ポケットモンスター 真実を求めて   作:プチシュー

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6話 メガシンカと再会

「ピジョッ〜ト!」

 

何が起こったのか俺には理解出来なかった。光が消えたと思ったら空を飛んでいたピジョットが別のポケモンの姿をしていたからだ。体のベースはピジョットなのだが顔にムクホークより細い鶏冠が垂れ下がっていて頭の後ろにも長い髪の毛のようなものが伸びていた。ピジョットはすでに最終進化系、だから進化したとは考えにくい、が先ほど男が口にしたメガシンカという言葉。突発した情報が多くて頭が全然回らなかった。

 

「何が起こったのか分からない…のような顔をしているな。確かにメガシンカはホウエン地方には伝わっていない事だから仕方がないか。」

 

再びメガシンカという単語…

 

「考えていてばかりでは何も進まないぞ、ピジョット!つばさで打つ!」

 

「!ムクホーク、お前もつばさで打つ!」

 

咄嗟の判断でムクホークに指示。再び二匹のつばさがぶつかり合う。つばさがぶつかり合った瞬間ムクホークが弾き飛ばされしまった。俺は驚いた。先ほどまで互角の勝負をしていたムクホークがいとも簡単に飛ばされた。メガシンカ…ポケモンをパワーアップをさせている事は間違いなさそうだ。

 

「ムクホーク、一旦距離を取れ!ふきとばし!」

 

「冷静だな。ピジョット離れて躱せ!」

 

「ムクホーク、はねやすめで体力を回復しろ!」

 

よし。これで一旦流れを断ち切れた。流れは早めに切らないと飲まれていくからな。今度はこっちの流れに持っていかないと。

 

「ムクホーク、かげぶんしん!ピジョットを撹乱するんだ。」

 

「今度はそっちから仕掛けるか…ピジョット…ぼうふうで全て薙ぎ払え!」

 

ピジョットのぼうふうはムクホークのかげぶんしんを全てを巻き込んだ。そしてぼうふうは森の木々を次々となぎ倒していった。

 

「これは…」

 

この光景はまさに先ほど見た森の木々がなぎ倒された光景そのままだった。

 

「森の木をなぎ倒した正体はピジョットの仕業だったのか。」

 

「そうだ。まだ行くぞ!ピジョット、つばさで…!ムクホークがいない。」

 

「今だ!はがねのつばさ!」

 

そして上空からムクホークが急降下してピジョットに向かってまっすぐ飛んできた。

 

「かげぶんしんを上手く使ったな!だがまだ甘い。ピジョット、みきり、そしてエアカッター!」

 

ピジョットはムクホークの攻撃を紙一重に躱し、ムクホークの背中にエアカッターを放った。ムクホークは躱す事が出来ず地面に落下してしまった。

 

「ムクホーク!大丈夫か?」

 

「ムクホー!」

 

ムクホークはすぐに起き上がり飛び上がった。

 

「そのムクホークは随分鍛えられているな。流石と言ったところだ。」

 

流石…やはりこのトレーナーは俺の事を知っているのか…

 

「だが力の差は明らかだ。いい加減ビリジオンを渡して貰おう。私が用があるのはアオト、お前ではない!」

 

!今、確かに俺の名前を言った。

 

「お前はいったい誰なんだ。何で俺の事を知っている?」

 

「そうか…確かにこれだとわからないよな。」

 

するとそのトレーナーは体を覆うようにまとったマントのパーカーを頭の後ろに降ろし緑色の髪の毛が出てきた。そしてゴーグルを外すと俺は言葉を失った。

 

「久しぶりだな…アオト。少し見ない間に随分でかくなったな。」

 

「リョ…リョクト兄さん?」

 

「あぁ、他に誰がいる…」

 

俺は目の前の現実を受け入れられずにいた。

 

「リョクト兄さん、やっと会えて嬉しいよ…でも何で森のポケモンを怖がられせてまでこのビリジオンを狙うの?」

 

