我が魂は真紅の眼と漆黒の龍と魔導少女 作:0・The Fool
SIDE 十代
俺と翔はデッキの調整していた。正直言って今まではデュエルを全力で楽しんでいた。だけど、今回は違う。相手にどういう理由が有ったかは知らない。だけど、遠藤が三沢を傷つけた。俺の脳裏には遠藤に敗れ、倒れ伏す姿、機械族融合モンスターというだけで怯える三沢の姿が浮かんだ。絶対に許さない。俺の内に怒りが渦巻いていた。
どうすれば、奴に勝てるか? それを考えながらデッキを調整する。その時、
コンコン。
「いるか? 十代? 翔?」
ノックがしてドアが開かれる。
「………三沢? どうしてここに?」
「夜分にすまないな。だが、今日中に伝えておかないと。
と思ってな。」
そう言いながら、散歩に誘う三沢。その背中を追いながら海岸までたどり着いた時、背後にいる俺に問いかける。
「十代。明日は俺の仇討ちで遠藤に挑むつもりか?」
「ああ。遠藤にどんな理由が有ったか知らないけど、三沢を傷つけた事は許せない。」
「僕も同じ気持ちッス。」
俺達の言葉に三沢はこちらに振り向いて口を開いた。
「その気持ちは嬉しく思う。だけど、仇討ちなら、俺にやらせてくれないか?」
「それじゃ、明日は遠藤君に負けろと言うッスか?」
「もちろん、そんなことは言わないさ。勝ってほしいし負けてほしくない。
十代。翔。お前達にとってデュエルとはなんだ?」
三沢の言葉に俺達はハッと気づかされた。
「デュエルは楽しむもの。」
「そうだ。その気持ちを忘れて欲しくないんだ。」
三沢の言葉に俺達は頭を下げていた。
「サンキュー。三沢。」
「危うく大事な事を忘れるところだったッス。」
「別にいいさ。明日は勝てよ?」
三沢は激励してから自分の寮に戻った。
○ ○ ○
SIDE 鮫島
思った以上に
観戦者達を見てそう思った。
三沢君とのデュエルの前は一部のオベリスク・ブルーだけが、サイバー流を支持していた。
だけど、オベリスク・ブルーに限らず、ラー・イエローやオシリス・レッドからもサイバー流を支持する声が聞こえた。彼等が心からリスペクトをしてくれたわけでもサイバー流に傾いたかというとそうではない。
デュエルアカデミアの中でも一番の秀才と名高い彼に、64000という圧倒的な攻撃力での敗北。
きっと彼等の中で『サイバー流から攻撃を受けたくない。』
こう思ったはずだ。
となると、サイバーエンドドラゴンの攻撃を受けないようにするカードやプレイングを要するのだが、誰もが三沢君のように優秀ではない。攻撃を防ぐのが無理なら、私達に傾倒するしかない。この前の私への理不尽な制裁デュエルで対戦相手の沖田士が言っていた。『少しでもリスペクトに疑問をもったらその人物にサイバー流の牙が向く。』
それなら、サイバー流に対する恐怖から逃げるにはサイバー流に屈服するしかない。
沖田士をはじめとしたリスペクトの素晴らしさを理解しない人達がサイバー流に傾倒するのを想像して微笑んだ。
○ ○ ○
SIDE 士
デュエルフィールドの挟んで翔と遠藤が向かいあっている。
「よく来たな。お前も三沢みたいにしてやるよ。」
「そうはいかないッスよ。僕が勝つッス。」
2人の勝ってみせる。その言葉に2人はデュエルディスクを展開して開始の言葉を宣言した。
○ ○ ○
『
開始の言葉を宣言しながら5枚のカードをドローする。
「俺のターン! ドロー!」
サイバー流は基本的に後攻優位なデッキ。なのに、先攻を選んだ。
「やっぱりそうなるわな。」
そう呟いてから、控え室に行った時のことを思い返していた。
『よ。十代。翔。』
『士。どうした?』
『ちょっと忠告しにな。』
『? 忠告ッスか?』
首を傾げる翔に頷いてから口を開いた。
『あぁ。デュエルの序盤は何もしないで様子を見ているだけにしているはずだ。』
『? それは何でだ?』
『遠藤と十代達では勝利条件が違うんだ。』
俺の言葉の意味を理解できないのか、互いの顔を見る翔と十代。
『どういう事だ? 俺達のライフを0にすれば遠藤の勝ちじゃないのか?』
『確かにデュエルはそうだ。だが、それだけじゃないんだ。
このデュエルは翔達はこのデュエル負けられない。だからこそ、反則しなければ、どんな手段だろうと勝てばいい。
