我が魂は真紅の眼と漆黒の龍と魔導少女   作:0・The Fool

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デュエル6 月1試験帝王との争い

「神様お願いです。月1でやるテスト次第でオシリス・レッドからラー・イエローに昇格できる。これぞ、まさに『死者蘇生』!!」

 

「したいなら勉強する。というか、テスト1週間前で何やってるんだ?」

 

「不肖、この丸藤翔をラー・イエローに昇格させて下さい!」

 

 ダメだ。全然聞いてない。

 

「お願いします!どうか………。ブギャ!」

 

 俺は、翔のお祈りを止めさせる為に頭に拳骨を落とした。

 

「ううぅ。士さん。何するッス?」

 

「試験1週間前に何をしてる?というか試験はこれまでやった事をどれだけ理解しているか試すことなんだから、祭壇擬きに祈る必要はないぞ。」

 

「うぅ。でも、僕はオシリス・レッドだから、こんなことしないと、ラー・イエローにいけないッス。」

 

 ったく。しょうがない。

 

「翔。十代。隼人。筆記用具と教科書もってオベリスク・ブルー女子寮前に来い。」

 

「えー!でも、俺は、別に昇格に興味は………。」

 

「十代。なんか言った?」

 

「い、いえ。何もありません。サー。」

 

 笑顔での問いに、十代は震えながらも、否定した。

 

「よし。なら、早く来いよ?」

 

 鮎川先生に許可を貰い、ついでに、明日香と雪乃にも誘って、監視兼教師役というか、教師の鮎川先生のもと、偶然合流したラー・イエロー所属の三沼だっけ?とももえジュンコも含めた、10人の勉強会がテスト前日まで及んだ。

 

「皆。お疲れ様。今日は早く寝た方が良い。寝不足は明日に響く。」

 

「うん。士さん。ありがとうございます。」

 

「楽しかったぜ。またやろうな。」

 

「他人の勉強を見るのも良い勉強になった。」

 

 フム。翔と十代と三沼には勉強会が良かったようだ。それ以外の皆も不満もなさそうだ。

 

 

 

 あの後、こっそり女子寮を抜け出し野宿したのだが、

 

「ふ、不覚。」

 

 まさか、港からデュエルアカデミアの通り道近くで野宿するなんて。おかげで立ち往生しているトメさんと一緒にトラックを押すはめになってしまった。一応明日香にはメールで知らせてあるけど、コレは遅刻確定だ。

 

「おばちゃん!士!手伝う!」

 

「バカ言え!ここで遅刻したら今日までの頑張りがパーだろうが!」

 

「それが何だ!人が困っているのを見てほっとけるか!」

 

 ったく。十代は、バカか?その後は3人で押し、原作より15分ほど早く教室に到着した。その後は皆と一緒にテストを受けてから、皆の様子を確認すると、出来は良かったらしい。後は、実技試験だけだが………。

 

「………何で俺の相手がアンタなんだ?カイザー?」

 

 そう。自分の目の前に立つ男は翔の兄の丸藤亮だ。この組分けには悪意を感じるぞ。おそらくは鮫島校長の差し金だろう。入学初日に鮫島校長の要求を蹴り、デュエルに勝った事を恨んでいたのだろうか?まぁ、組み合わせが決定している以上断る事も出来ないかな?

 

 

 

『決闘《デュエル》!!』

 

「俺のターン!ドロー!豊穣のアルテミスを召喚!さらにカードを4枚セットしてターンエンド!」

 

士ライフ4000手札1枚

伏せ4枚

豊穣のアルテミスATK1600

 

「俺のターン!ドロー!手札から大嵐を発動!」

 

「カウンタートラップ!魔宮の賄賂を発動!大嵐を無効にして破壊する代わり、そっちは1枚ドロー!」

 

「く!ドロー!」

 

 ドローしたカードを見て笑みを浮かべる亮。でも、

 

「この瞬間豊穣のアルテミスの効果で1枚ドロー!」

 

「プロト・サイバー・ドラゴンを召喚!このカードはフィールドにある限り、サイバー・ドラゴンとして扱う!さらに融合を発動!プロトサイバー・ドラゴンと手札のサイバー・ドラゴンを融合してサイバー・ツイン・ドラゴンを融合召喚!バトル!

サイバー・ツイン・ドラゴンで豊穣のアルテミスを攻撃!」

 

「カウンタートラップ!攻撃の無力化を発動!攻撃を無効にしてバトルフェイズを終了!豊穣のアルテミスの効果で1枚ドロー!」

 

 アルテミスに向けて放たれた閃光が時空の渦に飲み込まれ消滅した。

 

「な!1枚セットしてターンエンド!」

士ライフ4000手札3枚

伏せ2枚

豊穣のアルテミスATK1600

サイバー・ツイン・ドラゴンATK2800

伏せ1枚

亮ライフ4000手札2枚

 

「俺のターン!ドロー!」

 

 亮の手札を増やす事になるけど、仕方ない。

 

「カードを2枚セットして天よりの宝札を発動!全てのプレイヤーは手札が6枚になるようにドロー!」

 

 よし!これなら、

 

「手札から洗脳-ブレインコントロールを発動!ライフ800をコストに亮のサイバー・ツイン・ドラゴンのコントロールをこのターンのみ得る!」

 

 俺のライフが引かれるとサイバー・ツイン・ドラゴンがコチラにやってくる。そして、外野が「相手のカードを!」と騒ぎ始めた。

 

 

「そして、サイバー・ツイン・ドラゴンでダイレクトアタック!」

 

「その瞬間、トラップ発動!攻撃の無力化!」

 

