バーサーカーが目を覚まして最初に見たのはキャスターの顔であった。理性が働く頭で言葉を探しているとキャスターが先に口を開いた。
「おはようございます。よく眠れましたか?」
「おかあ……さん?」
「なんでしょう」
「ここはどこ?わたしたちは何でここに居るの?」
「ここは私達の住む家です。そして貴女は私達の家族になったのです」
「おかあさんが家族?」
「そうですよ。ほらおいで」
「おかあさんあったかい」
キャスターはそう言って抱きしめる。バーサーカーは記憶には無い母の温もりを感じながら安心しきった表情をしていた。
「さて、そろそろ貴女の名前を教えていただけますか?」
「わたしたちのなまえ?」
「ええ。貴女の心に刻まれている
「わかった。わたしたちのなまえは『ジャック・ザ・リッパー』だよおかあさん」
名前を聞くキャスターに何の疑いもなく真名を明かす。記憶には無いがスッと出てきた名を告げる。それを聞いたキャスターは「良い名前ですね」と褒めてあげる。
「ジャックちゃん。他の家族を紹介しますね」
「まだおかあさんがいるの?」
「おかあさんはいませんが……それでも大事な人達です」
行きましょうかとそう言ってバーサーカーの手を取り雁夜達が待つ居間へ向かう。
「あ、その子起きたんだ。おはよう」
「シャムハトさん待ってましたよ。そっちの子もおはようございます」
朗らかとは言い難い表情の雁夜と正座しながら待っていた桜がバーサーカーに挨拶をする。バーサーカーが少し警戒していたがキャスターが大丈夫と頭を撫でながら紹介を行う。
「ジャックちゃん。この人
「よろしくね。えーとジャックちゃんでいいのかな?君とキャスターのマスターの間桐雁夜だ」
手に刻まれた六画の令呪を見せながら警戒させないよに笑顔で言う。そしてもう一人のマスターである桜も雁夜に続く。
「貴女のマスターの間桐桜です。よろしくお願いしますねジャックさん」
「うん!よろしくね。えーとおかあさん?」
「雁夜さんはおとうさん、桜さんはおねえちゃんでいいんじゃないでしょうか?」
「そっか!おとうさんにおねえちゃんだね!」
各人の呼び方が決まった所で現在は昼食の時間。家事が出来るキャスターが厨房に入り食事の準備を行う。その間に雁夜は昨晩の事を考えてキャスターにパスを繋げる。
(シャムハト、本当に桜ちゃんを襲わないよな?)
(大丈夫でございます。彼女には雁夜さん達を守るべき存在と少し刷り込みました。不安でしたら令呪を使ってもよろしいのですよ?)
(いやキャスターの言葉を信じるよ。それにしても結局桜ちゃんを巻き込む形になっちゃったな)
(雁夜さん1人では流石に2人のサーヴァントを扱うのは無理でございましたから……申し訳ございません)
(キャスターが謝ることじゃないよ。それに桜ちゃんを守る為に必要なんだろう?)
(同盟を組んでる間にアサシンのサーヴァントに桜さんが狙われたら厄介でしたもので)
雁夜1人では2体のサーヴァントの使役は無理であったため、桜に協力して貰いどうにかバーサーカーへの魔力を確保した状態である。桜の護衛や同盟相手に裏切られた場合の抵抗手段としてなど説得の末雁夜が渋々首を縦に振った結果である。
そんな話をしている横でバーサーカーは桜の真似をしてちょこんと正座をしていた。暇そうにしていた2人に何か出来ないかとキョロキョロして自身の鞄を見つける。
「シャムハトが来るまでちょっとお話ししようか」
ルポライターとして撮って来た写真を見せながら2人に思い出話を聞かせる。日本の事、世界の事、旅した先で出会った人達等様々な事を話していく。途中でロンドンの写真を見たバーサーカーが浮かない顔をしていたがすぐに気を取り直し話に耳を傾ける。
「ご飯出来ましたよ」
微笑ましい光景にニコニコしながら食事を持ってくるキャスターはそれぞれに配膳を済ませる。バーサーカーは出された
音頭を取ると同時にバーサーカーは食べ物を一口。咀嚼をして飲み込みキャスターの顔を見て一言。
「おかあさんとっても美味しいよ」
「お口に合って良かったです」
その後、桜も一緒になっておいしいおいしいと言ったりその光景をキャスターと雁夜がまるで夫婦の様に眺めていたりしながらも時間が過ぎていく。
すまない・・・遅くなって本当にすまない。次回からMSNルートに入ると思う。
桜はサブタンクになって貰いました。だってキャスター居ても2人使役は負担がデカすぎておじさんの寿命がマッハな気がしたんだもの。