「大倶利伽羅ラプソディ」<番外編>審神者、悲しみの本丸へ行く 作:立花祐子
「あれ?また長谷部君から、メールだ。」
私はビールの蓋を開きながら、呟いた。私が本丸を訪問してから、3日が経っていた。
長谷部君からは、毎日何かしらのメールは来るが、1日に2回も来るのはなかなかない。
まさか、また何かあったんじゃ…
そんな不安がよぎり、急いでメールを開いた。
添付ファイルがある。動画だ。
私はぞっとするものを感じた。前に動画が添付されていたのは、2代目「大倶利伽羅」君達のお別れのビデオレターだったからだ。
しかし、メールの本文を見てほっとした。
『主様 何度もメールをお送りすることをお許しください。
先日、主様に元気づけていただいたお礼として、大倶利伽羅が発案したプレゼントをお送りいたします。
喜んでくださると嬉しいのですが…。
へし切長谷部』
なんか、長谷部君らしくない尻切れトンボなメールだな???
でも、倶利伽羅君発案ってのがそそる。
よしよし、見てやろうじゃないの?ぽちっとな。
……
画面が映る。
紫色のアネモネの花畑が映る。
(主:(ちょっと苦い思い出がよみがえり、苦笑する))
カメラが徐々にズームアウトすると、短刀達が武装具を外した正装で、花畑の前に整列している。
最前列中央には、乱藤四郎がいる。
(主:おおおおおお!)
軽快な音楽が鳴りだす。
(主:!!これ「神のまにまに」だっ!この曲大好き!)
イントロが始まると同時に、短刀達全員が可愛く踊り出す。
(主:きゃあああああああああああああああああああっ!!)
短刀達は、時々列を広げたり、場所を交代しながら踊っている。レベルがなかなか高い。
(主:涙があふれるのを、何度もぬぐいながら画面を凝視している。)
曲が終盤に差しかかった時、短刀達の最後列に、第1部隊の面々が武装具を外した正装で参加する。
(主:!!うそおおおおおおっ!!)
石切丸、光忠、獅子王、大倶利伽羅、長谷部がなんと笑顔で踊っている。
これまた、なかなかキレ(?)がいい。
(主:また涙が溢れてきて、何度も目をこする。)
最後、全員がポーズを取って終わった。
(主:独りで大拍手!)
短刀達が、両端に分かれ、大倶利伽羅が前に進み出る。
(主:????(涙をぬぐいながら、画面を凝視)
イントロが鳴り出す。短刀達が曲に合わせて踊る。
(主:!!!「未来景イノセンス」!)
大倶利伽羅が、歌いだす。
(主:(悲鳴を上げかけるが、声が聞こえなくなるので、口を両手で抑える)
その後、獅子王、石切丸、長谷部、光忠が、それぞれ順番に交代しながら歌う。
(主:みんな、歌うまいーーー!(思わず呟く))
最後のサビは、第1部隊が5人並んで、手振りだけ短刀達に合わせながら合唱する。
(主:もう涙が溢れて画面が見えていない)
短刀達が、エンディングを可愛く踊り、曲が終わる。
(主:両手で顔を覆って泣いている。もう画面が見れていない。)
短刀達が、画面に向かって走り寄ってきているが、主、気づいていない。
『主様ーーーっ!!また、来てねーっ!!ずっと待ってるよーーーっ!!』
その可愛い声に、主、驚いて顔を上げる。
すると、画面がゆっくり上を向き、青空を映し出した。
短刀達の悲鳴。
『カメラ倒しちゃったーーー!』
『えっ!?何っ!?』
誰かが駆け寄ってくる足音。
突然、長谷部が画面を見下ろす顔が映る。
(主:きゃーーーー!長谷部君のドアップ!)
『壊れてないだろうな???』
大倶利伽羅が、長谷部の横から覗き込んでくる。
(主:きゃーー!倶利伽羅君ー!(つい手を振る))
『RECのランプついたままだから、大丈夫じゃない?』
『え?ついてる?』
『ついてるよ、ほらここ。』
『あ、ほんとだ!良かった良かった。』
大倶利伽羅が画面から消える。長谷部がカメラを起こす様子。
(主:いいわぁ、このメイキング的な余韻(思わず呟く))
短刀達が、お互いハイタッチしている様子が映る。その横で石切丸と獅子王が、何か恥ずかしそうに口に手を当てて話している。光忠が近づいてくる。近づきすぎて、胸元しか映っていない。
『カメラ大丈夫なのか?』
『うん。大丈夫だ。』
長谷部が返事する声。
大倶利伽羅の声がする。
『よーーーし、みんなー!大広間に戻って、これ見るぞー!反省会だー!』
『はーーーい!』
短刀達の元気な声。
光忠と長谷部の顔が、画面に映る。
(主:きゃぁ!光忠君映ったー!!(手を振る))
光忠が手を振り「主、またね。」と言う。
(主:!!!?もしかして聞こえた!?(なわけない))
長谷部も、笑顔を見せて手を振る。
(主:(慌てて振り返す))
画面が暗くなる。
(主:(余韻に浸っている))
…沈黙…
(主:もう1回見よっ!!!)
主、再び、動画を開く。
………………
挿入曲:「神のまにまに」by れるりり様
「未来景イノセンス」by koyori様
…………
……
(お粗末さまでございました。恥ずかしながら、ちょっとでも楽しんでいただければ幸いでございます)by立花祐子