我が魂は真紅の眼と漆黒の龍と魔導少女 作:0・The Fool
『………。』
十代と翔は互いに背を向け自分のデッキを調整していた。
互いに無言でいたが口元は実に楽しそうだった。きっと、明日のデュエルの事を考えているんだろうな。
「…これでいいッスかね。」
デッキ調整が終わったらしい翔が顔を上げると十代が問いかける。
「お。翔。終わったか?」
「うん。アニキは?」
「俺もだ。とりあえず、ぷ○ぷ○でもやるか?」
「ッスね。」
そう言いながらテレビの電源を入れる十代。
「って何あっさりしてるんだな? どっちを応援するのか困っているのに。」
「んなもんどっちもがんばれで良いじゃん。」
「ッスね。勝っても負けても兄貴は兄貴ッス。」
翔の言葉に隼人は笑みを浮かべていた。
「よし。全力で応援するんだな。」
笑顔で答えた隼人と俺達も参戦して夜も更けて行く。
○ ○ ○
「レディースエーンドジェントルメェーン!!
皆様大変お待たせしましターノ! これより、選抜デュエル決勝戦を開始しますノーネ!」
クロノス教諭の言葉に会場のみんなが拍手をする。
「選手を発表する前に一時報告しますノーネ!
今回の選抜デュエル決勝戦まで勝ち進んだのはなんと両者とめオシリス・レッドなノーネ!
これはオシリス・レッドが落第スレスレのドラップアウトの集まりなんて認識を改めなければなりませんノーネ!」
クロノス教諭。嬉しいことを言ってくれる。
「赤コーナー! オシリス・レッドのカリスマ、
クロノス教諭の言葉に十代が皆の声援に手を振って応えた。
「青コーナー! 私の注目株
クロノス教諭の言葉に翔がデュエルフィールドまで歩く。若干緊張しているのか動きがやや固い。しかし、デュエルフィールドに辿り着いた時、深呼吸したら落ち着いたらしい。そして、デュエルディスクを起動させた二人は開始の言葉を口にした。そして、デュエルディスクを起動させた二人は開始の言葉を口にした。
○ ○ ○
『
2人の
「僕のターン! ドロー! スチームロイドを攻撃表示で召喚!! さらに2枚伏せてターンエンド!」
翔ライフ4000 手札4枚
伏せ1枚
伏せモンスター0枚 スチームロイドATK1800
「俺のターン! ドロー!」
勢い良くカードを引いた十代だが、じっとスチームロイドを見つめている。おそらくは翔の罠を推察しているのだろう。
スチームロイドは初手で出すようなモンスターじゃない。攻撃する瞬間こそ攻撃力2300になるが攻撃されるときは1300まで下がる。攻撃の出来ない初手に出すようなモンスターじゃないのに攻撃表示で出すなら、何か罠があるはず。
「
バーストレディ以外のモンスターを全て破壊して、破壊したカード1枚につき300ポイントをそのモンスターのコントローラーに与える!
破壊するカードはスチームロイド1枚! よって、翔のライフに300のダメージを与える!」
『ハァァッ!!』
バーストレディが火球を放ちスチームロイドを破壊した。(翔ライフ4000-300=3700)
「さらに融合発動! フェザーマンとバーストレディを融合してフレイムウィングマンを融合召喚!!
フレイムウィングマンでダイレクトアタック!! フレイムシュート!!」
十代の言葉にフレイムウィングマンは焔を纏った体当たりをする。(翔ライフ3700-2100=1600)
「おっしゃ! これでターンエンド…「この瞬間、リバースカードオープン! リビングデッドの呼び声! 僕の墓地にいるスチームロイドを特殊召喚!!」」
なっ! 翔の墓地から復活するスチームロイドを見て俺は驚いていた。
「してやられた。
まさか、罠があるそう思わせること事態が罠だったとはな。」
これは十代にとっては辛い立ち上がりになる。
翔ライフ1600 手札4枚
伏せ0枚 リビングデッドの呼び声(対象 スチームロイド)
伏せモンスター0枚 スチームロイドATK1800
伏せモンスター0枚 フレイムウィングマンATK2100
伏せカード0枚
十代ライフ4000 手札2枚
「僕のターン! ドロー! 僕も融合発動!! スチームロイドと手札のジャイロイドを融合してスチームジャイロイドを融合召喚!!
