Fate/trinity chalice -Revel to Heaven-   作:琴浪新(水)

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Fateの二次創作を書き始めようと思いまして、書くことにしました。
設定を二週間ほど考えまして、まず登場させたい英霊が多すぎることに気づきました。
そこで7人に絞るのをやめたあたりから暴走が始まり、現在ルートが7つあるという事態に……。
とりあえず少しづつ書いていきます。
これが第三ルート、「Revel to Heaven」「神への反逆」です。
たのルートと並行して書いている上にこのルートは構想が他の総合主人公サイドの二ルートに対してあまり固まっていないので投稿間隔がかなり開くと思いますがよろしければどうぞ。


prologue
prologue 棺の中の姫


 棺の中で私は思う。

「理不尽だ」

 棺の中で私は言う。

「ふざけるな」

 今日も、明日も、明後日も変わらないガラスのような透明の棺。

 私はそこで眠り続ける。

 死ぬ前に母が、父が、叔父が、叔母が、姉が、兄が、弟が、妹が、祖母が、祖父が、民が残した数十万の、数百万の、数千万の呪いの声が今も私の中を駆け巡っている。

 そう、あれから数千年経った今も……。

 私は明日もこんな一日を送るのだろう。

 ただ、世界を、神を呪う日々を、無限にも等しい日数をこれからも……。

 悲しくはない。

 志半ばで消えていった私の家族や民に比べれば、国家全体の刻印を受け継ぎ、悠久の時の中で我が一族の才能を開花させていく私はどれほど幸せでありがたいことか……。

 この身は我らが一族と民の復讐と志のためにあり、それなくしては私が今もこうして生かされている理由がない。

 このように幸せな私にたった数千年の孤独がなんだというのだ。

 今もこうして沈んだ陸の中の建物の中で無様に生きながらえる恥辱がなんだというのだ。

 全ては一族の見た夢と、それを阻む神を滅ぼすため。

 ああ、神を憎む。

 何故、我が一族は滅ぼされねばならない?

 ただ、真理を求め、その体に宿った神秘を育てただけなのに……。

 そんなことで私たちが滅ぼされる意味がわからない。

 真理の探求が間違いだというのか?

 では何故、神は私たちに知識欲を与えたのだ?

 我ら人類は全てお前の掌の上で踊る愉快な人形でしかないのか?

 認めない。

 認められない。

 私は抗う。

 こんな世界のルールに。

 無慈悲な運命に。

 世界の理に。

 この世の神に……。

 ああ、目を閉じれば昨日のように思い出せる。

 嵐が到来し、陸は揺れ、地は裂けて、海が盛り上がり、山は火を噴いた。

 瞬きする間に民が数万人、家族が数人死んでいった。

 兄が私を地の裂け目からかばい魔法を行使して世界に融ける。

 兄だったような何かは私に言った。

「一族の悲願を託す。刻印を受け取れ、私ではそこへ到達する前に消えてしまう」

 妹が私を押し寄せる津波からかばい魔法を行使して世界に融ける。

 妹だったような何かは私に言った。

「みんなの仇を討って! この刻印で神に裁きを」

 姉が私をなだれ落ちる溶岩からかばい魔法を行使して世界に融ける。

 姉だったような何かは私に言った。

「王国の未来をお願い。あなたなら立派な王様になれるわ。この刻印を受け取って」

 弟が私を吹き荒れる竜巻からかばい魔法を行使して世界に融ける。

 弟だったような何かは私に言った。

「この刻印も使って必ず真理を見つけて! 姉さんならきっとたどり着けるよ」

 母は私に言った。

「ここにいれば大丈夫、いつかあなたが目覚めた時が私たちの反抗の時よ。未来をお願い」

 父は私に言った。

「さぁ、棺に入りなさい。少し寂しい思いをするだろうけど大丈夫。一人が怖くなったら私たちの言葉を思い出しなさい」

 そして二人とも建物を起動する力となって世界に融けた。

 もう、誰の顔も思い出せない。

 あの日の景色と泣き叫ぶ民の顔は鮮明に思い出せるのに、私をかばって融けていった家族の顔は何一つ思い出せない。

 それでも私は考える。 

 来たるべきその日に、神を滅せるように……。




これはこのルートのヒロインの回想のようなものです。
これで彼女の出身がわかったら天才かも……。
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