モンスターハンター 紫煙の狩人 第二回アンケート実施中 作:蜘蛛の意図
どうぞ
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ガンガンガンっ‼ガンガンガンっ‼‼
「起きろにゃぁぁ、起きろにゃぁぁ‼緊急事態発生にゃぁぁ‼」
「〜〜〜‼⁉な、何?敵襲、敵襲でもあったの?!」
時刻は龍歴院製の時計で6時。テノアが自室にてインナー姿で寝ていた時、小型の鍋をお玉で叩きながら、龍歴院所属のお世話アイルーがいきなり入ってきた。当然テノアも目を剥くが次に入ってきた言葉は彼女のまだ薄っすらとしていた意識をはっきりと覚ましたのだった。
「『紫苑の荼毘』から緊急応援の狼煙が上がったにゃ‼今すぐ外にある会議用のテントに装備を付けた状態で集合するにゃ‼‼」
「え………………えぇ?!シエンが?‼わ、わかった‼すぐ行くから待ってて‼」
お世話アイルーが要件を伝え終えたことで別のところにまた呼びに言った後すぐさまガレオス装備を装着しヘビィボウガンを後ろに背負って部屋を飛び出した。
「ハァハァ………‼‼(うそ、うそうそうそ………………‼‼あのシエンが、あの紫苑の荼毘が緊急応援の要請?!一体、一体何が起こっているの?!)」
テノアの頭の中は軽くパニックを起こしなからも猛スピードで龍識船を飛び出し会議用のテントに一目散で入っていった。テントにはシエン、ユカリを除いた遠征調査団ハンターたちや隊長や道具屋武具屋の店長たちもが集まっていた。全員の顔には焦りや不安などの表情が現れていた。テノアが入ってきたのを確認すると調査団の隊長が前に立ち全員に状況説明を始める。
「よしみんな集まったみたいですね。説明させてもらいます、今から約20分前シエンさんが素材調達ツアーのクエストに行かれました。地形の仮調査の続きと言っていましたので私も止めなかったのですが、クエストが始まってから約15分後、狩場の方向から救援要請を行う超打ち上げ型タル花火が発射されました。それをみて私達は皆様を起こさせていただきました」
「あ、ありがとうございますなんだな。そ、それより花火の色は何色なんだな?ま、まさか、く、黒なんじゃ………」
「いえ、幸いと言っていいのかどうかはわかりませんが、花火の色は赤色でした。」
今、モゥリィと隊長が話している花火の色というのはこの超打ち上げ型タル花火は色によって現在の危険性を伝えつつ救援のための合図になる道具である。その色には3種類があり橙は一名以上の負傷、赤は一名以上の重傷、そして黒は一名以上の死傷を表しているのである。赤、ということは一応はまだ死者は出ていないということになる。
「それでも、ちょっとまずいかもねぇ。荼毘さんはこの大陸でも僅かしかいない上位特級のハンター。ユカリだってニャンターとしては結局上位三級止まりだったけどオトモアイルーとしてもう二年近く荼毘さんと狩りをしている実力派だ。その二人が救援を呼ぶなんて…………………なにかとんでもないことが起こってるとしか思えないねぇ」
「何のんきなことを!!早くシエンのところに行かないと‼」
「落ち着きなさい」
テノアが鬼気迫る表情で隊長たちやクラウスに早く救援に行こうと促すもそれを嗜める声が聞こえてきた。その発信源はテントの隅の方で床に座り自分の狩猟笛を撫でていた中性的なギルドナイト、エレンだった。
「テノア。そんな焦燥で混ざった不協和音の如きメンタルでは何も解決できませんよ?焦る気持ちはわかりますが落ち着いて周りをみて、自分の音を取り戻しなさい」
「エレン、さん」
「ははは、安心しろよお嬢ちゃん。紫苑の荼毘達は必ずおじさん達が助けにて来てやるさ。隊長君、それでいいね?」
