モンスターハンター 紫煙の狩人 第二回アンケート実施中 作:蜘蛛の意図
PS・モンハンダブルクロス、めっさ面白いですわwww
ヘタレ女ガンナー、遺群嶺遠征に参加する。そして、呉越同舟を体験し恩師と再会する
旧砂漠地帯。北東部の岩場と南西部の砂漠で構成されている他の砂漠の狩場と比べたら比較的寒暖が安定している狩場で主に下位ハンターが砂漠地帯に慣れるためにクエストを行う場所でもある。
そんな場所のオアシス地帯であるエリア3に脚を引きずらせながら赤い甲殻を持ったモンスターが何かから逃げるように入ってきた。
盾蟹ダイミョウザザミ。一角竜モノブロスの頭蓋を背負い自分の急所を守っている堅い守りを持つモンスターである。その一対の鋏を盾にした絶対防御は並の通常弾では難なく弾かれてしまうほどに強固である。しかし、その個体は両爪にひびが入り、モノブロスの宿はそのほとんどが崩れほとんど逃げるのがやっとの状態であった。そして、そんなダイミョウザザミに追い打ちをかける様に後ろから何かが飛んできて盾蟹の動かしている方の足に当たると、少し間をおいて
どぉん!!
『ぎゅ、いぃぃぃいいぃいぃ?!』
外殻が爆ぜる音が聞こえ、それと同時に激痛が体全体に走った。思わずそれでバランスを崩してしまい盾蟹は地面に体を付けてしまってた。それを好機と思ったのか爆発する何かを放ったその少女は武器をしまい、ダッシュで近づくと、盾蟹の近くで武器を再び展開し踏みつけて、まるで大道芸のように空高くに舞い上がった。さらに空中でトリガーをいくつか引くと上空から炎をまとった弾が三発ほど盾蟹に着弾し、少女はその前方に着地した。
口元から泡を吹きながらもなんとかダメージが抜けて盾蟹は立ち上がる。決してタダではやられない、そんな決意を示すかのように。しかしそれはあっさりとかなわなくなってしまった。その理由はただ一つ、目の前にいる自分をここまで追い詰めた少女が強い反動に耐えながら何かを自分の眼前に発射したからだった。その強い光が強く輝き爆ぜたとき盾蟹の思考は、
一瞬で真っ白になった。
*
女性が着る中世甲冑を思わせるガレオスシリーズを身にまとい、炎の球を吐き翼を持つ鳥竜種怪鳥イャンクックを素材としたヘビィボウガン『イャンクック砲』を背中に背負った金髪の少女テノアは盾蟹の素材をはぎ取った後ベースキャンプの方まで帰ってきていた。しかしその顔はクエストをクリアした達成感とは程遠く、むしろ疲労感が漂っていた。以前とは、あの普通の新人ハンターではおそらく体験できないようなクエストのする前とは、実力も装備もかなり上がっているはずだが顔は曇ったままだった。そして独り言のようにつぶやく。
「……はぁ、いつになったら下位一級ハンター昇格クエストに参加できるんだろ……」
龍歴院ハンターズギルドのハンターランクは大まかに区分すると下位、上位が存在しさらに細かく区分すると以下のように分けられる。
下位の狩場で素材の採集および小型鳥竜種や草食種の討伐が可能と判断された、下位3級
下位の狩場で中型モンスターの狩猟が可能と判断された、下位2級
下位の狩場で大型モンスターの狩猟が可能と判断された、下位1級
上位の狩場で中型モンスターの狩猟が可能と判断された、上位3級
上位の狩場で大型モンスターの狩猟が可能と判断された、上位2級
古龍種及び特殊個体モンスターの狩猟が可能と判断された、上位1級
そして、超巨大モンスター及び超危険モンスターの討伐を可能と判断された、上位特級。通称「G級」
という風になる。現在テノアは下位2級であり龍歴院探索範囲内に存在する近隣の住民に被害を与えるイャンクックやドスガレオスのような中型モンスターの狩猟を推奨されている。もちろんこの状態でも大型飛竜の狩猟クエストを受けることもできるのだが、その時はよっぽどな緊急事態でない限りギルドマスターから即席パーティを作るために一時ストップを喰らうのである。
それで、ハンターランクを上げるためには基本的に二つの方法が存在する。一つはハンターズギルドにその働きを認められること。そして二つ目が年に数回あるハンターランク昇格試験である。これはその集会場を収めているギルドマスターの推薦が必要なものの受けることさえできれば前者に比べランク昇格への道は大きく開くことができるのである
