我が魂は真紅の眼と漆黒の龍と魔導少女 作:0・The Fool
「アニキ!士さん!」
教室で十代と話をしていた時、翔が大急ぎで駆け込んできた。
「どうした?翔?」
「アニキ!万丈目君がいなくなっちゃったッスよ!」
「なんだって!」
翔の言葉に、十代が驚いて立ち上がった。
「はっ!良いザマだぜ!」
「まったくだ。弱いだけのオベリスク・ブルーの恥さらしがいなくなってせいせいするぜ!」
万丈目の失踪をオベリスク・ブルーの生徒が嘲笑うが、
「はっ!そのオベリスク・ブルーの恥さらしに手も足も出ず一方的にやられたのはどこの誰だっけ?」
「ちょうど恥さらしがどうのこうのと言っていた奴だと思うんだが?取巻。」
万丈目を恥さらしと嘲笑っていた奴が万丈目の取り巻きに笑われ、カッと赤くなるのを無視して取巻は翔に問いかける。
「翔。万丈目さんがいつから行方がわからなくなったのはわかるか?」
「え?ううん。ボクも行方不明になったってさっき聞いたばかりだから。」
「なら、探しに行こう。雷蔵。お前は校長先生に報告してくれ。」
「わかった!頼むぞ取巻!」
取巻の言葉に、雷蔵と呼ばれた男が応え駆け出した。取巻が駆け出そうとしたところで、
「待てよ!」
十代に止められた。
「俺達も手伝う!俺は誰にも見られずに校舎の外に出れる抜け道を知っている!」
「ありがとう。十代。」
取巻がそう言って、十代を連れていった。
「ま、待つッス!」
翔と隼人と俺の3人が慌てて、十代の後を追いかけた。
○ ○ ○
「さて、万丈目を探しに………。」
「授業を抜け出してどういうつもりかしら?」
さっそく探しに行こうとしたところでそう呼び止められた。振り向くと明日香達が鋭い眼差しでこちら
を見ていた。
「万丈目を探しに行くんだ!誰にも言うなよ?」
「別に良いけど、私達も協力させてくれないかしら?」
「わたくし達も万丈目さんを放っておけませんわ。」
「助かる。」
俺はそう言って、明日香に手を差し出すと明日香はやさしく微笑んでその手を握った。
「ううぅ。」
親の仇が如くこちらを見る翔に首をかしげながら、森の中を歩いていた。
「万丈目!! どこだ!!」
「万丈目君!! 出てくるッす!!」
皆が周囲に呼びかけている間に俺は隼人に問いかけていた。
「隼人。何で翔が俺をにらんでいたんだ?」
「はぁ。士は鈍感なんだな。」
??? 鈍い? ………ああ。そういうことか。
「翔は明日香が好きで、手を握っていた俺に嫉妬していたというわけか。」
「ハァ。惜しいんだな。」
という事は雪乃か?でも、この万丈目探索隊には参加してないし。
「翔。ゴメン。翔の気持ちは全然気づかなかった。」
「つ、士さん!」
俺の言葉に翔は笑顔を浮かべていた。
「翔が誰の事を想っているのか知らないけど、大切な友人として全力で応援するよ。」
俺の言葉に翔は固まってしまった。そして、
「うわぁぁぁぁぁーーーーんッ!!!! 士さんのぶわっかぁぁッ!!!!」
大泣きして走り去ってしまった。
「………あれ?何でだろ?」
大泣きした原因が理解できず首をかしげていると、
「ウッキー!」
腕にデュエルディスクをつけたサルが襲いかかる。
「うわぁ! さ、サル!」
驚きながらサルを捕獲しようとするがサルは巧みにかわしてしまう。そして、
「あぁーれぇー!!」
ももえを拉致って逃走してしまった。
「待て! このサル!」
取巻がそのサルを追いかけようとしたところで、茂みから爺さんとメイン・ブラックが飛び出してきた。
