。私達、何時までも彼らに頼りっきりなんて訳にはいかないもの」

 

 

 二人の目に決意が見えた。

 実はこの二人、ただゲームに参加している訳ではなく、自分達の新たに得た力を使いこなす為に〝六本傷〟のガロロに師事し、制約を貰っていたのだ。それぞれ、飛鳥がメルンとの連携。耀はグリフォンのギフトのみというもの。

 因みに二人の新しい力とは、恩恵の特性をほぼ確実に執行させる〝恩恵の極大化〟と……系統樹に連なる幻獣の類いの特性を組み換えそれを武具として具現化する力を覚醒させた〝生命の目録〟だ。どちらも極めれば……十六夜には追随は出来るかもしれないレベル。

 

 ……だが。雪羽達には…………言っていまっては酷な事だが、不可能だ。それは十六夜は疎か、あの四桁以下に敵無しと謳われる白夜叉でさえも……

 理由はギフトでもない。頭でもない。ただ……次元が違う、ただそれだけ。

 

 ――――でだ。そこまで豪語されてしまった彼らの内、砂羅と雪羽はというと…………

 

 

「ふぅ……大量ですねぇ」

 

「砂羅お姉ちゃーーーーーーん!! もう下ろしてーーーーー!!?」

 

「さてと、もう直ぐ時間ですねぇー…………彼処に固まってるのを最後にしましょうかぁ」

 

「お姉ちゃーーーーん!!? ちょ、ちょっとぉーーーーーーッ!!? きゃ、きゃああああぁぁァァァァぁぁぁ――――――」

 

 

 飛鳥達の知らぬ内にちゃっかりゲームに参加していた。…………否。実際は渋る雪羽ごと、砂羅が無理矢理駆け込み参加したのだ。

本来なら昨日の内に参加表明を出さなければいけないものなのだが……そこは砂羅が裏技を使った、どだけ言っておこう。

 

 因みに、先程から雪羽がやや遠くから悲鳴を上げているのは、砂羅がペリュドンや魔獣達を引き寄せる為に釣竿の先に生き餌代わりにと縛られているから。比喩表現でもなんでもなく、本当に括られているのだ。

 釣竿は雪羽が砂羅に上手いこと誘導されて創ってしまった特注品で、雪羽一人の重さ程度なら撓りもしない。

 

 しかし……生き餌(雪羽)を笑みを浮かべながら危険種の中に放り込む絵錬……中々如何して、外道だ。

 

 

「ほらほらーー、雪羽ぁ~もうちょっと集めてくださーーーーい」

 

「む、無茶言わないでよーーーーッ、 わきゃぁ!!?」

 

 

 縛られた(雪羽)を求め集ってきた獲物。空からはペリュドンが、地上からは魔獣が、獲物を突き刺し、食らい付こうとする。

 勿論、雪羽もただ殺られるのを待つのではなく、縛られながらも必死に逃げる。しかも、砂羅の元へなるべく多く誘導する形でないとまた放り込まれてしまうのでメッチャクチャマジで。

 

 ……今更ながらだが、雪羽の創ったものは彼女の任意で消せるので直ぐに消せば済む……とお思いの方もいるであろうが。実のところ砂羅がその権利を一時的に(ギフト)で奪ってしまっているため出来ない。

 

 

「……ふあ~…ぁ……ふぅ。ん? きましたねっ」

 

 

 少しの長作業に欠伸をする砂羅だが、雪羽が漸く範囲内の獲物を皆引き寄せたのを確認し――――軽く釣竿を引く。

 すると、釣竿はその軽い動作からは考えられない撓りを見せ、雪羽を彼女の真横まで引き寄せた。

 

 

「――――ゃぁぁぁぁァァあああああアアアア、ふぎゅぅッ!!?」

 

 

 急に引き寄せられたせいで着地に失敗した雪羽。顔から勢い良く突っ込んだ。

 砂羅はそれを横目で……追うこともせず、眼前に迫り来る獲物を見る。

 

 

「……12……18…………22。まぁ及第点でしょう、ねっ」

 

 

 一瞬。一瞬だが、砂羅の姿が微かにブレた。彼女は一体何をしたのか? 答えは、目の前の光景に顕れていた。

 

 高原には今、砂羅が数えた22程の屍が築かれていた。そう、彼女がブレた……その一瞬で空と地上の獲物を一掃したのだ。但し、今回は数がまだ少ない方、本来ならあの程度あと数百倍は軽く行けます~とは後の本人談である。

 

 

「はぁ……準備運動にもなりませんねぇ。ほら、雪羽。早く起きて」

 

「うっ、うぅ…………はにゃがいひゃいよぉ(はながいたいよぉ)~」

 

「そうですか。ならギフトカードとやらから成果を全て出してください」

 