あの体験から約2か月。テノアは自分の夢のためにハンターランク昇格試験を目指して多くのクエストを受けた。小さな依頼でも積極的に受け、暑いからと行くこと自体を敬遠していた砂漠にも赴き今の装備を作り上げれるほどに砂竜を狩猟した。さらについ最近にはモンスターの中で1,2を争うグロテスクなモンスター、フルフルの狩猟に弾丸とアイテムをすべて使い切りながらも成功した。
しかし、ギルドマスターはそれを褒めることはあっても、推薦状の話はこれっぽちとしなかったのである。そのことを思い出すと今でもため息が出てくる。それを見て何かを思ったのか笠に合羽を着たメラルーが玉乗りの要領で樽を転がしながらこちらの方に近づいてきた。
「ハンターさん、どうしやした?せっかく盾蟹を狩猟したってのに浮かない顔して」
「ああ、ニャン次郎さん。うんちょっとね………」
このメラルーの名前は「転がしニャン次郎」ギルドに正式に所属しているアイテム輸送屋である。暇さえあればハンターのクエストについてきて超過したアイテムの輸送等を行い陰ながらハンターたちをサポートするメラルーである。
「はぁ……どうやったら推薦状書いてもらえるんだろう。……やっぱり火竜くらい狩れなくちゃダメなのかなぁ……」
「……あ!お客さん!!そういえば思い出したんですが、盾蟹を狩猟できたってことは下位2級以上のハンターさんでよろしいですよね?!」
「ん……?あぁうん、そうだけど……」
「ああ!ならよかった!これどうぞ、龍歴院のお達し状です!ささ、どうぞ」
「う、うん、ありがとう。え?何なんかのお知らせ?」
樽のバランスを保ちつつ小さく畳んでいた紙をテノアに向けて差出しそれを彼女は戸惑いながらも受け取った。龍歴院からハンターたちに対してこのような形で知らせがあるのははっきり言って今回が初めてだった。そのため、テノアも恐る恐る内容を確認するが、そこに書かれてあったのは、
「なになに、………龍歴院が新たに発見した狩猟地帯『遺群嶺』を調査する遠征隊を結成するため下位2級以上のハンターを募集……!?」
それは、停滞してしまった彼女に新たな風を吹かせるかもしれない内容だった。
*
新狩猟地帯『遺群嶺』の調査を行うための遠征隊の募集
我々龍歴院は上空からモンスターの観測を行うことができる三隻の飛行船からなる『龍識船』の開発し、これにより探索範囲を大きく増やすことに成功しました。その試運転時に上記の狩猟地帯の発見にも成功しました。
そこは本来飛行船がなければ発見することさえできなかった場所であるが、人工物や空中都市の名残のような施設が数多く存在していることも確認できました。
このためすぐにでも調査をしたいのですが、桃毛獣ババコンガをはじめとする多種多様なモンスターが独自の生態系を作っているため観察が難しいというのが現状です。なのであなた方ハンターの力をどうぞ貸してほしいです。
募集要項
・ハンターランク:下位2級以上
・拘束時間:調査完了までのおよそ2週間
・報奨金:クエストを何度か行いその度に払います。
・主な依頼内容:下位)ベースキャンプ周辺の龍歴院簡易研究室の護衛、小型モンスターの討伐、中型モンスターの狩猟
:上位)研究員の護衛、中型、大型モンスターの狩猟
*なお寝床は龍識船内にもあるが、数が多くなる時は遺群嶺でのキャンプをしてもらう可能性があります。
参加希望者は、ハンター用居住区『ルークギルドハウス』の大広間にて集合するようにお願いします。
龍歴院 地形調査団隊長
*
「……て、ここでいいはずだよね…?人っ気全然ないけど……」
旧砂漠から帰ってきたテノアは紙の裏面に書いてあった地図に従ってギルド居住区にある、ルーギルドハウスに到着した。さっきまでは新しい狩猟場行けば何かいい気分転換になるのではないかと少しうきうきしていたが、その明らかにガランとしている雰囲気にやや引き気味になっていた。
「もしかして、もう終わっちゃてる?それともこれ冷やかしだったの?」
「あ、あの!!もしかして遠征隊の希望者の方ですか?!」
「ひゃッ!!?な、何?!」
目的地を前にして思案していたテノアだったが後ろからの急にかけられた大きな高い声に仰天し、振り返りバックステップをしつつ、その音源をすぐに確認した。するとそこにいたのは龍歴院の研究員が常備している白い服と帽子を着た小さな竜人族の少年だった。テノアの驚いた顔に気が付いていないのか饒舌に語る。