「お前には関係ない…と言いたいが言っても無駄だろう。俺はそのビリジオンに聞きたいことがある。ただそれだけだ。」

 

「聞きたいこと?」

 

「おい!ビリジオン、今俺の質問に答えればすぐにでも手を引いてやる。テラキオンはどこにいる?」

 

「テラキオン?」

 

それがリョクト兄さんがポケモン達を怖がらせてまで探しているポケモンなのか。

 

「テラキオンの場所は知らないと何度も言っている。」

 

ビリジオンの声が頭に響いた。

 

「嘘をつくな!本当の事を話させてやる、ピジョットつばさで打つ!」

 

「ムクホーク、はがねのつばさ!ビリジオンを守れ!」

 

ピジョットのつばさ打つに向けてムクホークのはがねのつばさをぶつけピジョットの攻撃を阻んだ。

 

「アオト…邪魔をするなと言ってるだろ!」

 

「……リョクト兄さんはテラキオンの居場所をしるためだけに森のポケモン達を怖がらせたの?」

 

「・・・・仕方なかったんだ。」

 

「仕方なかった…かリョクト兄さん悪いけど俺は納得できない。」

 

「納得してもらうつもりもない。アオト、これ以上邪魔するならお前から片付ける。」

 

「臨むところだ。リョクト兄さん!」

 

「そうか…兄弟のお前とは本気で戦いたくないと思ったが仕方ない。ピジョット、せめてもの情けだ。一撃で決めるぞ。ゴットバード!」

 

「ムクホーク、全ての力をこの技に…ギガインパクト!」

 

二匹は大空に高く飛び上がり一気に急降下した。ピジョット、ムクホークは互いに黄金のオーラを纏い徐々に接近していった。この一撃で決まるだろう。

 

「アオト…戦いは先に熱くなった方が負ける。冷静であれって俺が教えた事覚えているか?」

 

それはもちろん俺も覚えていた。旅を出る前にリョクト兄さんが最初に教えてくれたいいトレーナーになる教えの1つだ。

 

「もちろん覚えているよ。最初の教えだから。」

 

「そうか…なら俺の戦い方を考えたうえでギガインパクトを指示したんだな?」

 

うん?何を言ってるんだ…戦い方?……‼︎

 

「まさか…まずい!」

 

「やはり冷静ではなかったようだな!もう遅い!ピジョット、スピン&リターン」

 

ピジョットはムクホークと接触する直前に全身を回転させ紙一重で避けた。そして再びムクホークに向かって行った。ムクホークはギガインパクトの反動で動けず飛ぶ事を維持するだけで精一杯だった。

 

「ピジョット、その動けないムクホークにギガインパクトだ!」

 

ピジョットはそのままムクホークに向かってギガインパクト。ムクホークは躱すことができずに飛ばされアオトの近くにある木に衝突した。ムクホークはそのまま地面に落ちて目を回してしまった。俺は急いでムクホークをボールに戻した。

 

「勝負あったな、アオト。冷静な判断ができない今のお前が俺に勝てるわけないだろ。」

 

くそっ言い返すことが出来ない。

 

「さてビリジオン、もう一度聞こう。テラキオンはどこだ。」

 

「…知らないと言っている。」

 

「そうか…なら仕方ない!ピジョット、エアカッター!」

 

ピジョットは俺たちに向けてエアカッターを飛ばした。まずいと思いラグラージを出そうとしたが間に合わない事は目に見えていた。どうすれば…

 

「ラル〜!」

 

「ラルトス!」

 

ラルトスがバックから飛び出してエアカッターの進路上に立ちふさがったのだ。

 

「やめろ、ラルトス!…くっそ間に合え!」

 

俺は飛び出したラルトスを後ろから抱きかかえた。そしてすぐに体を後ろに向けた。これならラルトスを守ることが出来るからだ。そして俺はエアカッターを受ける覚悟をした。だが突然謎の光が突然俺を包んだのだ。俺は突然の光で目を開けることができなくなった。

 


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