「デュエルディスクをつけたサルを知らないか?」
「それなら、アッチへ走っていったが、何か知っているのか?」
答えながら問いかけるが爺さんは問いを無視してメイン・ブラックに指示を出した。
「聞けよ。人の話。」
俺が軽く蹴りを入れてようやくこちらを見る。
「何をする!」
「コチラの質問の答えがまだだ。あのサルはなんなんだ?爺さん達は何を知っている?」
俺の問いに爺さんは不愉快そうに鼻を鳴らしてから答えた。
「そんなに知りたいなら教えてやる。あのサルは、我が研究所から逃げ出したデュエルザルだ。」
「デュエルザル?」
「そうだ。それもSuper Animal Larning略してSALだ。」
SALってまんまだな。サルじゃなかったSALを追いかけていくとSALが誰かとデュエルをしている。
「って翔?」
○ ○ ○
SIDE 翔
「グスッグスッ。士さんのバカ。」
『一生ただのお友達』って言われてショックで泣き出していると、
「ウッキー!」
「助けてください!」
後ろから動物の鳴き声と聞き覚えのある声が聞こえたので後ろに振り向くとお猿さんがももえさんを抱えて走っていた。何でデュエルディスクをつけているかはわからないけどそれなら打てる手は一つ。
「お猿さん!ボクとデュエルだ!ボクが勝ったらボクの願いを二つ聞け!代わりにお猿さんが勝ったらお猿さんの手伝いをする!」
ボクの言葉にお猿さんは頷いて木の上に上り太い枝のももえさんを置いた。
○ ○ ○
『
僕の言葉にあわせてお猿さんから声が聞こえた。たぶんお猿さんにつけられた機械が訳したんだろう。
「僕のターン!ドロー!スチームロイドを召喚!」
ボクがカードを置くとフィールドに人の顔のついた汽車が現れる。
「さらに、カードを2枚セットしてターンエンド!」
翔ライフ4000 手札3枚
伏せカード2枚
スチームロイドATK1800
「私のターン!ドロー!手札から
お猿さんのフィールドに狂気にまみれたゴリラが現れた。
「翔!」
お猿さんの後ろからアニキが声をかけてきた。
「所長!麻酔銃を撃ちますか?」
兄貴と一緒に来た黒ずくめの一人がお爺さんに声をかけた。
「構わん。予想外の結果が出るかもしれん。」
そうか。このお猿さんこのお爺さんの研究所から逃げ出してきたんだ。
「
「マズイわ!!スチームロイドは攻撃するときは500ポイント攻撃力がアップするけど、攻撃される時攻撃力がダウンしちゃうわ!!」
ジュンコさんが襲いかかる
「速攻魔法発動!禁じられた聖杯!攻撃力を400アップする代価にモンスター効果を無効にする!この効果でスチームロイドの効果を無効にする!」
聖杯を注がれたスチームロイドはその力を高めて
「ウキ………。カードを2枚セットしてターンエンド。」
翔ライフ4000手札3枚
伏せカード2枚
スチームロイドATK1800
伏せカード2枚
SALライフ3800手札3枚
「ボクのターン!ドロー!ジャイロイドを召喚!ジャイロイドを召喚!2体でダイレクトアタック!」
「ウッキ―!トラップカード攻撃の無力化を発動!攻撃を無効にしてバトルフェイズを終了!」
時空の渦がスチームロイドとジャイロイドの攻撃を受け止めた。
「ちぇっ。ターンエンド!」
翔ライフ4000 手札3枚
伏せカード1枚
スチームロイドATK1800 ジャイロイドATK1000
伏せカード1枚
SALライフ3800 手札3枚
「私のターン!ドロー!
