魔法少女リリカルなのは~俺は転生者じゃねえ!~ 作:サッカー好き
楽しんで読んで頂けたら幸いです!
「おっ・・・」
「あっ・・・」
「?」
俺、
自分と被った事に動揺したのか、なのはも思わず口に出てしまったようだ。
「どうしたの?」
「いや、なんでもないよ。頂きます!」
「ど、どうかな?ケーキ初めて作ったんだけど・・・」
「おう!とても美味しいぜ!」
「本当?良かった・・・」
とても安心した表情を見せるフェイト。
俺はフェイトのチョコケーキを食べ続ける。
「なのはは
「ふえっ!?」
フェイトはこの中でなのはだけが俺にプレゼントをしてないから気になってそういったのだろう。
だが、なのはからは既にもらっているからある訳がない。
「えっと、もう渡してあるんだ」
「そうなんだ!どんなのをあげたの?」
「うーんと・・・」
とても話しづらそうな表情をするなのは。
なのはとしてはアリサ以外のプレゼントを見てしまったから自分も教えないといけないのではと考えているのかもしれない。
「私は、その・・・」
「フェイトと同じチョコレートケーキだったぞ」
「
このままじゃ変な流れになりそうだから俺が変わりに言ってやった。
「ほら、これがなのはが作ったケーキだ」
「えっ、写真撮ってたの!?」
俺はなのはが作ったケーキの写真を皆に見せる。
なのはが止めようとしてくるが、片手で抑えることで無力化させた。
「へえ!なのはが作ったケーキなんて初めてみたわね!」
「うん!とても美味しそう!」
「・・・・・・」
感心した様子のアリサとすずかだったが、フェイトの様子が少しおかしい。
それをなのはも気づいたようで、フェイトの方に視線を向ける。
「なのは・・・」
「な、なに?フェイトちゃん?」
「私に・・・私にもケーキの作り方を教えて!」
「・・・ふえ?」
フェイトのお願いに唖然としているなのは。
どうやらなのはが思っていた展開とは違っていたようだ。
「だ、ダメ、かな?」
「う、ううん!大丈夫だよ!」
「ありがとう、なのは!」
なのはは深く考えすぎなんだよな。
被ったくらいでフェイトは何も思わないだろうに。
「それで、どっちのケーキが美味しかったの?」
「・・・ふえ?」
あ、なのはのがうつった。
アリシアがいきなり質問をぶつけてきたのだ。
なのはのケーキとフェイトのケーキ、どちらが美味しかったのかと。
「・・・どっちも美味しかったぞ?」
「そうだろうけど!どっちかというなら?」
妙にしつこいアリシア。
俺はふとなのはとフェイトの方を向いた。
「・・・・・・」
2人とも俺の方をジッと見ていた。
凄く答えにくい。
こうなればやる事は1つだな。
「どちらも美味しかった!以上!さらばだ!!」
「あっ、逃げた!!」
お弁当と貰ったプレゼントを持った俺は風のようにその場を後にした。
「で、結局、放課後に捕まって正直に言うたんか?」
「言ったさ。想いが込められた物に優劣なんてつけられないって」
学校が終わった後、はやてと遊ぶ約束をしていたのでそのままはやての家に来ていた。
その日の事を話していた訳だが、はやてに引かれた顔をされてしまう。
「それで皆が納得したんか?」
「しなかった・・・。だから、後日料理対決をしようって話になってしまった。あ、はやては審査員役な」
「なんでやの!?」
いや、お前は他の皆に比べたら料理歴長くてずるいじゃん。
一部では俺の母さんより美味い料理作るし。
「それほど、皆がはやての料理を認めているってことさ。俺もそうだしな」
「むう。まあ、そう言われて悪い気はせえへんけど・・・」
それでも自分の得意分野で対決に参加出来ないのは残念なようだ。
「なあ、
「良い訳ないだろ、ヴィータ」
皆から貰ったプレゼントが入っている袋を持ちながら聞いてくるヴィータ。
えー、と残念そうな顔をするな。
「でも、一緒に食べるなら良いぞ。好きなの選んできな」
「マジで!?よっしゃー!どれにすっかな!」
「なんだったらはやて達も選べよ。勿論、俺も食べるから絶対に全部食うなよ?」
「ええの?」
「ああ。そうでもしないと、一向に減らないからな」
それでダメにするくらいならそうした方がいい。
各自、自分の食べたい物選んで一緒に食べる。
「箱がカラフルで可愛いから選んだけど、チョコもカラフルで可愛いわ!それにとっても美味しい!はい、
「あーん」
シャマルさんにピンクで可愛いチョコ食べさせてもらう。
確かに美味しいな。
「
「あーん」
リインフォースさんに長方形で薄いチョコを食べさせてもらう。
確かに少し苦い。
でもこれが大人の味と言うやつなのだろう。
「おい、
「あむ」
ヴィータに一口サイズの丸いチョコを食べさせてもらう。
噛んだら甘酸っぱいジャムが出てきて、それがチョコと上手く絡み合って美味しい。
「・・・
「あーん」
シグナムさんに抹茶のケーキを食べさせてもらった。
さっきからチョコばっかりだったから助かる。
というか、シグナムさんはなんで頬を少し赤らめていたんだろう?
