魔法少女リリカルなのは~俺は転生者じゃねえ!~   作:サッカー好き

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第24話『俺がモテる?そんな訳ないじゃん!前編』

12月。

俺、騎士(ナイト)がU-12サッカー日本代表海外遠征合宿に参加して2週間が経った。

 

代表初参加で最年少、それにクラブチームではない選手という事もあり、他の選手からはこいつで大丈夫なのかと不安の言葉や舐めきった視線を向けられた。

 

だが、この2週間で色んな海外のチームと試合して俺も多少なりとも活躍。

その活躍で皆から信用を得ることが出来た。

 

もう友達といっても良い人もいる。

 

「なのになんで・・・なんでこんな事をするんだよ!」

 

ここはホテルの一室。

かけ布団で簀巻き状態にされた俺はそう叫んでいた。

 

目の前にいるのは俺を仲間として認めてくれたチームメイト達。

その先頭にいるのは、夏の合宿で会った本田俊輔だった。

 

俊輔は元々U-12日本代表でキャプテンに任命されている。

未来のエースストライカーとしてかなり注目を浴びているそうだ。

 

チームメイトと仲良くなれたのは俊輔のフレンドリーな対応のおかげと言っても良いだろう。

 

そんな俊輔がどうしてこんな事を?

 

「そんなの決まっとるやろ・・・制裁や」

「せ、制裁・・・?一体俺が何をしたっていうんだ!」

 

全く見に覚えのない罪に俺は必死に冤罪を主張する。

 

「自覚ないちゅうんは尚更性質が悪い。騎士(ナイト)はんは俺たちだけではく、全男子達を敵にしたんや!」

「全男子!?」

 

あまりのスケールの大きさに俺は愕然とした。

 

でも、俺は本当に何もしていない!

ついさっきまで、あんなに仲良かったのにどうしてこうなったんだ!

 

「自覚ないようやから、分からせる為に制裁に至った理由を教えたる。斉藤はん頼むで」

「おう」

 

このチームの中で一番背の高い斉藤大吾さん。

12歳で俺と同じGKのポジションだ。

ポジション的に俺のライバルなんだが、まだ基礎がなってない俺に丁寧に指導してくれた優しい人だ。

 

そんな人まで俺を敵視していたなんて・・・。

 

騎士(ナイト)。今から聞く質問を正直に答えるんだ。良いな?」

「は、はい・・・」

「今日の昼頃。お前は誰かと電話していたな?誰としていた?」

 

で、電話?

 

「えっと、幼馴染とですが・・・」

「名前は?」

「月村すずか、です」

「その後、すぐに自分から電話していたな。それは?」

 

一体何の意味がある質問なんだ?

よく分からないけど俺は正直に答える事にした。

 

「アリサ・バニングス、です。この子も幼馴染です」

「電話したのはその子だけではないだろ?親を除いて全員答えるんだ」

「あ、はい。高町なのは、フェイト・テスタロッサ、アリシア・テスタロッサ、八神はやて、です」

 

俺は今日連絡したみんなの名前を挙げていく。

みんなから1日一回は必ず連絡しろと俺が海外に行く前に言われたんだよな。

 

俺が海外に行って2週間。

あっちではかなり動きがあったらしい。

 

まずはフェイトが海鳴市に帰ってきた。

 

予想以上に予定が早く終わったらしく、俺と入れ替わりになってしまってとても残念である。

 

そのフェイトとアリシアが俺やアリサ達が通う小学校に転入した。

フェイトはアリサ達と同じクラスで早速クラスの人気者だそうだ。

 

アリシアは年が違う為、違うクラスだが持ち前の明るさで友達がすぐに出来たらしい。

 

時折、フェイトの様子を見に行くそうでその度にみんなからそっくり過ぎて驚かれるそうだ。

 

そして残念な話もある。

はやてが入院した。

 

かなり驚いたが命に別状はないとのこと。

本人から私は大丈夫だからちゃんと代表に集中してな、と釘を刺されてしまった。

 

これで散々な結果になってしまったらはやてに申し訳ないので頑張っているんだけど・・・。

 

「えっと、この質問に何の意味が?」

「今あげた子達は皆女の子か?」

 

俺の質問は華麗にスルーされて斉藤さんに質問されてしまう。

なんか周りの皆の空気がどんどん悪くなっているような・・・?

 

「そうですけど・・・」

「俊輔。弁解の余地はない。どうする?」

「ええっ!?」

「せやなー。みんなはどうしたい?」

 

弁解の余地ないの!?

俊輔の問いかけにチームメイト手を挙げて発言をしだした。

 

「今夜は簀巻きで吊るして寝させる!」

「逆さ吊りの方がよくない?」

「今から監督の目の前で監督の悪口を言わせる!」

「女の子を紹介してもらう!」

 

『・・・それだ!』

 

それだ!、じゃねえよ!

