モンスターハンター 紫煙の狩人 第二回アンケート実施中   作:蜘蛛の意図

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若ヘタレ女ハンター、『し』の狩人との邂逅する

「こ、こっちにゃ。今のご主人の家はここの道の奥にあるにゃ」

 

「……本当にこっちなんでしょうねもしも違ったら……」

 

「本当にこっちにゃ!!何度も何度も痛い目に合うのはいやにゃ!!オトモアイルーの中のオトモアイルー筆頭オトモ殿に誓って本当にゃ!!」

 

そんな半ば恫喝に近い方法でテノアとユカリが着いたのは龍歴院が用意している龍歴院所属ハンターが使用できる宿の中では最低ランクの宿だった。テノアも一回だけ泊まったことがあったがはっきり言ってアプトノスの飼育小屋以下の設備だった。

 

「ご主人は寝ることができて調合ができる程度の設備があればいいっていたのでいつもこのレベルの宿泊施設に泊まってるにゃ」

 

「ふぅん、じゃまぁいいけど。ねぇ呼んできてよ、ここで待っとくからさ」

 

そういってテノアはユカリを下に降ろした。さすがに彼女には男の部屋に入る度胸はなかったようだった。テノアの手から離れたユカリは諦めたような溜息としぐさをした後件の小屋をノックして入っていった。

 

「ご主人、ただいま帰りましたにゃ。で、その悪いお話が……ってあれ?ご主人?」

 

「ん?どうしたの、ユカリ?」

 

「ご主人がいないにゃ……。書置きには市場を見てくるって書いてある………多分入れ違いになったのにゃ」

 

「市場?確かその人人嫌いなんでしょ?なんで……?」

 

テノアは眉をひそめる。ギルドマスターやユカリの話を聞いていると『紫苑の荼毘』はもう軽く4年以上ソロで狩りをしているらしく、人と群れることを嫌っているらしいがとてもそんな偏屈だと思われる人物が毎日人で溢れかえっている市場に行くとはあまり考えられなかった。

 

「……あ!!そうだ思い出したにゃ!!確か今日は市場の全商品が割引になっている特売日だったはずにゃ!!そこで回復薬とか研ぎ石なんかを補充するともいったはずにゃ!!」

 

「……それって忘れてちゃいけないやつなんじゃないの、召使的に」

 

「と、とにかく!!今ご主人は市場にいるにゃ!!はい、この話は終わりにゃ!!!」

 

「はぁ、もういいわよ。あとは自分で探すから顔の特徴を教えて」

 

「………ていうか、らんぞ…テノアさんはどうしてご主人に会おうとしやんだにゃ?そりゃ……まぁ多少ひどいこと言われたから一言言いたいっていうのはよくわかったにゃ、でも…ご主人は上位ハンターの中でもさらに上位にいる存在にゃ。それに比べてテノアさんはかなり下位層に要るハンター。二人はランボスとジンオウガぐらいの差があるにゃ」

 

だからそんなこと言われても気にしないほうがいい、そう続けようとしたユカリだったがテノアの表情が曇りかけているのを見て思わず口を閉じた。まるでその表情は決して忘れたくないけど思い出したくないことを思い出してしまったかのようだった。

 

「私が子供のころ、あなたは立派なハンターになれるって言ってくれた人がいたの。……もしこのまま何も言いかえさずになかったことにしたら絶対に私は後悔すると思う……」

 

その顔立ちは真剣そのもので瞳にも強い力が秘められていた。それを見たユカリはやれやれといった感じでため息をついた。しかし先ほどのような不満感は一切なかった。

 

「わかったにゃ、僕もついていくのにゃ。どうせテノアさんはご主人の顔をしらにゃいでしょ?ここまで来たら一緒に探してあげるにゃ」

 

「ユカリ……!」

 

そして二人がその場所から市場のほうに行こうとした時、それは鳴り響いた。

 

ごぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉん!!ごぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉん!!ごおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉん!!

 

それは大きな鐘の音だった。龍歴院集会所の方からである。この鐘の鳴らし方で意味が違ってくるのだが、この鳴らし方はある一つの意味を持っていた。それは、

 

「緊急クエスト警報……?!!ですって?!」

 

「テ、テノアさん行ってみるにゃ!!」

 

テノアもそれに了承し集会場のほうまで一人と一匹は全速力で走った。

 

 

「ギルドマスター!!」

 

「おお、テノア、ユカリ!あんたたちも来たのかい。まぁそりゃそうだねあんたにとっちゃ初めての緊急クエスト警報だからね」

 

ギルドマスターは集会所に集まったざわざわと動揺している多くのハンターたちのほうを向いた。いつも大体混んではいるがその人数はいつもの倍と言っても差支えがないレベルだった。テノアが息を整えている間にユカリがギルドマスターに話しかけた

 

「一体何が現れたんですかにゃギルドマスター!」

 

「どうやらシエンの勘が当たっちまったようでね……現れたんだよ古代林にまたティガレックスが」

 

「「!!!」」

 

テノアとユカリは両方とも目を大きくして驚愕の表情を浮かべた。当たり前だなぜなら、

 

