モンスターハンター 紫煙の狩人 第二回アンケート実施中 作:蜘蛛の意図
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「・・・・・・・・・・・・何をやらかしているんだ、僕は。」
「にゃははは、ご主人は酔ったらいつも以上にネチネチしてますからにゃ。」
ここはエリア2。心地のよい風が流れ巨大な遺跡とそこから流れ出ている水が神秘さを醸し出している場所だがその段差がある場所でシエンは顔の部分の甲冑を手で覆いため息をついていた。その隣でこんがり肉で作ったサンドイッチをムシャムシャと食べているユカリはいつも通りお気楽そのものだった。二人は現在昨日の遅れを取り返すために採集ツアークエストに日が完全に上りきっていない時間から来ていたのだ。
昨日、G級青熊獣とテノア達が対峙して二名の負傷者が出たという知らせを聞いて、甲冑のなかでシエンの顔は青ざめていた。あのとき自分が付いていっていれば、いやまずそれ以前にここは初めての狩猟地。自分が一番に探索にいくべきだったんじゃないか?そんな後悔が彼を襲っていた。そういう精神的にあまりよろしくない状態に自分がなった時、シエンは決まって酒を飲むことにしている。シエンは酒を飲んでもある一定ラインを越えなければほとんど酔わない、それどころかある程度思考も落ち着いていくのだった。
「まぁそんな思考が落ち着いてたからこそ、無事に帰ってきたテノアさん達を見て心配から一転静かにキレてお酒をがぶ飲みしつつネチネチ説教モードに移転してしまい、今になって後悔してしまっていると、そういうことですにゃ」
「・・・・・・・・・・・・その通りだが、それを言うのやめてくれ。本当に恥ずかしい」
「にゃはははは、でもまぁ不謹慎ですけどもよかったんじゃないんですかにゃ。結果として全員帰ってきましたし、なんやかんやブルーノさんの弟子入りも防ぐことができましたし。」
「まぁ、そうだね」
シエンとユカリのこの会話の中には要するに初めからブルーノを弟子入りするきはなかった、というニュアンスが含まれていた。事実このクエストに成功していたとしても自分は難癖をつけて弟子にはとらなかっただろう。なら初めから「僕は弟子はとらない」といえばいいのかもしれないが、シエンはあの手のタイプの人間がそういうことで諦めることはないということはよくわかっている。昔、自分もそうだったから・・・・・・・・・・・・。だからこそ、無理難題を突きつけ続ける自分に失望して自ら諦めてくれるくれるのを待っていたのだった
「(でも、彼の気持ちを無下に扱ったっていうのは事実だし、この遠征が終わったらアカツキさん辺りの全うなハンターでも紹介しようかな・・・・・・・・・・・・)・・・・・・・・・さて、そろそろ真面目に調査といこうか。確か昨日は南西部の大まかな調査を行ったということだが」
「はいにゃ!そしてこの狩り場の東部であるエリア3へはあっちの崖からいくことができますにゃ‼️」
そうか、と小さく返事をしシエンはエリア3に続くに向かって歩こうとする。するとその辺りで見つけたものなのであるがモンスターの乾いた血痕と思われるものが崖近くの草原に付着していた。シエンは身を屈めて血が付いた草を確認する。恐らくこの血がついてからまだ、半日もたっていないがその死体と思われるモンスターは見当たらない。たぶんもう地面の微生物に食われてしまっていると思われる。これだけならば普通の狩り場でもよくある風景なのだが、不審な点もいくつかあった。
「ここの部分、少しだが地面がめり込んでいるな。・・・・・・まるで上空から叩きつけられ、いや落とされたかのように」
「いやいや、上空から落とすって何でそんな無駄な殺し方するんだにゃ。だいたいそんな習性を持っているモンスターだって僕は見たことも聞いたこともないにゃ」
ユカリの言う通りシエン自身も叩きつけて殺すモンスターは聞いたことはあっても上空から落として殺すモンスター等聞いたことも見たこともなかった。小型モンスターと言えど致命傷レベルのダメージを与えようとすると相当な勢いで地面に落下させなければならない。もしそんなことができるモンスターがいるのならそんな無駄なことはせず、もっと効率的な方法で獲物を仕留めるはずだ。