 サイバー・ツイン・ドラゴンの攻撃は時空の渦に飲み込まれ消滅した。

 

「豊穣のアルテミスの効果でドロー!」

 

「ちょっと待て!何でドローできるんだ!」

 

 外野は疑問にそう解説した。

 

「豊穣のアルテミスの効果は指定がない。だから、相手が使おうと自分が使おうと俺がドローできるんだ。さらに、サイバー・ツイン・ドラゴンを生け贄にして天空騎士《エンジェルナイト》パーシアスを召喚!1枚セットしてターンエンド!」

 

士ライフ3200手札4枚

伏せ5枚

豊穣のアルテミスATK1600

 

伏せ0枚

亮ライフ4000手札6枚

 

「俺のターン!ドロー!手札から死者転生を発動!手札を1枚を墓地に送り、墓地のモンスターを手札に加える!更に死者蘇生を発動!墓地のプロト・サイバー・ドラゴンを特殊召喚!さらに地獄の暴走召喚を発動!」

 

 ?おかしい。何故死者転生を使った?地獄の暴走召喚は同名モンスターを可能な限り、特殊召喚する効果。そして、プロト・サイバー・ドラゴンはフィールド上に限り、サイバー・ドラゴンとなる。この場合、サイバー・ドラゴンを特殊召喚するため、わざわざ手札に加えたりする必要はない。何故回収した?俺の疑問に答えるかのようにフィールド上に現れる4体のモンスター。って、アレは?

 

「サイバー・ドラゴン・ツヴァイ?」

 

 そうか。死者転生の効果で墓地に送ったのか。サイバー・ドラゴン・ツヴァイは墓地にある時、サイバー・ドラゴンとなる。死者転生はこの為の布石か。

 

「地獄の暴走召喚は俺のモンスターにも影響を及ぼす!2体の豊穣のアルテミスを召喚!」

 

「パワーボンドを相手に見せてサイバー・ドラゴン・ツヴァイをサイバー・ドラゴンとして扱う!パワーボンドを発動!サイバー・ドラゴン3体を融合してサイバー・エンド・ドラゴンを召喚!強欲な壺を発動!2枚ドロー!融合を発動してプロトサイバー・ドラゴンとサイバー・ドラゴン・ツヴァイを融合してサイバー・ツイン・ドラゴンを融合召喚!早すぎた埋葬でサイバー・ツイン・ドラゴンを召喚!」

 

 周りからは「終わった。」とか、「ざまぁみろ。」とか言っているのが聞こえた。どうでもいいかも知れないが、『埋葬』が『早すぎた』ということは生き埋めか?

 

「サイバー・エンド・ドラゴンで豊穣のアルテミスを攻撃!」

 

「カウンタートラップ発動!攻撃の無力化!」

 

 時空の渦がサイバー達の攻撃を飲み込んだ。

 

「カウンタートラップ発動により、3枚ドローする!」

 

「サイバー・ジラフを召喚して生け贄にして効果ダメージを無効にしてターンエンド!」

 

 

 

士ライフ3200手札7枚

伏せ4枚

豊穣のアルテミスATK1600×3

サイバー・エンド・ドラゴンATK4000+4000 サイバー・ツイン・ドラゴンATK2800×2

伏せ0枚 早すぎた埋葬

亮ライフ3200手札0枚

 

「俺のターン!ドロー!バトルフェイズ!

豊穣のアルテミスでサイバー・エンド・ドラゴンに攻撃!ダメージステップ時に2体のオネストを捨てて効果発動!エンドフェイズ時まで豊穣のアルテミスの攻撃力は、戦闘を行う相手モンスターの攻撃力の数値分アップする!」

 

 その宣言に外野の皆が騒然となった。オネストでアップする攻撃力はサイバー・エンド・ドラゴンの攻撃力、8000の2倍になるからだ。

 

「こ、攻撃力17600の豊穣のアルテミスだと!?」

 

 サイバー・エンド・ドラゴンの攻撃を弾き、豊穣のアルテミスの攻撃がサイバー・エンド・ドラゴンを破壊した。

 

<<page>>

 

 

「う、嘘だろ?あのカイザーが、負けた?」

 

「あ、ありえない。」

 

 俺の勝利に周りがざわめき出す。カイザーと言われているほどの実力者が、少し前に来た人間に負けたら驚きもするか。

 

「待ちなさい。」

 

 そんな中、鮫島校長が待ったをかけた。

 

「士君はパーミッションというリスペクトの欠片もないデッキを使いました。よって今のデュエルは無効です。」

 

 その言葉に周りが喜んでいた。

 

「さらに罰則が決まるまで自宅待機してて下さい。」

 

 俺は、肩をすくめながら亮のそばに近寄った。

 

「亮。俺の伏せカードにはキックバックがあった。アレをサイバー・ジラフに使えば亮を自滅させる事も出来た。」

 

「………何故?」

 

 俺の言葉に亮は呻くように問いかける。

 

「亮の切り札を叩き折るためだ。切り札を叩き折られた気分はどうだ?」

 

 俺はそう問いかけ、さっさと自分の部屋に戻った。

 

 

 

SIDE 亮

 

………負けた。全力を出しきったのに、それでも負けた。俺の内に悔しさと、次こそは勝ちたいという想いがあった。

 

 

 

SIDE 翔

 

 お兄さんが負けた。僕はその光景をただ黙って見ていた。士さんは強い。でも、お兄さんに勝てるとは正直思って無かった。でも、その場を去ろうとする士さんは何故か、泣きそうにも見えた。………あの人の顔を笑顔に変えられないだろうか?

 

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