モンスターハンター 紫煙の狩人 第二回アンケート実施中   作:蜘蛛の意図

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紫苑の荼毘、『かつて』を思い出し腹をくくる。そしてヘタレ美少女ハンター、エロい神装を手に入れる

 

 

「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーー」

 

 

「君さ、本当に何がしたいんだい?」

 

 

ここは、ハンターズギルドが経営しているハンター用の宿舎でテノアが使っている部屋である。クエストの準備と飛行船の最終調整として1時間の猶予与えられ、そこで作戦会議をしようという建前で集まったのだが、テノアは客人兼今度の高難易度クエストのパーティとなったシエンに背を向け顔を手で覆い顔の隅っこにうずくまっていた。現在ギルド、龍歴院にもわずかしかいない二つ名ハンターに啖呵を切った少女はここにはもういない、そこにいるのはかっとなっていろいろやらかしてしまった残念な少女だった。

 

 

「どうしよう……こんなときどうすればいいのよぉぉ……」

 

 

「はぁぁ。………クエストを確認して明らかに自分の身の丈に合わないと判断した場合はクエストの契約破棄するのが普通だが、そうなるといろいろ面倒だ。何せ……このクエストの受注主は君なんだからな」

 

 

シエンは彼女の部屋にあったベットに腰掛け溜息をまじり合せながら淡々と彼女を咎めるかのように言葉を紡ぐ、

 

 

「クエスト受注主以外のメンバーが抜けるときはそのメンバーが抜けるだけだ、しかしクエスト受注主が抜けるとなると話が全く違ってくる。『そのクエストを放棄しパーティを解散』を意味するからな。もしここで君がクエストの契約を破棄したら僕もこのクエストを放棄することになる。もしそうなったら間違いなくこのクエストを再契約するのは不可能になる」

 

 

その説明が終わった後部屋のドアがゆっくりと開かれ、そこにはシエンの使用人アイルーであるユカリが疲れた様子でへたり込んでいた。

 

 

「へぇ、へぇ、つ、疲れたにゃぁ……」

 

 

「ご苦労。それで集会場の様子は?」

 

 

「はいにゃ……。もうすでに『豪賊商会』、『凶皇軍』、『獄犬狩猟隊』、そして『剣聖連合』といった大手の猟団がすでに補欠依頼を独占していたにゃ」

 

 

補欠の依頼契約とはあるクエストを受けたハンターが失敗、またはクエスト契約を破棄したときにそのクエストを受けれるようにする契約のことである。もっともこれはある事例を除いてめったに交わされることがない。

 

 

それは古龍と呼ばれる謎の超生物や二つ名モンスターと呼ばれる異常発達したモンスターを討伐、狩猟するクエストといった『クエストの契約完全破棄の確率もクエスト失敗し最悪死亡する確率も高い、報酬の高いクエスト』の時のみである。

 

 

「今集会場にいるハンターたちはほとんどが君に対してクエストを破棄すると考えているだろうね。まぁ普通そうだ。下位ハンターの小娘が上位個体に近い轟竜に挑むだなんて普通ありえない。最初はかっとなってやるかもしれないが後々怖気づいて契約を破棄すると考えているんだろう。

 

 

ま、ほとんど彼らの予想通りだったがな」

 

 

シエンは最後の言葉だけ語彙を強め強く鋭い視線をテノアに向けた。ユカリはさすがに言いすぎだと考え諌めようとするが、言いかけたところで辞めた。このいう時のシエンは自分の言うことなど何も聞かないと経験則で知っていたからだ。テノアもその視線と言葉に気が付いたのか顔をうつむかせ小さく震えていた。それが悔しさか恐怖かまたはその両方かは定かではなかったが、彼女は何を考えたのかふらっと立ち上がったり、ドアの方向に歩いて行った。その時の彼女の表情を見てシエンは思わずといった感じでベットから立ち上がり呼び止めた。

 

 

ざざ、ざざ

 

 

「待て、どこに行く気だい、クエストを破棄しに行くのか?」

 

 

「………武具屋に私の新しい装備をとりに行くだけよ、さすがにパーツ欠損がある装備は使えないし」

 

ざ、ざざざ、ざ、ざざ

 

 

やや鼻声になっていた彼女の顔には涙の後があり目のあたりも赤くなっていた。しゃべっていないときはあごが小さく震えておりそして体も小さく、しかし確かに震えていた。それは誰が見ても明らかに恐怖を表していた。そして、その恐怖はこの後の彼女の行動を示唆していた。