「たまたま、こういう形になってしまったと見るべきか、それともこういう習性を持っている新種のモンスターがいるのか・・・・・・・・・・・・とりあえず調べてみないとわからないな。よし、いってみよう」
「わかりましたにゃ‼️」
シエンはユカリにエリア移動をすることを促しつつ崖に最端まで歩き、そして二人は一緒に飛びそれあ降りた。ネコ斥候隊からの報告では崖の高さは高いもののハンターやニャンターなら問題なくおりることだできる程度の高さだったという。実際下の方を見ると訓練されているハンターたちなら問題なしといっていい程度の高度だった。だからこそシエンは地面ではなくエリア3の方に目を向けた。彼の瞳に写っていたのは、
美しく雄大な草原の上に転がる垂皮竜ズワロボスの至るところが食いちぎられている無数の死体
恐らく今殺されたばかりの胴体が真っ二つにされている水獣ロアルドロスの死体。胴より上の部分はエリア4に続く階段の方にあったが胴より下の方はこのエリアのすみの方に投げられたかのように捨てられていた。
そして、遺群嶺の水脈から湧いている清らかな川、というには少し大きくかなり深いその場所には一体の長大な竜がそのからだ全体を出していた。
すべてを死に誘う、大きな口を二人に向けて
「‼️ユカリっ‼️」
「ゴニャァ?!」
一瞬にして我に帰ったシエンは瞬時に背中に背負った武器を展開しつつ、ユカリを下方向に蹴飛ばし展開したガンランスで先程までユカリがいた場所に向けて砲撃を放った。がンランスは地面に設置していてもその反動で少し後ろに下がってしまうのである。それを空中でしかも上方向に放てばどうなるか?答えは明白撃った方向と対角状に飛んでいく。ガンランスの正しい使い方を完全に無視した方法であるがこれのお陰で今は助かった。なぜなら
瑠璃色の竜の激流のごときブレスをかわすことができたのだから。ちょうど二人が降りてこようと飛び降りていた場所に縦に割るように放たれたそれは河川からひどく離れていたにも関わらず勢いは一切失われず放たれた。もしも、一瞬でも交わすタイミングがずれていたら二人ともからだ半分が消し飛んでいただろう。
蹴り飛ばされたユカリ、ガンランスの砲撃によって下に飛んでいったシエンは両方とも地面に叩きつけられたがそれで怯んでいる時間はなかった。シエンはもちろんユカリも蹴られながらもあの水流ブレスを見てもう戦闘体勢となっている。
二人は長大な瑠璃色の竜に相対する。
「ご主人‼️水竜ガノトトス、しかも最大金冠サイズだにゃ‼️」
「あぁ、ガノトトスは魚竜種のなかでも取り分け体の大きいモンスターだが、ここまで立派なものは始めてみた、それにブレスのスピードも前に戦ったG級個体と比べてもけた違いだ・・・・・・次のブレスで一気に接近するいいね?」
「はいにゃ‼️」
二人は河川に潜っていくガノトトスを遠目で観察しながらも前傾姿勢を取りながら腰を静かに下ろしいつでも走り出せる準備を行う。確かにあのガノトトスのブレスの威力はけた違いだ。たぶん一発でも当たれば水属性耐性がない装備なら、恐らく自分の二つ名装備でも簡単に消し飛ばされてしまうだろう。だがさっきと違い全神経をあのモンスターに集中していれば決してかわすことのできない攻撃ではない。しかもガノトトスは水上でブレスを撃ってしまえばそう簡単には発射方向を左右に振ることはできない。だからこそそれこそがチャンス。次水流ブレスが発射されたときどちらか二人でも今の距離から半分を詰める。そうすれば音爆弾の効果範囲にいくことができる。ガノトトスは音に対して非常に敏感なため音爆弾を使えば敵を水中から地上に誘きだし戦いの主導権を握ることができる。もちろん次水中から出るときは飛びかかり攻撃の可能性もあるがそれならばこちらとしてはより好都合だ。水中ならともかく地上にいるのであれば敵がどれだけ未知数であろうともこちらにも十分勝機がある。
「(・・・・・・・・・・・・そして敵が諦めるまで何とかして粘る、可能ならば討伐する・・・・・・・・・・・・‼️)・・・・・・・・・・・・一狩り行こうか、ユカリ」
「了解ですにゃ‼️ご主人‼️」
二人は声をかけ終えたときガノトトスが再び浮上しその勢いのまま大きく上に飛び上がった。二人はすぐさま飛びかかり攻撃と判断し左右斜め方向に走り出そうとする。しかしそれは叶わなかった。
「ぎぃぃぃぃぃぃおおおおおおおおおおおおおおん!!!」
「「?‼️」」