訳がわからないよ!

 

騎士(ナイト)はん。あんたはモテ過ぎたんや。だから皆から怒りを買ってもうた。観念しいや」

「出来るか!っていうかモテ過ぎって俺が?そんな訳ないじゃんか!」

 

俺は告白とかされた事ないし、した事もないんだぞ!

告白しようと思ったことはないけどさ!

 

「まさかのモテている自覚もなしなんか・・・アリシアちゃんも苦労するわな」

「なんでそこでアリシアの名前が・・・?」

「そりゃあ、態々遠くまで応援に来てくれて、気絶して病院に搬送される騎士(ナイト)を泣きながら付き添う女の子なんて、好き以外なんやちゅうねん」

 

え?

そういうもんなの?

友達がそうなってたら俺もそんな感じになると思うんだけど・・・?

 

「こりゃあ、アリシアちゃんや他の女の子の為にも一肌脱がなければあかんな」

「い、一体何を・・・?」

 

ニヤリと笑みを浮かべる俊輔。

そんな笑みは大抵悪巧みで良い事があった試しがない。

 

「題して『俺の事大好きですか?ゲーム』!」

『FUuuuuuuuuu!!』

 

俊輔の言葉にチームメイト達が大盛り上がりする。

俺だけが盛り上がる事が出来ず唖然としていた。

 

「ゲームは至ってシンプルや!騎士(ナイト)はんがさっき名前を挙げた女の子達に電話して『俺の事好き?』って聞くだけや!」

「まあ、それくらいなら・・・」

「しかし!十中八九、女の子達は『好き』と答えるはずや。その後が本番や!」

 

本番?

何が何やら分からない俺は黙って俊輔の話を聞いていく。

 

騎士(ナイト)はんは『それは異性として?』と聞くんや。その時の反応で女の子達が騎士(ナイト)はんの事をどう思っているのか分かるちゅう寸法や!」

 

俊輔の説明に感嘆の声をあげるチームメイト達。

俺はもう嫌な予感しかしない。

どうにしかして逃げたいと思ったが狭い部屋で俊輔達相手に逃げ切れると思えないので諦める事にした。

 

「そんじゃあ、早速やってもらうで!最初は月村すずかちゃんや!」

「はいはい」

 

俺は携帯ですずかに電話を行った。

少ししてすずかが電話に出る。

 

『はい、すずかです』

「すずか。騎士(ナイト)だけど今大丈夫?」

『うん。大丈夫だよ。今からお稽古で車に乗っているところだから』

 

もう学校は終わっているようだ。

俺の遠征先はヨーロッパで時差が7時間くらいあるらしいが、日本だともう学校が終わる時間帯らしい。

 

「もしかして、アリサも一緒?」

『ううん。アリサちゃんはいないよ。どうしたの?』

「いや、その・・・すずかに聞きたいことがあってさ」

『聞きたいこと?なに?』

 

うっ、いざとなると緊張してきた。

俊輔達は声に出さず『言え!』と書かれた紙で指示してくるし、覚悟を決めよう。

 

「すずかさ・・・。俺の事、好き?」

『え?』

 

さっきまでスムーズになされていた会話が止まった。

どうしよう。

この沈黙が心を苦しめるんだけど・・・。

 

『う、うん。好きだよ』

「そ、それは異性として、か?」

 

言ってしまった。

なんかとても心臓がバクバク言ってやばい。

 

『それは・・・』

「それは・・・?」

『・・・秘密、です』

「え・・・?」

 

秘密?

どうして?

 

『私がその先を言う資格はないから・・・。でも、いつか言えるときが来たらその時はちゃんと言いたいな・・・』

「すずか・・・」

 

なんだろう。

とても深い何かを感じたような、そんな気がした。

 

『ご、ごめんね。なんか暗くなっちゃったね。あっ!騎士(ナイト)君がクリスマスプレゼントでくれた毛糸の帽子、今も大事に使ってるよ!』

「お、おう!気に入ってもらえてよかった。本当はクリスマスに渡したかったんだけどな。そうすればもっとクオリティ高く作れたんだが・・・」

『え?これ騎士(ナイト)君が作ったの?お店で買った物だと思うくらい暖かいし手触りも良いし可愛いデザインなんだけど・・・』

 

そういえば手編みだって言うの忘れてたな。

 

「おう!時間がなくて急ごしらえだったが心を込めて作ったからな!気に入ってもらえてよかった!」

騎士(ナイト)君の女子力高すぎだよ・・・』

 

何故か落ち込んだ感じになってるけどどうしたんだ?