「ちょい待ち!なんや?なんやこの状況は!?」
いきなりはやてが叫びだした。
「どうしたんだよ?」
「どうしたじゃあらへん!
周りの状況?
えっと、とりあえず、俺は一人用のソファーに座るリインフォースさんの上に座っている。
これは、はやての家にくれば必ずなる状況だ。
両端にはソファーの手かけに座るシャマルさんとシグナムさん。
2人とも美味しそうにお菓子を食べている。
足元にはソファーを背もたれにして床に座りながらお菓子を食べるヴィータ。
そして、テレビの前で何かの番組を見ているザフィーラ。
この状況から見て・・・。
「なんで皆俺の近くでチョコ食べてんの?」
「そうだけど、それだけじゃないやろ!なんで皆、
言われてみると確かにそうだ。
4人が新しいチョコを食べる度に俺に食べさせてくれる。
まるで一国の王様になったような気持ちになるな。
「
「他の者がそうしていたので、そういうものなのかと・・・」
「言われてみたら確かに恥ずかしいな・・・。お菓子が美味しくてテンションが上がってた・・・」
シャマルさん、シグナムさん、ヴィータと自分の意見を言った。
リインフォースさんはというと、
「
「そういえばそうだな。俺も最初は恥ずかしかったのに今では全然違和感を感じない・・・」
「あかん。
はやての言う通りで俺はいつの間にか食べさせて貰う事に違和感を感じさせないように洗脳されていたのかもしれない。
昼ごはんの時だって、すずかから食べさせて貰ったけど特に抵抗は感じなかった。
「すまん、はやて。もう少し自重するように気をつけるよ」
「その方がええよ。どうしてもって言われた時にするんやで。はい、あーん」
「あーん・・・あっ」
はやてにチョコを差し出されたのでそのまま食べてしまった。
自重するって言ったばかりだったのに・・・。
「先は長そうや」
ちくしょう・・・。
「さて、
こんにちは、八神はやてです。
「お?用意してくれてたんだ」
「当たり前や。というか、その為に今日は呼んだんや」
「なるほど。それで何をくれるんだ?」
とても嬉しそうに言ってくれる
数え切れないほど貰ってるから少し心配やったけど杞憂だったようやね。
「リインフォース、ヴィータ。渡してあげて」
「はい、主」
「うん」
指示して2人が持ってきたのは2つの袋。
それを
「両方ともでかいな。何が入ってるんだ?」
「それは空けてみれば分かるよ」
「なんだろうな!」
プレゼントを気に入ってくれるとええんやけど・・・。
「おおっ!?GKグローブとサッカースパイクじゃん!しかも俺のお気に入りのメーカーの最新モデル!!」
「気に入ってくれた?」
「ああ!って、バレンタインってそういうんじゃなかった気がするんだけど?」
まあ、確かにそうかもしれへんけど、お世話になっている・感謝したい人にあげたいって所は一緒だからええんや。
「私達八神家からのバレンタインプレゼントって思ってくれればええんよ」
「でも、これだけで2万はかかった気がするんだが・・・」
「値段など無粋な事は気にするな」
「その通りだ。それにこの程度では私達が受けた恩を返しきれない・・・」
シグナムやリインフォースの言う通り。
その恩はサッカースパイクやGKグローブの1個や2個くらいじゃ返せない。
「まあ、そこまで言うならありがたくもらうぜ。でも両方とも少しサイズがでかいな」
「それはあえてそうしたのよ」
「急にプレゼントしても今使ってんのを捨てる訳にはいかないだろうからって考えてさ。
シャマルとヴィータが説明で、なるほどと納得する
しかし、
「どうしたん。なんか変なところでもあった?」
「いや、そうじゃなくてさ。はやて達への一ヵ月後のお返しはどうしたら良いんだろうかと思ってさ」
どうやらもうホワイトデーの事を考えているらしい。
「別に気にせんでも良いよ。これはバレンタインというより普段のお礼って感じやし。最悪なくても問題ないで」
「それじゃあ、俺の気が済まない!絶対皆が喜んでくれるようなお返しを渡すからな!」
そういってまた腕を組んで悩む
これで、私達を喜ばせるプレゼントをされたら、また私達がお返しをしないといけなくなる。
したらしたで、
でも、それはそれで楽しそうや。
一ヵ月後のお返し、期待してるで