なんと飛び上がり最高到達高度にたどり着くと強烈な咆哮を同時に響かせたのだった。これにはさすがにシエンも甲冑の上から耳を押さえながらも地面に着地して体をくねらせながら猛スピードで突進してくるガノトトスを見ながら驚愕する。
「・・・・・・・・・・・・‼️(バカな・・・・・・・・ガノトトスがバインドボイスだと・・・・・・?!全く予想をしていなかった‼️)」
「・・・・・・・・・・・・‼️(と言うかまずいにゃ・・・・・・‼️このままじゃ・・・・・・・・・・当た)」
ドッドッガッ‼️!ガァァァァァァァン‼️
「ぐっっぁあ!!」
「ぎにゃあァァァァァァァ!!」
回避も防御すらもできない圧倒的な突進攻撃がシエンたちの体を襲った。二人とも左右に吹き飛ばされ岩や壁に体を叩きつけられてしまった。そしてガノトトスは立ち上がりシエンの方に頭を向けた。
「・・・・・・・・・・・・ユ、ユカリ・・・・・・‼️」
シエンは寝そべったような格好になりながらもユカリの方に目を向ける。ユカリも幸いまだ生きているようだが、頭部装備が砕け体の至る所に怪我が見受けられる。このままでは危険な状態なのは目に見えていた。しかし、そんなことを考えている暇はなかった。
ブゥゥン‼️ドッが‼️‼️
「ゴぅぅ!!?!!」
ガノトトスが左の足を挙げローキックのような攻撃をシエンに向け食らわせてきたからだった。ここまで巨大なモンスターの一撃である、普通ならば全身の骨が砕けていてもおかしくないダメージだが、幸いシエンはほとんど条件反射的に体を起こし盾でガードを行っていたため、河川の方に吹き飛ばされる程度ですんだ。ガノトトスもそれに気がついたのか完全に虫の息のユカリを無視しシエンに頭を向け威嚇体勢をとっている。
「くそッっっ・・・・・・が‼️(強い・・・・・・‼️なんだこの異様な強さは?!先手をとれなかったとはいえここまで為す術がないのは初めてだ・・・・・・・・・・・・‼️このガノトトス、恐らくこの戦闘能力、憤怒の轟竜を軽く凌いでいる・・・・・・・・・・・・‼️・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・憤怒の轟竜?)」
なぜ、あの大罪二つ名モンスターが最初に比較対象に来る?大きさも種族も持っている属性も何もかも、共通項などないはずなのに。自分から出てきた疑問に一瞬我を忘れながらも彼は時が止まったかのような感覚のなかで恐らくあのガノトトスによってできたと思われるこのエリアの状況を観察する。やはり目を引くのは無数のモンスターの死体。殺してから時間が余り経っていないのか腐敗こそはしていなかったが頭部や手足の損失はもちろん唯一の中型モンスターであるロアルドロスに至っては胴体が真っ二つにされていた。だがシエンはここで気がついた。
「(致命傷になっているのは大きく目立つ欠損の傷ばかり・・・・・・・・・・・・他の傷は確かに深いものの決して致命傷になるほどの傷ではない。ガノトトスに全く傷がないことから互角に争ったがゆえに付いた傷じゃない・・・・・・・・・・・・おそらく、なぶってつけられた傷だ・・・・・・・・・・・・‼️)」
シエンはガノトトスが繰り出してくる突進攻撃や体を振り回す攻撃を紙一重で交わしつつ自信の頭のなかで結論付けるもちろんシエンがこの結論にたどり着いたのはさっきシエンが受けた攻撃も判断材料になっていた。ガノトトスの足はあの長大な体を支えるほどの力を持っているが、バランスを崩す可能性があるにも関わらずキックでシエンを倒す、いやいたぶろうとしてきたのだった。これは明らかに不自然だった。それこそ普通のガノトトスなら得意技である睡眠属性噛みつきや広範囲の尻尾薙ぎ攻撃で確実に止めを刺すはずだ。生き残ることを最重視する自然に生きるモンスターとは到底思えない合理性の欠片のない行動の数々。・・・・・・もはや認めざるを得なかった。
「こいつは・・・・・・・・・大罪二つ名モンスターだ・・・・・・‼️自分が生きるために全く関係がないこの悪辣な所業を見て名付けるなら・・・・・・・・・・・・『傲慢の水竜』って所かな?」
「ぎぎぎぎぃぃぃぃぃぃぃぃぃぅぅぅぅぅぅぅぅぅおおおおおおんんっっっっ!!!」