 

 

「まさか……本気で行く気か。この高難度クエストにきみのような有象無象の下位ハンターの一人が?……依頼書の内容をよく見ていなかったのか?僕の話を聞いていなかったのか?!君が今やろうとしているのはクエストなんかじゃない、格安の片道自殺旅行だってことがまだわからないのか?!!」

 

 

ざざ、ざざざ、ざ、ざざざざざ、ざざざ、ざざ

 

 

シエンはいつもの理知的な態度からは考えられない怒りといら立ちが混ざった声で怒鳴った。それは彼に長年仕えているユカリが震え上がっているところから見ても間違いない。

 

 

「…………あんたの言う通りよ。私はあんたの言う通り少し回りよりペースが速いからって、自分はもしかして天才なんじゃないかなんて思いあがってる有象無象のハンターの一人よ。それに死ぬのだって本当に怖いもしもこの部屋に私しかいなかったらとんでもなくい見苦しく泣いていたと思う」

 

 

ざざざ、ざざざざざざざ、ざざ         ざざざざざざざざ、ざざ、ざざざ、ざざざ      ざざざざ、ざざ、ざざ、ざざざ

 

 

シエンは彼女の話を聞いているとき、自分の頭の中に音や視界に歪みが生じているのに気が付いた。動悸も自然に上がっていくのも感じた。

 

 

「…………でも、それでも私にだって、曲げちゃいけない思いがある。ポッケ村で村長以外のみんなから忌子扱いされていた私のために、防具も付けずボウガン一丁で、大勢のモンスターと戦ってくれたあの人に私は約束したんだ、『あなたを守れるぐらい強いハンターになって恩返しとするって』……!!」

 

 

ざざざざ、ざざ、ざざざざざざざざざざざ、              ざざざざざざざざ、ざざざ、ざざざざ、ざざ  ざざざざざざざ、ざざざざざ、ざ、ざざ

 

 

「そしてその人は教えてくれた、『たとえ勢いに任せていったことでも、いやだったり怖かったりしたことでも、やると決まってしまったら絶対にやったほうがいい』……って、だから……!!」

 

 

ざざざざ  ざざざざ  ざざざ   ざざざざ、ざざざざ   ざざざざ   ざざざ               ざざざざざ、ざざざざざざ         ざざざざざざざざ  ざざざ、ざざ      ざざざざ、ざざざ

 

 

「……!!おい、待てそのハンターって、まさか………!!」

 

 

シエンの視覚の聴覚の鼓動の呼吸の歪みが最高の位置に達していた。しかし自分の心にある言葉をあふれさせることに精いっぱいのテノアはそれに、気づいていない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「だから、だから!!死ぬほどいやなことでも、漏らしそうなほど怖いことでも私は決まってしまったことからは絶対に逃げない!!もしも逃げたら、私は……シラユキお姉ちゃんに二度と顔向けできなくなる……!!」

 

 

そして、歪みが最高値すら超えたとき、刹那の時とはいえシエンの意識は、

 

 

反転した。

 

 

 

 

 

 

ざ、ざざざ  ざざざざ           ざざ ざざざ、ざざざざざざ       ざざざざざざざ、ざざざ  ざ  ざざざざ、ざざ  ざざざ   ざざざざざ、ざざざざざ     ざざ  ざざざざざ  ざざ ざざざざ ざざざ   ざざざ、ざざざざ、ざ、ざざ、ざ、ざ、ざざざ  、ざざざ、ざざざざざ  ざざざざざざざ  ざざ  ざざ、ざざざざ、ざざざざ、ざざざざざ    ざざざざ  ざざざざ   ざざざざ  ざざざ  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『最期に願いを託してもらった相手があなたで良かった』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『おかげで私も最後まで自分の信念を守り通したまま殉せそうだよ』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ホント、ありがとう』

 

 

 

 

 

 

ざ、ざざざ  ざざざ  ざ      ざざ ざざざ、ざざざ   ざざざ       ざざざざざ  ざざ、ざざ ざざ  ざざざざ、ざざ ざざざ   ざ ざざざざ、ざざざざ ざ     ざざざざざざざざざざ  ざざざざざざ   ざざざ、 ざざ   ざざ、ざ、ざざ、ざ、ざ、ざざざ、ざざざ、ざざざざざ  ざざざ  ざざざざ  ざざざざ、ざざざざ、ざ  ざざざ、ざざ  ざざざ    ざざざ   ざざ ざざざ   ざざざ    ざざざざ