「いやぁぁ、よかった!!これで一応3パーティ作れる人数が揃いましたよぉ!!結構前から応募していたんですが、人が全然来てくれなかったので本当に心配してました!!でもこれで調査日を変更せずに出発できます!!」
「ちょ、ちょちょ、ちょっと待ってよ!!もしかしてあんな応募用紙まで作って全然人来なかったの?!ていうか、そもそも君誰?!龍歴院の子ていうのは分かったけど……!!」
「……!ああ、すいません!!僕の悪い癖でうれしくなるとついついしゃべりすぎちゃうんですよ!!……ウフン!!」
テノアの当然の反応に気づいたのか、竜人族の少年は謝罪をしつつ咳払いを一回した。そして、小さく敬礼をしつつテノアの質問に答えた。
「初めまして!!僕が今回龍歴院地形調査の隊長を務めさせてもらう者です!!これからよろしくお願いします!!」
「え、ええぇぇぇぇぇぇぇぇぇ?!」
テノアの驚愕の絶叫が高級居住区に響き渡った。
*
「さぁ、こっちです!!今日は一応最終日だったのでこれまで応募された方々も全員来ていますよ!!……と言っても8人しかいないんですけどね……ははは」
「そ、そうなんだ。あ、ありがとうね。隊長君。…………こんな小っちゃい子供を危険な狩場に送るって、隊長にするって、何考えてんの龍歴院」
未だの竜人族のカルチャーショックを受けているテノアを先導しつつルークギルドハウス内を案内する。さすがは居住区の中では3番目に豪華な施設である。ハンターが居住区としているところだけではなく会議を行うための講堂まで用意してあるというスペック付きだ長い廊下を歩いて行くとついに講堂があると思われる扉の前に到着することができた。
「では、こちらでお待ちください!僕は少し準備をしてから来ますので、それまで出来れば中にいる人たちと仲良くしてください!これからしばらく一緒の場所で生活することになりますからね!!」
調査団の隊長はハキハキとしゃべりながらその場所を去っていった。テノアは扉の前で少しの間立ち止まっていた。はっきりと言って今回の遠征にとんでもない不安感を抱いたのだった。しかし、それはすぐに収まった。
「いや、人数が少ないってことはそれだけ私がやらなくちゃいけない場面が増えるってこと。……やってやる。ここで活躍して、私は絶対に上位ハンターになってみせる!!」
そう意気込んで扉の取っ手に手をかけてそれを勢いよく開いた。そしてそこに広がっていた光景は、
「おい、テメェ……!!もういっぺん言ってみろ……!!」
「はぁぁぁん?!何度でも行ってやんよ!!所詮テメェはテメェらの頭の権力を借りてるだけだろうがよぉぉ!!」
「……!!……殺す……!!」
円状の部屋の真ん中で上質なランポス装備を着た暗い金髪の男が怒りに彩られた表情で迅竜で作られた装備を着た黒い短髪の三白眼の男に掴みかかっているいろんな意味で衝撃的な光景だった。その光景を見て思わずテノアは膝を都手のひらを床につけ首を垂れた。そしてこう思わずいられなかった。
「……へたこいたぁぁぁぁぁぁぁぁぁ………」
完全に、この遠征行こうと思ったのは失敗だったと。
「プークスクス!!ブルーノのやつ図星だからってあんなに怒ってやんの!!」
「ホントホント、お姉ちゃんマジ的確ゥ!」
この完全にやばいムードの中、それに油を注ぐような嘲笑の声が壁際から聞こえてきた。テノアがそちらを向くとそこには青い奇術師を思わせる上質なブナハ装備をした同じ顔立ちの少女が二人いた。違う部分は髪型と身長ぐらいでそれ以外はほとんど同一人物といっても不思議ではないとさえ思えるほどだった。というか、テノアはあの2人と金髪の男にあったことがある。そうあの3人は、
「あれ……?もしかして、アオイさんと、アイさん?」
「およ?そういうあんたはティガレックスの時のおっぱいちゃんじゃん!!久しぶりぃ!!」
「ホントホント、久しぶりぃ!!二か月前にあったのが最後だっけぇ!!」
そう、以前自分が体験した憤怒の轟竜のクエストの時、救援に向かった先にいた猟団、剣聖連合の古代林支部にいたハンターたち。
ランポス装備の片手剣使い、ブルーノ。
ブナハ装備のライトボウガンナー、アオイ。
ブナハ装備のヘビィボウガンナー、アイ。
最初に先行していったハンターたちの内、隊長格と思われるギザミ装備の男を除いた3人がこの遠征隊の会場に来ていたのだ。
「そ、その、おっぱいちゃんていうのはやめてください!!……てそれは置いといて、早くあの二人止めないと……!!」