何度も言うことであるがいくら複雑に感情を理解できる大罪二つ名モンスターと言えど人間の言葉など理解できるはずがない。しかしこの時ガノトトスは、いや傲慢の水竜は特に意味のなく大きく咆哮を天高く挙げた。まるでその咆哮は「その名前は気に入った」とでもいうかのように。
これがのちに龍歴院ハンターズギルドに大きな傷を残す遺群嶺遠征事件別名「大罪鼎立」の最初の戦いである。
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紫苑の荼毘と傲慢の水竜が衝突する約五分前。
ここは遺群嶺のエリア8。気流が強く乱れ薄暗い岩石地帯である。そこに無惨な死体が無造作に置かれていた。黒蝕竜ゴア・マガラ、一時期狂竜ウィルスをもって世界中に深刻なダメージを与えた古龍「天廻龍シャガルマガラ」の幼体モンスターである。もっとも幼体といってもその強さはすさまじく、この世界で絶対数が少ない龍属性を持っているモンスターでもある。そんなゴア・マガラであるが、その最期の有り様は余りにも悲惨なものだった。頭の先からしっぽの先端までざっくばらんに細切れされ表現することさえできず、おそらくまともな人間が見れば一生モノのトラウマになりかねない光景だった。
「黒蝕竜ゴア・マガラ。狂竜ウィルスを操る古龍種モンスターの幼体、か。あの脳筋共が毎回出会うたびに出してくる報告書を見る限りかなりの強さを持っているのだろうと期待していたんだがなぁ、弱すぎてデータにならん。そう思うだろうお前たち?」
「申し訳ございません。我々にはなんとも」
「「同じく」」
「………………………ええ」
『………………』
そんな光景を呆れるような態度で見ていたのは龍歴院技術局の副局長ロウダークだった。その格好は龍歴院の最上位研究員が来ている白衣であり狩場に来ている人間とは到底思えない格好だった。ロウダークは縦に真っ二つにされたゴア・マガラの頭を踏みつけつつ後ろにいる自分の部下たちと『自作の兵器』に同意を求めた。軽装の白い暗殺者を思わせるフルフル装備を付けている三人の部下は言葉を濁し、どこか民族衣装を思わせる洋服を着たくすんだ銀色の長髪にヘアバンドを付けた細身の女性は胸の辺りにある緑色に光っている宝石を手でいじりながら相槌だけうち最後の一番後ろに控えている『大柄な兵器』いたってはその命令の意図を理解できなかったのか完全無視を決め込んでいた。この態度に少々気が削がれたのかロウダークは不機嫌な表情になっていた。
「ふん、つまらん連中だ。まぁいい、私の研究成果の発表までまだ時間がある。モンスターを後何体か殺してリハーサルと行こう、飛行船がある場所まで戻るぞ。後『お前』。」
ロウダークは飛行船を止めている場所に歩くのやめ、後ろを振り向きつつドス黒い宝石が装着されていおるリモコンを取り出しボタンを押しながらその『青色の兵器』に向かって命令する。
「【お前はエリア3………南西方向に向かえ、私達も飛行船で向かう。川があるところまで来たら害獣共から攻撃を受けない限りはそこで待機しろ。攻撃された場合は全力で返り討ちにしろ。移動中の攻撃の対応も前述の通りだ。いいな】」
『…………………』
ロウダークから指令を受け取った後、『蟹のような兵器』はその四本の鋼鉄製の刃のような脚を動かしながらエリア3への歩いていったのだった。フルフル3人組は特に何も思わなかったようだがくすんだ銀色髪の女性は感心したように眺めていた。
「……………いつ見てもすごいものですね。あんな改造をしているとはいえ『絆石』もなくモンスターを操るなんて」
「フンまぁそれに近いものは使っているがな。それとミスリル、「改造」というのはやめてもらうか、あの老いぼれのことを思い出すんでな…………………そうだな、『あいつ』はかつては害獣の筆頭とはいえ今では我が下僕だ。だから、作品として敬意を評しこう呼んでやろう」
「やれ、嫉妬の機改鎌蟹。お前の力と人類の叡智の結晶を以て害獣共を殲滅しろ」
『鋭き刃を持った兵器』、いや嫉妬の機改鎌蟹はただただ進む。誇りも意思も関係なくただただ悪魔の如き人間達に操られ変わり果てた己の体ですべてを壊すため、エリア3へと向かう
紫苑の荼毘と傲慢の水竜が争っているエリア3に。
コメントは来たら励みになりますのでよろしくお願いします。
最近はやっと新しい学校も始まってネットに触る余裕も出てきたのでコメントもきちんと返せると思います。
これからもよろしくお願いします。