「
お猿さんの宣言に
「トラップ発動!ガードブロック!ダメージを1度だけ無効にして1枚ドロー!」
今回は凌げたけど、多分アレがある。だとしたらダメージは覚悟しなければならない。
「さらにリバースカードオープン!キャトルミューニケーション!フィールドの
やっぱり。野生解放は発動したら破壊されてしまうデメリットがある。でも、あれで回収する事でデメリットを回避したんだ。そして、
「バトルフェイズ中の特殊召喚だから
「ターンエンド!」
翔ライフ3000 手札4枚
伏せカード0枚
ジャイロイドATK1000
伏せカード0枚
SALライフ3800 手札3枚
状況はかなりマズイ。ライフはまだ半分以上あるけど相手が上だし、フィールドもジャイロイドしかない。でも、ももえさんを助けなきゃいけない。だから、
「ボクのターン!! ドロー!!」
このドローにすべてをかける!!
「手札から死者転生を発動! サブマリンロイドを墓地に送ってスチームロイドを回収! さらに融合を発動!ジャイロイドとスチームロイドを融合してスチームジャイロイドを融合!スチームジャイロイドで
スチームジャイロイドの攻撃がバーサークゴリラを破壊した。
「さらに融合解除を発動!スチームジャイロイドを融合デッキに戻してジャイロイドとスチームロイドを特殊召喚!」
「ウキー!!」
ボクのフィールドにモンスターが特殊召喚されると、別のお猿さんが現れて、お猿さんの前に立ちはだかった。
「そっか、お猿さんは仲間のもとに帰りたかったんだね?」
「うき…。」
ボクの問いにお猿さんは寂しげに頷いた。
「ごめんね。デュエルはいつも真剣勝負だよ。2体でダイレクトアタック!」
ボクの宣言に2体のビークロイドがお猿さんにダイレクトアタックを決めた。
○ ○ ○
「お猿さん。約束は覚えてるっすよね?」
ボクの確認にお猿さんは哀しげに頷いた。
「なら、一つ目のお願い、ももえさんを解放して。」
ボクの言葉にお猿さんは木の上に上りももえさんを抱き上げて地面の上に降りた。
「今だ!捕まえるのじゃ!」
お爺さんの言葉に黒づくめの男たちが飛びかかろうとして
「待つッス!」
とっさにお猿さんの間に割って入る。
「お猿さん!二つ目のお願いッス!仲間のもとで暮らすッス!」
「ウキ?」
言っている意味が分からなかったのか首をかしげるお猿さんにボクは怒鳴った。
「早く逃げるッス!また研究所に戻されちゃうッス!」
「ウキッ!」
その言葉にお猿さんは仲間のもとに走った。
「小僧!どういうつもりだ!」
「ボクはお猿さんに勝ったらお願いを聞いてとは言ったけど、研究所に戻れと言った覚えはないよ? お猿さんはこのまま野生に返すッス!」
「フン!邪魔だ小僧!」
ボクの言葉にお爺さんはボクを突き飛ばして、お猿さん捕まえようと動いたけど、
「ハイストップ。そこまでだ。」
士さんがお爺さんの妨害に入った。
「こんなことが世間に広まったらまずいのは爺さんの方だよ動物虐待で訴えられるよ。ついでにこの件に関しては黙っているつもりはないよ?」
士さんの言葉に忌々しそうににらんで黒づくめの人達に撤収するように指示した。
○ ○ ○
SIDE 士
「さて、予想外のことがあったけど、万丈目をさがしに」
「その必要はないのニャ。」
この場にいるはずのない第三者の声が聞こえてすぐそばの茂みから大徳寺先生がこちらに向かって歩い
てきた。
「朝早く万丈目君が船で出て行くところを見てしまったのニャ。それと、取巻君に慕谷君に託があるのニャ。」
「え?俺と雷蔵にですか?」
取巻君の問いに大徳寺先生は手紙を差し出した。
『太陽、雷蔵。黙っていなくなってすまない。デュエルにとって大事なものを見つけ出したから、一度見つめなおしたいからデュエルアカデミアを離れようと思う。二人とも健康には気を付けてくれ。後、帰ったら楽しいデュエルをしよう。』
「ありがとうございます。」
手紙を一通り読んだ取巻が大徳寺先生に頭を下げて海の方に向かって叫んだ。
「絶対帰ったら楽しいデュエルをしましょう!!万丈目さん!!」