不安そうにエレンを見るテノアの肩に手を置いたのは、野武士ヅラのハンター、アルスだった。アルスは豪快に笑いながら隊長達に自分たちのクエストに行く許可を取ろうとしていいた。もちろん隊長たちや上位研究員にそれを認めない理由はない。
「はい‼もちろんです‼‼僕らもシエンさんの救助のために全力を尽くしたいと思います」
「我々研究員はデリバリーアイテムの最終調整をします。ハンターの皆様はクエストの準備とパーティ編成をお願いします」
「武器の調整は儂に任せてくれ」
「アイテムの補充は任せておきな‼今日はツケってことにしておいてやるよ‼」
「みゃ、猫飯の準備をしておくみゃ。緊急事態だから特別に半額にしておいてやるみゃ」
隊長たちはもちろん、主席研究員や道具屋、加工屋、ネコ飯屋の店長たちやその関係者達も協力することを快諾し、いそいそと自分の仕事場に戻っていった。残ったハンターたちは作戦を考えるためにテーブルに書きかけと思われる地図を広げた。
「さて作戦を考えるが、まずその前に誰が行くかってことなんだが…………」
「とりあえずおじさんとエレン…………さんは行くってことでいいのかな?」
「セオリー通りに行くならお二人と俺ちゃんとモゥリィ二人で行くっていうのが最善策なんだけど…………荼毘さんが苦戦する程のモンスターが現れてるって言うことはこの遺群嶺全体の環境バランスも乱れていると考えるほうがいい。………………………この停船所は確かにモンスターが入ってきにくい場所にあるけど小中型モンスターが入ってくる可能性もある。しかもこの場所のモンスターはほとんどが上位級やG級だ。万が一のことを考えると…………戦力を完全に一極に偏らせちゃうのはいかがと思うねぇ」
クラウスの言うとおり、上位級G級モンスターは歴戦のモンスターである。もし上位二級以上のハンター達がすべてシエンの救助に向かってしまうと残りのハンターたちは上位三級以下のハンター六名のみ、しかもそのうち二名は下位ハンターである。もし昨日のG級青熊獣のようなモンスターが入ってくれば全滅の可能性さえある。事実昨日も群れからはぐれてきた思われる上位のマッカォの群れや上位の怪鳥イャンクックがこの停船所に侵入してきたのだ。幸い昨日は遠征隊の中でも上位のハンター達が固まっていたため難なく撃退できたが、戦力を割いてしまえばそうは行かない。
「いえ、ハンターは私とアルスだけで十分。あとはテノア、そしてギーヴあなた達二人が来てください。ハンターとしてではなく救護班として」
「え、いいんですか?!私が行かせてもらって‼‼」
「はぁ、おいギザ野郎‼なんで俺も行くことになってんだよ‼」
「いえ、このメンバーが一番紫苑の荼毘とそのオトモアイルーを救援するのに一番適したパーティだと考えています。おそらくその救援の花火を打ち上げたのは紫苑の荼毘の方でしょう。もし、そう仮定すると重症を追っているのはオトモアイルーの方。そして、彼の実力が噂通りならば生きている可能性もオトモアイルーの方をなんとかできれば狩りを続行できる可能性は高い。」
「なるほど、つまりユカリくんの方を二人に救助させておじさんたちは紫苑の荼毘に合流し狩猟するってことかな?」
「まぁ私が言った仮定がすべて正しければ、という前提がありますがね」
エレンの作戦を聞くと他のハンターたちはおろか苛立ちを全面に出していたギーヴでさえ思わず納得してしまった。たしかに残りの二人ををハンターとしてではなくあくまで救助要因として連れて行くのであればそこまでの強さは必要ではない。だとすればこの中で一番ハンターランクが低いこの二人が適任だということだ。そして残りは上位二級二人に上位三級が四人、ネコ斥候隊として訓練を受けたニャンターで下位三級相当のアイルー八匹、防衛には十分な数である。さすがはギルドが選んだエリートハンター集団ギルドナイトのメンバーであり上位一級のハンター、完璧な作戦である。