おひゃしふにゃい(おかしくない)!? わひゃひひゃんばったにょに(わたしがんばったのに)ー!」

 

「………。人型も、得点になるでしょうかぁ……?」

 

 

 雪羽は直ちにギフトカードから今回仕留めた獲物を取り出し、その場でぴしっ、と正座をした。砂羅の目、あれは本気であった…………というのはさておき。

 ズズゥンッ、と少し地響きを鳴らしながら出されたそれは、今仕留めたものも合わせると……100近く。しかもその全てが砂羅単独で出したものだ。

 

 

「うーん…………イマイチでしょうかぁ? 此処ら一帯を吹き飛ばす位すればもっと行けたと思うのですけど……」

 

ひゃめだよ(ダメだよ)!?」

 

 

 仕方ありませんとばかりに肩を竦める砂羅。そろそろ時間という事で集計会場に向かうことにした。まぁ半日ばかりゲームとしてはそこそこ楽しめましたと納得をつけて。

 

 二人はそうして、ゲームの成果をカードに戻すと集計所である舞台会場まで飛ぶことにした。

 すると飛んでいた道中、眼下に見知った姿を確認した――――飛鳥と耀、それとガロロにキャロロだ。近くには闇邪(雪羽)に数少ない活躍の場を取られた仮面の騎士・フェイス・レスも居る。

 

 

「ん、彼女達も納品に向かっているのでしょうか」

 

「あ、あの人。フェイスレスさんだったかな?」

 

「……顔無し? ……強そうですねぇ」

 

「う、うん。闇邪と一緒? に、巨人の人達を吹っ飛ばしてたかな?」

 

「へぇ~。見たところ底知れない実力を持ってるようですがぁ…………少し降りてみましょうか」

 

「へ? あ、ま、待ってよー!」

 

 

 絵錬は一時停止から降下して、飛鳥達の前に降り立った。

 彼女らは思わぬ人物の登場に目を丸くする。

 

 

「ゆ、雪羽ちゃん!? それに……砂羅さんまで。貴女達も参加してたの……?!」

 

「ええまぁ。今から舞台会場に向かうところですよぉ?」

 

「……でも、参加者一覧に雪羽達の名前はなかったはず……」

 

「あ、それは私が飛び入りでねじ込ませてもらいましたぁ~。一応コミュニティーに所属してないと出られないようでしたので貴女達と同じ組合に」

 

 

 誠に勝手ながらと砂羅は頭を下げる。反省の色は全く見えないが。

 そこでふと、砂羅は飛鳥達からギフトカードを取り出して獲物を収納してるフェイス・レスへと視線を移した。彼女もそれに気付いたようで、砂羅に向かい合い――――突然と鞘から剣を抜き、構えた。

 それには砂羅以外の此処にいる全ての者が………剣を構えたフェイス・レス自信でさえ驚愕の色を表していた。

 

 

「あらあらぁ~、危ないお方ですねぇ? そして同時に……かなりの手練れですねぇ。意識より先に体が反応しますかぁ」

 

「っ…………貴女は……()ですか?」

 

「……ふふふ。私はただの、この子のお姉ちゃんですよぉ」

 

 

 そう言って隣でアワアワとしてる雪羽を見る砂羅。フェイス・レスも雪羽へと視線を向ける。そして、数瞬の末剣を鞘に納め、最後に一同を一瞥してその場を静かに後にした。

 緊迫状態から解放された一同。一斉に息を吐く中、ガロロが砂羅に訊ねた。

 

 

「全く……砂羅と言ったか。アンタ、あの騎士様と何か因縁でもあんのか? まさかいきなり刃を抜かせるとは思わなかったぞ?」

 

「いいえ~。私と彼女は正真正銘初対面ですよぉ?」

 

「なら何で剣を抜いたのかしら……、」

 

「……違います。お姉ちゃんは……あの人に剣を無意識の内に抜かせたんです」

 

 

 面を会わせた瞬間に剣を抜かせる……歴戦の猛者なら時折見せてしまう、第六感に伴った反射。己が危険と察知した時に垣間見る事の出来る業だ。

 つまり、砂羅はフェイス・レスにとって脅威判定をなされたということ。一体彼女は何をその身に内包しているのか……それを知るは、身内である雪羽しかこの場にわいない。

 

 とまぁ、面倒な雰囲気は此処で締め。このあと彼らは成果についての談に移りながら会場に急ぐのだった。

 その際、砂羅が自信の成果が――凡そ100と公言して皆を本気で驚愕させたのは、言うまでもない。

 

 結局、狩猟祭での一位は途中参加ながらも飛鳥、耀と共に同盟していた砂羅の単独爆走が決定的によって〝六本傷〟となった。

その時の飛鳥と耀は、雪羽曰くどこか納得がいってない様子だったらしいが……それはまた次回。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




締めかたが雑だぁー…………すんません……
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