「えぇぇー!!なんでとめんだよいいじゃんか、喧嘩!!」
「ええ?!いきなり何アンタ?!」
アオイとアイに対して取っ組み合いになりかけてる二人に静止の言葉をかけるように促すが、それに対して非難の言葉をかける大剣を背負いイーオス装備を着た赤黒い髪をした少年が急に現れた。
「兄貴が昔言ってたんだ、ダチ同士はケンカするほど仲がいいんだって!!だからこれはきっと友情なんだよ、俺には分かる!!」
「うわ、こいつなんも分かってねぇ!!これもう喧嘩じゃないから、殺し合い一歩手前だから!!」
「……いい加減静かにしてくれませんか?」
騒がしく騒ぐテノア達6人に対して冷や水をかける様に冷たく冷静な声に思わず音源があった座席のところを見るとを、そこには
「うそ……あれって……ギルドナイト?!」
「あーあ。ブルーノ、ギルドナイト怒らせちゃったー。しーらない」
「ホントホント、しーらない」
「なんで俺だけなんだよ……!!」
ハンターズギルドに所属する各支部たった12人しか存在しない要職、ギルドナイトの装備を付け、絞蛇竜で作られた狩猟笛を持った線の細い中性的なきれいな顔立ちをした若干癖がある髪型をした人物だった。
「君達の放つ音が、私が思い描く静寂の邪魔をしています。今すぐに座りなさい」
「………なぁあれどういう意味何だ?」
「意味わかんねぇんだよ、なんだ思い描く静寂って?!!どうやって静寂を描くんだよ、アぁ?!」
「はいはい、そこまでだ。坊ちゃん&嬢ちゃんズ」
詩人を思わせるようなしゃべり方に苛立ったのか今度は結果的にナルガ装備の男の矛先が中性的なギルドナイトの方に向きそうになった時、テノア達から見て向かいの壁に背中を預けていた雷狼竜から作られた装備を付けた野武士を連想させる顔立ちをした男が仲裁に入ってきた。
「そろそろ静かにしてようや。もうすぐあの隊長君が龍歴院の専属ハンターたちを連れて戻ってくるだろ、もしもこんな醜態を見せちまったらクーリングオフされちまうぞ?」
「……!!チぃッ、糞が…!」
「……フン」
二人とも一応この遠征に参加する意思はあるのか中性的なギルドナイトもナルガ装備の男も黙って席に座った。それを見て剣聖連合三人組やイーオス装備の少年、テノアも用意されていた席に座った。と、それと同時に入ってきた扉から調査団の隊長が戻ってきた。
「あ、皆様!!揃っていらっしゃいますか?!ではこれから遺群嶺遠征の概要を話していきたいと思いますが、まず最初にみなさまの点呼をとらせていただきたいと思います!!」
そう言って壇上に上がると早速点呼をとり始めた。
「まずは上位一級、ギルドナイト所属。エレンさん!」
「ええ」
赤と白のギルドナイト装備を付けた中性的なギルドナイト、エレンは目をつぶりながら短くもはっきりした声で答え。
「次に上位二級、豪賊商会所属。アルスさん!」
「は~いよ」
野武士面した男、アルスは何とも気が抜けた声で返事し
「上位三級、剣聖連合所属。ブルーノさん、アオイさん、アイさん!そして、同じく上位三級。獄犬狩猟隊所属のヒィトさん!」
「……あぁ」
「「はいはーい!!」」
「おうよ!!」
ブルーノは短く答え、アオイ、アイの双子は小ばかにするように、イーオス装備の少年、ヒィトはナチュラルに元気よく答えた。
「下位一級、無所属。ギーヴさん!」
「チッ……!!」
ナルガ装備を付けた男、ギーヴはほとんど舌打ちで返事をし、
「下位二級、同じく無所属のテノアさん!」
「……はい!!」
テノアは力強い声で答えた。それをみて調査団の隊長は満足したのか、満足そうに頷いた。そして、彼が持っていた紙を裏向けて彼は告げる。この遠征最後のメンバーを。
「最後に我々龍歴院から今回の現場指揮と僕、いえ私の補佐をして下さるハンターをご紹介します!さぁ、どうぞ!!来てください!!」
調査団の団長の言葉に反応してきたのか、そのハンターがやってくる。と、同時に会議室の空気が一気に変わった。そう、そこにいたのは
「もう皆さん知っている方も多いかもしれませんが、先の古代林で特殊個体モンスター『憤怒の轟竜』を見事討伐された我ら龍歴院調査隊の専属ハンター!!」
悪魔に忠義を捧げたような紫色の鎧と同色の禍々しくも美しい銃槍を携えた
死の狩人だった。
「上位特級!『紫苑の荼毘』ことシエンさんです!!」
感想を宜しくお願いします!!