だけど、遠藤はそれだけじゃ足りない。なんだと思う?』
俺の問いに2人は宙をにらんいたが、何かに気づいたのか翔があっと小さくもらしていた。
『いかなる抵抗も無駄だという事の証明ッスか?』
翔の回答に俺は縦に頷いた。
『ああ。三沼を圧倒的な攻撃力で打ち倒す事で観客の心を恐怖で縛り十代達に勝つことでサイバー流に敵対する恐怖から逃げられないって言おうとしたんだろう。』
『でも、士。お前はどうなるんだ。』
『そうなんだよな。
俺はサイバー流が掲げるリスペクトに賛同してないし、
2回、いや、亮も含めたら3回だな。も勝ったからな。
俺がいる限り、サイバー流の思い通りにならないだろうに。』
ひょっとしたら俺を、退学にしなくてもデュエルアカデミアから追い出す計画でも出来たのだろうか? 後で海馬に調べてもらえるように頼んでみるか。
『抵抗が無駄だという証明のためにしばらくは手出ししないはずだ。なにもしないうちから倒したら抵抗が無駄だという証明にならないからな。ましてや何もしないうちから1Killなんかしたら十代達を恐れているって話になりかねない。』
だからこそ、後攻優位なデッキのサイバー流が先攻をとるはずだ。最初のターンは攻撃する事は出来ないがドローを妨害されず守りの罠を張ることもできる。
「…くのターン! ドロー!」
おっと、いつの間にかターンが進んでいたらしいな。えっと、状況は、
遠藤ライフ4000 手札3枚
伏せカード2枚
伏せモンスター0枚 サイバーラーヴァATK400
伏せモンスター0枚
伏せカード0枚
翔ライフ4000 手札6枚
「僕はパワーボンドを発動! スチームロイド、ドリルロイド、サブマリンロイドの3体を融合してスーパービークロイド ジャンボドリルを融合召喚!!
カードを2枚セットしてターンエンド!
その瞬間、パワーボンドのデメリットにより僕は3000のダメージを受ける!」
遠藤ライフ4000 手札3枚
伏せカード2枚
伏せモンスター0枚 サイバーラーヴァATK400
伏せモンスター0枚 スーパービークロイド ジャンボドリルATK3000+3000
伏せカード2枚
翔ライフ1000 手札0枚
「俺のターン! ドロー!」
遠藤がドローした瞬間、ジャンボドリルが謎の大爆発を起こした。その煙がはれると、そこには銃を構えた翔がいた。その目の前には伏せられた2枚のカードが表になっていた。ってあぁ。そういうことか。
「じゅ、銃刀法違反だ。というか、撃たれたら俺死ぬから!」
「大丈夫ッス。峰打ちッス。」
「無いから! 拳銃に峰打ちは無いから!」
あるよ。ゴムスタン弾とか。
「それにこの銃はカウンタートラップ地獄の扉越し銃ッス。ジャンボドリルに破壊輪を発動した時にチェーンで発動したッス。
このカードは僕が受けることが決定している効果ダメージを相手に移しかえる効果ッス。」
翔の言葉にもまだ何かしらの余裕があるらしいな。遠藤の顔には笑みが浮かんでいた。
「ハハハ! 驚かせやがって! 俺も地獄の扉越し銃を発動………?」
高笑いしながらトラップカードを発動しようとするが、エラー音が虚しく響き渡るだけだった。
「地獄の扉越し銃の効果は効果ダメージをそっちに移しかえるだけで効果ダメージをそちらに与える訳じゃないッス。つまり地獄の扉越し銃は地獄の扉越し銃には対応しないッス。」
そう言いながら翔は遠藤に向かって引き金を引いた。
バァン
と破裂音をたてながらするするとまっすぐに、遠藤のシンボルに命中した。次の瞬間、泡吹きながら遠藤は倒れていた。(遠藤ライフ4000-3000-3000=-2000)
その様を見ていた観客席の男が青白い顔色で自分のシンボルを抑えていた。
次に前に出たのは十代だ。やる気満々でデュエルディスクを構えるのに対して遠藤は腰が引けた姿勢でデュエルディスクを構えていた。
○ ○ ○
『
宣言しながらカードを引く十代と遠藤。
「俺のターン! ドロー! カードを2枚セットしてターンエンド!」
遠藤ライフ4000 手札4枚
伏せカード2枚
伏せモンスター0枚
伏せモンスター0枚
伏せカード0枚
十代ライフ4000 手札5枚
「俺のターン! ドロー! 手札から融合発動! 手札のフェザーマンとバーストレディを融合!