 

 

 

 

「はっっっっ?!!」

 

 

「だ、大丈夫ですかにゃ、ご主人!!」

 

 

「あ、あんたどうしたの……?!急に何もしゃべらなくなって反応もしなくなったと思ったらいきなり大声あげて……」

 

 

「いや……なん、でもない」

 

 

シエンはゆっくりと息を吸い吐いた後、右手で顔の部分にあたる甲冑の正面を覆い再びベットに座った。そして聞こえないほどの小さな声で呻くようにつぶやいた。

 

 

「…………なるほど、そうか、そういうことか……通りで」

 

 

「え、な、何?言ったに何がどうしたの?」

 

 

シエンは一人で納得してしまっているがテノアはそれがさっぱりわからなかった。さっきまで自分を見ていた彼と今の彼とでは声音や雰囲気が全くの別人にさえ思ってしまっていた。

 

 

「いや、なんでもないよ。自分の中にわだかまっていた原因に気が付くことができただけさ。……ユカリ、僕が武器の整備を頼んでいる加工屋があるだろう?店主にこう言ってくれ”『紫苑の荼毘』が預けた『極白の絶楯』の形見を返してほしい”と。クエストまで時間がない十分以内で持ってきてくれ。」

 

 

「じゅ、十分?!!空気を吸うように相変わらず無茶を……!!!……………わ、わ、わかりましたにゃぁぁぁぁぁ!!!」

 

 

依頼されたとたんユカリは大慌てで窓から部屋を出ていき加工屋ある市場まで走って行った。

 

 

「クエストまで時間がないって、あんた……まさか、もしかしてっ!!」

 

 

「別に、このまま予定調和のように君に死なれるのはさすがに目覚めが悪い思ってしまっただけだ。それに、」

 

 

ここだけは口には言わず彼の心の中でだけつぶやいた。

 

 

見捨てるわけにはいかなくなったんだ、シラユキの兄弟子としてーーー

 

 

 

 

「おや、意外とおそかったねぇ。後、一分でも遅かったらほかの連中にクエストを回しそうだったよ」

 

 

と、そんな軽口をたたいているのはギルドマスターであった。ここはここ龍歴院ハンターズギルドが誇る空中船乗り場であり、クエストの目的地まで安全最速に送り届けてくれている飛行船を多数用意してくれている。

 

 

「おや、そういえばテノアは?あの子はクエスト受注主だからあの子がいないと出発はできないよ?」

 

 

「いえ、彼女はあそこにいますよ」

 

 

そういってシエンが指差したところには顔を赤くしたテノアが後ろからユカリと共にとぼとぼと歩いていたのだが、

 

 

「テノア、どうしたんだい、その踊り子みたいな扇情的な装備は?」

 

 

「やっぱり?!やっぱりおかしいよね?!だってこれ下手すりゃインナー姿の時より恥ずかしいもん!!腋とかおへそとか太ももとかほとんど露出しているし!!」

 

 

そんな彼女が来ていた装備はいつものガンナー装備のギアノスシリーズではなくやたら露出が多い白と水色を基調とした装備だった。頭部装備に付いているたてがみやうろこ状の皮で作られた核装備はそれだけで神々しさを感じさせる美しさがあった。だが、同年代より発育がやや早いテノアが着ているのでどっちかというと美しさよりエロさが勝ってしまっているという結果になってしまっていた。

 

 

「まぁ、きみがさっきまで来てた装備と比べたら防御力は圧倒的に高いし、我慢してくれ」

 

 

「ほほほ、最初はちと驚いてしまったが、よく見たら結構似合ってるじゃないか、色々と」

「テノアさん、レッツゴウゥ、にゃ!!」

 

 

シエンからはまたしても空気を吸うように自分の装備をディスられ、ギルドマスターからはからかわれ、ユカリからは空回りしたエールを食らったテノアは顔を真っ赤にして絶叫した。

 

 

「ああぁぁぁぁーーーっ!!もおおおおおおう!!」

 

 

何ともしまりは悪いが、ついにクエストが始まろうとしていた。




テノアが一時的に貸し与えられたエロ装備……いったいなんなんだ?!
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