バトルッス! スチームジャイロイドでフレイムウィングマンを攻撃!! ハリケーンスモーク!!」
翔の言葉にスチームジャイロイドは黒煙を吐きながらフレイムウィングマンに接近する。(十代ライフ4000-2200+2100=3900)
「さらに速攻魔法融合解除を発動!! スチームジャイロイドを融合デッキに戻し、スチームロイドとジャイロイドを墓地から特殊召喚!!」
スチームジャイロイドが歪み、次の瞬間にはスチームロイドとジャイロイドに分離した。
「バトルフェイズ中の特殊召喚の為、この2体も攻撃可能ッス! 2体のダイレクトアタック!!」
翔の攻撃宣言に2体の乗り物達が十代に襲いかかった。(十代ライフ3900-1800-1000=1100)
不味いな。もう一度スチームロイドのダイレクトアタックを受けたら十代が負ける。
「気張れ! 十代!!」 隼人の応援に十代は親指を立てて答えた。
「僕は1枚伏せてターンエンド!」
翔ライフ1600 手札0枚
伏せ1枚 リビングデッドの呼び声(対象)
伏せモンスター0枚 スチームロイドATK1800 ジャイロイドATK1000
伏せモンスター0枚
伏せカード0枚
十代ライフ1100 手札2枚
「俺のターン! ドロー!
手札から融合発動!!」
十代の言葉に雷を操るHEROと粘土のHEROが融合された。
「
サンダー・ジャイアントの効果発動!! 召喚された時フィールドにいる元々の攻撃力がこのカードよりも低いモンスター1体を破壊する! ヴェイパー・スパーク!!」
その言葉にサンダー・ジャイアントは雷は落とし、ジャイロイドを破壊した。
「バトルだ!
サンダー・ジャイアントでスチームロイドを攻撃!! ボルテックサンダー!」
サンダー・ジャイアントが右手に雷を集め解き放とうとした時、
「リバースカードオープン! スーパーチャージ! 僕のモンスターがロイドのみで相手から攻撃された時、2枚ドロー!」
スチームロイドの破壊と引き換えに2枚手札を増強する。(翔ライフ1600-2400-500+1800=500)
これで十代の勝ちかな?
「バブルマンのダイレクトアタック!!」
バブルマンが右手から大量の泡を発射してそれが、翔に当たる直前、上空から落ちてきたモンスターが身代わりになってダメージを防いだ。
「手札のカイトロイドを捨てて効果発動!! ダイレクトアタックのダメージを0にする!」
「ちぇ。1枚伏せてターンエンド!」
翔ライフ500 手札1枚
伏せ0枚 リビングデッドの呼び声(対象)
伏せモンスター0枚
伏せモンスター0枚 バブルマンATK800 サンダー・ジャイアントATK2400
伏せカード1枚
十代ライフ1100 手札0枚
「僕のターン! ドロー! 手札からマジックプランターを発動ッス! リビングデッドの呼び声を墓地に送り、2枚ドロー!
サブマリンロイドを攻撃表示で召喚するッス! そして、大嵐を発動ッス!」
フィールド内を荒れ狂う竜巻が十代のフィールドで翻ったカードを破壊した。
「サブマリンロイドでダイレクトアタック!!」
翔の攻撃宣言にサブマリンロイドが地中に潜伏して十代に強襲した。しかし、十代の前に展開されている防御壁がサブマリンロイドの攻撃を防いだ。
「そんな。兄貴のフィールドには攻撃妨害のカードなんてないのに?」
「へへへ♪ こいつさ。」
そう言いながら十代が見せたカードは、ヒーローバリアだ。
「いつそのカードを使ったの?サブマリンロイドが攻撃した時は何もなかったのに。」
「大嵐にチェーンでヒーローバリアを使っていたのさ。」
そういう事か。ヒーローバリアはフリーチェーンのカード。大嵐にチェーンで使っても何の問題もない。
「してやられたッス。1枚セットしてターンエンド。」
翔ライフ500 手札0枚
伏せ1枚
伏せモンスター0枚 サブマリンロイドATK800
伏せモンスター0枚 バブルマンATK800 サンダー・ジャイアントATK2400
伏せカード0枚
十代ライフ1100 手札0枚
「俺のターン! ドロー!
…カードを1枚セット!!
バトルだ! サンダー・ジャイアントでサブマリンロイドを攻撃!! ボルテックサンダー!」
サンダー・ジャイアントの雷がサブマリンロイドを破壊した。しかし、
「リバースカードオープン! ガードブロック! ダメージを0にして1枚ドロー!」
「なら、バブルマンでダイレクトアタック!!」
「墓地のカイトロイドの効果発動ッス!