フレイム・ウィングマンでダイレクトアタック!」
十代の攻撃宣言にフレイムウィングマンは炎を纏った体当りをした。って、お前は風属性だろう? 炎より風を使え。(遠藤ライフ4000-2100=1900)
「だが、この瞬間、リバースカードオープン! ダメージ・コンデンサー!! 俺が受けたダメージ以下の攻撃力のモンスターを特殊召喚する! 来い!! サイバードラゴン!」
遠藤のフィールドに白銀の機械竜が降臨した。
「やるな! 遠藤! 2枚伏せてターンエンド!」
遠藤ライフ1900 手札3枚
伏せカード1枚
伏せモンスター0枚 サイバードラゴンATK2100
伏せモンスター0枚 E・HERO フレイム・ウィングマン
伏せカード2枚
十代ライフ4000 手札1枚
「俺のターン! ドロー! チューナーモンスターサイバーシャドウを攻撃表示で召喚!!」
「チューナーを呼んだって事はシンクロ召喚する気か!」
「その通りだ! このカードは自分フィールドにサイバーと名の付くモンスターが存在するとき好きなレベルに変更可能!
サイバーシャドウをレベル7に変更!!
いくぞ! レベル5サイバードラゴンにレベル7サイバーシャドウをチューニング!
星の光集いしとき
邪悪を断つ騎士が現れる!
シンクロ召喚!!
敵を映す鏡と成せ!
サイバーミラーナイト!」
遠藤のその言葉にサイバーシャドウと真っ黒いサイバードラゴンみたいな竜が緑色の輪になり、サイバードラゴンがその輪に飛び込み12の星になった。(サイバーミラーナイトATK0 DEF0 攻撃表示)
「攻撃力…0?」
サイバーバニシングドラゴンのように攻撃力が上がる訳でもフレイム・ウィングマンの攻撃力が下がる訳でもないモンスターに困惑する十代。
「さらにサイバネティック・フュージョンサポート発動! そして、パワーボンドを発動! 手札と墓地からサイバードラゴンを除外してサイバーエンドドラゴンを融合召喚!!
サイバーミラーナイトで、その雑魚を攻撃!!」
「攻撃力0のモンスターで!」
予想外の攻撃宣言に驚く中、フレイム・ウィングマンが炎を纏った体当りで迎撃しようとしてサイバーミラーナイトが鏡の盾にフレイム・ウィングマンを映したら鏡の盾からフレイムウィングマンが飛び出してフレイム・ウィングマンと相討ちになった。(十代ライフ4000-2100×2+2100=1900
遠藤ライフ950+4200=5150)
「サイバーミラーナイトの効果! このモンスターが戦闘を行うダメージステップ時に戦闘を行う相手モンスターの攻撃力の倍の数値までアップする!」
「なっ! それじゃ、戦闘じゃ破壊出来ないじゃない!」
サイバーミラーナイトの効果に驚くジュンコ。
「それだけじゃない! このカードはこのカードの効果でアップした分だけ俺のライフが回復する! そして、このカードは俺が発動するカード以外のカード効果を受けない!」
サイバーミラーナイト 光属性レベル12 自作オリカ
攻撃力0 守備力0
【機械族・シンクロ 効果】
サイバーと名のつくチューナー+チューナー以外のサイバーと名のつくモンスター1体以上
(1)このカードはこのカードのコントローラー以外のカード効果を受けない。
(2)このカードの効果によって上昇した数値分だけこのカードのコントローラーのライフが回復する。
サイバーシャドウ 闇属性 レベル2 自作オリカ
攻撃力0 守備力0
【機械族・チューナー 効果】
このカードは通常召喚できない。自分フィールドにサイバーと名のつくモンスターが存在するとき手札、墓地からから特殊召喚出来る。このカードは任意の数字にレベルを変更できる。
このカードをS召喚の素材になった時、そのモンスターに以下の効果を加える。
このカードは1ターンに1度戦闘では破壊されない。「イカサマもほどほどにしなさい!」
高らかに宣言する遠藤がくってかかるジュンコ。
「そして、雑魚モンスターが破壊された瞬間、リバースカードオープン! 強者への報酬! 戦闘で相手モンスターを破壊した時そのモンスターの攻撃力分だけ俺のライフが回復する!」(遠藤ライフ5150+2100=7250)
強者への報酬 通常トラップ(自作オリカ)
戦闘で相手モンスターを破壊した時そのモンスターの攻撃力分だけこのカードのコントローラーのライフが回復する。
「これで止めだ! サイバーエンドドラゴンでダイレクトアタック!