 

「長話も悪いからそろそろ切るな。急に電話して悪かったな」

『う、ううん!私はいつでも電話してもらって大丈夫だから!またね、騎士(ナイト)君』

「おう」

 

こうして、すずかとの電話が終了した。

一息ついて俊輔達を見ると何故かとても気まずい表情をしていた。

 

「な、なんだよ?」

「い、いや、なんかとても悪い事をしてしもうた気がしてのう・・・。ワイが思い描いてた展開と少しばかりそれてもうたから・・・」

 

そう思うなら最初からこんな事させないでほしい。

言っておくが俺のほうが罪悪感が半端ないんだぞ?

 

「いや、でも、訳ありはあの子だけかもしれへん!次や次!」

「まだ続けんのかよ・・・」

「ほらほら、はようせんかい!」

『はーやーく!はーやーく!』

 

うるさい奴らである。

俺は溜息を吐きながら、今度はアリサに電話をかけた。

 

『もしもし?』

「アリサ!俺だよ俺!」

『生憎、俺俺詐欺は間に合ってるわ。さようなら』

「オイコラ!?分かって言ってんだろ!騎士(ナイト)だよ!」

 

会話始めてまだ10秒で切られるのは勘弁願いたい。

 

『冗談よ冗談。で、何の用?』

「えっ?ああー、その・・・」

『切るわ』

「ちょっとは待ってくれても良くないか!?」

 

なんて我慢の出来ない奴なんだ。

 

『だって、騎士(ナイト)が用もないのに電話してくるなんてありえないし』

「うっ・・・」

 

確かに俺は携帯で連絡を滅多にしない。

電話とメールくらいしか出来ない安物の携帯だから仕方ないんだけど・・・

 

「そ、そういえば、俺がプレゼントしたマフラーは使ってくれてるか?」

『ああ、あれ?まあ、使ってあげてるわよ』

「それは良かった。あれが一番作るのに手間がかかったからな。使ってもらえてるなら良かった』

『やっぱりあのマフラーは騎士(ナイト)が編んだのね』

 

アリサにも手編みとは言ってなかったのだがどうやら気づいていたらしい。

 

「どこか不具合でもあったか?」

『いいえ。適当な店で買うよりも良い出来だったわ。あんたは主夫にでもなりたいの?』

「いや、そういう訳ではないのだが・・・」

 

何故かは分からないけど機嫌が悪くないか?

 

「どうしたんだ?もしかしなくても怒ってる?」

『別に?怒ってないわ。どっかの誰かさんが本当に一回しか連絡してくれないからムカつくとかそんなんじゃないわよ?』

 

答えじゃねえか!

 

「わ、悪かったって!明日からはもっと連絡する回数増やすから、な?」

『・・・本当?』

「本当本当!」

『なら、許してあげるわ』

 

やっぱり怒ってたんじゃねえか!

というツッコミは置いといて、おかしい。

当初の予定とは違う展開になってしまったではないか!

 

「そ、それとさ。アリサにひとつ聞きたいことがあるんだけどさ」

『何よ?』

「俺の事好き?」

『・・・はあ!?きゅ、急に、な、ななななに言ってんのよ、あんたは!?』

 

ある意味想像通りの反応でほっとしている。

とりあえず、話を進めよう。

 

「どうなんだよ?」

『ええっ!?そ、そんなの・・・す・・・』

「す?」

『す・・・好きじゃないわよ!このバカバカバカ!もう本当に切るからね!それと約束ちゃんと守りなさいよ!良いわね!』

「あ、ああ」

『じゃあね!』

 

最後はまるで嵐のようなマシンガントークで終わらされてしまった。

 

「ふう、疲れた。・・・みんな何飲んでんの?」

「コーヒーや。ブラックの」

「なんで?」

 

一応もう夜中だぞ?

眠れなくなっても知らないからな。

 

「あんな甘い会話聞かされたら苦いコーヒーを飲みたくなるに決まっとるやんか!」

「俺、初めてブラック飲んだけどこんな甘かったっけ?」

「俺も俺も!」

「コーヒーがなかったら砂糖を吐いてたかもしれん・・・」

 

意味が分からない!

人から砂糖なんて吐ける訳ないじゃないか!

 

「でも、これで俺がモテてなんかいないと証明出来たろ!」

「これでモテてないと言い切れるお前の方が意味が分からんわ!」

『そうだ!そうだ!』

 

なんでさ!?

俺は今、触れてもいないのにファウルをとられてイエローカードもらった選手の気持ちだよ!?

 

「コーヒー飲んで目が冴えたし、この調子でガンガン行くで!」

『おおおっ!!』

 

俺はコーヒー飲んでないからとても眠いんですけど・・・。

どうやらこのバカ騒ぎするチームメイト達と長い夜を過ごす事になりそうである。




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