墓地のカイトロイドを除外してダイレクトアタックのダメージを0にするッス!」
勝機を3度も潰されて悔しいのか若干ふてくされたような表情をしていた。
「俺はこれでターンエンド!」
翔ライフ500 手札1枚
伏せ0枚
伏せモンスター0枚
伏せモンスター0枚 バブルマンATK800 サンダー・ジャイアントATK2400
伏せカード1枚
十代ライフ1100 手札0枚
「僕のターン! ドロー! 手札から壺の中の魔術書を発動ッス! 互いに3枚ドロー!」
翔の言葉にカードをドローする翔に十代。カードを引く度に2人の表情が変化する。
「手札から魔法カードサイバネティック・フュージョン・サポートを発動!! さらにパワーボンドを発動!!」
翔の言葉に3体のビークロイドが合体され、巨大なビークロイドになった。
「そして、強欲な壺を発動!! 2枚ドロー! 手札のドリルロイド、墓地のサブマリンロイドとスチームロイドを除外してスーパービークロイドジャンボドリルを融合召喚!! パワーボンドの効果によりスーパービークロイドジャンボドリルはその攻撃力分攻撃力がアップするッス!」
翔のフィールドに現れたビークロイドはより大きな力を発揮する。(翔ライフ500÷2=250
スーパービークロイドジャンボドリルATK3000+3000=6000)
「バトルッスよ!
スーパービークロイドジャンボドリルでサンダー・ジャイアントに攻撃!!」
ジャンボドリルがサンダー・ジャイアントを貫こうとする直前、
「リバースカードオープン! ガードブロック!」
十代の伏せてあったカードが十代のダメージを防いだ。
「1枚セット、サイバー・ジラフを召喚。サイバー・ジラフの効果によりサイバー・ジラフを生け贄に捧げ、効果ダメージを0にするよ。これでターンエンド!」
翔ライフ500 手札0枚
伏せ1枚
伏せモンスター0枚 ジャンボドリルATK3000+3000
伏せモンスター0枚 バブルマンATK800
伏せカード0枚
十代ライフ1100 手札4枚
「俺のターン! ドロー!
手札からミラクルフュージョンを発動!!
墓地のスパークマンとフレイムウィングマンを除外して
バトル!
シャイニング・フレア・ウィングマンでスーパービークロイドジャンボドリルを攻撃!!」
「バカな!! シャイニング・フレア・ウィングマンよりもスーパービークロイドジャンボドリルの方が攻撃力が高い!!」
「…三沢君いたの?」
「最初からいた!!」
明日香の呟きに名前も知らないラー・イエローの生徒が憤慨していた。
「明日香の知り合い? はじめまして。沖田士です。」
俺の自己紹介に何故かラー・イエローの生徒は観客の誰かの背中にのの字を書いていた。
「速攻魔法
「ただでは負けられないッスよ! リバースカードオープン!
シャイニング・フレア・ウィングマンとジャンボドリルがぶつかり合い眩いまでの白光がフィールドを埋め尽くしていた。
(翔ライフ500-2500-1200-6000-6000=-15200
十代ライフ1100-2500-1200-6000-6000=-14600)
○ ○ ○
白光が収まるとデュエルが終了したことに気づいてどよめいていたが、オシリス・レッドからの拍手を皮切りに、ラー・イエローやオベリスク・ブルーからも拍手を送られた。例外はサイバー流の関係者くらいか。
「十代よ!」
「いいえ! 翔様こそ代表に相応しいんです!」
横を見ると、ジュンコとももえが言い争っていた。………あ、このデュエル、ノース校との友好デュエルの代表を決めるものだっけ? …でも、引き分けってことはどうするんだろう?
「オホン。代表が2人という事は認められないでしょう。
ここは、両者失格にして遠藤君を代表に…。」
『却下。』
その場にいたほとんどの人の言葉が合致した。打ち合わせも何もしてないのに凄いな。
「しかし、引き分けである以上仕方ないと思います。
こ…。」
『それなら、両者を代表に選ぶまでだ。』
このデュエルの様子をカメラで見ていたらしい。海馬の声がスピーカーから響いていた。
『俺の権限で両者を代表にする!』
その言葉にアカデミアの生徒からの歓声により、ブーイングはかき消された。