「何か質問はありますか?なければ準備ができ次第出発します。待機の方々はネコ斥候隊と共に防衛柵や罠の設置補強を」
「オーケィ、任しときな」
「はい‼わかりました‼‼」
「チッ…‼‼わかったよ気に入らねぇが行ってやらァ……………‼‼」
「いやー完全に仕切られちゃったねぇ。ははは」
「そ、そんなこといってるば、場合じゃないんだな。は、早く防衛の準備するんだな。き、君たちもて、手伝ってほしいんだな」
「はい、わかりました。…………おいバカ双子いくぞ」
「うわ、こいつ昨日とんでもない失敗やらかしてるくせに私達に命令とかまじウケるわぁ」
「ホントホント、まじウケるよねぇ」
「よっしゃぁ‼‼全力で防衛してやるからかかってこいやぁぁ‼‼」
遠征隊のハンターたちは全員思い思いの返事をしすぐさまそれぞれの準備を行う。テノアとギーヴは真っ直ぐ武具屋の方に向う。その目には、一切迷いはなかった。
「(シエン、ユカリ………‼‼待ってて絶対に助けるから)」
「(てめぇには俺の力ァを見せつけて今度こそ勝つって決めてんだ………‼勝ち逃げなんざ絶対にさせねぇ‼‼)」
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ガァァァン!‼がきぃィン!‼ザァァァァァァ‼‼
「ぐぅぅぅぅぅ……………‼‼」
一方遺群嶺エリア3何とか隙を見つけて救援用花火を上げユカリを保護することに成功した。だがそこからが問題だった何とか他のエリアに移動して避難したいとこだが、傲慢の水竜は決してそれを許そうとしない。こちらがやつに背を向けて逃げようものなら容赦なく水竜ブレスを放ってくる。普通のガノトトスなら背を向いていてもある程度躱すことができるが、このガノトトスは、異常だ。
「(ブレス自体のスピードも桁外れだがこいつは発射準備から発射までのタイムラグが異常に短い………‼おそらく、絶対回避【臨戦】を使っても躱しきれるかどうか……‼)」
シエンは肩で息をしながらそれでも思考を続ける。とは言っても今自分がやっているのは「勝つための行動」ではない「死を引き伸ばしている行動」であるということはもう、重々承知している。なぜなら自分は絶対的なハンデを背負って戦っているからだ。
「…………はぁ………はぁ、ご、ご主人…………に、逃げてくださいにゃ。僕を置いて逃げれば、あ…………あんな魚、ご主人の敵じゃないんですから…………」
「悪いが、その意見はもちろんそれに類似した意見を聞くつもりは毛頭ない。そしてこんな雑談をしている、時間もない…………‼」
ガキぃぃィン‼‼‼
それは、ユカリを左手で抱えたまま右手に盾を携えしっぽの攻撃や髪付きを防御して戦っていたからだ。ユカリの様態はかなりの重症であり武器や武具もさっきの攻撃で破損してしまったのである。もちろん自分で走って逃げるなど不可能である。だからこうやって抱える形で保護しているのであるが、こうすることでシエンはガンランスの方を使用できなくなってしまったのだ。
確かに紫苑の荼毘は、シエンはこの大陸でもわずかのG級ハンターである。今まで特殊個体モンスターや古龍種モンスターとも渡り歩いてきている。だが、それでも所詮はただの人間だ。
ハンターは、人間は、武器が、攻撃手段がなければ何もできない。モンスターという絶望に抗うことなどできない
「ギギいいいいおおおおん‼‼」
ばきいいいいんん‼‼…………ガンガン…………‼
「しまっ…………盾が‼」