「ちょ、ちょっと待ってよ!!なんで?!なんでまたティガレックスが出てくるのよ?!だってあいつ『紫苑の荼毘』に殺されて死んでたじゃない!!」

 

「それとはまったく別個体さ。しかし問題はそこじゃない……文献から見ても考え付かないほど怒り狂ってる……斥候のアイルー達によれば遠くから観察するのが精いっぱいだったらしい」

 

「しかもそれだけではないですにゃぁ!!」

 

テノアたちの話に割り込んできたのは防具に多くの傷がついているネコ斥候隊と呼ばれるギルド、龍歴院に所属するアイルーたちだった。彼らは続ける

 

「今ティガレックスが暴れているせいでそれを迎撃しようと他のモンスターたちが躍起になってて……しかもその中にナルガクルガまでいたんだにゃぁ!!」

 

斥候隊のアイルー口早く絶望的な報告をした。これにはテノアたちだけではなくほかのハンターたちも驚愕した顔や苦々しい顔になっていた。ナルガクルガとは密林地帯などに生息し、普通の飛竜とは別の進化を遂げた飛竜であり、別名迅竜の名に恥じない恐ろしいスピードを持っており並のハンターでは姿さえ見ることがかなわず瞬殺されるらしい。

 

「じゃつまりこのクエストの……内容は………!!」

 

「そうだね…………轟竜ティガレックスと迅竜ナルガクルガの、同時狩猟。そしてハンターズギルド、龍歴院はこのクエストを」

 

 

 

 

 

 

「『高難易度クエスト』に認定した……」

 

クエスト:高難易度ー憤怒の轟竜・臨戦の迅竜

フィールド:荒れた古代林

環境:不安定

メインターゲット:ティガレックス、ナルガクルガの狩猟 15000z

サブターゲット:マッカォ10体の討伐 2000z 

制限時間:50分

 

 

ギルドマスターのクエスト発表のあと集会場は阿鼻叫喚に包まれた。より具体的には下位ハンターは諦観が多く入った驚き、

 

「は、はぁぁぁああああ?!」

 

「おいおいウソだろ、なんだそりゃ?!轟竜も迅竜も一体ですら四人一組で倒せるかってレベルのモンスターなのにそれが二体かよ?!!」

 

「ハンターランク自体に制限はねぇがこんなの俺には無理だ……」

 

上位ハンターはどこか期待がこもった眼をしながら準備を始めていた。

 

「よし、おまえら団員を全員集めてギルドキングハウスに集合だ!!俺が団長に知らせてくる!!」

 

「くぅぅぅ!久ぶりだぜこの感覚!!武具を整えたらさっそく作戦会議だ!!」

 

「調合用の素材もありったけ買ってきなさぁい。準備には念には念を入れてねぇ」

 

良くも悪くもハンターたちはせわしなく動き始めただ立っているだけで熱気が伝わってくる感じだった。

 

「てか、みんな今すぐはいかないんだね……私いっつも軽く装備を整えたらすぐに行ってたのに……」

 

「そりゃドスマッカォやイャンクック程度ならそれでいいけど、今回は大型飛竜が二体にゃ。作戦とかフォーメーションとかをちゃんと決めずに高難易度クエストをするなんて馬鹿げてるにゃ。それか……ううん何でもないにゃ」

 

「?……まぁいいけど、私には少し、いやすごく重いクエストってことはよくわかったからさ」

 

そう、つぶやいた後テノアは集会場の外まで歩いて行った。さすがに彼女も自分がそこまでできるハンターじゃないことぐらいは分かっている。おそらく今の自分が四人いたってこのクエストを突破できるとは思わない。うつむきがちになって歩いていると、

 

ドン!

 

「わ!す、すいません!!ご無礼を」

 

「いやいいよ、君も気を付けてね」

 

集会場に歩いて来ていたハンターにぶつかってしまった。あまりにも不甲斐なく碌にその人の顔も見ることができなかった。そしてそのままその場を離れようとしたその時聞こえた。

 

「あ!!ご主人やっと見つけたにゃ!!」

 

「……え?」

 

気を抜けた声を出しながらテノアは後ろを向いた。しかしその時にはもう肩をぶつけてしまったハンターの姿は見当たらなかった。代わりに更なる異常にも築くことができた。そう、さっきまで騒いでいた集会場のハンターたちの声があまりにも静かくなっていたのだった。テノアはすぐに集会場に戻ると、ハンターたちはみんなある一方をただ見つめて黙っていた。

 

まるで葬儀の時のように。

 

「あれが、」

 

テノアは近づく。まるで悪魔に忠義を捧げたような紫色の騎士の様なハンターに。

 

「あいつが、」

 

他のハンターたちはテノアに目でこれ以上近づくことをやめるように促す。美しくも禍々しい同じく紫色の銃槍を持つハンターに。

 

「『紫苑の荼毘』………っっっっ!!」

 

そしてその高難易度クエストの紙を特売チラシでも持つかのような感覚で手に取っているハンターは暴力行為も恫喝行為も何もしていない。

 

しかし、

 

それでなお、

 

その男は、

 

その場のほとんどの者に、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『死』を連想させた。

 

 

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