エターナルエヴォリューションバースト!」
サイバーエンドドラゴンの三首から閃光を放とうとした時、
「リバースカードオープン! ガードブロック!」
十代が発動したカードが攻撃を防いだ。
「しぶとい! ターンエンド!」
遠藤ライフ3250 手札1枚
伏せカード0枚
伏せモンスター0枚 サイバーエンドドラゴンATK4000+4000 サイバーミラーナイトATK0×2
伏せモンスター0枚
伏せカード1枚
十代ライフ1900 手札2枚
「俺のターン! ドロー!」
ドローしたカードを見てじっと考えてしている十代。そして、にやりと笑みを浮かべた。
「手札から愚かな埋葬で
『バカか?』
『自分のカードを捨てただと?』
といった言葉がサイバー流の信者が言っているのが聞こえた。墓地肥やしも立派な戦術なのにな。
「墓地にあるネクロダークマンの効果で
そして、カードをセットしてターンエンド!」
遠藤ライフ3250 手札1枚
伏せカード0枚
伏せモンスター0枚 サイバーエンドドラゴンATK4000+4000 サイバーミラーナイトATK0
伏せモンスター0枚 エッジマンATK2600
伏せカード2枚
十代ライフ1900 手札0枚
「俺のターン! ドロー! サイバーミラーナイトでエッジマンを攻撃!!」
遠藤の攻撃宣言にサイバーミラーナイトの鏡の盾から飛び出したエッジマンがエッジマンに攻撃を仕掛けようとして、十代のフィールドのエッジマンが回避する。サイバーミラーナイトから飛び出したエッジマンはそのまま十代に襲いかかり、十代のエッジマンは遠藤に襲いかかった。(遠藤ライフ3250-2600=650
十代ライフ1900-0=1900)
「トラップカードドゥーブルパッセ発動!
エッジマンへの攻撃を俺に切り替え、エッジマンの攻撃力分だけ効果ダメージを相手に与える!」
「だ、だけど、サイバーミラーナイトはエッジマンの攻撃力の2倍になるはずなのに?」
「それは発動タイミングの違いだ。サイバーミラーナイトはダメージステップに発動する。で、ドゥーブルパッセは攻撃宣言時に発動する。この場合攻撃対象をエッジマンから十代に切り換えるが、十代には攻撃力の概念がない為アップする攻撃力はない。」
これが、サイバーミラーナイトの欠点。攻撃力が相手モンスター依存だから、攻撃力0のモンスターやプレイヤーに攻撃しても攻撃力は0のまま。
「くそ! なら、サイバーエンドドラゴンでエッジマンを攻撃!!」
「させないぜ! リバースカードオープン! くず鉄のかかし! 攻撃を無効にしてセットする!」
サイバーエンドドラゴンが放つ閃光をかかしが受け止めた。
「しぶといやつだ! ターンエンド!」
遠藤ライフ650 手札2枚
伏せカード0枚
伏せモンスター0枚 サイバーエンドドラゴンATK4000+4000 サイバーミラーナイトATK0
伏せモンスター0枚 エッジマンATK2600
伏せカード1枚
十代ライフ1900 手札0枚
「俺のターン! ドロー! エッジマンでダイレクトアタック!」
「ば、バカな! 俺のフィールドにはサイバーミラーナイトとサイバーエンドドラゴンがいるのに!」
「ヘヘヘ。ドゥーブルパッセのもうひとつの効果さ。発動した次のターン、攻撃対象になったモンスターはダイレクトアタックが出来る。」
十代の説明にエッジマンが回転しながら姿を消した次の瞬間、遠藤の真上からエッジマンが落下して遠藤を切り裂いた。(遠藤ライフ650-2600=-1950)
○ ○ ○
「そこまでなノーネ!! 勝者、シニョール十代!!」
クロノス先生の言葉にサイバー流の信者がガッカリと肩を落としてデュエルアカデミアの生徒は割れんばかりの声援を飛ばしていた。