体を一度一度に引いての短距離体当たり攻撃攻撃を防御した盾がついに後ろ方向に吹き飛ばされてしまった。さすがのシエンも甲冑で顔がわからないものの顔面蒼白になり思わず盾の方向を、後ろを向いてしまった。当然それを見た傲慢の水竜は好機と思い口を大きく広げた。シエンもその殺気で気付くも傲慢の水竜の方を見ようとするもここまでくればもう遅い。瞬きの瞬間すら無く自分とユカリは殺される。まるで時が止まったかのような世界の中で初めて彼は祈る
「(こんな、こんなところで終わりなのか…………………?!たのむ…………‼‼なにか、何か奇跡よ、起きてくれ‼‼あのときとは違う、やっと生きがいのようなものを見つけることができたんだ…………‼‼やっと、シラユキとの約束を果たせそうなんだ……………‼‼この状況を打破してくれるなら、なんだっていい‼頼む‼‼)」
この世界は残酷である。奇跡なんて起こらないし、モンスターと戦い負ければ殺される。だからこれから起こることもおそらく奇跡でもなんでもない。なぜなら、『それは』、
奇跡と呼ぶには、あまりにも歪過ぎるから。
きゅうううういいいいいいんんんんん‼‼どがっ‼x‼
「ギギぎおおおおんんんんん?‼‼」
傲慢の水竜がシエンたちに向けて水流ブレスを放つ。まさにその瞬間、地面から高速回転している鋼鉄製の円柱状の物体がが突き出して来たのだった。傲慢の水竜は間一髪でそれを躱すもののそれによって口の方向がの向きが大幅に変わってしまい結果としてあらん方向にブレスが飛んでいってしまった。
「にゃ………にゃ……………な、何が…………た、助かったのかにゃ」
「はぁ、はぁ………………………たしかに助かったが、あのモンスターは、『あれ』は一体何だ?!」
シエンは全速力で盾を取りに行きつつ、その物体を注視していた。傲慢の水竜も明らかに見たことがない物体に危機感を持っているのか流石に少し怯んでいた。すると彼らの間にある円柱の物のがいきなり揺れだしたと思うと次の瞬間、
ぼごおおおおおぉぉぉぉぉぉんん!‼
『きゅうううううううううぅぅぅぅぅぅぅぅぅ‼』
「「「?‼」」」
その巨大な塔を思わせる物体を背負ったモンスターが地面から飛び出してきたのだった。シエンもユカリも傲慢の水竜も流石に驚きを隠すことができなかった。最も彼らが驚いている理由は違う。傲慢の水竜はある程度長く生きてきた自分でさえ見たことがないモンスターに驚いているだけだったが、ハンター組は全く違う。
「ご、ご主人………………あれってショウグンギザミなんじゃ……………?!」
「ユカリ、僕や君が知っているショウグンギザミはあんな爪もあんな脚もあんな宿もあんな兜も付けていない!‼しかもあれはどう見たって自然でああなったとは思えない。明らかに人工的に改造されている‼」
シエンが言うとおりこのショウグンギザミらしきモンスターは普通の個体とは明らかに違う。
脚に付けられた鋼鉄製の刃を取り付けてある脚
鎌蟹の特徴たる長い爪の代わりに無数の返しがついた鋼鉄製の刀剣
グラビモスの頭蓋骨や大きな貝殻ではなく未だにゆるく回転し続ける円柱状の掘削機のようなものが取り付けてある大きな鎧のようなものを取り付けてある宿
そしてショウグンキザミの口より上の部分を覆っているドス黒い宝石が取り付けてある兜
一応関節部分や体の中心部分はショウグンギザミの生身の体だったが、シエンにはこれがとてもモンスターと思うことができなかった。しかし、そのショウグンギザミは、嫉妬の機改鎌蟹はシエンのことなど完全無視で鋼鉄製の脚を動かし傲慢の水竜の方に体を向けた。
この自然に愛されし遺群嶺に、傲慢と嫉妬。2つの罪が向かい立った
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